参議院の選挙改正案の第2案です。

テーマに反して、今回は、小選挙区制そのものの改良を考えていきたいと思います。



小選挙区制には、いくつも弱点がありました。
その中で、各選挙区の定数が『1』で固定されているため、1票の格差を小さくする方法が、選挙区の区割りの変更しか存在しないことでした。
参議院選挙では、合区を実施していますが、それでも3倍を超える格差を産んでいます。
参議院の改選議席数が衆議院の1/3しかないので、1票の格差を調整しにくいのです。

ですが、敢えて小選挙区制を維持しつつ、これの改良を検討してみたいと思います。




【参議院 選挙制度(案3)】

〈概要〉
参議院の定数は、248議席です。
小選挙区は148議席、比例区は100議席です。
小選挙区は、現行のままとします。
比例区は廃止し、復活当選枠とします。


〈選挙区〉
全国を148の小選挙区に分ける。
毎回、74議席の改選となる。
復活当選枠は、50議席となる。

(立候補の条件)
特に設けない。

(復活当選の基準)
得票率が高い順に、復活当選を決定します。
得票率が完全に一致する場合は、惜敗率が高い順に、当選とします。
得票率と惜敗率が一致する場合、総得票数が多い順に、当選とします。


惜敗率は、有権者に支持されたのではなく、混戦になった証でしかありません。
有権者の支持は、得票率で判断すべきでしょう。
有力候補二人による激戦なら、惜敗率も高くなります。



参議院比例区は、重複立候補を認めていませんが、それ故に死票(投票しても当選に生かされない票)が生かされる場がありません。
それを防ぎ、かつ小選挙区制のメリットである選挙区の小ささ(お金が掛からない?)を活かすことができます。





前回は、浮動票を活かすには、小選挙区制は不向きとしていました。
今回の案は、それに反するようなものです。

ただ、良く見ると、二人区に近い性格の選挙制度です。
結局、中選挙区制の変形と取ることができます。
ですので、「小選挙区制」という形を維持しつつ、実態を「中選挙区制」に近付ける提案と言えます。


やはり、死票を考えるなら、中選挙区制が望ましいようです。