先日、あるTV番組で、
「アメリカの保険会社が、BMIを使って多くの人を肥満と定義づけ、保険料を多く支払わせようとした。つまり、生命保険会社の統計担当が引っ張り出した医学的根拠が弱い指標」
と紹介されました。

この放送で、「BMI値には意味がない」との印象を受けたのではないでしょうか。
でも、BMIの計算式にまで疑問を感じていない方も多いように思います。

と言うわけで、BMIの計算式を疑ってみようと思います。



形状が同じであれば、外形サイズが2倍になれば、容積は8倍になります。
単位を見ると、長さはmですが、容積はm³ ですね。
つまり、長さを3乗すると、容積になります。
BMIの計算式を再確認しましょう。

  BMI = 体重(kg) ÷ 身長(m)²

BMIは、身長を2乗しかしません。
この時点で、『何だか変だな』と感じませんか?
BMIの計算式で赤ちゃんの標準体重を計算すると、5500gになってしまいます。

ならば、3乗すれば良いのでしょうか?

3乗して容積を計算するためには、外形が相似である必要があります。
ですが、どう考えても、赤ちゃんと成人の体形は違います。
単純に3乗すべきではなさそうです。
そこで、私は、以前からBMIとは違う計算式を使っています。
ここでは、私の計算方法をi-BMIと呼ぶことにします。

以下に、i-BMIとBMIの計算式を記載します。

BMI計算式



この計算式で赤ちゃんの体重を計算すると、3005gとなります。
これは、赤ちゃんの平均体重とほぼ一致します。
でも、他の体格ではどうなのでしょう?
ということで、以下に平成24年の各年齢の平均身長と平均体重の表を添付します。


標準体重雹

どうでしょうか。
i-BMIの方が、平均体重に近いことが分かると思います。
男女の平均体重と、BMIによる標準体重とi-BMIによる標準体重をグラフにしました。

BMI

同じ身長の時、男女の差は少ないことが分かります。
一方、i-BMIですが、BMIより平均に近い値ですが、成長期の子供への適用は注意が必要に思われます。
ですが、成人にはBMIよりも適しているように感じます。


ちょっと、成人で試してみましょう。
成人の場合、最も死亡率が低くなるBMI値は、男性は22.3程度、女性は21.5程度だそうです。BMIでは、BMI値が「22」の時に最適な体重と考えるので、死亡率の実績とは不一致になります。
これに対し、i-BMIでは、男性は17.0、女性は17.1ですので、死亡率の実績に近付いています。

どうでしょうか。
今後は、i-BMIを使って計算してみてはいかがでしょうか。