仮想のデータで、歪を示す前兆現象が本物か、確認する仮定をみてみましょう。
南北に20km離れて電子基準点があるとします。
南側の電子基準点をA地点、北側の電子基準点をB地点とします。
A地点は、毎年2cmずつ東に移動していることが、電子基準点の観測から分かっているとします。
B地点は、毎年3cmずつ南東に移動しているとします。
南北に20km離れて電子基準点があるとします。
南側の電子基準点をA地点、北側の電子基準点をB地点とします。
A地点は、毎年2cmずつ東に移動していることが、電子基準点の観測から分かっているとします。
B地点は、毎年3cmずつ南東に移動しているとします。
この条件では、A地点とB地点は、毎年2cmずつ近付いていくことになります。
当然、A地点とB地点との間では、歪が溜まっていくことになります。
計測器をA地点からB地点まで5kmおきに設置し、計測を行ったとします。
A地点、B地点、C地点、D地点、E地点の計測値が、次のようになったとします。
観測開始から3年半後にD地点付近で地震が発生したとします。
こんな風に変化すれば、観測値は歪の絶対値を表している可能性が高いと言えそうですね。
・全体にほぼ一定のペースで増えている。
・地震発生時にほぼゼロまで下がっている。
・D地点の両隣のC地点とE地点の数値が少し上がっている。
こんな感じで、歪を表していると思われる観測値を検証していきます。
思い当たる観測値があれば、片っ端から調べてみてはいかがでしょうか。
-地震予知研究の手引き(研究手法3)-
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