豊葦原中津谷のニニギ

食糧自給率の向上を目指して! (2100年の日本へワープ)

カテゴリ: 地球温暖化


6年近くも前に、日本はフォーミュラEの大会を開催していないことを指摘していましたが、ついに日本でも開催されることになりました。

先日、開催されたジャパンモビリティショーでは、国内メーカーも、こぞってEV(電気自動車)を発表しました。


フォーミュラEの第一回開催地は、2014年9月13日の中国の北京でした。
日本は、10年も遅れているのですね。
自動車レースで言えば、準備が間に合わず、スターティング・グリッドではなく、ピット・スタートをするようなものです。

それでも、やっと、やっと、やっと、日本もEV市場に参入するようになりました。
(同じ言葉を3回繰り返すのがトレンドのようで・・・)




EVが普及し始めると、問題になるのは、充電スタンドの整備、充電方式や蓄電池開発、発電量(電力消費量の増加)等です。

特に厄介なのが、発電量です。
一気に増やせるわけではないので、EVの普及が加速すれば、電力需要が急増し、何らかの制限が始まるのでしょう。

今の中国が抱えている放置EVの問題も、いずれ日本でも問題になるでしょう。



アジアの先頭を走るのは、日本ではなく、中国や韓国のようです。
日本は、中国や韓国を手本に、あるいは反面教師に、政策を検討すれば良いのです。

もし、それでも後手に回るようなら、日本は、周回遅れか、下手をするとリタイヤになってしまうということです。

なんと、ローター船が復活しそうなのです。
それも、航空機メーカーのエアバスが、アメリカとヨーロッパの間の航空機部品の輸送に、ローター船を使うと言うのです。
新造されるローター船は3隻で、フランスのルイ・ドレフュス・アルマトゥールズ(LDA)が建造から所有、運航までを担うそうです。

ローター船は、100年ほど前に発明された帆船のような船です。
細く高い円筒(ローターセイル)を回転させ、マグナス効果で推進力(揚力)を得ます。
ローターセイルは、帆柱のようにも感じますが、通常の帆柱は後傾しているのに対し、ローターは垂直に立てられています。

エアバスのローター船は、ローターセイルを6本も持ちます。
1920年代に何隻か建造されたようですが、舶用機関が発展し、費用対効果が相対的に下がったため、普及はしませんでした。
それでも、環境問題が議論されるようになった1980年代以降、実証船の性格の船が何隻か建造されました。



私は、ン十年前からローター船を知っていますが、エアバスのローター船のような実用船は、ほとんど記憶にありません。
ちょっと楽しみな船です。
エアバスは、ローター船を3隻も建造し、2026年から運用します。
注目していきたいと思います。


個人的には、ローター船より、硬質帆装船の方が、将来性があると思っています。
それでも、このチャレンジには拍手を送りたいと思います。


今日、九州南部が梅雨明けし、これで梅雨明けしていないのは、九州北部のみとなりました。
なんと、東北北部も梅雨明けしていますが、九州北部は、まだ梅雨明けしていません。
こんな梅雨明けは、私の記憶にはありません。


梅雨明けは、沖縄から始まりました。

6月25日 沖縄
6月26日 奄美
7月20日 中国、近畿、東海
7月21日 四国、北陸
7月22日 関東甲信、東北南部、東北北部
7月23日 九州南部


関東に住んでいると、梅雨明けとは、関東甲信の梅雨明けを意味します。
ニュースでも、「梅雨明けしました」とだけ言った場合は、関東甲信を指します。
なので、九州北部の梅雨が、まだ明けていないことを忘れがちです。


・・・と、九州北部の梅雨明けが遅れていることを強調しましたが、これをもって「地球温暖化の影響だ!」と喚くつもりはありません。

元々、梅雨明けは、気象庁の担当者による判断なので、客観的なデータとは言えません。
なので、梅雨明けの順番で、異常気象とは言えません。


それとは別に、秋田の大雨被害は、観測史上の記録に残る大雨でした。
九州の大雨は、観測史上最高値ではないものの、過去にはなかった大雨が、近年に増えている印象です。

地球温暖化対策は、大きく遅れています。
温暖化が進んでしまうのは、避けられません。
ならば、災害対策を固めていくしかありません。
ある意味、地震対策や津波対策と同じです。
自然現象自体を防ぐことは、ほぼ不可能です。
なので、災害になりにくい仕組みを、一つずつ作り上げていくことが大切です。

水害対策は、治水、宅地の制限、避難場所や避難経路の充実、ライフラインの早期復旧方法の確立といったハード面と、天気予報の精度の向上、自治体の避難指示、支援体制の充実等のソフト面の両面から、対策を進めていくべきなのでしょう。


日本は、非常に厳しい状況に置かれています。
これらに使える財源は、莫大な累積債務を見ると、更に厳しいと言わざるを得ません。

個人のレベルで、対策しておかなければ、リスキーな時代に入りつつあるようです。


北東北と北海道を除くと、3月中に桜(ソメイヨシノ)が開花しました。
既に、岩手県、秋田県、青森県でも開花しており、残る北海道のみです。
異様な早さです。

気象庁でソメイヨシノの開花日を観測(生物季節観測)しているのは、48ヶ所あります。
沖縄県や奄美大島はヒカンザクラ、北海道の道東や道北はエゾヤマザクラが、観測対象になっています。
今回は、ソメイヨシノに絞って、話を進めていきます。


開花宣言が最も早かったのは、東京でした。
昔は、九州や四国が早く、関東は1週間くらい遅れていました。
鹿児島と東京を比較すると、1980年代の後半に、鹿児島より東京の開花が早くなったようです。
(開花日の一次回帰による比較)
鹿児島は、開花時期の変化はほとんどありませんが、東京は、着実に速くなってきています。
札幌の開花時期も、年々早くなっており、早まり方は、東京以上です。

地球温暖化は、高緯度ほど顕著になると考えられるので、札幌の桜の開花時期の変化も、温暖化が影響していると考えられます。



ところで、東京の開花時期が、鹿児島より早いのは、なぜでしょうか。
これは、鹿児島が暖かくなりすぎで、ソメイヨシノの開花に適さなくなり始めているためかもしれません。

桜の開花は、気温の影響を受けやすいことが知られています。
基本的には、暖かいほど開花が早くなります。

東京と鹿児島の今年の旬毎の気温を比較すると、平均気温は、全て鹿児島の方が0.3〜5.3度も高いのです。
最高気温は、2月下旬が0.7度、3月下旬が0.5度、東京の方が高いのですが、それ以外は0.1〜6.2度も鹿児島が高いのです。
最低気温は、3月上旬が0.1度だけ東京が高いのですが、それ以外は0.3〜4.8度も鹿児島が高いのです。


今年の東京の開花は3月14日、鹿児島の開花は3月24日でした。
東京が、10日も早く開花しています。
ですが、東京が鹿児島より暖かいから、早く開花したのではなさそうです。

近年、関東地方の開花は、九州地方より早く開花します。
また、九州地方の桜の開花観測地点の中では、最も寒い福岡が、最も早く開花します。
どうやら、九州地方は、桜(ソメイヨシノ)には適さないくらい、気温が高くなり始めているようです。

桜の開花予想にチャレンジしていた頃にも書いていますが、屋久島や種子島は、開花時期が安定せず、既に開花の観測を終えています。
鹿児島を含む九州の各気象台による桜開花観測は、今世紀の後半には行われなくなっているかもしれません。



地球温暖化対策は、対策開始から効果が出るまで、時間が掛かります。
できる対策は、どんどん行っていくべきです。

桜の開花時期は、小さな変化ですが、示唆に富む変化です。
日本に限らず、世界中の農地で、それまでの栽培品種が適さないように変化し始めていると、考えるべきでしょう。
その先にあるのは、世界的な食糧不足です。

日本は、食糧の2/3を輸入しています。
しかも、円安傾向にあります。
世界的な食糧争奪戦になれば、安定的に食糧を輸入できる保証はありません。

温暖化対策と並行して、食糧自給率の向上策を実行していくべきでしょう。



桜の花が舞い散る様子を見ながら、未来を憂いていました。



アメリカのリージェント社が、地面効果翼機(WIG)の『シーグライダー』の飛行実験に成功しました。

地面効果翼機自体は、ロシアで研究が進んでおり、エクラノプランの総称で呼ばれます。
また、シンガポールでは『AIRFISH 8』が、中国では『翔州1型』等が、開発されています。
今の日本では、当然、研究は止まっています。

日本では聞くことがなくとも、世界的には珍しくない地面効果翼機の『シーグライダー』が話題になったのは、電動だったからです。
もう一つの特徴が、水中翼(水面効果型?)を持っていることでした。


地面効果翼機は、地面効果を利用して低空を飛ぶ航空機です。
翼面積に対して揚力が大きいため、小さな翼で飛行でき、翼が小さいため、抵抗が小さい特徴を持ちます。
概ね、翼長より低い高度を飛びます。
揚抗比に優れ、機体の大型化が容易なので、洋上輸送において、高速化が期待できます。
反面、飛行高度が低いため、一般の飛行場が使えず、飛行艇(または水上機)とならざるを得ず、洋上では船舶との衝突が懸念されます。更には、海象の影響を受けやすい欠点もあります。
日本で研究が停滞しているのは、近海に船舶が多く船舶との衝突が懸念されるため、実用化は難しいと判断されたようです。


『シーグライダー』ですが、1/4スケールの無人実験機です。
最高速度は290km/h、航続距離は290kmだそうです。
2年後を目処に、実寸大(翼長19.8m)の機体を製作し、定員6名の有人飛行を計画しているそうです。

『シーグライダー』を製作するリージェント社のビリー・タルハイマー氏は、「人類の輸送方法の歴史に新たな変化を起こした」と自画自賛です。
飛行艇と水中翼の組み合わせは、過去にも例があったように記憶していますが、地面効果翼機との組み合わせは、記憶にありません。

『シーグライダー』の水中翼は、水面効果型に見えます。(全没型の可能性もある)
水面効果型水中翼は、ロシアで発展した形式で、制御が不要で構造が単純なため、ロシアの河川で使われていました。
ですが、水面に沿って進む性質なので、平水面でしか使えません。
地面効果翼機も、飛行中も波の影響を受けますが、水面効果翼の方が直接的に波浪の影響を受けます。
なので、『シーグライダー』は全没型の可能性もあります。(外観では判別しにくい)
ただ、全没型は、水中翼の水深を維持するための制御機構が複雑になります。また、着水時の衝撃も考えると、収納型の水中翼には不向きです。(個人的には、水面貫通型の方が良いように・・・)



残念なことに、ニュースを伝える側の知識が乏しいようで、水中翼の種類や特徴を踏まえた取材ができていません。
なので、新機軸の良い面は企業側の主張から見当は付いても、どんな課題が残っているのか、どう対処していくのか、さっぱりわかりません。

当ブログでは、過去に『ジェットフォイル』として水中翼船について触れています。
関連ブログの『アイソスタシー』の5話には、地面効果翼機がちょっとだけ出てきます。
個人的には、強い関心を持ってきた技術です。
ですので、今後が気になっています。



前出のタルハイマー氏は、次のように続けています。
「沿岸地域への新たな旅行手段として、シーグライダーは歓迎されるでしょう。
2025年までに商業サービスとしてのシーグライダーの提供を目指します」

期待はしていますが、平水域に限定されるなら、日本での利用は難しいでしょう。


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