原田純夫さんというカメラマンがいらっしゃいます。
ロッキー山脈に棲むマウンテンゴートを中心に、長年にわたってロッキー山脈の動物を撮り続けている方です。

マウンテンゴートの日本名は、シロイワヤギです。
その名の通り、断崖絶壁に棲む白いヤギです。

原田純夫さんは、ロッキー山中に居を構え、マウンテンゴートを撮り続けています。



その原田純夫さんが、日本の出版社にマウンテンゴートの写真集の出版を持ち込んだ時、担当者から「メジャーな動物でないとダメ」と言われたのだそうです。

出版社に関わらず、極度に失敗を恐れます。
少しでもリスクがある題材には、手を出そうとしません。
これでは、発展はありません。
どんなに用心しても、失敗をゼロにはできないので、その度に削られていき、ジリ貧が続くことになります。

出版社は、ほとんどの人が知らないマウンテンゴートを扱えば、話題性はあるし、独占的に出版できて利益も出たはずです。

それを実現するつもりなら、原田さんとは、「マウンテンゴートの魅力は何か?」と問うでしょう。同時に、マウンテンゴートの魅力を、自らも探すはずです。
それが固まれば、担当者が原田さんにいう言葉は、「こんな写真は無いのか?」、「このシーンを追加で撮影してくれ」となるはずです。
販売戦略も、担当者が感じた魅力と原田さんが感じている魅力を、どうやって一般に伝えていくか、戦略を練ることになるはずです。


先週、日本が滅びないための経営者からの提言を紹介しました。

・少子化社会に対応して、少数精鋭で臨むべき
・労働時間の制限を緩和して、現状より労働時間を伸ばすべき

まとめると、このようなものでした。
どちらも、労働力の確保を目的とした提言です。

これに対して、私が書いたのは、経営者が新しい才能を発掘するべきとしました。
新しいことを開拓する、新しい手法を開発する、そんな人材を発掘し、機会を与えられないなら、経営者として失格だとしました。



原田純夫氏の話を聞いて、日本を滅ぼそうとする人材ばかり、将来が約束されているように思えてきました。