本庶氏のノーベル賞受賞によって免疫療法が話題になっていますが、誤解も多いようです。
私は、医療関係ではありません。
ガン経験者ですが、化学療法の経験もありません。
ただ、素人である私からみても、明らかに間違いと分かるものも少なくありません。
そこで、ガチガチの理系人間である私の見方を紹介しておこうと思います。
薬は、必ず副作用を伴います。
強い薬ほど、強い副作用を持ちます。
なぜ、強い薬は、強い副作用が出るのでしょうか。
人の体は、様々なバランスで成り立っています。
病気になった際、それを治すために何らかの作用を持つ薬を投与します。
その結果、バランスが崩れて副作用が出るのだと思います。
細胞障害性T細胞は、過剰な免疫反応を抑えるために、免疫チェックポイント受容体(PD-1)を持っています。ガン細胞は、免疫抑制を行うリガンド(PD-L1)で免疫チェックポイントに繋がり、細胞障害性T細胞の活動を止めてしまいます。
その結果、ガン細胞は免疫細胞からの攻撃を止めることができ、増殖を続けることができます。
オプジーボは、免疫のブレーキを外してガン細胞を攻撃します。
細胞障害性T細胞の免疫チェックポイント受容体にリガンドが結び付くのを、免疫チェックポイント抑制剤(オプジーボ)が妨害することで、細胞障害性T細胞の免疫抑制が働かないようにします。
その結果、細胞障害性T細胞は癌細胞を攻撃し続けるようになります。
ですが、 細胞障害性T細胞は免疫抑制機能を抑え込まれているので、本来は攻撃してはいけない細胞に対しても攻撃するはずです。
それが原因かどうかは分かりませんが、オプジーボにも様々な副作用があります。副作用については、製造元の小野薬品工業が説明しているので、御覧になるのが良いと思います。
リンク⇒https://www.ono-oncology.jp/contents/patient/opdivo_about/04.html
オプジーボの副作用では、別の研究もあります。
大阪大学の長彰翁氏らの研究では、副作用などが原因でオプジーボの使用をやめた肺がん患者8人の血液を分析したところ、薬の投与をやめた後も20週間以上、薬の影響が続いている可能性があることがわかりました。
今までは治癒できなかった方の一部は、オプジーボで救われるはずです。
ですが、オプジーボは、夢の薬ではなく、万能薬でもありません。
また、新しく開拓されたばかりの治療分野なので、様々な課題が隠れているはずです。
多くの研究者や医師の努力によって、少しずつ改善されていくはずですし、その道の第一歩を踏み出した本庶氏の功績は素晴らしいものです。
ただ、過剰な期待はすべきではなく、主治医としっかり相談しながら、標準治療を基にした治療を進めていくのが、我々ガン患者の利益になると思います。
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