動く物は何でも好きな伊牟田です。
この言い方は、文法的に正しいのです。
当然、船も大好きです。
船は、身近な存在である割には、技術面は、あまり知られていないようです。
例えば、トン数を船の重さだと思っている方が多いようです。
「飛鳥3って、50000総トンもあるだって。大きいね」
この言い方は、文法的に正しいのです。
でも、「大きいね」を「重いね」とすると、文法的には誤りになってしまいます。
「戦艦長門は、40000排水トンもあったんだって。重いね」
この言い方は、文法的に正しいのです。
飛鳥3を「重い」と言うと間違いですが、長門を「重い」と言っても正しいのです。
なぜでしょう?
飛鳥3は、客船なので、一般に『総トン』を用います。
これは、100立方フィートを1総トンとして、内容積を算出します。
飛鳥3は、52200総トンと発表されているので、内容積は522万立方フィート(約147800m3 )となります。
ちょっと横道に逸れますが、1総トンは2.83m3 程なので、1層の高さが2.83mなら1総トンは1m2 と同じくらいになります。
仮に吹き抜けが無いなら、飛鳥3の総床面は、52200m2 (約15800坪)くらいになります。これは、東京ドームの建築面積(46755m3 )を超えます。
ただ、総トンの計算方法は複数あり、日本は独自の方法を用いているので、他国の客船とは単純比較ができません。(主として、フェリーの総トン数に違いが出ます)
横道ついでに、建築の容積率について触れておきます。
容積率と言いつつ、『容積』は関係しません。
容積率は、総床面積と敷地面積との比なので、面積と面積の比率です。
まぁ、無次元数である比率なので、容積であっても、面積であっても、同じだと言えなくはありませんね。
さて、総トンですが、これは容積の単位なので、「大きい」との表現は間違いではありませんが、「重い」と表現するのは、間違いです。
そんなことを意識して、「大きいね」なんて言っていないとは思いますが・・・
因みに、軍艦は、『排水トン』を使います。
排水トンは、船の重量を表す単位なので、「重い」と言うのが正しいのです。
まぁ、排水トンも、測る条件によって、基準排水トンとか、満載排水トンとか、色々ありますよ。
閑話休題
船を表す漢字には、『船』、『艇』、『艦』があります。
熟語で見ると、『客船』、『潜水艇』、『護衛艦』といったように使われます。
一般的には、『船』は民間、『艦』は軍用を表します。
面倒なのは、『艇』です。
『潜水艇』とすると、平和目的で使用する船も含まれます。
『潜水艦』なら、軍用の船です。
この法則なら、『艇』は民間に思えます。
ところが、『魚雷艇』という使い方もあります。
『上陸用舟艇』や『掃海艇』もあります。
いずれも、軍用です。
一般には、『艇』は、軍用の船の内、小型のものを指すことが多いように思います。
厄介なのは、海上保安庁の『巡視船』と『巡視艇』です。
大型の船を『巡視船』、小型を『巡視艇』と呼ぶそうです。
本来、『艇』は、軍民に関わらず、小型のものを指すのが正しいようです。
因みに、『しんかい6500』は、『潜水艇』ではなく、『潜水調査船』と表現します。
かなり小型なんですけどね。
日本の海上自衛隊が誇る装備として、US-2があります。
救難飛行艇として、海難事故において、ヘリが届かない遠方の現場まで急行し、多くの人を助けてきました。
所属は、海上保安庁ではなく、海上自衛隊です。
であれば、基本は軍用の小型艇の意味で、『飛行艇』と考えることができます。
でも、日本では見かけませんが、海外では、個人用の小型飛行艇(フロートが別体の水上機ではない!)も複数の種類が販売されています。(例えば、OMSIDER)
これらは、明らかに民間用です。
『艇』は、やはり軍民の境界が曖昧なのかなと、思えてきます。
軍用に限定すれば、『艇』か、『艦』か、大きさが決め手のようです。
もし、超大型の飛行艇が出てきたら、『飛行艦』と呼ばれるのでしょうか。
掃海艇では、500排水t(排水tは船舶の重量を表す単位)を超えるものもあります。
史上最大の航空機であるAn225(無理や)と同等の重量です。
これを超える飛行艇を作ったなら、『飛行艦』と呼べるかもしれません。
民間は、どうでしょうか。
同じように、巨大な民間飛行艇を作ったなら、『飛行船』と呼ぶのでしょうか。
でも、『飛行船』?
『飛行船』って、『飛行船』ですよね。
ヒンデンブルク号とか、グラーフ・ツェッペリン号とか、アクロン号とかの『飛行船』?
確かに大きいですが、小型飛行船も『飛行船』です。
世界初の飛行船であるジファール飛行船は、全長44m、総重量3t程度です。
一方、史上最大の飛行艇H-4(ハーキュリーズ)は、全長66.65m、最大離陸重量180tと、『飛行船』より大きな『飛行艇』です。
また、第一次世界大戦では、『飛行船』が爆撃目的で使われたこともあります。
その意味では、『飛行艦』でしょうか。
実は、陸上機も『シップ』と呼ぶことがあります。
こうなると、『艦』や『艇』の英語が気になります。
『艦』は、『warship』だそうです。
(伊牟田は、英語が存在することを認めていません‼️ ・・・ 苦手なだけ?)
直訳すると、『戦争船』でしょうか。
『艇』は、『boat』です。
小型船ですね。
『船』は、もちろん『ship』です。
流石に、私も知っています。
では、『飛行艇』は、どうでしょうか。
『flying boat』だそうです。
日本語に直訳しても「飛行できる艇」なので、そのままですね。
ただ、「飛行できる」と言うより、「水面から離着水できる飛行機」のイメージですね。
『飛行船』の英語は、『airship』だそうです。
直訳すると、『空中船』でしょうか。
日本語の『飛行船』より、しっくりくる印象です。
日本語でも、英語でも、『船(ship)』や『艇(boat)』の意味は、水に浮く人工物ですが、どちらも、『飛行船』の『船(ship)』は、水には関係せず、「船のようなもの」の意味です。
ちなみに、水上機の英語は、『seaplane』です。
飛行艇が、船の形状の胴体を持つのに対し、水上機は、陸上機にフロートを取り付けて水上に降りられるようにした機体です。
『seaplane』を直訳すると、『海飛行機』です。
外海での離着水は、水上機に厳しいのですが、海に離着陸できる飛行機は、イメージに近い表現ですね。
結論として、『船』、『艇』、『艦』は、慣用として覚えるしかないようです。
でも、面倒ですよね。
『軍艦』と『軍船』の違いはどうするのか、迷います。
『軍船』は、補給艦のような非武装の船舶を含む全ての軍用船舶を指し、『軍艦』は、武装しているとの区別があります。
でも、個人的には、中世までの動力を持たない軍艦のイメージです。
困った。 困った。
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