関西学院大学の田中教授らは、テロメアの復元を抑制する仕組みを明らかにしました。
 
テロメアについては、私のblogの1月31日でも触れています。
(内容は、STAP細胞絡みですが・・・)
 
テロメアは、細胞内のDNAの両端にある遺伝情報を持たない部分のことです。
細胞分裂をするたびに、テロメアの先端部分の不完全な部分を切り落とすため、
テロメアの長さは、細胞分裂のたびに短くなっていきます。
テロメアが無くなってしまうと、遺伝情報を持つ部分を壊すことになるので、
細胞分裂はしなくなります。
これが、細胞の寿命となります。
 
テロメアは、生殖細胞では復元されます。
この復元を行うのが、テロメラーゼです。
癌細胞では、なぜかテロメラーゼが働き、テロメアを復元します。
このため、癌細胞は不老不死なのです。
 
ここまでは、以前から知られており、2009年にはノーベル賞も授与されています。
 
田中教授が明らかにしたのは、テロメラーゼの働きを適当なタイミングで抑え、
テロメアの長さを一定以上の長さになる事を防ぐSUMOの働きです。
テロメラーゼの働きでテロメアが一定の長さまで復元されると、SUMOがテロメアに付着している他の蛋白質と結合し、テロメラーゼを排除する働きを始めるのです。
 
今回の研究は、酵母細胞で行われました。 
人の細胞でも同じ仕組みが働くのであれば、癌の治療薬への応用も考えられます。
 
まだまだ先の話でしょうが、癌の治療薬に繋がることを期待したいと思います。