歪を表す現象と、時期を知らせる前兆現象を組み合わせると、地震予知が出来上がります。
歪を表しているか、地震の前兆なのか、真面目に確認されていることと思います。
中には、そんな事を無視して、「地震を予知できる」を豪語される方もいるでしょう。
色々な考えの基に作られた地震予知手法は、それが実用的な機能を有しているのか、
はたまた出鱈目に地震予知をして成功率だけを稼いでいるのか、検証する必要があります。

今回は、地震予知が実際に地震を予知できているのかを検証する方法を説明します。


地震を真に予知できているのか、キチンとした検証を行う必要があります。
巷の地震予知は、全て成功率だけで検証しています。
成功率には、発表した予知内容に該当する地震が発生したかをみる的中率と、発生した
地震を予知できていたかみる予知率がありますが、「明日、日本で、有感地震が発生する」
と言えば、どちらも簡単に100%の成功率にできます。
地震予知の三要素を緩めれば、成功率は簡単に高くできるのです。
ですから、単純な成功率で地震予知の実力を判断できません。

そこで、成功率に代わる判定基準を考える必要があります。
地震の三要素では、予知対象の規模を小さくすれば発生頻度が高くなるので、成功率は
高くなります。
対象となる地域を広く取れば、範囲内の地震が増えるので、成功率は高くなります。
地震が発生すると予想される期間を長く取れば、期間内に発生する地震が増えるので、
成功率は高くなります。
なので、この三要素を合わせて、評価基準を考えなければなりません。

まず、面積に比例して地震が増えるので、評価基準は面積の逆数であるべきです。
期間についても、期間の長さに比例して地震が増えるので、評価基準は期間の逆数である
べきです。
地震の規模が大きいほど地震が少ないのですが、指数級数的に減るので、評価基準は規模の
指数であるべきです。

地震の発生頻度における以上のような特性を踏まえ、私は次式で地震予知を評価するように
しています。

地震の評価式



この式は、予知に成功した場合に適用します。
成功したという地震予知の内容を用いて、当該の地震予知情報が価値のある内容を持って
いたか、検証してします。
評価値は、以下のように評価します。

・     評価値≧1.00:実用レベルの地震予知と言える
・1.00>評価値≧0.10:実用レベルには達していないが、予知はできている
・0.10>評価値≧0.01:かなり怪しいが、デタラメと断じることもできない
・0.01>評価値     :明らかにデタラメと断定できる


私が調べた範囲では、評価値が0.01を超えた例はありません。
有料・無料に関わらず、全ての地震予知がデタラメのレベルでした。
0.01の評価値であっても、達成すれば凄いことだと、私は思っています。



-地震予知研究の手引き(検証方法2)-