小選挙区制は、第一党に有利に働き、死票も多く、民意を反映しにくい性質があります。
それを改善するための案を、考えています。
今回は、我々の1票を見直したいと思います。
現状の選挙では、有権者は1票だけを投票します。
ただ、厳密には、小選挙区と比例区の2票を投じています。
ならば、最初から複数票を投じられるようにしたら、どうでしょうか。
考え方は、択一の投票ではなく、評価の投票の投票に変えるのです。
投票において、候補者毎、あるいは政党毎に、それぞれ評価値を与えるのです。
評価値は、3段階または5段階とし、個々の候補者や政党の全てに、評価値を入れます。
これにより、無党派層の投票行動が変わります。
現状は、YESとNOの2択で、しかもYESは一つしか投じることができません。
これを、候補者(政党)の全員に対して、それぞれ評価値を入れる形式に変えます。
考え方の違いです。
旧来の選挙は、「誰が議員に最も相応しいか」を投票で示します。
評価方式の選挙は、「この人は、議員にどの程度ふさわしいか」を投票で示します。
5段階評価選挙について、具体的に説明しましょう。
Aさん、Bさん、Cさん、Dさん、Eさんの5人が、小選挙区に立候補したとします。
投票用紙は、数直線に○を付ける方式です。
こんな感じです。
A ┗━━┻━━┻━━┻━━┛
B ┗━━┻━━┻━━┻━━┛
C ┗━━┻━━┻━━┻━━┛
D ┗━━┻━━┻━━┻━━┛
E ┗━━┻━━┻━━┻━━┛
1 2 3 4 5
相 や ど や 相
応 や ち や 応
し 相 ら 相 し
く 応 と 応 い
な し も し
い く 言 い
な え
い な
い
このような投票用紙で、各候補者の評価を記載していきます。
各候補者の数直線に書き込まれた評価点を合計し、その上位者を当選とします。
αさんは、支持政党のAさんを『5』、支持政党と連立を組む政党のBさんを『4』、Cさん、Dさん、Eさんは『1』としました。
βさんは、ライバル政党のAさんとBさんを『1』、支持政党のCさんは『5』、支持政党ではないが、共闘を組む党のDさんは『5』、野党繋がりのEさんは『3』としました。
γさんは、保守派のAさんに『4』、中道のBさんは『3』、中道左派のCさんは『2』、保守強硬派のDさんは『5』、左派のEさんは『1』としました。
δさんは、保守派のAさんに『1』、中道のBさんは『2』、中道左派のCさんは『5』、保守強硬派のDさんは『1』、左派のEさんは『2』としました。
εさんは、全員を『3』としました。
それぞれの候補者の得票数は、Aさんが14票、Bさんが12票、Cさんが16票、Dさんが15票、Eさんが10票になり、Cさんが最多得票、Dさんが次点となります。
この選挙方法の場合、投票率が低くても、実際の政党支持率、あるいは民意に近付くのではないかと思います。
これまでの選挙方法では、有権者は候補者の中の1人しか選べませんでした。
そのため、有権者は、候補者の好き嫌いや支持政党かどうかで、投票行動を決めなければなりませんでした。
支持政党がある場合は、支持政党の候補者が『5』、対立候補には『1』を投じるでしょう。
ですが、無党派層は、『5』はほとんどなく、『1』〜『4』の配点になる場合が多いと思います。
1人の有権者が、全候補者に投票できるので、有権者が持つ考えを選挙に反映しやすくなると思います。
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