7月26日、奄美大島・徳之島・沖縄本島北部、西表島等が、ユネスコ自然遺産に登録されました。

奄美大島や徳之島には、アマミノクロウサギが生息しています。
ウサギにしては耳が小さく、ミッキーマウスのような丸い耳をしています。ウサギ科の中では原始的な形態を残していると、言われています。

沖縄本島の北部には、ヤンバルクイナが生息しています。
飛べない鳥として知られますが、全く飛べないわけではなく、天敵を避けるために、夜間は樹上に上がるようです。
意外にも、発見は最近であり、1981年に新種であることが確認されました。
沖縄返還(1972年5月15日)から10年も経っていなかったのですね。

西表島には、イリオモテヤマネコが生息しています。
イリオモテヤマネコも、存在は地元で知られていましたが、新種と確定したのは1965年でした。現在では、ベンガルヤマネコの亜種として知られています。
面積が290km2 しかない西表島に生息していますが、肉食哺乳類の生息域としては非常に狭いものです。現在の頭数は100頭ほどとされますが、行動範囲が1〜7km2 とされることから、元々、最小存続可能個体数ギリギリの頭数で代を重ねてきたようです。


南西諸島は、大陸側と陸続きになったり、海に沈んだりしながら、現在に至っていると考えられています。それ故、生物境界線が複雑で、同時に固有種も少なくありません。

小笠原諸島が似た環境ですが、小笠原諸島が大陸と地続きになることなく今日に至っているのに対し、南西諸島は陸続きなったり離れたりしている点で、異なります。
この違いによって、生息する生物種にも、異なる特徴が見られるところが面白いですね。
小笠原諸島は、陸棲哺乳類は基本的にいませんが、南西諸島では点在します。

もし、夏休みの自由研究をするのなら、南西諸島の陸上生物の生息域を調べてみるのも、面白いかもしれません。
地図に書き込むことで、何か見えてくるかもしれません。
例えば、イリオモテヤマネコは、西表島にはいるのに、隣の石垣島にはいない理由です。
面積は、それほど大きな違いはありませんが、地形には違いがあります。それがどんな影響を及ぼしたのか、考えてみてください。
毒蛇のハブも、生息する島と、生息しない島があります。それとの比較も、面白いと思います。


色々な考え方はあると思いますが、正解はないかもしれません。
南西諸島が世界自然遺産に登録されたことを機会に、色々調べてみましょう。