桜の開花は、気温の影響が大きいことが知られています。
だから、400℃の法則が発案されたわけです。
ですが、400℃の法則からは科学的な臭いがしてきません。
その一つが、累積気温の起点が2月1日になっていることです。
地域によって、2月1日の気象はまるで違うのですから、
安易に累積気温の起点を2月1日にするのは、いかがなものでしょうか。
桜の花芽は、葉が落ちた頃から育ち始めるのだそうです。
葉が落ちるのは、寒さを感じた木が葉への水分の供給を絶つことで起こります。
つまり、落葉を決める因子は、その時点の気温そのものだと言うことです。
同じように、花芽が育ち始めるのも、その時点の気温が決めるはずです。
累積気温の起点は、その時点の気温で決めるべきだと思います。
花芽の成長速度ですが、当然、気温が高いほど早いはずです。
ならば、起点からの累積気温を調べるべきです。
さて、公開しておきながら長く秘密にしてきたグラフですが、
前述の二つを考えれば、簡単に分かります。
グラフの縦軸は、各日付の平均気温、
グラフの横軸には、開花日から過去の各日付までの累積気温を取りました。
両者の交わる点をプロットし、前年の7月1日まで遡ってみました。
(※気温は10日間の移動平均を使用しています)









でも、これでは氷点下の期間がグラフを壊してしまいます。
そこで、累積気温は絶対温度に書き直しました。

このグラフを見た時、正直なところ意外でした。
私がこのグラフを作った目論見は、
落葉からの累積気温に、東京と札幌で関連があるだろうと考えていたからです。
グラフを見ると、累積気温が10000K付近と76000K付近の二か所です。
10000Kは、東京では2月20日頃、76000Kは7月5日頃です。
どちらも落葉の時期とはかけ離れています。
因みに、東京の桜の落葉は、今頃(11月上旬)です。
そこで、他の年でも調べてみることにしました。






1963年、1973年、1983年、1993年、2003年、2013年
全てで1953年と類似の傾向が見られます。
となると、
桜の開花を決めるキーは、累積気温が10000K付近にありそうだと分かります。
ただ、年毎に、4000Kから10000Kくらいで年毎の差があります。
累積気温の起点を決定するには、もう少し詰めていく必要がありそうです。
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