豊葦原中津谷のニニギ

食糧自給率の向上を目指して! (2100年の日本へワープ)

カテゴリ: 食糧自給率


昨年11月のワシントン条約国会議では、全種のウナギの取引制限は否決できました。

メディアでは、「否決できたが、日本は、ウナギの輸入管理の責任を負うことになる」といった趣旨の報道が多くありました。
確かに、その通りです。
ですが、それはミクロの視点だけです。

マクロで見れば、『食糧の囲い込み』の問題が見えてきます。
その対策が急がれます。

抜本的な対策は、日本の食糧自給率の向上です!
ウナギも、自給率が問題になります。
食文化としてのウナギを主張するのなら、自国で大半を自給すべきです。
そのためには、ウナギの完全養殖を軌道に乗せなければなりません。




当ブログが重視するのは、マクロの視点です。
すなわち、食糧囲い込みの対策を考えなければなりません。

東アジア地域、あるいは東南アジアまでの地域で、食糧の相互供給の仕組みを構築することが大切です。
これが、現実的な取り組みです。

当ブログの本来の主張は、食糧自給率の向上です。
こちらは、時間が掛かる取り組みになります。
東アジアで食糧供給ブロックを作ってしまうと、供給国にキャスティングボートを握られることになるので、食糧自給率は極めて重要な課題と言えます。



12年前、当ブログを開谷した理由は、温暖化によって世界的な食糧不足が顕著になれば、食糧の囲い込みが発生するとの懸念からでした。
買い付けようにも、食糧輸出国の通貨が高くなり、相対的に円安になって、高くて買えない状況になるだろうと推定していました。
まだ、顕著な食糧供給不安はありませんが、食糧自給率の改善には数十年が必要になるので、12年前から警鐘を鳴らしてきました。

ですが、昨年は、物価高(特に食品の物価高)が顕著になってきました。
原因の一つは、円安によるものです。
当ブログを始めた2013年12月の円相場は、100円/ドルくらいでしたが、今は150〜160円/ドルくらいです。
この影響からか、エンゲル係数は、2013年に24%から31%まで悪化しています。


国産食品と輸入食品では、同じものであれば2.5倍の価格差があると言われています。
カロリーベースの食糧自給率を40%と仮定すると、食品の購入額の62.5%が国産食品、37.5%が輸入食品に費やされる計算です。

必要な食品を購入する費用が、2013年当時は10000円だったとすると、国産食品の購入に6250円、輸入食品に3750円を費やしていたことになります。
ですが、円安が進んだため、輸入食品の購入額が1.5倍の5625円になった計算です。
また、国産食品も、生産費の2割ほどを占める肥料や農薬の多くは輸入なので、購入額も1割くらい上昇し、6875円になった計算です。
合わせて、12500円です。
10000円が12500円になったので、25%の上昇です。

2013年当時のエンゲル係数は、24%くらいでした。
食品の購入額の上昇率が25%なので、エンゲル係数も、24%x1.25倍=30%です。
実際、昨年のエンゲル係数は、30%を少し超えています。


円安が更に進めば、エンゲル係数も更に悪化します。
その状況で、食糧の囲い込みも進めば、本当に餓死者が出るようになります。



国際法で、食糧の囲い込みを禁止しても、徒労に終わるでしょう。
なぜなら、国内、あるいは域内で食糧が不足すれば、国民のために食糧の囲い込みが行わざるを得なくなります。

なので、対策は、食糧自給率を向上させることです。
その上で、円高を作り出し、いざという時は、金にモノを言わせて囲い込みを破るのです。
食糧自給率の低い国の通貨は、力を失い、通貨安に動きます。
なので、まずは食糧自給率の向上が必須になります。

今の日本政府は、そんな未来への対応は、どこまで見えているのでしょうか。






昨年11月、ワシントン条約の条約国会議で、「ウナギの取引制限の拡大」が提案されました。

ヨーロッパウナギは、資源保護のため、2009年から取引が規制されてきました。
規制は、EU域外への輸出を制限するものでした。

ですが、密輸が多く、規制の効果が薄かったため、ウナギ全種を規制対象にすることを、EUが提案してきました。
日本は、ウナギの大消費国ですが、7割を輸入に頼っています。そのため、輸入に制限が掛かるEUは提案は、厳しいものでした。



さて、ヨーロッパウナギですが、ニホンウナギと同じように、深海で産卵し、川を遡上します。
産卵場所は、サルガッソーとされますが、それより西とする説もあります。
サルガッソーは、バミューダ・トライアングルとほぼ一致します。
ニホンウナギが黒潮に乗って回遊するように、ヨーロッパウナギも、シラスウナギの段階にメキシコ湾流に乗って移動します。

サルガッソーでは、アメリカウナギも、産卵します。
分類上は、アメリカウナギ、ヨーロッパウナギ、ニホンウナギは、同じウナギ属ですが、種はそれぞれ異なるとされています。
ただ、アメリカウナギとヨーロッパウナギは、大西洋ウナギとしてまとめる説もあるようです。
属が同じなら、交雑する可能性があり、同じ海域で体外受精を行うアメリカウナギとヨーロッパウナギは、交雑しているか、同じ属なのではないかと思っています。

もし、大西洋ウナギにまとめるなら、ヨーロッパウナギの保護は、まずアメリカウナギと共に行うべきでしょう。






閑話休題。

この問題は、ミクロで捉えれば、ウナギの供給と価格の問題です。
ですが、視点を変えて、マクロで見ると、食糧の囲い込みです。

ヨーロッパウナギは、EU域内の流通は、域外に比べると容易なようでます。
ところが、産地を偽装して密輸する者が後を絶たず、自分達が管理している資源を取られていると考えたのです。
そこで、産地を偽装しても流通しにくいように、全てのウナギを規制の対象に加えようとしたわけです。


結果的には、ワシントン条約国会議では否決されました。

メディアでは、「否決できたが、日本は、ウナギの輸入管理の責任を負うことになる」といった趣旨の報道が多くありました。
確かに、その通りです。
ですが、それはミクロの視点の範囲内の評価です。

マクロで見れば、『食糧の囲い込み』の問題が見えてきます。
その対策が急がれます。


抜本的な対策は、日本の食糧自給率の向上です!





※『TPP』のカテゴリーに入れていますが、直接の関係はありません。
 貿易の視点から『TPP』に入れています。


小泉進次郎農相は、作況指数を廃止するとしています。
内容はさておき、唐突さや自己都合(米の増産政策)を感じさせる点は、トランプを彷彿させます。



1.現状把握

70年前(米に限定すると100年前)から続けてきた作況指数を変えるには、色々なことを考えなければなりません。
小泉農相は、どこまで考えて言っているのか、不安があります。



1.1.作況指数とは

都道府県毎に、過去30年間の平均収穫量と当年の収穫量の比率を、作況指数と言います。
全国で無作為に抽出した約8000ヶ所において、各田の3ヶ所で実測調査を行います。


1.2.作況指数の判定基準

作況指数により、作柄は、以下のように判断されます。

・106以上   : 良
・102〜105 : やや良
・ 99〜101 : 平年並み
・ 95〜 98 : やや不良
・ 91〜 94 : 不良
・ 90以下   : 著しく不良


1.3.作況指数の利用

作況指数は、農家の経営判断、流通・小売では販売戦略に使われています。
また、政府の農政にも、判断材料として使われているようです。


1.4.作況指数の弱点

無作為に抽出しているとは言え、点の集合体です。
面での調査ではありません。
それ故、精度に問題があります。

また、作況指数の対象とする良質米と、いわゆるクズ米を区別しないで、作況を計測しています。
それ故、市場価格への影響が大きい良質米の作況が、作況指数に反映されにくくなっています。




2.小泉農相の考えと問題点

小泉農相は、作況指数を廃止すると言っていますが、代わりに、衛星からのデータで作況を調査するとしています。
小泉農相の考えは、精度の高い作況の調査方法に切り替えることです。



2.1.精度の程度

精度が低いとしていますが、具体的にどれくらい実際と乖離しているのでしょうか。
あるいは、現状の1%単位では、精度が不足しているのでしょうか。

過去20年間の作況指数と、実際の収穫量を比較したところ、作況指数の標準偏差は、『1.07』でした。
つまり、約60%の確率で、作況指数の誤差は±1以内に収まるのです。
この精度は、問題なのでしょうか。
問題であれば、標準偏差は、どれくらいまで小さくなれば良いのでしょうか。


2.2.継続性

統計は、サンプルが多いほど、精度が高まります。
それとは別に、長い期間のデータの蓄積も、非常に重要です。
小泉農相は、唐突に廃止を宣言しました。
これでは、過去のデータとの比較ができません。

前述のように、まずまずの精度があるので、農家、流通・小売業者は、長年、目安として利用してきたのです。
基準が変われば、これまでの経験も役に立たなくなります。


2.3.根拠が薄弱

データの精度が低いとする根拠が、どうやら昨夏からの米騒動の原因を米不足としているためのようです。
昨夏から始まった米価格の高騰は、日向灘沖の地震で、巨大地震注意が発表されたことが切っ掛けで、元々米不足だった訳ではありません。
国民が備蓄に走り、一時的に不足したため、米価が上がったのです。
また、インバウンド需要が急速に高まり、消費量が想定より増えたことも、一因となりました。

小泉農相は、単純に「米が足りないから価格高騰した」、「作況指数の精度が低いから、米不足を把握できなかった」と考えたのでしょうか。
更に、「作況指数の精度が低いから、これを廃止しても問題ない」、「新しい基準は、関係者のためになる」と、思い込んでいるのでしょうか。

どうも、発想がトランプに似ています。
「非関税障壁があるから、アメ車が売れない。非関税障壁を撤廃させれば、アメ車も飛ぶように売れる」と考えるトランプと、小泉農相の発想は、似ています。




3.伊牟田の考え

3.1.精度向上と利用拡大

作況指数の精度を向上させることには、賛成です。

仮に、作況指数が『100』の時に、ちょうど必要量だとすると、『1』は、120万人分の米の量に相当します。
もし、これだけ不足すると、米価はかなり上下するはずです。
なので、標準偏差が『0.1』以下くらいになる制度が欲しいところです。


では、この精度をどの発表段階で出すべきでしょうか。
作況指数は、8月、9月、10月、12月の4回に渡り、発表されます。
全ての発表時に、高い精度で出せれば良いのですが、気象の中長期の予報の精度も関係するため、8月や9月の発表は、精度を高めることは難しいでしょう。
逆に、8月の時点で高精度なら、9月以降の発表は不要です。

どの段階でも。精度が高ければ高いほどありがたいのですが、12月発表分以外は、予測なので、精度向上には限界があります。
その中で、それぞれのタイミングの作況指数を、どう利用するのかによって、求められる精度も変わってくるはずです。


3.2.利用拡大

例えば、現行の8月分の作況指数と同等の精度で、7月に発表できれば、新たな利用価値を有無かもしれません。

また、作況指数のクラス分けにより、
良質米とされる粒の大きな米と、食用に利用可能な最低レベルの粒の米に分け、それぞれの作況指数を算出することで、市場価値と不作対策に利用できます。


3.3.計算方法変更の留意点

作況指数を新しい計算方法に変更する場合、留意しなければならない点があります。

まず、新しい計測方法の精度の確認です。
新しい計算方法は、本当に以前より精度が高いのか、どれくらい精度が向上しているのか、検証しなければなりません。

次に、従来の計算方法からの連続性の確保です。
作況指数は、永らく利用されてきたのです。
なので、計算方法が変更されても、これまで通りに利用できる必要があります。


両者を解決するためには、過去に遡って再計算できることが望まれます。
過去に遡れれば、計算結果と実際を比較できます。
これにより、精度を検証することが可能になります。
また、過去の作況指数と新しい計算方法を併記することで、連続性を担保できます。

小泉農相は、衛星から観測も利用するようなことを言っています。
この技術は、1970年代初頭のランドサットに始まります。
当時と現在では、観測精度が大きく違うはずですが、リモートセンシング自体は、基本的に同じです。
新しい計算方法に耐えられるほど、解像度や帯域がないかもしれませんが、時代を下れば、新しい計算方法にも対応できる観測精度になるはずです。
例えば、2006年に打ち上げられた『だいち1号』以降なら、同一の計算方法で検証できるのではないかと思います。

ただ、残念なのは、2011年4月から2014年5月まで、観測の空白期間があります。この間は、試験観測のデータもありません。
更には、『だいち3号』は、H3の試験機に載せる離れ技を使い、大失敗しました。
(現在は、『だいち4号』が運用中)


ところで、衛星を用いるメリットは、実質的なサンプル数を増やして精度を上げられることですが、デメリットは、個々の数値は現状の実測より精度が落ちることです。
精度向上を図るには、これらの組合せとバランス、検証とフィードバックが大切です。

私なら、数年掛けて、改善していきますね。
同時に、将来的な見直しの手続きを作ります。




正直なところ、私は、作況指数の問題点を調べてきませんでした。

小泉農相の宣言を機に調べてみたのですが、調べるほど、小泉農相が何をしたいのか、わからなくなっています。
それ故か、小泉農相とトランプが、似て見えてしまうのです。


今回の最終的な関税率ですが、結局、西側諸国では最初に妥結させられ、他国は、それをベースとしたかのような結果となりました。

これを見ると、まだ戦いようはあったように思えます。
関税率を10%に抑えつつ、貢物も同等以下にできただろうと、思えてしまいます。


EUとアメリカの妥結に際し、「日本側のアドバイスを受けて、EUもまとまった」との報道がありましたが、これは事実とは違うのではないかと、思えてしまうのです。
つまり、日本との妥結内容がベースとなったことを、「日本からのアドバイス」と表現した可能性です。
また、日本との妥結がベースとなることが想定されていたから、EUから日本へのアドバイスと圧力があったのではないかと、想像できるのです。

ならば、更なる戦いようは、あったように思えるのです。
実際、GDP比で見ても、対米貿易黒字額で見ても、EUが対米投資額が小さいのです。
EUがキチンと交渉していて、日本がそれに近付けたように見えます。
ついでに言うと、韓国は、必死に日本水準に近づけようとしたようにも見えます。


対米貿易黒字額は、EUが2367億ドル、日本が687億ドル、韓国が662億ドルです。
これに対して、対米投資額は、EUが6000億ドル、日本が5500億ドル、韓国が3500億ドルです。
貿易黒字額に対する対米投資額が、日本が最も重いのです。

GDP比で見ても、EUは約18兆ドル、日本は約4兆ドル、韓国は2兆ドル弱なので、GDP比でも、EUが良い妥結を導いています。(韓国が最も重い)

「EUが日本のアドバイスを受けた」と言うより、「日本がEUのアドバイスを受けた」と言う方が、自然に見えます。

私は、今回の関税交渉の成績を付けるとすれば、辛うじて『可』の判定です。
それは、EUの妥結内容との比較で、理解して頂けるのではないかと、思います。




日本政府の交渉陣を擁護するなら、EUは、工業だけでなく、農業も盛んです。
そのため、アメリカ側には、EUとの交渉材料が少なかったのです。

一方、日本は、自動車輸出に頼る経済態勢になってしまっています。
その結果、食糧問題を突かれ、苦しい交渉となったとも言えます。

まぁ、食糧自給率を落とす政治を続けてきた張本人が、自民党ですからね。


日本の政治家に、食糧問題の解決を期待するのは、愚かなのかもしれません。


備蓄米が、市場にはほとんど流通していないため、米価は今も上昇を続けています。

流通が滞っている理由について、各専門家が解析をしているようですが、推測の域をでません。
根拠となるデータに乏しいからです。


スピンオフ・ブログでは1ヶ月前に、当ブログでは2ヶ月前に、備蓄米の流通を追えるようにすべきと、指摘していました。

〈スピンオフ・ブログのリンク〉

〈当ブログの当該記事のリンク〉
https://imutakatumi.officialblog.jp/archives/46500812.html

それを、政府は、準備していなかったようです。



政府が、備蓄米の保護責任を放棄しているなら、警察に捜索願いを出すしかなさそうです。

万が一にも、備蓄米を誘拐しているなら、刑事責任を問わなければなりません。







【追伸】

当ブログで書いてきたことは、真面目に読んでおいた方が良いと思いますよ。

(怪しい! 絶対に怪しい!! このブログは、絶対に怪しいぞ!!!)




国は、備蓄米の放出を決めました。
ただ、米価は下がらないどころか、作付け前の米にまで買い付け(茶田買い)が入っているようです。

こうなると、備蓄米を放出しても、流通経路の途中で滞留し、流通量が増えない可能性も出てくるでしょう。
また、備蓄米に対する何らかのネガティブなフェーク・ニュースを垂れ流すことで、通常の流通米に需要が集中するようにするかもしれません。


これらの対策を、政府は準備しているのでしょうか。
最低でも、備蓄米の行方を追跡できるように、キチンと準備しておくことです。

相手は、茶田買いまでするのです。
軽い気持ちで備蓄米を流すのでは、何も解決しないと思います。


備蓄米放出で米価を下げられないなら、日本の食管レベルは、無政府より悪いと言えそうです。

伊牟田ごときに馬鹿にされないような、主食の管理をしてもらいたいものです。
それさえできないなら、今世紀後半にやってくる世界規模の食糧難から、国民を守ることはできません!

昨日、バイデン大統領が、外国人の受け入れ、すなわち移民に対して、門戸を閉ざしているとして、中国、ロシア、インド等と並んで、日本を批判しました。


まず、当ブログのスタンスは、バイデン大統領の仰る通り、排外主義です。
世界的な食糧不足が発生した時、移民にも食糧が回るようにしなければなりません。
ですが、食糧自給率が低い日本は、食糧の確保自体が困難になっていきます。
その時に、移民が多ければ多いほど、苦しくなります。

バイデン大統領は、「移民が多い国は、経済が好循環になる」としていますが、逆に見るべきです。
「移民がいなければ、経済は回らないのか?」
あるいは、「移民がいなければ、経済が回らない理由は何か?」を考えるべきです。
実際、日本でも、技能実習制度を使って、外国人労働者を取り込もうとしています。
なぜ、この制度が必要なのか、早急に根本原因を考えないと、大変なことになります。

そもそも、食品価格が高く、通貨安の国に、態々移民してきますか?
移民はおろか、技能実習生が来ますか?

移民や技能実習生が必要になる理由が、肝心なのです。
それは、自動化が遅れ、効率が悪い生産システムを抱えているからです。
特に、農業分野で自動化が遅れているのは、地理的に欧米諸国と異なるため、日本独自のシステムの構築が必要なのに、そこへの着目がなく、単純に「農地が自動化に不向きなため」と言うだけなのです。
その一方で、自動化に有利な平地の農地は、次々に都市化を進めています。
言行不一致なのです。

いずれ、山間地の農地でも、自動化は進むでしょう。
ただし、自動化の機械類は日本製ではないだろうと、私は予想しています。



さて、バイデン大統領の「排外主義」ですが、移民の国の支配者らしい発言ですね。
自らを正当化するための発言とするなら、スジが通ります。
大統領選挙のライバルであるトランプ氏に至っては、新たな移民を排除しようとする独裁者的な発想になっている点は、少々狂気を感じます。


バイデン大統領に言いたい。

逆から見て考えないと、反論を食うだけですよ。

政府は、経済安全保障と食糧安全保障を見据えた法改正が、閣議決定されました。


当ブログは、食糧自給率向上を目的として始めました。
また、『2100年の日本のあるべき姿』では、経済安全保障にも関係する内容となっています。
政府が、経済安全保障と食糧安全保障に関心を示したことは、当ブログなら歓迎すべきなのかもしれません。

ですが、政府が示した方針は、力による支配、管理統制の強化でした。

ガッカリです。




食糧安全保障では、『食糧・農業・農村基本法』の改正が行われます。
農業の自動化の推進と、1年毎の検証が、盛り込まれることになっています。
物足りませんが、これ自体は悪くありません。

問題は、追加される法律です。



食糧安全保障のみを目的した『食料供給困難事態対策法案』は、ファシズムを想起させる雰囲気があります。

食糧の供給が不足した際、政府は、農業従事者に増産を要請できます。
更に不足した場合は、農業従事者に対して、生産・出荷計画の提出を求めます。
計画を提出しなかったり、正当な理由なく計画通りに生産・出荷しなかった場合には、罰則まで用意されています。

「出荷を増やせ」と言って、簡単に増えるでしょうか。
「計画通りに生産しなければ、罰金だ!」と脅せば、何でも実現すると思っているなら、政治家を辞めた方が良いでしょう。

生産計画を出させるより、農家、農業法人から増産に必要な支援の要望を出させる方が、まともな発想でしょう。
そして、そういった内容は、平時からやるべきで、緊急時に要求するものではありません。
支援もするとしていますが、緊急時だけ支援しても、意味がありません。
そもそも、簡単に増産できるはずがないのです。

種苗の入手から収穫まで、短くても数週間、果実や蒟蒻芋なら数年もかかります。栽培できる季節も関係します。
栽培の途中で、「収穫量を増やせ」と言われても、増えるはずもありません。
新田開発であれ、休耕田を再開するにしても、年単位の時間が必要です。
計画書には、来年度の予定出荷量、あるいは数年先の出荷量を記入することになるでしょう。



食糧難の対策は、生産者に命じて生産量を確保する考え方は、非民主的かつ愚かです。
対策は、もっと地味にやっていくべきです。

市場に流れる農産品の品質(形状や大きさ等)を緩めれば、廃棄分が減り、結果的に増産相当になります。
同様に、食糧の13%程度が、フーズロスとして捨てられているので、これをゼロにできれば、13%の増産と同じ価値を持ちます。

マクロで考えてみましょう。
食糧難の要因は、輸入の困難さの変化と、国内の生産量の変化が、考えられます。
輸入の困難さは、生産国の生産量の変化、為替の変化、生産国との関係の変化、海上輸送の困難さの変化等が考えられます。
食糧自給率を向上させれば、輸入の困難さによる影響を減らすことができます。
つまり、食糧難の要因は、国内の生産量のみとなり、食糧難のリスクそのものが減ります。





「食料の安定供給のための農地の確保及びその有効な利用を図るための農業振興地域の整備に関する法律等の一部を改正する法律案」

この法案の詳細は不明ですが、「農地の確保」とあり、緊急時には、政府による接収に可能性を残そうとしているのかもしれません。
そうであれば、民主主義とは対極の政治です。




全体として、力による政治、力による支配を感じさせる法案であるのに対し、食糧自給率の向上のような基本的な対策は、非常に甘いものとなっています。


背景には、TPPがあるのかもしれません。
TPPに抵触しないように、食糧増産は緊急時のみで、それ以外は輸入に頼るつもりかもしれません。
ですが、食糧輸出国が食糧不足になったなら、日本に輸出しなくなりますよ。
そして、一方的にTPPから離脱していくかもしれません。
TPPには、食糧安全保障のリスクを孕んでいるのです。

当ブログは、TPPには反対の立場を貫いてきました。
それは、食糧安全保障の足枷になるとわかっていたからです。


今の政治家は、日本を衰退させるための政策を続けているように見えます。
軍備にお金を費やし、教育や研究・技術開発にはお金を投じません。
まるで日本を売るかの如きTPPを進め、国債を発行しまくり、円安を招いています。
結果、物価は高騰し、食糧不安を生み始めています。


本当に、今世紀末の世界地図には、「日本」は残らないのではないかと、不安です。


 「1993年から2010年まで、2150Gt(2兆1500億t)の地下水を汲み上げたため、地軸が東へ年間4.3cm傾いている」

こんなニュースが、流されていました。

残念なことに、記者は、「地軸がズレる」ことに重きを置いているようですが、研究者の真の意図は、「地下水の汲み上げ量が多すぎる」ことに重きを置いているように思えます。
汲み上げ量の多さを示すために、「地軸がズレるくらい凄い」と言いたかったのでしょう。

本来なら、記者の役目として、社会的な問題に警鐘を鳴らすことがあると思います。
それを忘れて、意外性を重視してしまったようです。


でも、メディアを批判する当ブログでは、記者に代わって、汲み上げた地下水がどこへ行くのかを、考えることにします。

それには、『仮想水』を考える必要があります。


『仮想水』は、食糧を輸入すると、食糧生産に使用された水も、輸入されたことになるとの考えです。

大量に食糧を輸入する日本は、『仮想水』の輸入量も莫大なものになります。
日本は、毎年83億t(8.3Gt)の『仮想水』を輸入していると推定されています。

日本国内では、533億tの農業用水を使用しています。
両者を合計すると、616億tの水で、国民の食糧を生産していることになります。
食糧自給率に比して、国内の農業用水の使用量が多いのは、水を多く使う水稲米の生産が多いからでしょう。


日本では、国民の食糧を生産するために、国内外で616億tの水を使っています。
国民1人の1年分の食糧を作るためには、ざっと500tの水が必要だとわかります。

これを基準に、世界の80億人分の食糧を生産するために使われる水量を計算すると、4兆トン(4000Gt)の水が必要になります。

実際には,農地は乾燥地にも広がっているため、ここまでではありません。
現時点では、世界で約3兆t(3000Gt)の農業用水が、使用されています。
地下水は、18年間で2150Gtとされているので、農業用水の4%くらいが、地下水で賄われている計算です。

地下水の使用率は、意外に低く感じるかもしれません。
ですが、アジアで盛んな水稲米の生産は、使用水量が多い上、水稲米の生育には水に含まれる養分が必要なため、河川の流水を使用せざるを得ません。
水稲米の生産で大量の河川水を使用するため、相対的に地下水の使用量が少なく見えるのでしょう。

日本は、83億tの『仮想水』を輸入していますが、カロリーベースの食糧輸入率は70%に迫るので、8300万人分の食糧を輸入していると見ることができます。
この場合、1人分の食糧を生産するために必要な水量は、約100tとなります。
この場合、世界で使用される農業用水は、約8000億tと見積もることができます。
その場合、農業用水の15%を、地下水に依存していることになります。

地域によっては、農業用水の大半を地下水に頼っているところもあるでしょう。



日本は、食糧の2/3を海外に依存しています。
であるなら、『仮想水』に対しても、責任ある対応が求められます。

同時に、日本国内での水資源の維持・管理・新規開発を考えていかなければなりません。


「1993年から2010年まで、2150Gtの地下水を汲み上げたため、地軸が東へ年間4.3cm傾いている」

こんな説が、ソウル国立大学の研究チームから出てきました。




まず、「地軸が東へ」となっていますが、この時点で、この説を疑います。

「年間4.3cm」としているので、北極点、もしくは南極点が移動していると、読むことができます。
磁北は、移動していることが知られており、その移動速度は「年間55km」といった表現がされています。
なので、地軸の地表との交点である北極点が「年間4.3cm移動」すると言うなら、理解できます。

ですが、「東へ傾いている」って理解不能です。
地軸が地表を貫通する北極点には、東も西も北もありません。存在するのは、『南』だけです。
同様に、南極点にも、東も西も南もありません。存在するのは、『北』だけです。

ただ、便宜上は、子午線の0度を『南』とする場合もあるようです。
この場合、東経90度が『東』、西経90度が『西』、東経(西経)180度が『北』となります。
(これも、北極点を一歩でも離れると、方角が変わってしまいますね)
この考え方なら、「東経90度の方向に傾いている」との意味になります。
でも、これも、意味不明なんですよね。(後述します)

観察者の位置が極点以外だとしても、意味不明です。
地球上では、『東』も『西』も相対的なもので、観察者がどこに居るのか、明確にする必要があります。
ソウル大学から見て、「東へ移動しているように見える」という意味なのでしょうか。地軸自体が、傾きを変えずに移動しているのでしょうか。
でも、「傾いている」と表現されています。

軸が傾くのはわかりますが,「東へ傾く」とはどう言うことでしょうか。
東半球(東経0〜180度)と西半球(西経0〜180度)はありますが、「傾いている」とあるので、北極点が東半球に傾くのなら、重心の反対側にある南極点は西半球に移動しますよね。
北極点が東半球に傾いているのでしょうか。
南極点が東半球に傾いているのでしょうか。


地軸が東半球に傾く・・・?

ほんと、意味不明です。



たかが、2150Gt程度で、地軸はズレるのでしょうか。

日本の年間降水量は、かなりの幅で変化します。
1993年から2010年まででは、最大と最小で、773mmの差があります。
5年間移動平均でみても、年間降水量は220mmほど違います。
年間雨量の773mmの差は、日本列島に降る雨の重量が、年によって292Gtの差があることを意味します。
220mmの差でも、83Gtもの重量差になります。

18年間に2150Gtを汲み上げたのなら、年間120Gtほどでしかありません。
これは、日本列島に降る雨量の1/5ほどでしかなく、年毎の差と同等か、それ以下でしかありません。
この程度で地軸が変化するのなら、日本が少雨の年と多雨の年でも、地軸に影響しそうです。



この説は、2150Gtを地球上のある地点から差し引き、別のある地点に移動させた上で、地軸がどれくらい移動するかを計算したのかもしれません。

概算で計算してみると、2150Gtの増減では、2mmしかズレませんでした。

計算は概算なので、以下の条件で計算しました。

・地球は均質である。
・赤道上から2150Gtを取り除く。

簡略化していますが、計算間違いがあるかもしれません。
正直なところ、計算結果に自信はありません。
ただ、地球質量、赤道半径との比率を見ると、まずまずの結果に見えます。
逆に、地球の質量の28億分の1の地下水で、赤道半径の800万分の1も自転軸が変わるのか、疑問に感じます。
(私の計算結果は、赤道半径の32億分の1くらい)

ちなみに、東北地方太平洋沖地震では、地軸が17cmも動いたそうです。
東日本全体がメートル単位で動いているので、そんなこともあるかもしれません。




研究内容とは別に、記者がまとめた時思われる記事の書き方にも、疑問を感じます。


この説の翻訳では、「地球は、時速約1609kmの速度で回転している」と書いています。
「1609km/h」と聞くと、100mph(マイル/時)と考えたくなります。
周速と考えると、緯度が15.5度付近の周速と一致します。
緯度の15.5度は中途半端な数字なので、原文では「(赤道付近の周速は)およそ時速100マイル」と表現していたのでしょう。

正確には、時速103.8マイルくらいなので、問題にするほどではありませんが、「1609km」と4桁の数値で書いているのに、3桁目に大きな差(正しくは約1670km/h)があるのは、工学を学んだ私には、納得がいきません。
「100マイル」なら、有効桁数は2桁目(1桁目が『1』だから・・)までとなるはずなので、3桁目の誤差は無視できます。



翻訳の影響なのか、記者の影響なのか、全体的にレベルの低い内容です。

記者は、「地軸がズレる」ことに重きを置いているようですが、研究者の意図は、「地下水の汲み上げ量が多すぎる」ことに重きを置いているように思えます。
汲み上げ量の多さを示すために、「地軸がズレるくらい凄い」と言いたかったのでしょう。

本来なら、記者の役目として、社会的な問題に警鐘を鳴らすことがあると思います。
それを忘れて、意外性を重視してしまったようです。



でも、メディアを批判する当ブログでは、記者に代わって、汲み上げた地下水がどこへ行くのかを、考えることにします。

それには、『仮想水』を考える必要があります。



でもでも、この件は、次回に回すことにします。

(と言いつつ、本編の続きは1週間後の予定なんですよねぇ)


コオロギ食で、世間は盛り上がっていますね。

今なら、「食べたい人だけが食べればいい」と言えますが、十数年後には、そうはいかなくなっている可能性があります。
その時には、「埼玉県人には、そこら辺のコオロギでも喰わせておけ!」でも済まないかもしれません。



日本の食糧自給率は、30%程度です。
8000万人分を超える食糧を、海外から輸入しています。

日本は、特殊な例を除けば、餓死する人はいません。
それどころか、2020年には、522万トンのフードロスが発生しています。
2021年は、3163万トンの食糧を輸入しているので、輸入量の16.5%は無駄にしているのです。

日本より食糧自給率が高くても、飢餓に苦しむ国は、数多くあります。
例えば、北朝鮮は、100%に近い自給率ですが、餓死者が出ていると言われています。
マダガスカルも、自給率は80%程度ですが、国民の栄養状態は悪いとされています。


なぜ、食糧自給率が低い日本が、大量のフードロスが発生しても、餓死の不安がないのでしょうか。

理由は簡単です。

日本は、国際紛争に深入りせず、高い経済力を背景とした強い『円』で必要量を簡単に輸入できるからです。

食糧事情の悪い国は、政情不安や弱い経済力から充分に食糧を輸入できず、食糧事情の悪化を招いています。
となると、日本が気を付けなくてはならないことも、注力すべきことも、見えてきます。



今の日本は、防衛予算を倍増させようとしています。
表向きは、自衛となっていますが、相手の領土への攻撃能力ですから、使ってしまえは、泥沼になります。
食糧の安定輸入の条件の一つである『政情』が、これによって悪化します。

防衛予算を倍増させると、国民の負担が増えるため、経済成長にはマイナスに働きます。
また、経済対策がほとんどなく、生活救済の予算にチカラが入っています。
更には、赤字国債の積み増しがあるため、円は、長期的に下落方向に動くと思われます。
食糧の安定輸入の残る条件の『円の強さ』は、失われていく方向です。

このように、食糧輸入を支えてきた日本の強みが失われる方向にあるので、徐々に国内の食糧事情は悪化していくと思われます。



日本人には、そこら辺のコオロギでも喰わせておけ!

コオロギでも食べられれば、マシな状況になるかもしれません。
それが嫌なら、フードロスを減らし、食糧自給率を高めるように、農村への応援や、政治家への働きかけをしていかなければなりません。



昔、こんな話が聞かれました。
「手術は成功しました。ですが、患者は亡くなりました」

今の日本は、こんな方向に進んでいます。
「戦争には勝ちました。ですが、国民はみんな餓死しました」

これが冗談で終わることを、私は願っています。


食糧自給率の向上を掲げ、当ブログを始めたのは、9年余り前でした。

苦節9年、ついに、政府が一歩を踏み出しました。

まぁ、ここまで何歩も後退しているので、ようやく踏み止まった程度ですが、大きな変化には違いありません。



政府は、食糧安全保障の観点から、農産物や肥料の海外依存を下げることを決めました。

主な目標は、次の4点です。

・小麦の生産面積を、2021年比で9%拡大する。
・大豆の生産面積を、2021年比で16%拡大する。
・化学肥料の使用量を、2021年比で20%削減する。
・食品ロスを、2000年比で半減させる。


これを実現するために、以下のような対策を行います。

・水田から畑作への転作を進める。
・生産施設を整備する。
・化学肥料から堆肥へ転換を進める。


内容は、やはり「踏み出した」と言うより、「踏み止まった」くらいですね。



小麦の自給率(2020年)は、13%です。
これを9%向上させても、14%(小数を四捨五入)にしかなりません。
人口に換算すると、約150万人分の増産に相当します。
ですが、1億900万人分も不足したままです。

大豆の自給率(2017年)は、7%です。
ただし、油糧用の消費が多く、食用に限定すると、自給率は25%だそうです。
国産大豆は、全量(種子分を除く)が食用に回されます。
増産分を全て食用に回すと、自給率は29%に向上します。
人口に換算すると、約500万人分に相当しますが、9000万人分が不足します。

はっきり言って、焼け石に水のレベルです。


基本は転作なので、食糧自給率は、ほとんど変化しないでしょう。
休耕田の活用や、農地から住宅地や工業用地への転用の制限も、強化しないようです。

肥料は、手間のかかる堆肥への転換としている点でも、疑問があります。
化学肥料の国産生産のための研究に、全く力を入れていません。
化学肥料の原料を、海水から安価に抽出する、あるいは海底資源から採掘する研究・開発には、一銭も出さないようです。

完全に見落とされているのが、種子です。
種子法の改悪といった売国奴のような政策をしてきた政府ですから、食糧安全保障における種子の重要さは、全くわかっていないのでしょう。
種子の研究には、国家戦略として進めていくべきものです。

今回のような小手先の食糧安全保障では問題になりませんが、本格的に食糧安全保障を考える際には、仮想水が大きな課題になってきます。
政府は、仮想水にも触れていないので、それほど本気ではないのかもしれません。 


食糧安全保障やエネルギ安全保障は、武器と違い、数年で倍増させることはできません。
だから、優先順位を上げて、長期で段階的な計画を策定するべきなのです。

当ブログでは、2100年を目標に、食糧生産量の倍増を考えています。
2100年の日本の人口を、6000〜8000万人とし、食糧自給率を100%にするのです。


政府の食糧安全保障のレベルは、「食糧安全保障も考えています」と主張したいだけのようにも見えます。
だから、2030年までしか、設定していません。
内容もお粗末です。

防衛予算倍増に加えて、食糧価格高騰で対比されることが増えた食糧安全保障について、「こちらも忘れていない」とのポーズのために出すのでしょう。


政府にはポーズであっても、何とか持続的に食糧自給率の向上を目指したいものです。


最近の円安により、国内の物価が急騰し、社会問題になっています。

当ブログでは、10年前の開設当初から、円安の危険性について、警鐘を鳴らしてきました。
気候変動と人口増加により、食糧を巡る争いが増え、重大な危機が訪れると、言い続けてきました。

その対策として、食糧の自給率を2100年までに100%まで向上させようと、提案してきました。
これは、種苗、肥料・飼料、農薬、農機具、労働力まで、全ての自給です。
それ故、ハードルはかなり高いです。
一言で言えば、食糧安全保障です。

もう一つは、エネルギを含む資源の自給率の向上です。
主としてエネルギの自給ですが、資源全般についても、自給することを考えています。
ロシアのウクライナ侵攻と反ロシア政策によって、エネルギ危機が訪れたことからもわかるように、これはエネルギ安全保障に通じます。


食糧自給率は、休耕地の再耕作や、都市農場の税制見直し、種苗関係の研究予算の増額等は、ブログでも触れています。
エネルギ自給率は、原発の再稼働、蓄電システムの研究開発、核融合の研究等には、触れてきました。
資源の自給率は、都市鉱山のようにリサイクルを中心に、マンガン団塊等の海洋資源開発についても、触れたことがあります。


右を向いてしまった方々は、正面装備(防衛装備)に目が集まっていますが、その手法は、弱小軍隊の典型です。
真に防衛を考えるなら、兵站(食糧自給率やエネルギ自給率)に注力するべきです。そして、地の利を活かした籠城型の防衛を採用するべきです。

今の日本の施政は、衰退国家の典型です。
15年も経てば、1人当たりのGDPも、中国に抜かれるでしょう。
15年は、あっという間です。
小学1年生が大学を卒業する前に、中国に完璧に追い越されるのです。

国単位のGDPなら、中国は日本の10倍以上になっているはずです。
そんな国が、力で中国の攻撃に耐えられるのか、考えるまでもないでしょう。
防衛装備ではなく、国力そのものを高める必要があります。



右を向いている人も、左を向いている人も、真面目に食糧安全保障やエネルギ安全保障を考えてほしいものです。
この分野を中心に、研究開発費に予算を投じると共に、教育、特に理数系の教育に力を入れていくべきです。
それが、長い眼で見た国の存亡に、最も大きく影響することを知るべきでしょう。 


日本は、非常に狭い場所に人が住んでいます。
人口密度は、347人/km2 です。
G7では、最多です。

イギリスの1.2倍、ドイツ1.4倍、イタリアの1.7倍、フランスの2.9倍です。
人口1億人以上の国でも、バングラデシュ、インド、フィリピンに次いで、4番目です。

しかも、これらの国々と比べ、森林比率が高く、国土の68%が森林です。
G7の森林比率は、カナダは39%、アメリカは34%、ドイツは33%、イタリアは32%、フランスは31%、イギリスは12%です。
インドとフィリピンは24%、バングラデシュは14%です。

森林を差し引いた国土で見ると、日本の人口密度は、異様な高さなのです。


ただでさえ、狭い場所に多くの国民が住んでいますが、詳しく見ると、更に密集していることがわかってきます。

都道府県別に見ると、東京都、神奈川県、大阪府、愛知県、埼玉県、千葉県、兵庫県、北海道の8都道府県に、全人口の約半分が住んでいるのです。
各県の人口密度を基準にすると、東京都、大阪府、神奈川県、埼玉県、愛知県、千葉県、福岡県、兵庫県で、全人口の約半分になりますが、面積で見ると、9%ほどでしかありません。
都道府県単位で見ると、国土の半分に、全人口の85%以上が住んでいるのです。

市町村別でも、見てみましょう。
人口の約20%は、東京23区、横浜市、大阪市、名古屋市、札幌市、福岡市、川崎市、神戸市の8都市に集中しています。
市町村の人口密度順で見ると、人口の10%は国土の0.24%、人口の20%は国土の0.6%、人口の30%は国土の1.1%、人口の40%は国土の2.2%、人口の50%は国土の4.0%に住んでいるのです。

これに関連するTwitterがあるので、以下にリンクを掲載します。


当ブログでは、「2100年には日本の人口を6000万人で安定させるべき」としています。
人が住むだけなら、国土の4%で足りることになります。
森林が68%を占める日本ですが、国土の28%は、農業や工業に使える計算です。
現在の日本の農地面積は、約4.5万km2 です。これは、国土の12%ほどです。
倍増は難しいと思いますが、過去の農地面積の約6万km2 (国土の16%)まで戻すことは、不可能ではないと思います。


今回は、搦手と言うか、裏側から農地面積について考えてみました。

以前にも書いているように、現在の食生活を維持した場合、1人当たりに必要な農地面積は、約10aです。
農地面積が6万km2 あれば、6000万人分の食糧を生産できます。人口が半減し、農地面積が1.3倍に増えれば、私が理想とする日本になります。

温暖化が進めば、必ず食糧不足に陥ります。
今から、その対策を進めていけば、数十年後に起きる食糧不足にも、対応できます。

人口集中から地球温暖化について考えてみるのも、一つの見方になると思いました。

自然界では、デンプンは、葉緑体によって合成されます。

人類は、トウモロコシ等から生産しますが、広大な農地で3〜4ヶ月をかけて栽培されるため、実質的な効率は高くありません。
光合成では、太陽光の12%程度(680nmの光では36%)を化学エネルギに変換します。ですが、農地での栽培では、実質2%程度しか化学エネルギに変換できません。

地球温暖化では、農業への影響が懸念されています。
特に、日本は食糧自給率が極端に低く、他国の食糧生産事情の影響をモロに受けます。
それを考えると、日本は、人工的なデンプン合成の研究を進めるべきです。


・・ですが、この種の研究は、日本ではなく、中国で進んでいるようです。

中国科学院の研究チームは、「二酸化炭素からデンプンを高効率で合成することに成功した」と発表しました。(新しいASAP)

植物がデンプンを合成する過程は、60を超えるステップがありますが、中国が開発したデンプン合成法は、11の化学反応を経るだけでデンプンを合成できるそうです。
この11の化学反応を要約すると、次の3段階に整理できるようです。

1.二酸化炭素と水素を、無機触媒を用いてメタノールに変換する。
2.メタノールを、遺伝子改編した酵素で糖に変換する。
3.糖を、高分子デンプンに変換する。

デンプンには、大きく分けて、アミロース(直鎖状)と、アミロペクチン(網状)がありますが、どちらも合成可能なのだそうです。
(※どちらかを選択的に合成することが難しいのかもしれませんが・・)
植物がデンプンを合成する速度の8.5倍の速さで、デンプンを合成できるそうです。



さて、工業的に生産されるデンプンを食用とするには、様々なハードルがあります。食糧の工業的な生産は、まだまだ長い道程が続いています。
ですが、e-fuelとしてなら、大いに期待できます。

まず、中間生成物として、メタノールを生産できます。
メタノールを、そのまま燃料として使用することが考えられます。
メタノールは、オクタン価が高いため、オットーサイクルエンジン(ガソリンエンジン)の燃料として使用できます。
ただし、特定の金属を腐食させたり、ゴム製品を劣化させやすい欠点があります。
また、密度はガソリンと大差ありませんが、質量あたりの熱量が半分ほどなので、タンク容量は2倍にする必要かあります。
更には、毒性があるため、毒物及び劇物取締法で管理されています。事故時も含め、メタノールの管理は容易ではないでしょう。
実際、ロシアでは、密造酒にメタノールが混入していて、死者が出ています。

ならば、糖を生成するところまで進め、そこからエタノールを生成できるはずです。
エタノールは、既に燃料としての使用実績が充分にあります。自動車レースのインディ500マイルでは、燃料として使用されています。
毒性は低く、少量であれば飲んでも大きな問題はありません。お酒のアルコールは、このエタノールです。(大量に飲めば、急性アルコール中毒で死亡します)

エタノールでの保存は危険性が高いので、余剰分はデンプンで保存しても良いでしょう。
デンプンも、微粉塵となった場合は、粉塵爆発のリスクがありますが、貯蔵方法を間違えなければ、そのリスクも問題にはならないはずです。

カーボンニュートラルでは、エタノール燃料が期待されています。
しかし、エタノールは、食用としても利用可能な農作物から製造されるため、食糧と燃料のトレードオフの関係となります。
燃料用エタノールを食糧以外から製造できれば、このトレードオフ関係を解消できます。
間接的に、食糧事情を改善できるので、研究を進める価値はあるでしょう。


この研究で、不明な点は二酸化炭素濃度です。
大気中の二酸化炭素濃度は、400ppm(0.04%)ですから、非常に希薄です。植物は、この希薄な二酸化炭素を搾り出し、デンプンを生成します。
中国の研究において、二酸化炭素濃度がどのくらいだったのか、気になるところです。例えば、内燃機関の排気のような高濃度でなければ成立しないなら、この手法の利用範囲は限られてしまいます。

それでも、日本の未来を考えるなら、遅まきながら、この分野にも注力するべきです。




ところが、カーボンニュートラルについて、岸田文雄氏は「LED電球は、消費電力が少ない。お風呂は、シャワーよりお湯の量が少ない」と言ったとか。
省エネ、節水は、カーボンニュートラルの補助的手段として有効ではありますが、枝葉末節のレベルです。そんなことを、態々に例に挙げるとは、情けない限りです。

それに、お風呂は、シャワーよりお湯の使用量が多いので、岸田氏の認識は間違いです。
身体や頭を洗うためにお湯を使いますが、それを浴槽のお湯で賄うなら、浴槽にお湯は無くなります。当たり前ですが、身体を洗い流すために必要な分は、浴槽に溜めたお湯とは別に必要だということです。
浴槽に溜めたお湯は、身体を温めるためだけに使う分だと考えるべきでしょう。つまり、身体を温めるために使うお湯が、浴槽に溜めたお湯なのか、シャワーなのかが、両者の使用水量の違いになります。
浴槽は、200〜300lのお湯を溜めるのが一般的です。シャワーは、毎分10l程度です。浴槽の湯量は、シャワーの使用時間の20〜30分間に相当します。
仮に、家族3人(日本の平均値)として、石鹸やシャンプーなどを洗い流した後、7〜10分も延々とシャワーを浴び続けた場合に、浴槽の湯量に追いつきます。
寝台列車サンライズのシャワー給湯時間は、6分間だけです。短いように思えますが、身体や頭を洗うには、必要十分な時間です。
ということは、お風呂と同等の使用水量となるシャワー時間は、全体で13〜16分間にもなります。シャワーを浴びている
流石に、これだけの時間、浴び続けると、身体が疲れてきますよ。
これらは、考えればわかることだと思いますが、岸田氏には難しすぎるのでしょうか。


閑話休題。
カーボンニュートラルを岸田文雄氏に期待するのは、私がノーベル平和賞を目指すより無謀な気がしてきました。
それでも、地道に声を上げていきたいと思います。

また、今回のような研究事例は、機会があれば取り上げていこうと思っています。


TPP(Trans Pacific Partnership)は、11ヶ国で署名され、運用されています。
加盟国は、日本、カナダ、オーストラリア、メキシコ、ベトナム、シンガポール、マレーシア、チリ、ニュージーランド、ペルー、ブルネイです。(アメリカは離脱)



9月、中国と台湾が加盟を申請し、議論が始まっています。

これを受けてか、大阪のHさんが「TPP加盟で日本は破滅する」と言った某教授を批判しています。
TPPは、アメリカの離脱で性格を変えました。
一つは、日本の皆保険制度や年金制度が守られたことです。
日本の保険制度や年金制度は、アメリカの保険会社の日本進出を阻むことになるため、これらの制度の廃止も視野に入っていました。
二つ目は、TPP内における日本の優位性が得られていることです。
アメリカが離脱したことにより、TPP域内のGDPの半分近くを日本が占めています。
そのお陰で、強い発言権を持つことができています。
日本は、農業分野に極めて弱く、また財政面でも危機的な状況です。『円』が国際通貨から滑り落ちれば、国債の評価も暴落する可能性があります。
TPPも、日本企業にはメリットが多いのですが、日本全体ではデメリットが少なくないのです。
例えば、企業機密の保護の性格が強く、技術者の流動性を阻害しています。そのことは、「45歳定年制で技術者の流動性が高まる」と発言したサントリー社長の見識の無さ(自己都合?)の中にも見られます。技術者の流動性を求めるなら、TPPに反対(または改正要求)するはずなのです。
それでも日本がTPPを維持できるのは、発言権を維持できているためと言えます。

このように考えると、H氏の考え方には、かなりの偏りがあるように思えます。
もしかすると、大企業の顧問弁護士でもしているのでしょうか。それなら、クライアントの利益を考えなければならないので、考え方に偏りができても頷けます。


さて、中国の加盟です。
中国は、既に日本の3倍近いGDPとなっています。
仮に、中国がTPPに入った場合、中国のGDPだけで、域内の半分以上を占めることになります。逆に、日本の比率は、1/6まで低下してしまいます。
こうなると、日本の発言権は、ほぼ無くなります。
中国は、自国の都合を強く発言する国です。
TPP加盟前でも、既に、台湾の加盟申請にケチを付けています。
この中国を抑えることができるのか、甚だ疑問です。(政治家の実力は雲泥の差!!)



元々、当ブログでは、TPPに反対してきました。
今でも、将来的に、日本はTPPを脱退すべきだろうと、私は考えています。

TPPは、日本企業にはメリットがあるが、日本のメリットにはならない場合があります。TPPでは、他国との競争があるため法人税を低く抑える必要があり、日本企業が利益を上げても、税収はさほど増えません。

日本のように、手厚い国民保護の国では、他国との競争では、不利に働きます。
もちろん、国民保護の制度を撤廃することも考えられます。少子化の日本では、年金制度だけでなく、健康保険制度も維持が難しくなりつつあるので、撤廃も選択肢になります。
ただ、過渡期をどうするのか、過渡期は30年以上もあるので、過渡期を過ぎた時にTPPはどうなっているのかを考えると、安易に撤廃に舵を切るのも問題です。


地球温暖化と世界の人口増加で、食糧事情は悪化していきます。食糧確保が重要性を増すに連れて、食糧生産国の発言力が増していきます。
その中で、充分な食糧を確保するには、日本は、食糧生産国のメリットとなる存在でなければなりません。
ですが、国家予算から研究開発費を削減し、政府が目先の利益へと大学や研究機関を誘導する現状では、将来的に国力を維持できません。
もちろん、財政難の日本では、やむを得ない部分もあります。
ならば、食糧生産と脱酸素社会に国力を集中させ、研究予算も目的を絞るのも方法です。

TPPでは、国の税制や政策に制限を受けることが増えます。
なので、TPPからは距離を取りたいところです。
 
当ブログでは、その方向性を考えています。


欧米でワクチンの囲い込みが行われ、ワクチン確保が難しくなり始めています。
ですが、食糧危機に比べれば、ワクチン危機は大した話ではありません。
なぜなら、国内でのライセンス生産は2ヶ月遅れで始まる見込みですし、国内開発も進行しています。
少し待てば、解決します。また、待つための手段(緊急事態宣言など)もあります。
解決までの筋道があるので、ワクチン危機は大きな問題ではありません。
(いやいや、人の命が掛かっているので、大問題です)


当ブログのメインテーマは、『食糧自給率の向上』です。
テーマ選定の理由は、人口増加と地球温暖化に伴い、世界的な食糧不足に陥るリスクを感じているからです。

日本の食糧自給率(カロリーベース)は、表向きは40%程度とされています。
ですが、飼料の輸入分は考慮されていない数値です。飼料も含めると、実質的な食糧自給率は34%ほどです。
もし、食糧と飼料を輸入できなくなれば、単純計算で8000万人が餓死するのです。
食糧備蓄はありますが、半年も待たずに無くなります。それに、備蓄を10倍にしても、備蓄で繋ぐ間に国内の食糧生産を3倍にすることは、不可能でしょう。
食糧自給率は、10年単位の期間で計画的に改善していかなければなりません。

今回のワクチン危機は、生産国が自国を優先して輸出を制限したことに始まります。
ワクチン生産国の多くが、自国で感染爆発が起きており、国内需要が大きいことが、背景にあります。
食糧も、同じことが起こり得ます。
食糧危機が起きた時、生産国は自国民の食糧を確保するために、食糧輸出を制限する可能性は考えられます。
TPPを背景に、高額で食糧を買い付けたとしても、食糧輸出国で自国民の食糧不足が見えてくれば、TPPから離脱してでも食糧の囲い込みを行うでしょう。
今回のワクチンでも、契約が成立しているのに、輸出を承認制として、囲い込みが行われています。これが、そのまま、食糧不足の際にも起きるのです。

食糧のぞうさんは、ワクチンよりも対策に時間が掛かるので、問題が発生してからでは間に合いません。今から、食糧自給率の向上を図る必要があることを、私たちは認識しておがなければなりません。

年内には、衆議院議員選挙が行われます。
選挙でも、食糧自給率についての意識のある候補に投票したいものです。

新型コロナで、先進国のほとんとがマイナス成長する中で、株価はむしろ上昇しています。
株価が、実態経済とは掛け離れた状態にあります。
なぜ、こんなことが起きるのでしょうか。 

理由は簡単です。
世界中で、巨額の財政出動が行われたからです。
その額は、1400兆円なのだとか。
それも、まだ増えるはずです。
日本のGDPの3倍、EUや中国のGDPに匹敵し、アメリカのGDP7割に及びます。

これほど巨額のお金が出てきたので、その一部が株式に回ることが期待されているのです。
 誰が期待しているのかというと、証券会社のAIが期待していることが見えてきます。
若い世代が将来使うはずだった財源の一部が、AIによってしゃぶられているのです。


以前にも当ブログに書いていますが、政府と企業は、株式以外の資金調達方法を検討すべき時代に入っているのではないかと、私は考えます。

若い世代に渡す世界は、今のままでは駄目なのだ! と思うこの頃です。

しばらく休む予定でしたが、政府は私を休ませたくないらしく、当ブログの根幹に関わるニュースを提供してきました。
仕方がないので、休日返上で書くことにします。


2015年に、政府は2025年度の食糧自給率の目標を、カロリーベースで45%(金額ベースで73%)としていました。
当時の名目の食糧自給率は、39%でした。(飼料の輸入は無視した自給率)
ところが、3年後の2018年度の食糧自給率は37%(名目)に低下していました。
これを受けて、食糧自給率の目標を5年遅らせ、2030年度の食糧自給率を45%とすることを決定しました。
これも、おそらくは絵に描いた餅なのでしょう。

日本は、大量の飼料を輸入しています。その割合は、飼料全体の7割を占めるそうです。
ですが、輸入飼料で育てた国内の牛や豚の肉は、国産として計算されるので、食糧自給率を実際より高くしてしまいます。
肉類による摂取カロリーは、全体の13〜20%(平均で約16%)とされているので、真の食糧自給率は、政府発表値の9割弱です。つまり、現状の食糧自給率は、32〜33%ほどなのです。
仮に、政府の目標値が実現できたとしても、食糧自給率は、実質で40%程度しかありません。
これは、G7で日本の次に食糧自給率が低いイタリアより、20%も低いのです。

ちなみに、穀物に限定すると、G7の内、日本とイタリア以外の5カ国は、全量を自給できています。イタリアでも、7割以上が自給できています。
一方の日本は、28%しか自給できません。
イタリアの国土は、日本の8割ほどですが、穀物の生産量は、日本より多いのです。イタリアも日本に似て山岳が多く、平和は広くありません。それを考えると、日本の農業は問題が非常に多いことがわかります。

農水省は、食糧自給率向上を目指しながら、実際には低下させています。これは、施策の甘さを示唆しています。
また、TPPにおいても、その後のトランプ政権との交渉においても、食糧自給率を上げようとの意思を全く感じません。むしろ、多国籍企業の農民・漁民への対策室のような存在に見えてしまいます。

今後、人口が減少すれば、自動的に食糧自給率が上昇します。これさえ実現できないなら、農水省を解散するくらいの覚悟で臨んで頂きたいものです。




PS
先月29日に一休み宣言をしましたが、4月1日にしておけばよかったと、後悔しています。
エイプリル・フールなら、冗談でも本気でも、私の考え次第で自由にできたのですが、真面目に宣言してしまったので、書きたい事柄ができてしまうと、中途半端なことになってしまいます。

まあ、元々が軽い気持ちで宣言しているので、この先もにたようなことがあると思います。


2018年4月1日に、主要農産物種子法(通称:種子法)が廃止されました。

種子法は、戦後の食糧供給を目的として、1952年に施行されました。
しかし、種子法の施行から65年が経過し、状況も大きく変わってしまいました。
中でも、問題にされたのが、民間企業の参入が制約されることでしょう。
政府は、公平性が欠けているとして、種子法を廃止することにしたのです。

一見すると、妥当な判断に見えるかもしれませんが、真の目的はTPPのためである
ことは明らかです。
それは、種子法を改正ではなく、廃止にしたことからも分かります。


種子法では、稲、大麦、はだか麦、小麦、大豆の種子を保護してきました。
日本の主食を支える作物ばかりです。
それだけに、ここに入り込むことができれば、大きな利益を得ることができます。
だから、種子メジャーを抱えるアメリカから圧力が掛かったのです。
現時点では、アメリカはTPPから外れていますが、TPPへの復帰を臭わせてもいます。
アメリカがTPPに復帰すると、種子を取り巻く環境は一気に厳しくなります。

御存知でしょうか。
なんと、世界の種子市場の半分近くを、アメリカの2社だけで占めているのです。
一部には「種子市場のベストテンに日本の企業(サカタとタキイ)も入っているのに、その事実を伏せて種子法廃止を批難するのはおかしい」との考えを示す人もいます。
ですが、この2社を合わせても、種子市場の3%にも届きません。
圧倒的な種子メジャーを差し置いて、日本企業が日本の市場を確保できるとは考えにくいところです。

種子法による保護下で都道府県が開発・管理してきた種子には、F1種子はありませんでした。
一方、種子メジャーは、F1種子で攻勢を掛けてくるでしょう。
F1種子は一代種ですので、実った種から翌年の種子を得ることはできません。
従って、毎年、F1種子を購入しなければならなくなるのです。
ひとたび、F1種子に切り替えてしまったなら、半永久的に種子を購入し続けなければならず、日本の主食を種子メジャーに握られてしまうのです。

種子法廃止は、目に見えにくい形で、国民の生存権を他国に売り渡す事になるのです。



当ブログを立ち上げた目的は、種子を自力で管理することを目的としていました。
その背景には、F1種子で世界を席巻する種子メジャーから距離を置き、日本の食糧の安定供給への強い懸念がありました。
しかし、現実の進行は、私個人の力を遥かにしのいでいるようです。

無力感で、この記事を書いた次第です。


なお、種子法の詳細については、以下を御覧ください。


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政府の総合窓口(法令検索)より
<リンクは閉鎖されてしまったので、下記を御覧ください>
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昭和二十七年法律第百三十一号
主要農作物種子法

(目的)
第一条 この法律は、主要農作物の優良な種子の生産及び普及を促進するため、
    種子の生産についてほ場審査その他の措置を行うことを目的とする。

(定義)
第二条 この法律で「主要農作物」とは、稲、大麦、はだか麦、小麦及び大豆をいう。

  2 この法律で「ほ 場審査」とは、都道府県が、種子生産ほ場において栽培中の
    主要農作物の出穂、穂ぞろい、成熟状況等について審査することをいい、
    「生産物審査」とは、都道府県が、種子生産ほ ヽ 場において生産された主要
    農作物の種子の発芽の良否、不良な種子及び異物の混入状況等について審査
    することをいう。

(ほ場の指定)
第三条 都道府県は、あらかじめ農林水産大臣が都道府県別、主要農作物の種類別に
    定めた種子生産ほ場の面積を超えない範囲内において、譲渡の目的をもつて、
    又は委託を受けて、主要農作物の種子を生産する者が経営するほ場を指定
    種子生産ほ場として指定する。

  2 その経営するほ場について前項の指定を受けようとする者は、農林水産省令
    で定める手続に従い、都道府県にその申請をしなければならない。

(審査)
第四条 指定種子生産ほ 場の経営者(以下「指定種子生産者」という)は、その経営
    する指定種子生産 ほ場について ほ場審査を受けなければならない。

  2 指定種子生産者は、次条の規定により交付を受けたほ場 審査証明書に係る
    指定種子生産 ほ 場において生産された主要農作物の種子について、生産物
    審査を受けなければならない。

  3 ほ場 審査及び生産物審査(以下本条において「審査」という。)は、指定
    種子生産者の請求によって行う。

  4 都道府県は、指定種子生産者から前項の請求があつたときは、当該職員に、
    審査をさせなければならない。

  5 審査の基準及び方法は、農林水産大臣が定める基準に準拠して都道府県が
    定める。

  6 前項の農林水産大臣が定める基準は、主要農作物の優良な種子として具備
    すべき最低限度の品質を確保することを旨として定める。

  7 第四項の規定により、審査を行う当該職員は、その身分を示す証票を携帯し、
    関係者の要求があつたときは、これを呈示しなければならない。

(ほ場審査証明書等の交付)
第五条 都道府県は、ほ場審査又は生産物審査の結果、当該主要農作物又はその種子が
    前条第五項の都道府県が定める基準に適合すると認めるときは、当該請求者
    に対し、農林水産省令で定めるほ場審査証明書又は生産物審査証明書を交付
    しなければならない。

(都道府県の行う勧告等)
第六条 都道府県は、指定種子生産者又は指定種子生産者に主要農作物の種子の生産
    を委託した者に対し、主要農作物の優良な種子の生産及び普及のために必要
    な勧告、助言及び指導を行わなければならない。

(原種及び原原種の生産)
第七条 都道府県は、主要農作物の原種ほ及び原原種ほの設置等により、指定種子生産
    ほ場において主要農作物の優良な種子の生産を行うために必要な主要農作物
    の原種及び当該原種の生産を行うために必要な主要農作物の原原種の確保が
    図られるよう主要農作物の原種及び原原種の生産を行わなければならない。

  2 都道府県は、都道府県以外の者が経営するほ場において主要農作物の原種
    又は原原種が適正かつ確実に生産されると認められる場合には、当該ほ場を
    指定原種ほ又は指定原原種ほとして指定することができる。

  3 第三条第二項の規定は前項の指定について、第四条から前条までの規定は
    同項の指定原種ほ又は指定原原種ほにおける主要農作物の原種又は原原種の
    生産について準用する。

(優良な品種を決定するための試験)
第八条 都道府県は、当該都道府県に普及すべき主要農作物の優良な品種を決定する
    ため必要な試験を行わなければならない。


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