今回は、評価式の正しい利用方法を説明します。
地震予知を行う人は、例外なく結果に甘いので、評価式も正しく利用しなければ意味が
なくなります。
「もう一つの豊葦原中津谷」では、震度で計算する評価式も提案していますが、現状を
鑑みると、デタラメな地震予知が広がる下地を作りかねないので、ここでは公開しない
ことにしました。
なぜなら、震度は、地震の規模と震源が正確に予測できた上で、地質を加味しなければ
予測できません。
例えば、数百メートルしか離れていなくても、川沿いの軟弱地盤と台地の上では震度は
異なります。また、震源からの距離が少し違うだけでも震度は変わります。
逆に見ると、震度の予測は、場所についてはピンポイントで指定される筈です。
JESEAや富士S-CASTのように予測や判定が震度を基準としている場合、
場所毎に震度が予測されなければ説明がつきません。
震度5弱以上を関東地方といった広範囲を指定すること自体、地震を予知出来ていない
証拠とも言えます。
さて、評価式に入力する地震予知の三要素について、見ていきましょう。
まずは、期間です。単位は、「日」です。
6時間に絞った予知であれば、0.25日で計算します。
期間は、「地震が起きる」とした期間全体を指します。
イメージしてほしいのは、「地震が起きる」と予想した期間内は電車を止めると考えます。
当然、誤差も含みます。
例えば、「1月1日から1月7日までに巨大地震が起きる」と予想した場合、実際は9日に
地震が起きた際に「予知が外れた」と考えるなら問題ありませんが、「誤差の範囲内だ」と
考えるなら、誤差を含めた期間で考えるべきです。
なぜなら、「1月1日から1月7日までは電車を止めていたが、9日は通常運転していた
から大惨事になった」と考えなければなりません。
少なくとも、初日(この場合なら1月1日)から地震が起きた日までは、期間としなければ
意味がありません。
「地震解析ラボ」では、予知期間は通常は7日間ですが、予知期間の前3日と後10日は
誤差範囲としているので、合計で20日間が期間となります。
この考え方を広げ、短期の地震予知の延期を繰り返すパターンでは、初回からの期間で
計算します。
串田氏は、3日間程度の短期の地震予知を数年に渡って延期を繰り返していますが、
初回の初日からの日数が期間となります。
次は、面積です。単位は、km²です。
これも、誤差を含めた面積で計算します。
「地震解析ラボ」の場合、予知範囲の外側に緯度経度で1度以内を誤差としているので、
ここまでの範囲が面積となります。
「麒麟地震研究所」は、アウターライズ地震(日本海溝の東側)を予想していて、
「薩摩半島西方沖地震を予知していた」と言っていますが、この場合の誤差範囲は
日本海溝東側を中心に、薩摩半島西方沖地震の震央までを半径した円の面積を、
面積として計算します。
最後は、規模です。単位は、マグニチュードです。
マグニチュードには、気象庁発表の数値とモーメント・マグニチュードがありますが、
M7.0を超える場合はモーメント・マグニチュードを利用するのが原則です。
さて、地震の規模についても、誤差を含めて計算するのですが、含める誤差は下方のみと
なります。
例えば、M5.5±1.5という地震予知だと、M4.0でもM7.0でも予知成功です。
誤差範囲を含めると言っても、M4.0の地震予知に成功した際に、評価をM7.0で
計算するのは酷過ぎます。
M7.0は半年に一回程度しか発生しないのに、毎日のように発生するM4.0と同等に
扱うわけにはいきません。
M4.0を予知成功とする以上、評価式もM4.0で計算すべきです。
「1週間以内に、埼玉県内で、M6.5±0.5の地震が発生する」との地震予知をしたとします。
期間は、1週間以内なので、7日となります。
面積は、埼玉県の面積=3798km² となります。
マグニチュードは、M6.0からM7.0が範囲になるので、M6.0で計算します。
10⁶⁻²
評価値 = ─────────────
3798 × 7
この計算結果は、0.376となります。
評価は、「実用レベルには達していないが、予知はできている」となります。
評価が高くないのは、対象とする地震がやや小さいためです。
仮に、M7.0±0.5を対象とすれば、評価値は1.19となり、実用レベルの地震予知と言えます。
まずは、計算してみてください。
この条件で巷の地震予知を評価すると、出鱈目さがよく分かりますよ。
逆に、この評価式で1.0未満では、電車を止められないことが分かると思います。
前述の例では、M6.0(評価値=0.376)では鉄道の路床に影響するような揺れには
ならないので、1週間も電車を止めたままにはできないのです。
-地震予知研究の手引き(アマチュアの目指す方向)-
地震予知を行う人は、例外なく結果に甘いので、評価式も正しく利用しなければ意味が
なくなります。
「もう一つの豊葦原中津谷」では、震度で計算する評価式も提案していますが、現状を
鑑みると、デタラメな地震予知が広がる下地を作りかねないので、ここでは公開しない
ことにしました。
なぜなら、震度は、地震の規模と震源が正確に予測できた上で、地質を加味しなければ
予測できません。
例えば、数百メートルしか離れていなくても、川沿いの軟弱地盤と台地の上では震度は
異なります。また、震源からの距離が少し違うだけでも震度は変わります。
逆に見ると、震度の予測は、場所についてはピンポイントで指定される筈です。
JESEAや富士S-CASTのように予測や判定が震度を基準としている場合、
場所毎に震度が予測されなければ説明がつきません。
震度5弱以上を関東地方といった広範囲を指定すること自体、地震を予知出来ていない
証拠とも言えます。
さて、評価式に入力する地震予知の三要素について、見ていきましょう。
まずは、期間です。単位は、「日」です。
6時間に絞った予知であれば、0.25日で計算します。
期間は、「地震が起きる」とした期間全体を指します。
イメージしてほしいのは、「地震が起きる」と予想した期間内は電車を止めると考えます。
当然、誤差も含みます。
例えば、「1月1日から1月7日までに巨大地震が起きる」と予想した場合、実際は9日に
地震が起きた際に「予知が外れた」と考えるなら問題ありませんが、「誤差の範囲内だ」と
考えるなら、誤差を含めた期間で考えるべきです。
なぜなら、「1月1日から1月7日までは電車を止めていたが、9日は通常運転していた
から大惨事になった」と考えなければなりません。
少なくとも、初日(この場合なら1月1日)から地震が起きた日までは、期間としなければ
意味がありません。
「地震解析ラボ」では、予知期間は通常は7日間ですが、予知期間の前3日と後10日は
誤差範囲としているので、合計で20日間が期間となります。
この考え方を広げ、短期の地震予知の延期を繰り返すパターンでは、初回からの期間で
計算します。
串田氏は、3日間程度の短期の地震予知を数年に渡って延期を繰り返していますが、
初回の初日からの日数が期間となります。
次は、面積です。単位は、km²です。
これも、誤差を含めた面積で計算します。
「地震解析ラボ」の場合、予知範囲の外側に緯度経度で1度以内を誤差としているので、
ここまでの範囲が面積となります。
「麒麟地震研究所」は、アウターライズ地震(日本海溝の東側)を予想していて、
「薩摩半島西方沖地震を予知していた」と言っていますが、この場合の誤差範囲は
日本海溝東側を中心に、薩摩半島西方沖地震の震央までを半径した円の面積を、
面積として計算します。
最後は、規模です。単位は、マグニチュードです。
マグニチュードには、気象庁発表の数値とモーメント・マグニチュードがありますが、
M7.0を超える場合はモーメント・マグニチュードを利用するのが原則です。
さて、地震の規模についても、誤差を含めて計算するのですが、含める誤差は下方のみと
なります。
例えば、M5.5±1.5という地震予知だと、M4.0でもM7.0でも予知成功です。
誤差範囲を含めると言っても、M4.0の地震予知に成功した際に、評価をM7.0で
計算するのは酷過ぎます。
M7.0は半年に一回程度しか発生しないのに、毎日のように発生するM4.0と同等に
扱うわけにはいきません。
M4.0を予知成功とする以上、評価式もM4.0で計算すべきです。
「1週間以内に、埼玉県内で、M6.5±0.5の地震が発生する」との地震予知をしたとします。
期間は、1週間以内なので、7日となります。
面積は、埼玉県の面積=3798km² となります。
マグニチュードは、M6.0からM7.0が範囲になるので、M6.0で計算します。
10⁶⁻²
評価値 = ─────────────
3798 × 7
この計算結果は、0.376となります。
評価は、「実用レベルには達していないが、予知はできている」となります。
評価が高くないのは、対象とする地震がやや小さいためです。
仮に、M7.0±0.5を対象とすれば、評価値は1.19となり、実用レベルの地震予知と言えます。
まずは、計算してみてください。
この条件で巷の地震予知を評価すると、出鱈目さがよく分かりますよ。
逆に、この評価式で1.0未満では、電車を止められないことが分かると思います。
前述の例では、M6.0(評価値=0.376)では鉄道の路床に影響するような揺れには
ならないので、1週間も電車を止めたままにはできないのです。
-地震予知研究の手引き(アマチュアの目指す方向)-
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