二日前、STAP細胞がマスコミ報道されました。

正直なところ、私も最初は「常温核融合と同レベルでは?」と思っていました。
実際、科学誌ネイチャーも「細胞生物学の歴史を愚弄している」と、酷評したそうです。
ところで、核融合ですが、ローソン条件を満たす必要があります。
常温核融合ではこれを満たせないので、当初から疑いの目で見られていました。

STAP細胞は、マウスの赤ちゃんの脾臓からリンパ球を取り出し、弱酸性溶液で刺激を与えた上で培養するだけだそうですね。

正常な細胞でも、繰り返し刺激を受けると癌化する場合があります。
癌は、自分が何者かを忘れた、つまりどの部分の細胞になるべきかを忘れて暴走する細胞と言えます。
私の場合、直腸の内壁になるべき細胞がそれを忘れ、直腸癌になってしまいました。
万能細胞は、癌に似ています。
自分が何になるべきかを、人為的に忘れさせられた細胞ですから。
STAP細胞は、癌化と似たプロセスで初期化したのかもしれませんね。
そのことに気付いたので、常温核融合とは違う! と思うように変わりました。
気になるのは、人への応用です。
人間は、他の哺乳類より癌になりやすい!のだそうです。
マウスでは、STAP細胞はiPS細胞より癌化傾向が低いようですが、人間ではどうでしょうか。
体細胞を利用する万能細胞は、テロメアが短い問題もありますね。
テロメアは、細胞分裂のたびに短くなっていきます。
このテロメアがある長さより短くなると、細胞分裂できなくなります。
ところが、癌はテロメアを復元するらしく、100年以上も前の癌患者から採取した細胞は、今も培養が続いているそうです。
今回は、マウスの赤ちゃんの細胞なので、テロメアの長さは問題にならないでしょうが、今後は問題になってくるかもしれません。
非常に残念なのは、ノーベル賞を受賞できる可能性がほとんどないことです。
ノーベル賞は、1分野1回だけ、最大3名までしか授与されません。
「細胞の初期化」は、2012年に山中伸弥さんとガードンさんが受賞しています。
もう一人、受賞枠がありましたから、この発表が3年くらい早ければ、受賞できたかも。
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