東北大大学院医学系研究科の飯島克則講師(消化器内科)らの研究グループは、
アルコールから生じる発癌物質アセトアルデヒドが、
酒に弱い人ほど高い濃度で長時間、胃の中に留まることを実験で明らかにしました。
 
アセトアルデヒドを分解する酵素「ALDH2型」には活性型と不活性型があるが、
日本人の3~4割は、この酵素が不活性型であり、
少量の飲酒で顔が赤くなったり動悸が激しくなったりします。
 
研究グループは、
20~30代の男性20人を「酒に強い人」と「酒に弱い人」に分け、
アルコール度数15%の酒2~300mlを胃に直接注入して経過を調べました。
2時間経過後、
酒に弱い人のアセトアルデヒド濃度は、強い人の5.6倍のままで留まり、
胃粘膜が高濃度のアセトアルデヒドに晒されていることが分かったのです。
また、アルコールと一緒にアミノ酸の一種「L-システイン」を胃に入れると、
アセトアルデヒド濃度は、酒に強い人で67%、弱い人でも60%も低下し、
アセトアルデヒドを無毒化する作用を確認できました。
 
飯島講師は、
「酒に弱い人は胃癌になりやすいことを自覚してほしい」と注意を促しています。
同時に、L-システインの飲酒による胃癌予防効果に着目し、
「将来的にはサプリメントの服用で胃がんリスクを低減できるかもしれない」と
期待を話しています。
 
 
ちなみに、私は「下戸」なので、飲酒は控えめにしたいと思います。