昨日からデメリットを見ていますが、
今日は「2.自然環境を破壊する」を見てみたいと思います。
 
1.健康に悪影響を及ぼす可能性がある。
2.自然環境を破壊する。
3.有機農業、従来型農業と共存できない。
4.民主主義と共存できない。
5.世界を養えない。持続的ではない。
 

2.自然環境を破壊する。

一つ目は、農薬使用量の増加です。
遺伝子組み換え作物の目的の一つが、除草剤耐性を持たせることです。
除草剤耐性とは、除草剤でも枯れない能力です。
この能力の目的は、除草剤をまくことで、除草の手間を省くことにあります。
以前は使用しなかった、若しくはほとんど使用していなかった農薬が、大量に使用されるようになるのです。
この点では、間違いなく環境に影響を与えます。
ただ、遺伝子組み換えによって害虫を寄せ付けない機能も持たせることができるので、トータルで 農薬の使用量が増えるのか、詳細に見る必要があるでしょう。
 
 
二つ目は、遺伝子汚染です。
遺伝子組換え作物が、他の同種の作物と交配し、遺伝子を汚染することです。
このような事例はあり得るでしょう。
ただ、単純に遺伝子汚染と言うなら、遺伝子組換え作物だけが遺伝子汚染を起こすわけではありません。
近縁種の作物を隣接した耕作地で栽培すれば、遺伝子汚染は起こる場合があります。
遺伝子組み換え作物の遺伝子を一切取り込みたくないだけで、遺伝子汚染とは別の問題でしょう。
 
三つ目は、化石燃料の使用量が増えます。
と、元ネタのHPでは言っていますが、論理が滅茶苦茶です。
遺伝子組換え作物は、バイオ燃料の要請で採用されたが、遺伝子組換え作物は大量の肥料と農薬の使用が前提なので、これらの生産に化石燃料を大量に使用すると言うのです。
ですが、遺伝子組換え作物は収量が多いので、収量当たりの肥料や農薬の使用量はどうなんでしょう。
また、バイオ燃料のカーボンニュートラル効果も加味しないと、真実は見えてきません。
この論点は、ほとんど無意味でしょう。
 
 
私は、遺伝子組み換えの目的の中で、除草剤耐性は不要ではないかと思います。
この機能があれば、除草剤を使用でき、農作業の手間を省けます。
ですが、土壌汚染を考えると、除草剤を使用しない方が望ましいでしょう。
将来、除草剤耐性の品種が入手できなくなれば、除草剤の残留を考えると、農耕そのものを断念しなければなりません。
また、「豊葦原中津谷」では、連作障害を避けるために輪作する予定ですから、全ての作物を除草剤耐性品種にする必要がありますが、それは無理でしょう。
 
このように考えてくると、遺伝子組み換え作物の内、少なくとも「豊葦原中津谷」においては除草剤耐性は必要性を感じません。