北東北と北海道を除くと、3月中に桜(ソメイヨシノ)が開花しました。
既に、岩手県、秋田県、青森県でも開花しており、残る北海道のみです。
異様な早さです。
既に、岩手県、秋田県、青森県でも開花しており、残る北海道のみです。
異様な早さです。
気象庁でソメイヨシノの開花日を観測(生物季節観測)しているのは、48ヶ所あります。
沖縄県や奄美大島はヒカンザクラ、北海道の道東や道北はエゾヤマザクラが、観測対象になっています。
今回は、ソメイヨシノに絞って、話を進めていきます。
開花宣言が最も早かったのは、東京でした。
昔は、九州や四国が早く、関東は1週間くらい遅れていました。
鹿児島と東京を比較すると、1980年代の後半に、鹿児島より東京の開花が早くなったようです。
(開花日の一次回帰による比較)
鹿児島は、開花時期の変化はほとんどありませんが、東京は、着実に速くなってきています。
札幌の開花時期も、年々早くなっており、早まり方は、東京以上です。
地球温暖化は、高緯度ほど顕著になると考えられるので、札幌の桜の開花時期の変化も、温暖化が影響していると考えられます。
ところで、東京の開花時期が、鹿児島より早いのは、なぜでしょうか。
これは、鹿児島が暖かくなりすぎで、ソメイヨシノの開花に適さなくなり始めているためかもしれません。
桜の開花は、気温の影響を受けやすいことが知られています。
基本的には、暖かいほど開花が早くなります。
東京と鹿児島の今年の旬毎の気温を比較すると、平均気温は、全て鹿児島の方が0.3〜5.3度も高いのです。
最高気温は、2月下旬が0.7度、3月下旬が0.5度、東京の方が高いのですが、それ以外は0.1〜6.2度も鹿児島が高いのです。
最低気温は、3月上旬が0.1度だけ東京が高いのですが、それ以外は0.3〜4.8度も鹿児島が高いのです。
今年の東京の開花は3月14日、鹿児島の開花は3月24日でした。
東京が、10日も早く開花しています。
ですが、東京が鹿児島より暖かいから、早く開花したのではなさそうです。
近年、関東地方の開花は、九州地方より早く開花します。
また、九州地方の桜の開花観測地点の中では、最も寒い福岡が、最も早く開花します。
どうやら、九州地方は、桜(ソメイヨシノ)には適さないくらい、気温が高くなり始めているようです。
桜の開花予想にチャレンジしていた頃にも書いていますが、屋久島や種子島は、開花時期が安定せず、既に開花の観測を終えています。
鹿児島を含む九州の各気象台による桜開花観測は、今世紀の後半には行われなくなっているかもしれません。
地球温暖化対策は、対策開始から効果が出るまで、時間が掛かります。
できる対策は、どんどん行っていくべきです。
桜の開花時期は、小さな変化ですが、示唆に富む変化です。
日本に限らず、世界中の農地で、それまでの栽培品種が適さないように変化し始めていると、考えるべきでしょう。
その先にあるのは、世界的な食糧不足です。
日本は、食糧の2/3を輸入しています。
しかも、円安傾向にあります。
世界的な食糧争奪戦になれば、安定的に食糧を輸入できる保証はありません。
温暖化対策と並行して、食糧自給率の向上策を実行していくべきでしょう。
桜の花が舞い散る様子を見ながら、未来を憂いていました。
コメント