投票を棄権するのは、問題です。

投票行動について、悪い方から並べてみます。


↓ 棄権
↓ 白票を含む無効投票
↓ 何の考えもない有効投票(浮動票)
↓ 常に同じ政党     (固定票)
↓ 毎回考えて投票    (浮動票)


棄権は、政治家が自分勝手な政治を始めることになります。
詳しくは、昨日に書いているので、省略します。

無効投票では、意思表示になりません。
棄権よりマシですが、政治家を動かす力は、僅かです。

何も考えずに、適当に政党名や候補者名を投じることは、手放し運転のようなものです。
かなり危険ですが、棄権や白票よりマシです。(棄権や白票は、自殺行為)

では、どこかの党に、いつも投票するのは、どうでしょうか。
党を選ぶ行為が入るので、出鱈目に政党名を投票するよりはマシです。
ですが、政策や情勢は変わっていくので、特定の党とその候補者に限定していると、情勢に対応できない場合が出てきます。
飛行機で言えば、自動操縦です。燃料が切れれば、墜落です。

最後は、特定の党にこだわらず、毎回、投票する政党や候補者を選択する場合ですが、ハッキリ言えば、これこそが本来の選挙の形です。



国政選挙の間隔は、最大でも3年です。
最悪でも、この間隔で国政を見直す必要があるので、選挙が行われるのです。
他国でも、民主的な国では、似たような周期で国政選挙が行われます。
これくらいの周期で国政を見直さなければ、情勢の変化に対応できないとも言えるでしょう。

であれば、特定の政党に投票し続けるのは、情勢を読んで投票行動を変えることをしていないので、何も考えずに適当に政党名や候補者名を書いていることと、大差ないとも言えます。

これは、ちょっと極論かもしれません。
ですが、与党のみならず野党の一部も、基本的には改正しない憲法でさえ、「情勢に合わせて、改正すべき」と言っているのです。
元々、情勢に合わせるべく行われる選挙なら、選挙毎に投票先を変えるのは、当然のことでしょう。

「政党に属している人は、その政党と考えを一にしているから、『考えていない』との指摘は当たらない」との意見もありますが、本当にそうなのでしょうか。
政策が、党内でも意見が分かれることは、珍しくありません。
ちゃんと考えて投票するなら、「政党名は所属政党にするが、自分の選挙区の候補者とは考えが違うので、他の候補者に投票する」といった場合も出てくるはずです。
その可能性がないなら、何も考えずに投票しているのと全く同じです。
それどころか、政党からすれば、固定票なので、意見を聞く必要はなくなるのです。


選挙は、毎回考えて投票するのが、最善の状態です。
いわゆる浮動票です。
固定票、浮動票と表現されますが、全ての票が浮動票なのが、本来の選挙の姿と言えるでしょう。


昨日も書いたように、有効投票数が多くなると、それだけで、政治家は、国民の意見に耳を傾けるようになります。
本来は、選挙が行われるたびに、しっかりと考えて投票すべきですが、第一ステップとして、とにかく投票する、そして有効投票を投じることです。



※ 憲法は、基本的には改正しない法律です。
 だから、他の法律とは異なり、改正のための条件が明文化されているのです。
 通常の法律の条文には、当該法の改正条件は書かれていません。
 某政党のキャンペーンで、「憲法は改正するもの」との印象操作がありましたが、
 その考えは誤りです。
 質の悪い憲法は、やむを得ず改正することになるのです。
 あるいは、独裁者の都合を押し付けるため、改正するのです。
 独裁者がおらず、かつ出来の良い憲法は、改正はほとんど不要なのです。