豊葦原中津谷のニニギ

食糧自給率の向上を目指して! (2100年の日本へワープ)

カテゴリ:科学的好奇心 > 地震予知研究の手引き

仮想のデータで、歪を示す前兆現象が本物か、確認する仮定をみてみましょう。


南北に20km離れて電子基準点があるとします。
南側の電子基準点をA地点、北側の電子基準点をB地点とします。
A地点は、毎年2cmずつ東に移動していることが、電子基準点の観測から分かっているとします。
B地点は、毎年3cmずつ南東に移動しているとします。

仮想の観測環境


この条件では、A地点とB地点は、毎年2cmずつ近付いていくことになります。
当然、A地点とB地点との間では、歪が溜まっていくことになります。

計測器をA地点からB地点まで5kmおきに設置し、計測を行ったとします。
A地点、B地点、C地点、D地点、E地点の計測値が、次のようになったとします。


仮想の観測値


観測開始から3年半後にD地点付近で地震が発生したとします。
こんな風に変化すれば、観測値は歪の絶対値を表している可能性が高いと言えそうですね。

 ・全体にほぼ一定のペースで増えている。
 ・地震発生時にほぼゼロまで下がっている。
 ・D地点の両隣のC地点とE地点の数値が少し上がっている。

こんな感じで、歪を表していると思われる観測値を検証していきます。


思い当たる観測値があれば、片っ端から調べてみてはいかがでしょうか。


-地震予知研究の手引き(研究手法3)-

地殻の歪は、基本的には長期に渡って一方向に変位していくはずです。
ですが、見逃すことのできない大きな力も、地殻に働きます。
潮汐力です。

潮汐力は、およそ12時間半の周期で変化します。
しかも、潮汐力による地殻の変化量は、10cm以上もあります。
これは、プレートの動きによる歪の変化量の1年分以上にもなります。
これほど大きな変化ですが、周期変化なので、歪は蓄積しません。
(正しい意味での歪は蓄積しますが、ここではプレートによる圧力を歪と表現しているので、その意味では蓄積しないと表現しました)

ですが、広い範囲(南北方向)で同じ方向に歪が変化するので、歪を表しているか確認する上で、一助となるはずです。
また、歪の変化は、必ず東から西へと移動していくので、見つけやすくなるはずです。


折しも、「巨大地震は強い潮汐力が働く時期に多い」との論文が発表されました。
また、古い論文でも、プレート境界が南北方向に伸びる場所で、潮汐力の大小と地震発生との間に相関が見られると発表されているそうです。
プレート境界が東西方向に伸びる場合、潮汐力の位相はずれますが、南北方向なら同期するので、広い範囲で歪の増加が同期し、巨大地震になりやすいと解釈できます。

こんな考え方もできます。
海水の潮汐は、月による実際の潮汐力とは2時間程度位相がずれています。
これは、地球の自転によって、満潮部分が自転方向に引き摺られて起きます。
もし、自転がなければ(厳密には月の公転と地球自転が同期)、海水も地殻も重力と潮汐力がバランスした状態になります。
ですが、実際には位相がずれているので、満潮部分の海水は潮汐力があまり働かず、地殻に圧力をかけます。
逆に、月が南中している場所は、潮汐力で浮き上がる力を受けることになります。
これが、地殻の歪を一時的に大きくする可能性もあり得るでしょう。


地殻の歪を表していると思われる観測値をお持ちの方は、まずは潮汐力の変化と比較してみるのが良いかもしれませんね。


-地震予知研究の手引き(研修手法4)-

歪の方は、単純に人海戦略(片っ端から調べる)でしたが、時期の前兆現象の調査は、
多少は科学的に絞り込みたいと思います。


地震発生の前兆現象を調べる上で、巨大地震は発生頻度が低い問題があります。
サンプルが少ないので、どんな前兆が発生するのか、見つけにくいと考えられます。

ですが、私は異なる考えを持っています。

地震の規模は、震源域の大きさで決まると考えています。
逆に言うと、地震の規模に関係なく、地震発生は同じ条件で起きるはずです。
地震の前兆現象を調べる際に、地震の規模で分類する必要はないのです。
つまり、全ての地震がサンプルになるのです。


気象庁のデータベースでは、1923年以降の全ての有感地震が公開されています。
マグニチュードと位置が明確なものだけで、10万件近くの地震が記録されています。
これだけのデータがあれば、前兆と思われる現象の観測値と比較すれば、統計的に検証する
ことも可能です。
例えば、観測データと地震の発生に相関関係があるかを調べれば、前兆かどうかが明確に
なります。

この方法では、歪の量を示す現象を探す行為と似て、人海戦術的に調べることになります。
前兆現象から始めて、実際の地震活動との比較で、真の前兆現象か、見極めるわけです。
この方法では、思いつく限りの前兆現象を試していくしかありません。
こんな事をしていても埒が明かないので、次回は別の角度からアプローチしてみましょう。


-地震予知研究の手引き(研究手法5)-

地震は、広い範囲に歪が溜まっている場所で発生した場合に巨大地震になると、前回は

説明しました。

このことから、地震発生時の前兆現象は、地震の大小に関係なく、全ての地震で同規模の

現象になると考えられます。

過去の地震を同列に扱えるので、前兆と思われる現象との相関を検証しやすくなります。

この利点は、前兆を探す場合よりも、地震のトリガーを探す場合にメリットがあります。
例えば、地震の発生頻度が12時間半で変化しているなら、潮汐が影響していることが
分かります。
24時間周期なら、地球の自転が影響していることが分かります。
27.3日周期なら、月の公転が影響していることになります。
29.5日周期なら、月齢が影響していることになります。
365.24日周期なら、地球の公転が影響していることが分かります。


これを調べるには、フーリエ変換を行えば良いでしょう。
発生時刻が明確な全地震データを1周期と見做して、フーリエ変換を行えばよいのです。
その中で見つかった周期について、何を意味しているのか調べていけば、何が地震の
トリガーになっているのか、見えてくるかもしれません。
少々乱暴な手法ですが、何かを炙り出せるかもしれません。

井出哲氏は、過去20年間のマグニチュード5.5以上に絞って調査し、満潮時に地震の
危険性が高まるとの結論を導いています。
私には、地震のデータを絞るべきではないと考えていますが、もしかすると、地震の規模を
絞ることで、思わぬ周期性を見つけられるのかもしれません。


ただ、問題があります。
地震は、余震によるものが多く、これを除去しなければ、明確な傾向を掴めない可能性が
あります。
これをどうするかが、腕の見せ所だと思います。

さあ、頑張って調査を始めてみましょう。


-地震予知研究の手引き(検証方法1)-

歪を表す現象と、時期を知らせる前兆現象を組み合わせると、地震予知が出来上がります。
歪を表しているか、地震の前兆なのか、真面目に確認されていることと思います。
中には、そんな事を無視して、「地震を予知できる」を豪語される方もいるでしょう。
色々な考えの基に作られた地震予知手法は、それが実用的な機能を有しているのか、
はたまた出鱈目に地震予知をして成功率だけを稼いでいるのか、検証する必要があります。

今回は、地震予知が実際に地震を予知できているのかを検証する方法を説明します。


地震を真に予知できているのか、キチンとした検証を行う必要があります。
巷の地震予知は、全て成功率だけで検証しています。
成功率には、発表した予知内容に該当する地震が発生したかをみる的中率と、発生した
地震を予知できていたかみる予知率がありますが、「明日、日本で、有感地震が発生する」
と言えば、どちらも簡単に100%の成功率にできます。
地震予知の三要素を緩めれば、成功率は簡単に高くできるのです。
ですから、単純な成功率で地震予知の実力を判断できません。

そこで、成功率に代わる判定基準を考える必要があります。
地震の三要素では、予知対象の規模を小さくすれば発生頻度が高くなるので、成功率は
高くなります。
対象となる地域を広く取れば、範囲内の地震が増えるので、成功率は高くなります。
地震が発生すると予想される期間を長く取れば、期間内に発生する地震が増えるので、
成功率は高くなります。
なので、この三要素を合わせて、評価基準を考えなければなりません。

まず、面積に比例して地震が増えるので、評価基準は面積の逆数であるべきです。
期間についても、期間の長さに比例して地震が増えるので、評価基準は期間の逆数である
べきです。
地震の規模が大きいほど地震が少ないのですが、指数級数的に減るので、評価基準は規模の
指数であるべきです。

地震の発生頻度における以上のような特性を踏まえ、私は次式で地震予知を評価するように
しています。

地震の評価式



この式は、予知に成功した場合に適用します。
成功したという地震予知の内容を用いて、当該の地震予知情報が価値のある内容を持って
いたか、検証してします。
評価値は、以下のように評価します。

・     評価値≧1.00:実用レベルの地震予知と言える
・1.00>評価値≧0.10:実用レベルには達していないが、予知はできている
・0.10>評価値≧0.01:かなり怪しいが、デタラメと断じることもできない
・0.01>評価値     :明らかにデタラメと断定できる


私が調べた範囲では、評価値が0.01を超えた例はありません。
有料・無料に関わらず、全ての地震予知がデタラメのレベルでした。
0.01の評価値であっても、達成すれば凄いことだと、私は思っています。



-地震予知研究の手引き(検証方法2)-

今回は、評価式の正しい利用方法を説明します。
地震予知を行う人は、例外なく結果に甘いので、評価式も正しく利用しなければ意味が
なくなります。

もう一つの豊葦原中津谷」では、震度で計算する評価式も提案していますが、現状を
鑑みると、デタラメな地震予知が広がる下地を作りかねないので、ここでは公開しない
ことにしました。
なぜなら、震度は、地震の規模震源が正確に予測できた上で、地質を加味しなければ
予測できません。
例えば、数百メートルしか離れていなくても、川沿いの軟弱地盤と台地の上では震度は
異なります。また、震源からの距離が少し違うだけでも震度は変わります。
逆に見ると、震度の予測は、場所についてはピンポイントで指定される筈です。
JESEAや富士S-CASTのように予測や判定が震度を基準としている場合、
場所毎に震度が予測されなければ説明がつきません。
震度5弱以上を関東地方といった広範囲を指定すること自体、地震を予知出来ていない
証拠とも言えます。



さて、評価式に入力する地震予知の三要素について、見ていきましょう。

まずは、期間です。単位は、「日」です
6時間に絞った予知であれば、0.25日で計算します。
期間は、「地震が起きる」とした期間全体を指します。
イメージしてほしいのは、「地震が起きる」と予想した期間内は電車を止めると考えます。
当然、誤差も含みます。
例えば、「1月1日から1月7日までに巨大地震が起きる」と予想した場合、実際は9日に
地震が起きた際に「予知が外れた」と考えるなら問題ありませんが、「誤差の範囲内だ」と
考えるなら、誤差を含めた期間で考えるべきです。
なぜなら、「1月1日から1月7日までは電車を止めていたが、9日は通常運転していた
から大惨事になった」と考えなければなりません。
少なくとも、初日(この場合なら1月1日)から地震が起きた日までは、期間としなければ
意味がありません。
「地震解析ラボ」では、予知期間は通常は7日間ですが、予知期間の前3日と後10日は
誤差範囲としているので、合計で20日間が期間となります。
この考え方を広げ、短期の地震予知の延期を繰り返すパターンでは、初回からの期間で
計算します。
串田氏は、3日間程度の短期の地震予知を数年に渡って延期を繰り返していますが、
初回の初日からの日数が期間となります。


次は、面積です。単位は、km²です
これも、誤差を含めた面積で計算します。
「地震解析ラボ」の場合、予知範囲の外側に緯度経度で1度以内を誤差としているので、
ここまでの範囲が面積となります。
「麒麟地震研究所」は、アウターライズ地震(日本海溝の東側)を予想していて、
「薩摩半島西方沖地震を予知していた」と言っていますが、この場合の誤差範囲は
日本海溝東側を中心に、薩摩半島西方沖地震の震央までを半径した円の面積を、
面積として計算します。


最後は、規模です。単位は、マグニチュードです
マグニチュードには、気象庁発表の数値とモーメント・マグニチュードがありますが、
M7.0を超える場合はモーメント・マグニチュードを利用するのが原則です。

さて、地震の規模についても、誤差を含めて計算するのですが、含める誤差は下方のみと
なります。
例えば、M5.5±1.5という地震予知だと、M4.0でもM7.0でも予知成功です。
誤差範囲を含めると言っても、M4.0の地震予知に成功した際に、評価をM7.0で
計算するのは酷過ぎます。
M7.0は半年に一回程度しか発生しないのに、毎日のように発生するM4.0と同等に
扱うわけにはいきません。
M4.0を予知成功とする以上、評価式もM4.0で計算すべきです。



1週間以内に、埼玉県内で、M6.5±0.5の地震が発生する」との地震予知をしたとします。
期間は、1週間以内なので、7日となります。
面積は、埼玉県の面積=3798km² となります。
マグニチュードは、M6.0からM7.0が範囲になるので、M6.0で計算します。

         10⁶⁻²
評価値 = ─────────────
       3798 × 7

この計算結果は、0.376となります。
評価は、「実用レベルには達していないが、予知はできている」となります。
評価が高くないのは、対象とする地震がやや小さいためです。
仮に、M7.0±0.5を対象とすれば、評価値は1.19となり、実用レベルの地震予知と言えます。
まずは、計算してみてください。



この条件で巷の地震予知を評価すると、出鱈目さがよく分かりますよ。
逆に、この評価式で1.0未満では、電車を止められないことが分かると思います。
前述の例では、M6.0(評価値=0.376)では鉄道の路床に影響するような揺れには
ならないので、1週間も電車を止めたままにはできないのです。


-地震予知研究の手引き(アマチュアの目指す方向)-

およそ4週間に渡り長々と「地震予知研究の手引き」を書いてきましたが、
今回で終わりです。

今回は、専門家以外の地震予知研究者が目指すべき内容を、一気にまとめます。


1.前兆現象は、2種類探せ!
  ・地震は、地点毎の歪の蓄積を知れば、規模と場所が分かる。
   地震の発生は、発生前に起きる現象を探すしかない。
   なので、地点毎の歪を知る現象と、時期を知るための前兆現象の二つを探せ!

2.歪の蓄積は、5kmメッシュ以下で調べよ!
  ・マグニチュード6クラスでも、震源域の前兆は20km未満。
   だから、歪は5kmメッシュ以下で調べなければ、大地震に成長するか分からない。

3.歪を調べるなら、以下の三点を満足すること!
  ・地震発生時に大きく値が変化する。
  ・地震発生時以外はほとんど変化しない、または、一定のペースで変化している。
  ・地域毎に異なる値になる。

※歪を調べる時に、潮汐による12時間半の周期変化の有無を確認せよ!


4.前兆を調べるなら、以下の3ルートを調べよ!
  ・亀裂が始まる最も初期段階を捉える。
  ・地震が始まる前の前兆を捉える。
  ・地震を引き起こす引き金を探す。

5.地震の規模を無視して前兆との関係を調べよ!
  ・地震の規模は震源域の広さで決まるから、地震発生前の現象には規模は影響しない。
   だから、地震の前兆は、過去の全地震データと比較して調べられる。

6.過去の全地震データをフーリエ展開せよ!
  ・全地震データをフーリエ展開して、内部に隠れている周期性を炙り出す。
   周期の意味を調べれば、地震の引き金が見える。

7.出来上がった地震予知は、検証せよ!
  ・地震予知は、成功例を評価式に当て嵌めて検証する。
   評価結果を受け止め、問題点を解決する、あるいは予知手法を根底から見直す、
   等を実行する。




地震予知は、不可能に近い難しいものだと思っています。
一方で、全く予知できていないのに、平気で有料で情報を流す輩も居ます。
ですので、「もうひとつの豊葦原中津谷」で200件を超える非難記事を書いてきました。

現状の地震予知を支持される方は、私のように地震予知を非難する者を嫌うでしょうが、
出鱈目な地震予知を認めるつもりはありません。
ですが、非難を繰り返すのも、褒められる事ではないのかもしれません。
そこで、「地震予知研究の手引き」をまとめ、真の地震予知が何を満たすべきなのか、
明確にするとともに、アマチュア研究者の力が少しでも地震予知研究の助けになればと、
思っています。


大雑把なプロットは考えた上で書き始めましたが、読み返してみると分かり難いところが
各所にあります。
なので、いずれ整理しようと考えています。


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2016年9月19日 追記

素人研究者の戯言にお付き合い頂き、ありがとうございます。
「研究の手引き」と題していますが、あくまでも巷の有料地震予知に対する非難の一環で
書いたものです。
ですので、正しい研究の進め方とは言い難い内容です。
それでも、巷の有料地震予知の出鱈目さを指摘できるくらいのレベルにはあると思います。
特に、論理的な発想による評価基準を持たない、あるいは明確な最終目標を持たない、
等の研究者とは思えない姿勢は、私以外は相手にもしないでしょう。

私が提案した地震予知の評価基準は、地震予知の目標を明確にする意味も持ちます。
同時に、継続しても期待できない地震予知手法も、洗い出してしまいます。
評価値が0.01を超えないのなら、その地震予知は諦める方が良いと思います。
なぜなら、精度が100倍に向上しても、「価値がある地震予知」とはならないのですから!

電子基準点のデータは、地震研究にも使用されています。
もちろん、村井氏のようなデータの使い方では、地震予知はおろか地震に迫ることもできるはずありません。
ですが、キチンとした処理を施せば、見えてくるものもあります。

その一例を紹介しましょう。

以下の2枚から、東日本大震災の前と後の日本列島の歪の変化が分かります。
東北地方太平洋地震直前の1年
(リンク先⇒http://vino-rosso.gourmet.coocan.jp/geonet/yd_110308.html

2011年(東北地方太平洋地震の変位を含む)
(リンク先⇒http://vino-rosso.gourmet.coocan.jp/geonet/yd2011.html

上段は、東日本大震災(正式名:東北地方太平洋沖地震)直前1年間の状態だそうです。
下段は、東日本大震災を含む2011年(1年間)の状態だそうだ。

下段を見ると、東日本大震災によって歪の状態が大きく変わったことが分かります。
また、上段から東日本大震災の前兆を見ることはできません。
この結果は、私の考え(※)とも一致します。

 ※私は、地震発生直前に起きる前兆には、以下の2点の特徴があると考えています。
  (1)前兆の規模は、地震の規模に比例しない。
  (2)前兆の規模は、非常に小さい。(少なくともM0.2相当かそれ以下)
  これらを踏まえると、東日本大震災前に電子基準点で観測可能な規模の前兆が起きる
  とは考えられないのです。


ところで、このデータを作られた方は、退職された地震学の専門家だそうです。
測地衛星については素人とおっしゃていますが、上のような解析を簡単にやってのける実力はお持ちです。

この方は、Twitterを開いておられますので、そのリンクも貼っておきます。
(Twitter⇒https://twitter.com/hacchan9642

紹介したデータ以外のデータは、以下のリンクに紹介されているようです。
(リンク先⇒http://vino-rosso.gourmet.coocan.jp/geonet/strain.html

新年早々ですが、地震予知関連の記事を書いておきます。



1.地震の火種

東北大学、遠田晉次

地震が発生すると、その周辺に歪が発生する。
歪は、主として断層の延長線上と、断層に直行する地域に溜まりやすい。
断層の延長線上は、横ずれの歪と考えて良いだろう。
断層に直行する地域は、正断層(引張り)と考えて良いだろう。
この歪が増えた場所で小さな地震が連発し、次の地震の火種となるとの考えが、この仮説となる。

遠田氏が予測する危険な場所は、次の二か所としている。
(1)松本市東部、牛伏寺断層。火種は2011年。
(2)川内市西部、長町-利府線断層帯。火種は1998年。

<伊牟田の私見>
小さな地震がなければ火種にならないとする考え方は、間違っている可能性があります。
小さな地震が起きるのは、そこに歪が溜まっている証拠に過ぎません。
また、火種から20年以上も後に地震が発生するのは、直接的な関連の説明が難しいと思います。
単純に、大きな地震によって周辺の歪が増えたため、次の地震が早まる程度と考えるべきだろうと思います。


2.低周波微動

京都大学、山下裕亮

スロースリップによる低周波振動が、日向灘で熊本地震の翌日から2週間に渡って観測された。
東日本大震災の前の1月25日頃から、宮城県沖で観測されている。
日向灘のスロースリップは、大隅半島沖付近で発生していたが、2015年頃から東側に拡がりつつあり、南海トラフ地震が迫っていると考えられる。

<伊牟田の私見>
スロースリップは、スロースリップが発生している地域の歪が解消されるが、その歪は周辺に移動すると考えられます。
その意味では、地震の火種と類似の考え方です。
ですので、地震の火種で指摘した問題が、この手法に言えます。


3.統計学的推定

統計数理研究所、尾形良彦

無感地震を含めた全ての地震を解析し、地震が発生する確率を算出する。

統計的地震予測式(尾形の式)

この数式の個々の意味は不明。
NHKの番組中では、2016年7月にM4以上の地震が発生する危険性が高い地域を紹介していた。
実際、7月17日、20日、27日に茨城県で発生した地震は、いずれも発生確率が高いと予想された地域で発生していた。
ただし、この手法は、中規模の地震の予測には有効だが、大地震はデータが乏しいため、予測が難しい。
一方、アメリカでは、STEPと呼ばれる「24時間以内に地震が発生する確率」を公表している。

<伊牟田の私見>
8月20日から9月20日にM4以上の地震発生確率が高いとされた場所で言えば、10月21日に発生した鳥取県中部地震については、まさに震源付近のみを発生確率が高いとしていました。
地震モドキを行った際も、これに似た手法で地震発生確率を計算していました。
曖昧さは残るが、意味はあると思います。

※地震モドキはマグレ当たりを狙っただけのものですので、勘違い無きようお願いします。

核爆弾の爆発規模は、TNT火薬換算量(単位:t)で表されます。
このTNT火薬換算量のエネルギ(単位:J)は、下式で表されます。
 
  E≒4.2×10¹²×TNT火薬換算量(kt)
 
 
これに対し、地震のエネルギ(単位:J)は、下式で表されます。
 
  E≒10^(4.8+2M/3)
 
   M:マグニチュード
 
 
核爆発のエネルギーが全て地震になると仮定して、両方の式をまとめると、
TNT火薬換算量とマグニチュードの関係式は以下になります。
 
  [TNT火薬換算量]≒(10^(1.5M-7.2))÷4.2
 
 
 
さて、実例と比較してみましょう。
昔、4.2Mtの水爆実験が行われました。
前述の式を基に、人工地震の規模を計算すると、M7.63と算出できます。
ですが、実際に発生した地震は、M6.97だったそうです。
M6.97は、M7.63の10分の1程度のエネルギーに相当します。
どうやら、核爆発の10分の1程度が地震となるようです。
それを踏まえ、式を見直しました。
 
  [TNT火薬換算量]≒(10^(1.5M-6.21))÷4.2
 
 
これを元に、マグニチュード毎の核爆発の推定値を算出してみましょう。
 
  M4.8    2.3kt
  M4.9    3.3kt
  M5.0    4.8kt
  M5.1    6.6kt
  M5.3   13kt
  M5.5   26kt
  M5.8   74kt
  M6.0  147kt
  M6.2  293kt
  M6.5  826kt
  M7.0 4642kt



東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)を人工地震だと主張する人々が居ます。

前述の式から、M9.0は4642Mtに相当します。
史上最大の核兵器は100Mtほどですから、人工地震には50個はないと足りません。
それを埋める場所も問題です。

東北地方太平洋沖地震は、深さ24kmで発生しました。
掘削の世界最高深度は、陸上では12.262kmです。
海底では、水深6.8835kmから0.8565kmを掘削し、合計7.74kmに達したのが世界記録です。
まるで足りませんね。
しかも、掘削径は13~14cmほどです。
100Mtの核兵器なんか、通るはずがありません。

ついでに言うと、核兵器による人工地震では、ほぼP波のみになります。
仮に、東北地方太平洋沖地震が核兵器による人工地震だと仮定すると、震度7はP波で引き起こされたことになります。そう考えると、決定的な矛盾があります。
東北地方太平洋沖地震では、新幹線の脱線はありませんでした。
これは、P波を検出した時点で、全列車に緊急停止が指令されたからです。
だから、S波がやってくる前に、新幹線は停まることができたのです。
でも、核兵器による人工地震では、P波が最大の揺れを引き起こすのです。
新幹線は、緊急停止の指令を受ける前に、最大の揺れに見舞われることになります。
核兵器による人工地震だったなら、新幹線のいくつかは、脱線していた可能性があります。

こんな角度から見ても、東北地方太平洋沖地震が核兵器による人工地震である可能性はなさそうです。


2018年9月6日3時8分に発生した胆振東部地震について、色々と調べています。
(詳細は、スピンオフ・ブログに公開していますので、御覧ください)

  胆振東部地震について 1

  胆振東部地震について 2

  胆振東部地震について 3

  胆振東部地震について 4



更なる続報が出せるようになりましたら、紹介したいと思っています。


久しぶりに、地震の話を書きます。

「深海魚の出現は、地震の前兆ではない」ことを、東海大の海洋研究所と静岡県立大のグループが発表しました。

グループの研究によると、地震の前兆とされてきた深海魚の「リュウグウノツカイ」、「サケガシラ」、「テンガイハタ」、「タナベシャチブリ」、「シャチブリ」、「アカマンボウ」、「ユキフリソデウオ」、「テングノタチ」の8種類について、文献や地方紙の記事などで1928年11月~2011年3月の間に336件の漂着や捕獲の事例を調査したそうです。
これらの漂着や捕獲から30日以内に、発見場所から100km以内が震源となったM6.0以上の地震があるかを調べたところ、2007年7月16日の新潟県中越地震しかなかったことが分かりました。

この研究では、捕獲から30日以内、半径100km以内、M6.0以上を条件にして調査していますが、この条件が正当なものか、私の地震予知の実用性で計算してみましょう。
地震予知の実用性は、以下の式で計算します。

地震の評価式


この式に当て嵌めると、実用性:Pは 0.0106 となります。
ギリギリですが0.01を超えているので、「デタラメと断定はできないが、地震予知としてはかなり怪しいレベル」との判定になります。
この条件下で深海魚の出現と地震との間に関係性があることが確認されたとしても、深海魚出現で地震を予測する場合の実用性はないと言ってもよいレベルです。
このような緩い判定条件でも、336回中1回の成功率ですので、深海魚と地震との間に関係は無いと断言しても何の問題もありません。



この話題を当ブログで取り上げた理由は、科学的な考え方を説明するためです。

まず、地震が深海魚に影響を与えると仮定します。
科学では、これを証明しなければなりません。
前述の研究では、地震発生前に深海魚への影響があるかを確かめています。
その確認方法は、比較的単純な統計を用いています。

ですが、手当たり次第に事象(この場合、深海魚の出現)と地震の関係を調べていくのは、時間の無駄に思えます。と言うのも、世間では何でもかんでも「地震の前兆だ!」とする傾向があり、地震の前兆と言われる現象は限りなく存在します。
そこで、絞り込むために、もう少し知恵を使ってみましょう。

地震が放出するエネルギは、本震が最大です。次に多くのエネルギを放出するのは、本震の後に発生する余震です。本震の前に発生するエネルギは、前述の二つよりも小さなものとなります。
地震が深海魚に影響を与えるなら、本震の直後に深海魚の出現がピークになると考えるべきです。
本震の直後に深海魚が大量に出現しないなら、それだけで深海魚の出現と地震との間には関係がないだろうと推測できるのです。
前兆と本震で発するエネルギの形態が異なる場合も、本震まで連続的に事象が続き、本震発生時にピタリととまるはずです。なので、本震より前に単発的に発生して、本震まで間があるなら、その現象と地震との間には関係がないことが分かります。

科学的な視点を持つと、地震と前兆現象との間に関係があるとする際に、前兆現象はどのような条件を満たす必要があるのかを、考えるべきです。
それを考えれば、深海魚の出現が地震の前兆ではないことが論理的に理解できるはずですし、他の現象でも、地震の前兆かどうかを判断できるようになります。

地震の前兆現象が話題になる度、科学的な思考の大切さを痛感させられます

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