期日前投票とは、投票日より前に投票できる制度です。
期間は、公示日(または告示日)の翌日から、投票日の前日までです。
近年の選挙では、期日前投票は、投票全体の約4割を占めます。



期日前投票をする場合に、最も問題になるのが、選挙公報が届いていないことなのです。

選挙公報は、法律上は、投票日の前日までに届くようにすれば良いそうです。
多くは、2日前か、3日前に手元に届きます。
選挙公報では、候補者を吟味した投票は、投票日にしかできないことになります。

これは、見直した方が良いでしょう。




選挙公報を発行する期限は、なぜ投票日の前日なのでしょうか。
元々、期日前投票はオマケの扱いで、投票日に投票するのを当たり前としていたのでしょう。
もう一つは、選挙期間で決まったのではないかと、想像します。

選挙運動期間は、町村長や町村議員が最も短く、5日間です。
例えば、6月1日に告示された場合、選挙運動期間は6月1日から6月5日まで、投票日は6月6日になります。
この場合、選挙公報は、6月5日には有権者に届けなければならず、6月4日には印刷を終わっておく必要があります。
つまり、告示日の6月1日に、各候補者から選挙公報を受け取り、直ちに印刷が可能か簡単なチェック(公序良俗に反しない、文字が小さすぎない等)を行い、6月3日に最終稿を受け取れば、ギリギリ6月4日には印刷を上げられると思います。


このように、告示日から4日に以内なら、何とか届けることができそうです。
ただ、参議院の比例区は、実質的に全国区です。
なので、輸送も考える必要があります。
昔は、夜行列車に荷物車が併結されていて、新聞を運搬していましたが、今は、そのような運搬手段はありません。
なので、輸送にも1日くらいは必要になります。

選挙公報は、告示日から5日以内なら、対応可能でしょう。



もう一つの選挙公報の公開方法が、ネット空間での公開です。

2011年の片山総務相の発言を機に、選挙管理委員会のホームページで選挙公報を公開するようになっています。


こちらは、認知度は兎も角、別の議論がされています。
選管ホームページの選挙公報は、いつ消去するべきなのか、議論になっています。
候補者が公約を守ったのかを確認するため、選挙広報を残してほしいとの意見があります。

ただ、選挙公報を残すと、再選がベースになります。
つまり、再選の候補だけが評価され、新人候補を無視することになります。
これは、公平性に反することになります。


公約を守ったのかどうかは、候補者本人のホームページか、前回の選挙公報を残しておくことで、確認できます。
候補者本人の評価は、あてになるものではありませんが、それなら、前回の選挙公報を残しておくことです。
選挙公報は、参議院、衆議院、県知事、県議、市町村長、市町村議の6選挙を残すだけです。



小選挙区制の議論からは外れましたが、選挙のあるべき姿を考える上で、こういった部分の議論も必要だろうと思います。