ウクライナ危機で、食品価格が急騰しました。
食糧自給率が驚異的に低い日本は、モロに影響を受けました。
食品を買っていると、以前より2割から3割くらい支払いが増えたように感じます。
・・・と、思っていると、昨年8月の日向灘の地震に伴う巨大地震注意で、米価も上昇したままとなっています。
食糧自給率の低さに加えて、食糧管理政策の脆弱さも露呈しました。



まず、海外の影響を減らするには、食糧自給率を向上させなければなりません。
もちろん、全ての産業は相互に関係しているので、食糧自給率の向上には、他の産業も関係します。
農業では、種苗、肥料、飼料、農薬、農機、農法、農地、加工、流通等、パッと思い付くだけでも、これくらいは出てきます。
漁業も、漁船、魚網、魚探、保存、加工等を思い付きます。


ただ、漁業は、養殖の割合を高くするべきでしょう。
既に、養殖が天然を超えつつあります。
これは、歓迎すべき状況です。




SDGsの考えなら、いくつかの改善も必要になります。
改善を考える上で、ヒントは、コストです。
コストは、何に資源を使っているかを考えるヒントになります。


まず、輸送コストです。
文字通り、輸送にかかるコストですが、コストを減らすためには、輸送方法の他に、輸送距離を減らす方法もあります。
輸入も、輸送距離が長いので、輸送コストが掛かります。当然、エネルギ資源を消費します。


次に、仲買コストです。
仲買が入ると、人件費の他に、裏で輸送コストも入ります。
理想的には、生産者から消費者に直に渡ることです。
これなら、いわゆる中間搾取が無くなるため、生産者は最も高値で、消費者は最も安値で、取引できます。

ただし、生産者と消費者は、直に手渡ししなければなりません。
また、生産者は、複数の消費者を相手にしなければならないので、手間が掛かります。
そこで、集荷と仲買と輸送と小売が、中間に入るのです。


日本は、W/Rが悪いことが知られています。
当ブログでも、過去に何度か触れたことがあります。
W/Rを悪化させる要因の一つが、仲買制度にあります。

本来なら、生産者→集荷業者→運輸業者→問屋→小売業者→消費者と流れるべきですが、『問屋』と書いた部分が複雑になっているようです。
また、生産地と消費地が離れているため、面倒なことになっています。
もし、生産地と消費地が近ければ、上記の流れは、生産者→集荷業者→小売業者→消費者となり、格段に安くなります。

一般に、中間搾取と言われている部分は、企業の収入にあたる部分です。
利益は、ここから輸送費、倉庫代、人件費、税金等を差し引いた残りとなります。
なので、一定額(マージン)を取らないと、企業として成り立ちません。

仮に、仕入値の15%をマージンとして取るとすると、1段階を経る度に、売値は1.15倍になっていきます。
生産者→集荷業者→運輸業者→問屋→小売業者→消費者の流れなら、5段階を経るので、生産者が115円で売っても、消費者が支払う額は231円となります。
これが、生産地と消費地が隣接すれば、生産者→集荷業者→小売業者→消費者となるので、3段階となり、消費者が支払う額は175円まで下がります。



W/Rの悪化は、エンゲル係数にも悪影響を及ぼしています。
当ブログを始めた頃(10年余り前)の日本のエンゲル係数は、25%前後でした。
現在は、30%前後で推移しています。

単純に、エンゲル係数を30%から25%とするには、現状の小売値が231円なら、193円で届ければ良いことになります。
もし、消費地を生産地に近付け、運輸業者と問屋を省略できるなら、集荷業者も小売業者もマージンを15%から18%まで上げられます。
生産者の原価も、115円から118円に上げられます。
(日本のW/R比率は3前後なので、上記の計算より上昇幅は大きくなると考えられる)


このように、中間の段階を減らせば減らすほど、確実に収入が増えるのです。

現状は、仲買が目先の利益を得るために、農産物を少しでも高く売れる市場へ転売しているようです。
この時、無駄な輸送が入ります。
結果として、余計に高額になります。

何らかの流通革命が、必要になるでしょう。




食糧自給率を向上させる上で、生産者から消費者まで届ける方法を考えることは、輸入品と価格競争する上で、隠れた課題と言えると思います。