ブラックホールは、光も脱出できないくらい強い重力を持つ天体であることを知っている方は多いと思います。ブラックホールの定義を知らなくても、ブラックホールという単語は、ほとんどの方が知っていることでしょう。
ブラックホールは、なかなか不思議な天体で、理解しがたいところもありますが、素人の私だからできる説明や、素人ゆえに不思議に思うところを書いてみたいと思います。
最初は、ブラックホールの定義から、入っていくことにしましょう。
ブラックホールは、光さえ脱出できない強い重力があることは御存知でしょう。印象としては、人を簡単にペチャンコにしてしまう重力をイメージするかもしれませんが、直径が1光年にもなると、ブラックホールの表面の重力加速度は地球表面と同程度になります。
重力的には、ブラックホールの地表を自由に歩き回ることができるのです。
※このサイズのブラックホールの質量は、太陽の約1500兆倍になります。
こんな巨大なブラックホールは、見つかってはいませんが、単純に強い重力がブラックホールの条件ではないことを理解してください。
さて、ブラックホールの条件を説明しておきましょう。
ブラックホールは、一般に言われているように、光が脱出できない星のことです。光が脱出できないとは、地表面の脱出速度(第2宇宙速度)が光速より早くなることを指します。つまり、第2宇宙 速度が光速以上になる星を、ブラックホールと呼ぶのです。
第2宇宙速度が光速となる位置の中心からの距離をシュヴァルツシルト半径、シュヴァルツシルト半径が作る球面を事象の地平と呼びます。
ついでです。
第1宇宙速度と第2宇宙速度の計算方法を確認し、ブラックホールの大きさを計算してみましょう。
第1宇宙速度vは、次の式で求められます。
まず、地表面の重力加速度gを求めます。
g=MG/r2
Mは星の質量、rは星の半径、Gは万有引力定数(6.58×10E11m3/kgs2)です。
続いて、地表面を移動する物体に働く遠心力(向心加速度)αを求めます。
α=v2/r
vは物体の速度です。
第1宇宙速度は、gとαが釣り合うので、二つの式から次の式が求められます。
v2/r=MG/r2
v2=MG/r
第1宇宙速度と第2宇宙速度の比が√2倍なので、第2宇宙速度が光速になる第1宇宙速度は、次の式で求められます。
√2×v=c
これを上の式に当てはめると、次のようになります。
c2=2MG/r
シュヴァルツシルト半径は、次のようになります。
r=2MG/c2
更に単純化して、次のように求めることができます。
r=M/(6.84×10E26)
これで、シュヴァルツシルト半径と星の質量の関係が簡単になりました。
この式で地球に当てはめて計算をすると、半径9mmまで潰せばブラックホールになることがわかります。
最後に、表面重力が1G(地球の表面重力の1倍)となるブラックホールの大きさを計算しておきましょう。
シュヴァルツシルト半径の式は、以下でしたね。
r=2MG/c2
重力加速度は次の式でしたね。
g=MG/r2
両式をMGでまとめます。
MG=rc2/2=gr2
c2/2=gr
r=c2/2g
gを地球の重力加速度の9.80665m/s2とすれば、r(シュヴァルツシルト半径)は、0.485光年となります。直径は、0.97光年です。
ブラックホールについて、少しわかったでしょうか。
今回は、これくらいにします。
次回は、私も分からないことが主になると思いますし、記事にできるのは、少し先になると思います。
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