サクラの原産国は、どこだと思いますか?

バラ科 モモ亜科 スモモ属 サクラ亜属の原産国は、中国のヒマラヤ付近とされています。 
一方、韓国文化庁や韓国国立山林科学院暖帯山林研究所によると、サクラの原産国は韓国の済州島だそうです。

日本人にとって、桜の代表はソメイヨシノですが、河津桜や八重桜、緋寒桜、山桜など感心がある桜はいくつもあります。
これらは、バラ科 モモ亜科 スモモ属 サクラ亜属に属する桜です。
従って、大元の原産国は、ヒマラヤです。

ただ、桜は自家不和合性と呼ばれる雑種を作りやすい性質を持ちます。
桜の雑種の代表格が、ソメイヨシノです。
遺伝子解析から、ソメイヨシノは、エドヒガンの遺伝子が47%、オオシマザクラが37%、ヤマザクラが11%、不明な遺伝子が5%だと、判明しています。
また、ソメイヨシノはめったに種を作ることはありません。
これは、雑種の特徴です。
稀にできるソメイヨシノの種を基にした研究では、エドヒガンとオオシマザクラの特徴が連続的に出ており、主としてこの2種がソメイヨシノの祖先だろうと推定されています。



さて、おかしいですね。
韓国の政府筋で「サクラの原産国は韓国!」と言っていましたね。
韓国が言う「サクラ」って、なに???

韓国の済州島には、王桜と呼ばれるサクラがあるそうです。
日本名は、エイシュウザクラです。
エイシュウザクラは、1908年にフランス人によって採集され、1912年に新種であることがドイツ人によって確定したサクラです。
韓国政府は、「エイシュウザクラはサクラの起源!」と言っています。
また、「ポトマック川のサクラは韓国起源!」とも言っています。
その根拠は、「1913年に小泉源一氏が済州島の桜とソメイヨシノは特徴が一致すると発表した」ことを基にしているようです。


さてさて、問題は解決するどころか、ますます混沌としてきました。

というのも、ポトマック河畔に桜を送る計画は、1885年からシドモア女史が提案をしていて、1909年に水野ニューヨーク総領事らによって立案され、1910年には桜の苗木が船積みされています。
この時は、輸送途中で枯れてしまいましたが、1912年2月に再び横浜港を旅立ち、同年3月27日にはポトマック河畔に植樹されています。
エイシュウザクラが新種と確認される4年前に計画され、3年前には一度はチャレンジした桜の植樹計画に、エイシュウザクラを含めていたとは考えられません。
現在、ポトマック河畔にある桜は、エイシュウザクラが新種と確認される前年に植樹されています。
「ポトマック川のサクラは韓国起源」と言うには、時間的な矛盾がありますね。

韓国側に都合が良いように、日本が朝鮮半島に影響を及ぼし始めた1896年(日韓併合は1910年)に遡っても、矛盾が残ります。
DNAの研究により、ソメイヨシノで同定できていない遺伝子は5%しかありません。仮に、この5%がエイシュウザクラだとしても、少なくとも4回の交配が必要です。桜は、年に1回しか結実しないので、仮に発芽1年目で結実するとしても、4回の交配には4年は掛かります。
となると、1900年以前にエイシュウザクラ起源のソメイヨシノは誕生しません。
桃の仲間である桜が発芽の年に結実するとは考えにくく、桃栗三年で考えると、交配には1910年頃まで掛かるはずです。

ポトマック川に送られた桜の内、ソメイヨシノの苗木は1800本だそうです。
前述のように、ソメイヨシノは種では増えないので、挿木などをしなければなりません。仮に1900年にソメイヨシノの交配が終わっていたとしても、幼木から1800本の苗木を作るのに僅か10年、最長でも12年で完成させられるとは思えませんし、傷に弱い桜の貴重な幼木から挿木を行うとは考えられません。
それ以前に、1885年に日本を訪問し、桜の植樹を思い付いたシドモア女史が見た桜は、何だったのでしょうか。




どうやら、韓国国民の多くは、幻の歴史と幻の科学を見ているようです。

「花見は韓国の文化!」
なのだそうですが、日本はおよそ1000年前の和歌にも桜が出てきますし、1598年には秀吉は盛大に花見の宴を開いています。
花見が韓国の文化だとすれば、その起源が日本にあることは間違いなさそうですね。
日本の花見の文化が、韓国にも根付いたと考えると、合理的に説明できます。

韓国は、「ポトマック川のサクラの起源は韓国! なぜならサクラの起源は王桜だから!」と言っていますが、ポトマック河畔の桜は12種類もあり、王桜に似ているのはソメイヨシノだけです。
12種類は、ソメイヨシノの他、有明、フゲンドウ、福禄寿、ギョイコウ、イチヨウ、ジョウニオイ、カンザン、ミクルマガエシ、シラユキ、スルガダイニオイ、タキニオイです。これらは園芸品種ですが、江戸時代、あるいは室町時代から日本で栽培されていた記録があるものもあり、韓国由来ではないことが明らかです。
なので、「ポトマック川のソメイヨシノの起源は韓国」くらいにしておくべきなのですが・・・
まあ、ソメイヨシノは江戸時代から存在しているので、ソメイヨシノの起源が王桜とするのは、韓国国民の夢か幻でしかありません。

ちなみに、アメリカ農務省は、遺伝子の解析からソメイヨシノと王桜は別種と断定しています。

韓国の主張を成立させるには、幻の歴史と、幻の科学が必要ですね。
その幻は、韓国政府の要人や韓国マスコミの都合によって、自由に書き換えが利くようです。
幻の科学の世界に生きているので、現実世界の科学にしか与えられないノーベル賞は、韓国の科学には届かないようです。
『サクラ=エイシュウザクラ』なら、「エイシュウザクラの起源は韓国」と言っても大きな間違いはないですね。




さて、当ブログでは、桜の開花予想を科学的に追及しています。
こちらは、現実世界の科学に基づいています。
けっして、幻の科学は利用していませんので・・・