昨年11月のワシントン条約国会議では、全種のウナギの取引制限は否決できました。
メディアでは、「否決できたが、日本は、ウナギの輸入管理の責任を負うことになる」といった趣旨の報道が多くありました。
確かに、その通りです。
ですが、それはミクロの視点だけです。
マクロで見れば、『食糧の囲い込み』の問題が見えてきます。
その対策が急がれます。
抜本的な対策は、日本の食糧自給率の向上です!
ウナギも、自給率が問題になります。
食文化としてのウナギを主張するのなら、自国で大半を自給すべきです。
そのためには、ウナギの完全養殖を軌道に乗せなければなりません。
当ブログが重視するのは、マクロの視点です。
すなわち、食糧囲い込みの対策を考えなければなりません。
東アジア地域、あるいは東南アジアまでの地域で、食糧の相互供給の仕組みを構築することが大切です。
これが、現実的な取り組みです。
当ブログの本来の主張は、食糧自給率の向上です。
こちらは、時間が掛かる取り組みになります。
東アジアで食糧供給ブロックを作ってしまうと、供給国にキャスティングボートを握られることになるので、食糧自給率は極めて重要な課題と言えます。
12年前、当ブログを開谷した理由は、温暖化によって世界的な食糧不足が顕著になれば、食糧の囲い込みが発生するとの懸念からでした。
買い付けようにも、食糧輸出国の通貨が高くなり、相対的に円安になって、高くて買えない状況になるだろうと推定していました。
まだ、顕著な食糧供給不安はありませんが、食糧自給率の改善には数十年が必要になるので、12年前から警鐘を鳴らしてきました。
ですが、昨年は、物価高(特に食品の物価高)が顕著になってきました。
原因の一つは、円安によるものです。
当ブログを始めた2013年12月の円相場は、100円/ドルくらいでしたが、今は150〜160円/ドルくらいです。
この影響からか、エンゲル係数は、2013年に24%から31%まで悪化しています。
国産食品と輸入食品では、同じものであれば2.5倍の価格差があると言われています。
カロリーベースの食糧自給率を40%と仮定すると、食品の購入額の62.5%が国産食品、37.5%が輸入食品に費やされる計算です。
必要な食品を購入する費用が、2013年当時は10000円だったとすると、国産食品の購入に6250円、輸入食品に3750円を費やしていたことになります。
ですが、円安が進んだため、輸入食品の購入額が1.5倍の5625円になった計算です。
また、国産食品も、生産費の2割ほどを占める肥料や農薬の多くは輸入なので、購入額も1割くらい上昇し、6875円になった計算です。
合わせて、12500円です。
10000円が12500円になったので、25%の上昇です。
2013年当時のエンゲル係数は、24%くらいでした。
食品の購入額の上昇率が25%なので、エンゲル係数も、24%x1.25倍=30%です。
実際、昨年のエンゲル係数は、30%を少し超えています。
円安が更に進めば、エンゲル係数も更に悪化します。
その状況で、食糧の囲い込みも進めば、本当に餓死者が出るようになります。
国際法で、食糧の囲い込みを禁止しても、徒労に終わるでしょう。
なぜなら、国内、あるいは域内で食糧が不足すれば、国民のために食糧の囲い込みが行わざるを得なくなります。
なので、対策は、食糧自給率を向上させることです。
その上で、円高を作り出し、いざという時は、金にモノを言わせて囲い込みを破るのです。
食糧自給率の低い国の通貨は、力を失い、通貨安に動きます。
なので、まずは食糧自給率の向上が必須になります。
今の日本政府は、そんな未来への対応は、どこまで見えているのでしょうか。