核爆弾の爆発規模は、TNT火薬換算量(単位:t)で表されます。
このTNT火薬換算量のエネルギ(単位:J)は、下式で表されます。
E≒4.2×10¹²×TNT火薬換算量(kt)
これに対し、地震のエネルギ(単位:J)は、下式で表されます。
E≒10^(4.8+2M/3)
M:マグニチュード
核爆発のエネルギーが全て地震になると仮定して、両方の式をまとめると、
TNT火薬換算量とマグニチュードの関係式は以下になります。
[TNT火薬換算量]≒(10^(1.5M-7.2))÷4.2
さて、実例と比較してみましょう。
昔、4.2Mtの水爆実験が行われました。
前述の式を基に、人工地震の規模を計算すると、M7.63と算出できます。
ですが、実際に発生した地震は、M6.97だったそうです。
M6.97は、M7.63の10分の1程度のエネルギーに相当します。
どうやら、核爆発の10分の1程度が地震となるようです。
それを踏まえ、式を見直しました。
[TNT火薬換算量]≒(10^(1.5M-6.21))÷4.2
これを元に、マグニチュード毎の核爆発の推定値を算出してみましょう。
M4.8 2.3kt
M4.9 3.3kt M5.1 6.6kt
M5.3 13kt
M5.5 26kt
M5.8 74kt
M6.0 147kt
M6.2 293kt
M6.5 826kt
M7.0 4642kt
東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)を人工地震だと主張する人々が居ます。
前述の式から、M9.0は4642Mtに相当します。
史上最大の核兵器は100Mtほどですから、人工地震には50個はないと足りません。
それを埋める場所も問題です。
東北地方太平洋沖地震は、深さ24kmで発生しました。
掘削の世界最高深度は、陸上では12.262kmです。
海底では、水深6.8835kmから0.8565kmを掘削し、合計7.74kmに達したのが世界記録です。
まるで足りませんね。
しかも、掘削径は13~14cmほどです。
100Mtの核兵器なんか、通るはずがありません。
ついでに言うと、核兵器による人工地震では、ほぼP波のみになります。
仮に、東北地方太平洋沖地震が核兵器による人工地震だと仮定すると、震度7はP波で引き起こされたことになります。そう考えると、決定的な矛盾があります。
東北地方太平洋沖地震では、新幹線の脱線はありませんでした。
これは、P波を検出した時点で、全列車に緊急停止が指令されたからです。
だから、S波がやってくる前に、新幹線は停まることができたのです。
でも、核兵器による人工地震では、P波が最大の揺れを引き起こすのです。
新幹線は、緊急停止の指令を受ける前に、最大の揺れに見舞われることになります。
核兵器による人工地震だったなら、新幹線のいくつかは、脱線していた可能性があります。
こんな角度から見ても、東北地方太平洋沖地震が核兵器による人工地震である可能性はなさそうです。
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