巷で時々見かける用語に、「電磁波」があります。
内容を見てみると、ほとんどの場合、「電磁波」を漠然と有害なものとして捉えているだけのようです。

同じように見かける言葉に「波動」や「放射」があります。
こちらも、意味が分かっている感じの使われ方ではありません。


意味が分かっていないらしいと私が感じる根拠の一つが、類似する一般的な表現があるにも関わらず、わざわざに用いられているからです。
例えば、「電磁波」は、内容から類推すると「電波」を指している場合がほとんどです。
「電磁波」は、電界と磁界が交差する波のことで、周波数が低い領域は「電波」、高い領域は「光」です。
「波動」も、「波」のことですから、わざわざに「波動」と言う必要はないはずです。
「放射」も、単に「出ている」と表現した方が、一般人には理解しやすいと思います。

意味が分かっていないと感じる二つ目が、「電磁波は見えない」としている場合があるからです。
前述のように、「電磁波」には可視光も含まれるので、分かっている人が「電磁波は見えない」とするでしょうか。
同様に、「波動」と「波」を区別しているかのような表現も見られます。
分かっているようで、実は分かっていないのかな と思ってしまうのです。



さて、ではなぜ難しい表現を用いているのでしょうか。
「電磁波」や「波動」を好んで使う人、あるいは会社は、どうやら専門用語を使いこなせると思わせたいようです。

個人の場合、「自分は科学に造詣があり、専門用語も使いこなせる」と主張したいのでしょう。
ただ、この件は、私自身も反省すべきなのかもしれません。
私と似たタイプの人物のようです。

会社の場合、商品を売るために専門用語を羅列し、消費者の信用を買おうとしているようです。
ただ、商品の内容を見ると、「電磁波を防ぐ」とか、「放射能を無害化する」等と言っているので、まがい物と考えた方が良さそうです。
因みに、「放射能」は「放射線」を出す(放射する)能力を指すので、正しくは「放射線を無害化する」か、「放射能を失わせる」と表現すべきだと思います。



さてさて、「電磁波を完璧に防ぐ」はあるのでしょうか。
「電磁波を完璧に防ぐ」と、光も遮断されるので、目に見えなくなってしまいます。
それに、赤外線も遮断できるので、その商品で食品を包めば、食品は完全に保温できるはずです。

そんな商品は、今の技術ではできそうにないので、「電磁波を防ぐ」商品は、怪しい臭いがプンプンします。