電気自動車に限らず、大量生産の乗用車の大多数は、FF方式です。
FFは、Front engin・Front driveの略ですが、実は和製英語だそうです。
海外では、エンジンの位置は無視し、FWD、RWD、AWDで区別するそうです。
この表現では、FR、RR、MRが、RWDに統一されてしまいます。
なので、日本式の表現の方が、私は好きです。


さて、昔の自動車は、フレームに、走行に必要なエンジンと駆動系、燃料系、サスペンション等を組み付けていました。
初期では、「自動車を買う」とは、走行可能なフレームを買い、コーチビルダーにボディを架装してもらうことを意味していました。
トラックでは、今でも似た方式を取ります。

今の乗用車は、衝突安全性を設計しやすいモノコック・フレームですが、エンジンやサスペンションを組み付けたサブフレームをモノコック・フレームに組み付ける方式が一般的になってきています。
特に、FFは、操舵系とエンジン・駆動系がフロント・サブフレームに集中するので、コストダウンを図りやすいとされます。

ですが、燃料系や制動系、電気系等は、それぞれ組み付ける必要があります。
また、重量配分の関係から、前車軸より前にエンジンを置く必要があり、前車軸とキャビンの間にデッドスペースができやすい欠点がありました。
このデッドスペースを少しでも潰すために、キャビンを前寄りにするのですが、その結果、右前輪のホイールハウスとアクセルペダルが干渉することになり、ペダルのオフセットが起きます。
踏み間違い事故の一因は、このペダルオフセットにあります。


このデッドスペースに、燃料タンクを置くことはできません。
でも、電池ならどうでしょうか。
法律や行政指導で、どうなっているのか、私の知識不足ゆえわかりませんが、電池を置けるなら、生産工程が簡略化できるようになります。
また、デッドスペースを埋めることができます。
電池は、重量があるので、駆動輪のトラクションにも有利です。
更には、電池の温度管理も容易になります。


副産物として、フレームの設計の自由度が高まり、昔のように、駆動系とキャビンを別々に作る時代が来るかもしれません。
リアセクションとの関係は、ブレーキと若干の電装くらいになります。
4WDでも、電源ケーブルが増える程度です。
トラクション用のセンサーは、ABS用のセンサーと共有するので、追加する必要はありません。

もちろん、自動運転による安全性の確保が、前提条件になります。
自動運転になれば、クラッシャブル・ゾーンは不要になります。
ボディと、フロントセクションやリアセクションとのバランスの幅が広がるので、ボディ設計の自由度が高まります。
そうなれば、駆動系の設計・製造メーカーと、ボディの設計メーカーの分業が成立するかもしれません。


ただ、完成品を購入することに慣れている現代人は、分業制による自動車でも、納期の面からも、完成品しか買わないでしょう。
となると、分業制の自動車(今でも分業していないわけではないが)は、コーチビルダーが一般ユーザーに販売することになるのでしょうか。





世界中で、「時代の変革期に入った」と言われています。
でも、どう変わるのか、どう変わるべきなのか、考えている人は多くないでしょう。

逆に言えば、想像することは自由だし、実現するかもしれません。
もしかすると、大きなビジネス・チャンスがあるかもしれません。

だから、具体的に変革の内容を想像するのも、面白いだけでなく、意外に大切なことだと思います。
また、政治家であれば、日本がどう変わっていくべきかを考え、理想に近付いていくべきです。