以下は、東大名誉教授で地震予知でも有名(私を含む一部の人の中では出鱈目地震予知として有名)なM氏がTwitterに書いた記事の全文です。

「最近遺伝子組み換えの小麦粉を使った食品を食べるなという警告が見受けられます。特に米国産の小麦粉は要注意です。ある特定の農薬や人工肥料にだけ効く遺伝子操作をし、さらに中毒性(食べずにいられなくなる)があって、肥満になると言います」

これが、東大名誉教授の実力だとすると、情けないばかりです。
おそらく、遺伝子組換え作物を全く知らないのでしょう。

まず、「ある特定の農薬や人工肥料にだけ効く遺伝子操作をし、~」とありますが、この文章の通りなら、農家にはどんなメリットがあるというのでしょう。
ある特定の農薬や人工肥料にだけ効』のなら、通常の農薬や人工肥料には効かないのですよね。これって、使える農薬や肥料が限られるのだから、農家にとって大きなデメリットです。
デメリットばかりの遺伝子組換え作物を、農家が高い代金を支払ってまで使うはずがありません。

正しくは、除草剤に耐性を持たせる遺伝子操作をした作物を指しているのでしょう。
除草剤に耐性を持たせれば、除草の手間が省けるので、労力が減る、あるいは大規模化しても労力は変わらないというメリットが生まれます。これは、農家にとってメリットです。
 
 
元々、遺伝子組み換え作物は、農家にメリットがあるから拡がるのです。
除草剤耐性の他にも、虫害を防ぐ遺伝子組み換えもあります。
つまり、農家の労力を省き、収量を安定させる遺伝子組み換え作物は、高い種苗料を支払っても買う価値があるのです。
そして、温暖化が深刻化して食糧生産が人口増加に追いつかれた時、全世界で遺伝子組み換え作物を使用しなければならなくなると、私は考えています。
 
 
さて、「中毒性(食べずにいられなくなる)があって~」とは、ただの被害妄想ですよね。
中毒を引き起こす遺伝子組み換え作物を世に出すためには、企業側と認可側(政府)の両者が悪意を持って実行しなければなりません。流石に、そこまで酷いことが行われるとは思えません。
 
それに、「食べずにいられなくなる」とは、「何を?」と問い返したいですね。
何を食べずにいられなくなるのか?」と問えば、「遺伝子組み換え作物に決まっているだろう!」と返されるかもしれません。でも、そう思った方は、麻薬中毒のドラマの見すぎではありませんか。
麻薬中毒患者が麻薬を欲しがるのは、陶酔感を与えてくれるのが麻薬だと分かっているからです。だから、陶酔感を得るために麻薬を欲しがるのです。
でも、遺伝子組み換え作物に「食べずにいられなくなる物質」をこっそり入れていても、遺伝子組み換え作物を食べた人は、なぜ食べずにいられなくなったのか分かりません。
それに、単に「食べずにいられない」のですから、遺伝子組み換え作物を選択的に食べることはありません。見た目には、単に食欲が増すだけで、結果的に好きなものを食べすぎるだけです。
偶々、遺伝子組み換え作物が好きならば、遺伝子組み換え作物の売り上げが増すでしょうが、それは偶然でしかありません。
食べずにいられなくなる遺伝子操作を企業側と認可側の両者が悪意を持って行うにしては、そのメリットが偶然にしか得られないのでは、旨味がありません。
 
遺伝子組み換え作物に中毒性を持たせるのは、なさそうに思えます。
 
 
では、遺伝子組み換え作物が万全かと言うと、私には分かりません。
例えば、除草剤耐性の遺伝子組み換え作物の場合、遺伝子組換え自体の危険性よりも、通常の作物の場合よりも多く使われる除草剤の残留の方が怖いように思えます。
世間では、「遺伝子を組み替えているから危険」と考える方が多いように思います。でも、もう一歩、踏み込んで危険性を考えるべきでしょう。
いずれ、遺伝子組み換え作物を避けて通れなくなります。
その時に、遺伝子を組み替えているからではなく、その結果、農法がどう変わったから、あるいは輸送方法がどうかわったから危険性が増したとの視点で捉えておかなければ、本当の危険性を見逃すことになりかねません。
 
 
東大名誉教授のM氏はあの程度ですが、私達はもっと賢くなろうじゃありませんか!