初めに、近畿の各府県のNo2の都市を確認しておきましょう。
データは、2020年の国勢調査を基にしています。

 三重県  四日市市(※ 四日市市は1番目、津市は2番目です)
 滋賀県  草津市
 京都府  宇治市
 大阪府  堺市
 兵庫県  姫路市
 奈良県  橿原市
 和歌山県 田辺市


今回は、近畿地方のNo2について、書いていきます。
個人的な印象で書いていきますので、実際とは違っているかもしれませんが、御容赦の程、お願い致します。



三重県のNo2は、県庁所在地の津市で、No1が四日市市です。
昭和の時代には、公害の街とされたように、海岸線に工場地帯が発達しています。

東京湾の川崎市、大阪湾の尼崎市に似ているように思います。
日本の三大都市圏は、似たような規模の湾の中にあり、似たような発達をしています。
それが、こんなところにも現れています。
もちろん、昔のような公害は、今は治っています。

東京駅からは、新幹線(名古屋駅経由)で2時間ちょっとです。



滋賀県のNo2は、草津市です。
群馬県の草津温泉とは、全く関係ありません。

滋賀県は、古くから琵琶湖の水運が発達してきました。
特に、東岸は豊かな平地が広がるため、安土城を筆頭に、彦根城、佐和山城、長浜城、小谷城、坂本城(この城だけ西岸にある)等、多くの城郭が作られました。
面白いことに、草津市には街の中核となる城はありません。(古い城はいくつかある)

東京駅からは、新幹線で京都駅まで出て、東海道本線を戻るのが早いようです。
所要時間は、3時間ほどです。



京都府のNo2は、宇治市です。
宇治市は、ベッドタウンとして人口を増やした街です。
宇治茶が知られていますが、生産量は多くないようです。
平等院の参道には、抹茶関連の店が並びます。

京都府は、日本海に面しているのですが、その印象がなく、内陸にあるイメージが強いと思います。
極端なまでに一極集中が進み、盆地に存在する京都市の印象しかないためでしょう。
例えば、舞鶴市は、日本海側の海運の拠点の一つですが、京都府の一市であることは、忘れられています。

東京駅からは、新幹線(京都駅)と奈良線で、3時間弱です。



大阪府のNo2は、堺市です。
No2ですが、政令指定都市です。
No2として取り上げた市で政令指定都市は、川崎市、浜松市、堺市、北九州市があります。

大阪市より歴史的には古く、戦国時代でも大きな存在感を誇っていました。
泉州地域は、海運が発達し、斑鳩の入口でもあることから、古墳時代から発展してきました。

東京からは、新幹線(新大阪駅)と地下鉄、南海電車で、3時間半くらいです。



兵庫県のNo2は、姫路市です。
世界遺産の姫路城で知られます。
兵庫県西部の中心都市であると同時に、古くは弁慶が修行し、秀吉の中国大返しでは陣を張った円教寺も、姫路市内にあります。

でも、古い人には、ちょっと意外かもしれません。
尼崎市の方が人口が多いと思っていた人も少なくないはずです。
これも、平成の大合併の影響です。

東京からは、新幹線で3時間ほどです。



奈良県は、橿原市が2番です。
市内には、橿原遺跡をはじめ、多くの遺跡が残っています。
流石、奈良県のNo2ですね。
奈良盆地の中は、どこを掘っても遺跡が出てきそうです。
「モグラも穴を掘れば遺跡に当たる」ってか。

東京駅からは、新幹線(京都駅)と近鉄京都線で、3時間半余りです。



和歌山県のNo2は、田辺市です。

私が田辺市を覚える切っ掛けとなったのは、堀江謙一氏の「太平洋ひとりぼっち」です。
シングルハンド(1人乘りヨット)としては、日本初の太平洋横断を果たした冒険を記した本です。
堀江氏は、パスポートを所持せずに不法出国したため、田辺の海上保安庁を恐れたそうです。
今の時代なら、トランプに「不法移民だ」と言われそうですね。

東京からは、南紀白浜空港経由で、4時間ほどです。




近畿地方は、古くから発展してきたため、それを背景とした都市形成が多いように思います。
その典型が、堺市や橿原市だろうと思います。
歴史を調べると、名前が出てくる市が少なくありません。長い歴史があるので、都市の基盤も、比較的、安定しています。
なので、数十年後になっても、No2はあまり変化しないだろうと思います。




さて、次回は、中国・四国地方のNo2を見ていくことにします。