ブラックホールは、光も脱出できないくらい強い重力を持つ天体であることを知っている方は多いと思います。
ブラックホールは不思議な天体で、理解しがたいところもあります。素人の私ゆえに不思議に思うところを書いてみたいと思います。
ブラックホールは、印象としては、人を簡単にペチャンコにしてしまう重力をイメージするかもしれませんが、直径が1光年にもなると、ブラックホールの表面の重力加速度は地球表面と同程度になります。
重力的には、ブラックホールの地表を自由に歩き回ることができるのです。
というわけで、このブラックホールを架空探検してみましょう。
ただ、ここからは、私の書いていることが正しいとは限りませんので、御注意下さい。
このブラックホールで、事象の地平面のすぐ下側、例えば2m下を歩いてみましょう。
まず、事象の地平面は、肉眼で見ることはできません。
第2宇宙速度(脱出速度)vは、次の式で求められます。
v=√(MG/r)
この式から、半径が大きくなると、第2宇宙速度は小さくなることが分かります。
事象の地平から水平に出た光は、放物線軌道を描き、永久に戻ってきません。(宇宙が閉じていることは無視します)
事象の地平より上(半径が大きい)から水平に出た光は、双曲線軌道を描くので、やはり永久に戻ってきません。
これに対し、事象の地平面の直下から水平に出た光は、長軸半径が極端に大きな楕円軌道になり、戻ってきます。が、いつになるか分からないくらい永くなります。
つまり、事象の地平面の上と下で明確な差はない(厳密には脱出可否の差はあるが)ので、事象の地平面を肉眼で見ることはできません。
では、足元の景色は見えるのでしょうか。
重力加速度を考えると、当たり前に見えます。
上からの光も、普通に届くので、当たり前に見えます。
景色は、地球上と同じように見えるはずなのです。
高さ2m以上のアンテナを作れば、事象の地平面の上から事象の地平面の下の映像を発信できそうです。
第2宇宙速度(脱出速度)による事象の地平は、ブラックホールとしてはスッキリしない感じでした。
では、第1宇宙速度が光速に達するブラックホールを考えてみましょう。
直径が2光年の星であれば、表面の重力加速度が地球とほぼ同じで、かつ第1宇宙速度が光速と同じになります。
この星の表面を探検してみましょう。
仮に、第1宇宙速度が光速となる高さを、仮に『光の地平』と呼ぶことにします。
光の地平より上から水平に出た光は、楕円軌道を描いて戻ってきます。
光の地平から水平に出た光は、円軌道を描いて戻ってきます。
光の地平より下から水平に出た光は、楕円軌道を描きながら落ちていきます。
この時、光は加速するはずですが、光より速くなれないので、それを補正するように時空が歪み、時間の流れが遅くなるはずです。
ただ、その差は僅かなので、認知できるのか、分かりません。

(ブラックホール近傍で光が描く軌道)
これ以上は私には荷が重いので、話題を変え、私が不思議に思っていることを書きます。
ブラックホールは、光を脱出させない重力を持ちます。ですので、光によって、ブラックホールの中を見ることはできません。
一方で、不思議なことに、「事象の地平面」の下にある質量が「事象の地平面」の上にある質量に、重力という形で働きかけます。
ならば、重力波で、事象の地平面の下の様子を伝えることができそうに思います。
事象の地平を越えられる、この性質は、ブラックホールの消滅にも繋がるように思います。
重力のエネルギ源は、何でしょうか。
質量が、重力の強さを決めることは、ニュートンの時代から分かっています。
アインシュタインによって、エネルギと質量は等価で変換されることが分かっています。
エネルギは、エネルギ保存の法則から、総量は不変です。
ブラックホールの重力がブラックホールの外で何かを起こし、エネルギが放出されたなら、エネルギ保存の法則から、どこかからエネルギを供給されなければなりません。
ブラックホールは、何をエネルギに変換するのか、私には理論的な解析は無理ですが、質量をエネルギに変換するなら、ブラックホールは質量を失っていくのかもしれません。
ごちゃごちゃと書いてきましたが、ブラックホールについての私の知識や疑問は、これくらいで終わることにします。
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