いよいよ次回から、地震予知研究の手引きも最終段階に入ります。
その前に、少し息抜きをさせてください。


ここまで読んで下さった方は既にお感じの事と思いますが、アマチュア地震研究と言っても
誰でも地震予知研究ができるわけではありません。
何がしかの研究者か、特殊な測定機材を日頃から使用されているエンジニアでなければ、
地震予知研究は難しいと思います。
理由の一つは、対象となる現象を測定する手段を、一般人は持ち合わせていないからです。


「いやいや。動物は鋭敏な感覚を持っているから、動物の観察で予知も不可能ではない」
そう考える方もおられるかもしれません。
ですが、鋭敏な感覚を持っているのは、人類も同じなのです。
例えば、人類の目の能力は、動物の中ではかなり優れている方です。
哺乳類の中では、人類の視力は最も良い方に分類されます。
暗がりでの視力も、動物の中では優れている方です。
見える波長も広く、特に波長が長い光に対する視力が優れています。
動物園に行くと、夜行性の動物の観察室は、赤色灯が点いています。
赤色灯は、動物にとって赤外線に相当し、彼らには見えませんが、人類には見えるのです。

また、人類は、犬や猫よりも低い周波数の音に敏感です。
地震動の周波数は低いので、犬や猫より人類の方が感じやすいと思われます。


人類には感じない現象でも動物には感じられると妄信する事は、研究者としては失格です。
論理的に考え、結果と推論との関係が妥当なのかを考えていくことが、大切だと思います。

地震予知研究の一助になるよう、アマチュア研究者の方々の活躍を期待しております。



-地震予知研究の手引き(コーヒーブレイク2)-