スピンオフブログの方に、経済シミュレーションについて、簡単に書きました。
その内容は、リンクを辿ってもらうとして、ここでは、別の見方をしてみようと思います。

〈スピンオフのリンク:
https://ameblo.jp/imutakatumi/entry-12879493555.html

多くの方が、グリーンバンク方程式(ドレイクの式)を御存知でしょう。
なんと64年も前に、グリーンバンク天文台で行われた学会において、ドレイク博士が提案した宇宙文明方程式です。
七つの項からなり、銀河系内に存在する文明の数を予想します。

経済シミュレーションと関係しそうな項は、お気付きの通り、"L:文明が通信を送ることができる期間"です。

グリーンバンク方程式では、1番目から6番目までの項は、天文学や生物学の世界ですが、最後のLだけは、社会学の世界です。
それ故か、議論が白熱しやすい項でもあります。

今回は、科学的な議論とまではいかないものの、そこへの道筋の一つに、経済シミュレーションが貢献できるかもしれません。




人類の発展は、過去の経験を体系化(科学)し、応用(技術)してきたことに因ります。
ですが、技術文明は、大量のエネルギと資源を消費します。
同時に、エネルギと資源の消費量は、経済活動にほぼ比例します。

惑星内の資源を使い切る前に、他の惑星へ進出しなければなりません。
恒星系内の資源を使い切る前に、他の恒星系へ進出しなければなりません。
カルダシェフ・スケールの経済発展版のようなものです。

考えるポイントは、経済が資源を消費するペースが、他の惑星へ植民できる技術レベルに達するまでに、惑星内の資源を枯渇させてしまうかどうかです。
もし、資源が枯渇すれば、他の惑星の資源を採掘しに行くことさえ、不可能になります。
やがて、文明は絶滅します。



SETIに興味がある人なら、大概は知っている『ダイソン・スフィア』という文明の形態があります。
カルダシェフ・スケールで言えば、レベル2の最終段階です。

ダイソン・スフィアは、恒星を包むような構造物を建設し、恒星が放つエネルギの全てを利用する技術です。
構造物は、排熱として赤外線を放出すると考えられるため、赤外線天体を探索することが提案されています。

ダイソン・スフィアではないかと考えられたのは、KIC8462852です。
別名タビーの星とも呼ばれ、不思議な減光が見られた白鳥座の天体です。
一時は、建設中のダイソン・スフィアではないかと主張する学者もいましたが、現在は、減光の原因は、降着円盤(恒星が生成される初期段階にできるとされる円盤状のガス雲)によるものと考えられています。

小説では、野尻抱介の『太陽の簒奪者』が、ダイソン・スフィアがテーマの一つとなっています。
その小説では、水星軌道にダイソン・スフィアの建設が始まります。
仮に、水星軌道にダイソン・スフィアを建設するとして、厚さ1mmの膜を作るとしても、膜の容積は、4e19m3 くらいになります。
これは、地球の体積の4割くらいにもなります。
その質量を、水星軌道まで運ばなくてはならないのです。
必要な資源量もエネルギも、正に天文学的数字です。


ダイソン・スフィアは、理論的に建設不可能ではありません。
膜を薄くすることは、研究が進めば可能になっていくだろうと思います。
ただ、ダイソン・スフィアが建設可能になるまで、経済が持ち堪えることができるのか、気になります。




経済シミュレーションが何を暴き出すか、わかりません。

例えば、経済シミュレーションから、経済を拡大していかなければ経済が成立しないとの結論が出たのなら、人類の技術文明は、そう長くは続かないでしょう。
指数級数的に資源の消費量が増えることになり、遠くない将来には、採掘可能な資源量を超えてしまうでしょう。
そうなれば、経済は、目先の金や資源の奪い合いとなり、技術発展の余裕もなくなります。





昔から、グリーン・バンク方程式のLの項は、議論が絶えません。

フェルミのパラドックスでは、宇宙には生命が溢れているはずなのに、生命の証拠は地球でしか見つかっていない矛盾を指摘しています。
フェルミのパラドックスは、70年以上も前の身内の会話から始まっているそうです。
50年前には、研究も始まっていたそうです。

もしかすると、経済シミュレーションは、フェルミのパラドックスに答をだすことになるかもしれません。




科学は、様々な分野を繋ぐこともあり得るのです。

経済シミュレーションは、本来は経済分野の学問ですが、もしかすると、天文学の疑問に答を出すかもしれないのです。


湯川学は、「実に面白い」と言うのでしょうか。
それとも、「さっぱりわからない」と言うのでしょうか。

ちょっと、興味が湧きました。