歪の方は、単純に人海戦略(片っ端から調べる)でしたが、時期の前兆現象の調査は、
多少は科学的に絞り込みたいと思います。


地震発生の前兆現象を調べる上で、巨大地震は発生頻度が低い問題があります。
サンプルが少ないので、どんな前兆が発生するのか、見つけにくいと考えられます。

ですが、私は異なる考えを持っています。

地震の規模は、震源域の大きさで決まると考えています。
逆に言うと、地震の規模に関係なく、地震発生は同じ条件で起きるはずです。
地震の前兆現象を調べる際に、地震の規模で分類する必要はないのです。
つまり、全ての地震がサンプルになるのです。


気象庁のデータベースでは、1923年以降の全ての有感地震が公開されています。
マグニチュードと位置が明確なものだけで、10万件近くの地震が記録されています。
これだけのデータがあれば、前兆と思われる現象の観測値と比較すれば、統計的に検証する
ことも可能です。
例えば、観測データと地震の発生に相関関係があるかを調べれば、前兆かどうかが明確に
なります。

この方法では、歪の量を示す現象を探す行為と似て、人海戦術的に調べることになります。
前兆現象から始めて、実際の地震活動との比較で、真の前兆現象か、見極めるわけです。
この方法では、思いつく限りの前兆現象を試していくしかありません。
こんな事をしていても埒が明かないので、次回は別の角度からアプローチしてみましょう。


-地震予知研究の手引き(研究手法5)-