豊葦原中津谷のニニギ

食糧自給率の向上を目指して! (2100年の日本へワープ)

カテゴリ: 癌日記

仕事のの関係者に、入院する旨のメールを送りました。
でも、反応は無く、淋しさを感じただけでした。
 
この一ヶ月で、一キロくらい体重が増えました。 
体重が増えたことが良いのか悪いのか微妙ですが、ベストコンディションで手術を迎えることができそうです。
 
入院時の本を選ぶために、家の中から読んでいない本を集めてみました。
それが、思っていたよりも読み残している本が多くて、病院に持って行くには多すぎることがわかりました。
仕方がないので、ハードカバーは家に置いといて、文庫本だけ持っていくことにしました。
 
入院準備は、ほとんど整いました。
残るは、住民票とシャチハタだけです。
シャチハタは、仕事場から持ち帰ればいいので、実質は住民票だけです。
 
いよいよ入院、そして手術です。
おかしな話ですが、何が起きるのか、好奇心が疼き始めています。
要らぬ心配をして気に病むよりもマシだと、自分に言い訳しています。

明日、入院します。
 
午前中は、少し風邪っぽい感じがあったのですが、午後には何事も無かったように治まりました。
うんちは、少しゆるい気もしますが、こんなものと言えばこんなもの。
 
12月9日に癌が見つかってから一か月余。
主治医の先生は、「慌てなくても大丈夫」と言ってくださっていましたが、転移するのではないかと不安な日々を過ごしてきました。
それも、週末で決着がつきます。
 
ネットの世界には、管理人が亡くなったために放置されているHP、blogを集めているHPがあるそうです。
私は、まだ死ぬ予定はありませんので、もうしばらくは私のblogをお墓に入れないようにお願いします。
 
早ければ24日、遅くとも28日には復活できると思います。
その時まで、しばらくのお別れです。
 

――――――――――― << コ メ ン ト 転 記 >> ―――――――――――

伊牟田 勝美さん
はじめましてこんにちは (^^)/
がんばってくださいネ

ななみ 2014/1/15 18:03

退院しました。    
足も、ちゃんと付いています。
私も、私のblogも、墓に入らずに済みました。
 
今朝8時半頃、最後の回診。
今日で退院ですね」と言われ、嬉しくなりました。
担当の看護師さんに挨拶。手首のタグを、プチンと切って戴きました。
迎えに来た家族と一緒に荷物をまとめて、大勢の看護師さんに見送られて退院です。
振り返り、看護師さんが手を振っているのを見ると、一気に退院の気分
 
体調は、癌で入院していたとは思えないくらいに快調です。
ただ、便通は良すぎるというか、急に便意が襲ってくるし、すぐにトイレ  に駆け込まないと、大変なことになってしまいます。
 
生まれて初めての入院生活。 
興味深い経験でした。
これから、少しずつ紹介していこうと思っています。

入院中の様子を綴った日記を公開していきます。
今日は、入院初日の日記から紹介します。
 
【1月15日水曜日】
入院しました。生まれて初めてです。
主治医から手術の説明を受けました。
直腸と周辺のリンパを切除し、リンパへの転移を顕微鏡で調べるそうです。
転移が見つかれば、抗がん剤を投与することになるそうです。
大いに気になるところです。
一時的な人工肛門についても、説明されました。
一時的と言っても、二ヶ月から一年間も付けたままになるとのこと。
永久でも一時的でも、精神的には大差ないです。
 
病室も病棟も、快適です。
ただ、消灯時刻になると、TVも消さないと駄目なのが辛いところですが・・・
院内は、設備が近代的です。
四人部屋ですが、部屋の中にトイレと洗面台があるのです。
トイレには、個人用の自動計尿器が設置されていて、量と比重を自動計測する仕組みです。
ナースコールは、ナースステーションだけでなく、担当看護師が持ち歩くPHSにも通知されます。
面談室と会議室にはPCが設置されていて、ログインすれば、レントゲン他の画像や必要なチェックリストを表示できるのです。
食事は、五分粥であることを除けば、一般的な日本食です。
薄味だが悪くないです。
 
心配事は、体温が少し高めなこと。
朝は、三十六度四分だったのですが、昼は三十六度八分、夜は三十七度二分に。
痰も少し出ているし、軽い風邪の症状です。
便も、一度だけ下痢気味でしたが、体調自体は悪くないです。
 
遅い時間になって、看護師から人工肛門の説明を受けました。
模型を使って、人工肛門とパウチの基本的な使い方を聞きました。
最後に、「明日、人工肛門を作る位置を決めます」と言われ、落ち込みました。

今日は、入院二日目の日記から書きます。
日記に出てくる前夜の睡眠不足は、この先まで尾を引くのですが、この日は・・・
 
【1月16日木曜日】
夜中に何度も目が覚めてしまいました。
ほとんど一時間おきに目が覚め、五時以降は、ずっと起きていました。
 
病院の起床時刻は、6時です。
看護師さんが、電灯を点けて回ります。
7時。朝食よりも早く回診。
後で聞いたのですが、木曜日の回診は早いのだそうです。
「よく寝れましたか?」
「何度も目が覚めてしまいました」
「あしたは手術ですね。寝られないようなら睡眠導入剤を処方しましょう」
睡眠導入剤?
飲んだことはありません。
好奇心が湧きます。
 
8時半、下剤を飲みます。
これと前後して、食事が配られます。
でも、私のところには来ません。
明日の手術に備え、今日はおなかの中を空っぽにします。
 
9時。
剃毛とおへそのゴマ取りです。
処置台の上に仰向けに寝ます。
まずは、おへそのゴマ取りのはずでしたが、「きれいですね」と簡単に終わりました。
続いて・・・
「パンツを少し下げてください」
大腸カメラでお尻を見られてきた私は、羞恥心を失いかけています。
さっさと下げると、「そのくらいで十分です」とストップがかかりました。
バリカンで、ちょちょっと刈られ、すぐに終了。
「確認してもらいますので、待っていてください」
看護師は、もう一人の看護師を連れて戻ってきました。
ジロジロと剃毛の後を見られ、羞恥心が復活。
でも、こちらも問題なく終了。
 
10時。検温と血圧測定。
続けて、シャワーを浴びます。
ここでシャワーを浴びておかないとダメなんだそうです。
 
11時。下剤を飲みます。
 
12時。人工肛門の位置決めです。
私の病巣の場所でも、一時的に人工肛門を設けなければならない可能性があることは、入院初日に主治医から説明を受けていました。
「人工肛門は、筋肉の力で絞めるので、この辺に作る必要があります」
看護師さんは、私の右下腹を示します。
「でも、動いた時に剥がれると漏れてしまうので、お腹にしわができない場所を探さないとダメなんです」
意外に難しい注文です。
実際にしゃがんでみて、何本か補助線を書いて、良さそうな場所を探します。
「ここが良さそうですね。ここにしましょうか」
思ったよりも簡単に見つかり、ホッとしました。
決まった位置に印しを書き、上から透明なシールを張りました。
最後に、おへそを消毒して終了です。
なるほど。シャワーの前にはできない事だと納得しました。
「月曜日、パウチの貼り方をお教えします。月曜日に会いましょう」と看護師。
「月曜日には顔を見たくないですね」と冗談で切り返します。
彼女は笑って、「そうですね」と応えてくれました。
 
一時的な人工肛門は、小腸と大腸の繋ぎ目をパカッと切ってお腹から出します。
永久的な人工肛門が、大腸の最後の部分をお腹から出すのとは違っています。
なので、人工肛門を設ける位置が、右か、左かの違いがあります。
 
14時半。
薬剤師が、術前術後の投薬の説明をしてくれました。
全部合わせると、9錠もあります。
こんなにいっぱいの薬を飲んだことがないので、びっくりでした。
 
15時。投薬。
 
17時。
麻酔医からの説明を、家族と一緒に聞きました。
硬膜下麻酔。全身麻酔。筋弛緩剤。呼吸の管理。
手術をするために、力ずくで眠らされるのだと、何となく理解しました。
 
18時。回診。
「あしたは手術ですね。頑張りましょう」
全身麻酔なのにどう頑張ればいいのだろうと、心の中で苦笑い。
 
19時。検温と血圧測定。
熱は36度台。体調は問題なし。
 
21時。消灯。
でも、なかなか寝付けません。
睡眠導入剤を処方してもらいましたが、「下剤が効いてトイレに行きたくなるかも」って気になり、飲まずにいました。
睡眠導入剤は、翌日の手術に影響しないように、タイムリミットがありました。
深夜、タイムリミットになった時に、看護師さんがそっと持ち去りました。

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