最後は、蓄電です。
自然エネルギーを活用する場合、蓄電は欠かせません。
特に、一般家庭レベルの小さなシステムでは、蓄電を無視してはできません。
また、電力会社の固定価格買取制度の条件に、蓄電を指定する場合もあるようです。
通常の自家発電とは異なり、自然エネルギー発電では、需要に合わせた発電ができないため、常に電力の過不足が生じている状態になります。
電力が不足すると、周波数や電圧の低下が起こり、接続している家電製品の不調や停止を起こすことになります。
一般には、この電力不足をカバーするために蓄電しておくとの認識が強いのではないかと思います。
ですが、電力が余ってしまう場合の方が面倒なのです。
余った電力は捨てることができないので、何らかの対策が必要になります。
それが、蓄電なのです。
太陽光発電では、日射量の変化に敏感に発電量が変化します。
また、季節変化も少なくありません。
そこで、月合計日射量の変化から太陽光発電電力量を推定し、月毎の電力需要との比較を行ってみました。
このグラフから分かるように、発電電力量は春から夏にかけて多く、消費電力は夏場と冬場に増える傾向にあることが分かります。
その結果、冬場には電力が不足することになります。
因みに、電力が余る春の発電電力を蓄電し、冬場に使うとした場合、年間の発電電力量の15%(ロスや自然放電は無視の場合)ほどを蓄電する必要があります。
一般家庭の電力消費量は約18.5kWhなので、必要な蓄電量は1000kWhにもなります。
これは、夏沢鉱泉の蓄電量の20倍にもなります。
設備の重量も、10t程にもなってしまいます。
とても、現実的な数値ではありません。
豊葦原中津谷の城では、10~20kWh程度を考えます。
これは、半日から一日分の電力消費量に相当します。
このあたりが常識的な範囲内だと思います。
次回は、豊葦原中津谷の城の電力消費量を推定してみます。
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