『進化』とは、言い替えれば『適者生存』の結果です。
『適者生存』によって、環境に適応した者が高い確率で生き残るので、結果として、環境に適応するために『進化』したように見えるのです。
進化するための方法が『適者生存』であり、その結果が『進化』なのです。
ただ、環境への適応だけで語れない部分もあります。
例えば、孔雀の飾り羽です。
孔雀の飾り羽は、生き残るだけなら何のメリットもなく、むしろ邪魔になります。
雄の孔雀は、羽を広げ、雌にアピールします。アピールと言うより、『通せんぼ』しながら雌を追い詰めていくような行動をとります。
まぁ、雌には、飛んで逃げる道があるので、やはりアピールなのでしょう。
一方、飾り羽は、生存に不利でしょうか。
おそらく、多少は不利でしょうが、大差ないのでしょう。
孔雀は、鳥類には珍しく、雄は子育てにほとんど参加しません。
だから、ヒナの生存能力には関係せず、自分だけの生存能力を考えればよく、飾り羽の生存能力への影響が小さいと考えることができます。
人類も、ビタミンCを体内で生成できなくなっています。
GLO酵素を産生する遺伝子が壊れているためです。
この遺伝子は、他の機能に使われるようになったのではなく、どうやら別用途にも使われていないようです。
それでも、
ただ、ビタミンCを生成できるグループと、生成できないグループにとが存在するのではなく、生成できるグループが淘汰されています。
ビタミンCを体内で生成するために、エネルギを消費しないので、それが生存に有利に働いたのかもしれません。
メガネザルを除く真猿類(人類も含まれる)は、ビタミンCを生成できませんが、果物等の食物から豊富に得られるので、無駄な能力を切り捨てたのでしょう。
似た進化は、他にもあります。
例えば、哺乳類は、鰓を捨てました。
そのため、溺れてしまいますが、滅多に泳ぐことがないので、問題にならないのです。
さて、クジラのストランディングです。
クジラは、陸上哺乳類の偶蹄類(カバやウシ等)から進化し、生涯を水中で生きるようになりました。
ですが、水中生活に適応してしまった結果、海岸に打ち上げられる(座礁)と、死んでしまう弱点を持っています。
なので、余程のことがないかぎり、クジラはストランディング(座礁)しないように生きています。
とは言うものの、日本の海岸では、確認されているだけで、年間平均で300件前後のストランディングが起きています。
ストランディングの原因は、色々あるようで、研究者は、状況を確認したり解剖することで、原因を追っています。
クジラにとって、ストランディングは死を意味するので、特殊な能力でストランディングを起こしてしまうなら、生存において極端に有益な能力でない限り、その能力を持つクジラは死滅してしまいます。
それが、適者生存であり、特殊な能力を失うことが『進化』なのです。
クジラのストランディングがニュースで流れた直後に大地震が起きると、「地震の前兆を捉えていたのだ!」と騒ぎ立てる人がいます。
それも、マスコミが、研究者の発言を捻じ曲げて、さもクジラのストランディングと地震が関係あるかのように報じます。
最近も、カムチャッカ半島沖の地震の前日に、千葉でマッコウクジラが打ち上がっていたので、早速、これを関係付けて報じていました。
その際、クジラの研究者を取材し、「クジラが潜水中に何らかの異常を感じて急浮上したなら、身体にダメージを受けるかもしれない」との回答を得て、まるでマッコウクジラが打ち上がった原因のように報じていました。
ですが、この研究者は、「死んだマッコウクジラを解剖してみないと、死因はわからないが〜」との前振りを言っていないことから、一般論として、「そういうことを完全に否定できる証拠は見つかっていない」と答えたのでしょう。
そもそも、カムチャッカ半島沖の地震の震源と、マッコウクジラが打ち上げられた千葉とは、2200kmも離れているのです。
半径2200kmは、地球表面積の3%近くになります。
半径2200kmも、クジラに影響を与えるのなら、全世界のクジラの3%近くが、今回の地震の影響を受けたことになります。
このクラスの地震は、地球全体では数年に1回は起きます。
その度に3%が影響を受けるなら、そのクジラは死滅する可能性が高いと思われます。
そんなことを、前述のクジラ研究者が知らないはずがありません。
「クジラが潜水中に何らかの異常を感じて急浮上したなら、身体にダメージを受けるかもしれない」と説明は、取材者から「クジラが地震を感知できないと言い切れるか?」といった趣旨の質問に答えたと、推定できます。
つまり、千葉で起きたストランディングとは無関係に答えたのは、確実です。
マスコミは、目的を持って取材し、目的を持って報じる場合があります。
例えば、マスコミにとってのオスプレイは、危険な飛行機でなければならないのです。
マスコミに、オスプレイの設計を読み解く実力はないのですが、危険な飛行機と決め付けて報じます。
同じように、地震予知でも、似たようなレベルで報じます。
だから、記事をしっかりと読み込み、取材先の人物が、どんな質問を受けて、どんな趣旨で答えたのかを、想像しなければなりません。
マスコミの報道であっても、私達自身のリテラシーが低いと、マスコミの偏向性に騙されそうですね。
マスコミに『進化圧』が加わり、偏向が見られるマスコミや記者が淘汰されればよいのですが、私のような人間の方が、世間という『環境』では、淘汰されそうです。
マスコミに『進化圧』が加わり、偏向が見られるマスコミや記者が淘汰されればよいのですが、私のような人間の方が、世間という『環境』では、淘汰されそうです。
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