豊葦原中津谷のニニギ

食糧自給率の向上を目指して! (2100年の日本へワープ)

カテゴリ:地球温暖化 > 再生可能エネルギ


KTMMの研究グループは、ベーゼック効果とベルティエ効果を用いた新しい蓄電システムを開発したと発表しました。

研究グループによると、3種類の新素材の開発に成功しました。

一つ目の新素材は、断熱材です。
新素材は、磁界を掛けることで自由電子の動きを制御できます。これをドーナツ状にすることで、熱を封じ込めることに成功しました。

二つ目の新素材は、蓄熱剤です。
Beを含む新素材は、非常に比熱の大きく、大量の熱を蓄えることができます。更に、-153℃を超えると、Beがイオン化することで、蓄熱量を増やします。

三つ目の新素材は、熱電対です。
新素材の組み合わせにより、熱電対の抵抗をほぼゼロにすることに成功しました。
この熱電対を用い、電力をベルティエ効果で熱に変換して、蓄熱槽に保存します。
逆に、蓄熱槽と外気の温度差を利用して、ベーゼック効果で電力を取り出します。


地球温暖化対策が急務の昨今において、再生可能エネルギへの期待が高まっています。
しかし、再生可能エネルギは、発電量を調整できない大きな欠点があり、大規模な蓄電システムが求められています。

今回の新素材は、その蓄電システムに新たな風を送り込むことになると、期待されます。





今日は、エイプリル・フールです。

残念ながら、上記は嘘ニュースです。

ただ、ニュースの中にある「再生可能エネルギは、発電量を調整できない欠点がある」との一説は、事実です。
これを解決する手段は、莫大な量の電力を、何らかの蓄電が必要になります。
現状の蓄電池では、まるで性能が足りません。
Liイオン電池でも、必要量は億トン単位になります。
Liの算出量は、40万トン/年程度ですから、日本一国でLiを独占しても数百年、日本の消費量の2万トン/年ペースなら、数万年も掛かる計算です。
因みに、Liの埋蔵量は1億トン余りなので、全て使っても足りるかどうかです。

現時点で有望なのが、水素の形で保存する方法です。
余剰電力で水素を作り、自動車(FCV)用としたり、電力不足時の電源とするのです。

量的には必要量を保存できそうですが、水素を保存するためには、大量の電力が必要となるため、効率の面で問題があります。
そこで、新しい蓄電システムが、再生可能エネルギの利用には、必須と言えます。


前述の嘘ニュースは、今は嘘ですが、将来的には真実となることを、願っています。


トヨタ自動車は、太陽電池によって発電した電力で人工的に光合成を装置の改良に成功したと、発表しました。
この装置は、二酸化炭素を含む水に酸化電極と還元電極を入れ、太陽電池の電力で二酸化炭素からギ酸(CH2O2)を生成します。
効率は、入射した太陽光のエネルギーの7.2%がギ酸の生成に変換されたとしています。具体的な記述はありませんでしたが、おそらく、ギ酸の化学エネルギーへ変換できる割合が、7.2%なのだと思います。


さて、実際の植物は、どれくらいの効率なのでしょうか。
多くの植物の光合成の効率は、1%以下と言われています。人工的に高効率になる環境を与えても、5%には届かないだろうとも、言われています。

となると、エタノール燃料で車を動かすことは、効率が悪いことになります。どんなに工夫しても、太陽光から得たエネルギの1%も、車を動かすためには使えないはずです。
太陽電池の効率は20%を超えており、送電や蓄電によるロスがあっても、光合成の10倍以上の効率は得られるはずです。
前回の話題である『人工光合成』でも、7.2%でした。
人工光合成の生成物はギ酸なので、これをエタノールに変換する必要があります。パナソニックの古い研究では、この過程で、エネルギの1/4が失われるようです。
人工光合成を用いても、エタノール燃料は太陽電池を超えられそうにありません。


エタノール燃料は、電動化が難しい動力に利用するのが良いと思います。
つまり、蓄電量では不足する船舶や、重量の制約が大きな航空機のカーボンニュートラル燃料としての利用です。
ですが、自然発火しにくいのでディーゼルエンジンには不向きと思います。
「エタノール燃料という手段もある」くらいに考えておいた方が、良さそうですね。

ギ酸からメタンを作ることも可能ですので、現状のコンバインドサイクルの発電所の燃料とすることも不可能ではないと思います。
コンバインドサイクルも、船舶なら搭載できるかもしれません。ですが、ガスタービンとランキンサイクルの2種類のエンジンを搭載しなければならないので、スペース面で経済的とは言えません。


考えてみると、エタノール燃料を含むバイオ燃料は、次世代エネルギ源としては、あまり有益ではなさそうですね。

このようなツイートを見つけました。


簡単に言うと、2軸の稼働台を持つ太陽光パネルです。太陽を追尾することで、1.4倍の発電量を得られるのだそうです。


追尾装置ですが、動画では、ハッキリしませんでしたが、構造は赤道儀のようなものでしょう。おそらく、経緯台ではないと思います。
1軸は、地球の自転軸と平行にして、1日の太陽の動きを追尾し、2軸目で、季節の太陽高度に追従するのです。2軸目は、自動にする必要もありません。週に1回も調整すれば足りるはずです。

発電量が1.4倍になることは素晴らしいことです。最終的に、火力発電も核分裂式原発も、全廃したい私としては、歓迎する成果のはずです。
ですが、残念ながら、これは絵に書いた餅にすぎません。
広い場所に1台だけ設置する場合なら、1.4倍の発電量を得られるかもしれませんが、密集して配置すると、効果は得られません。
なぜなら、パネルを太陽に向けると、その背後に影が落ちます。影になったパネルの発電量は下がります。
ツイートには、同様の指摘がありますが、御本人は完全には理解できていないようです。だから、「影になる場所を避けて、間隔を開けて設置する」と言っています。
間隔を開けて設置してしまうと、南中前後にはパネルを設置していない隙間に陽が落ちてしまいます。その分の発電量は、確実に減ってしまいます。
残念ながら、太陽追尾しても、太陽光パネルでは発電量は増やせません。平地であれば、発電量は緯度と気象で決まってしまいます。
可動式の太陽光パネルは、稼働するための動力で消費する分は、固定式よりも実質発電量が減ることになります。


ツイート主は、「原発に対抗できる」としていますが、ここでも間違いがあります。
太陽光発電が原発を完全には代替できないのは、発電量が足りないからではありません。任意の発電量を得られないからなのです。
原発は、任意の出力を持続できますが、太陽光発電では夜間も悪天候時も出力を維持できず、大きく変動します。これが最大の問題なのです。
これを解決するには、蓄電しかありません。ですが、その量は膨大で、現状ではまるで足りません。量的に解決しようとすると、とてつもない資源量を費やしてしまいます。
現時点では、太陽光発電等の自然エネルギー発電で完全に火力や原子力を代替することは不可能でしょう。

私が、原発の再稼働を容認するのは、そのような技術的な背景があるからです。


ところで、政府は「2050年までにカーボンニュートラルを実現する」としています。
30年後ですから、今の原発の多くは寿命を迎えていると思います。
私は、原発ほ新設には消極的な考えを持っています。そのため、政府の目標を達成するイメージができていません。
私が考える今世紀末の発電は、核融合を軸とし、既に実用化している水力、太陽光、風力、地熱の他、海洋温度差発電、太陽熱発電等を組み合わせる形を想定しています。
政府は、原発の新設に加え、エタノールによる発電を含めているのかもしれません。エタノールは、発酵によって得るので、カーボンニュートラルにはなります。また、基本的には、技術的な難易度も低いので、実現性が高い手法です。
ですが、本来なら食糧や飼料となるものを利用することになるので、食糧自給率が低い日本は、世界から反感を買うことになりかねません。

当ブログは、このような状況を予測し、7年前のYahooブログの時代から、継続して食糧自給率の向上を訴えてきたのです。
原発の再稼働を容認するのは、温暖化を少しでも遅らせ、技術開発を行う時間的な猶予を得るためです。
このあたりの理解が進むことを願って、微力ながら辺境のブログの運営を続けています。

どうか、よろしくお願い致します!
 

横山裕道氏は、Twitterで、自身の架空ドキュメント「運命の2030年」を題材に、原発事故が気候変動に影響するとの自論を展開されています。

以下、氏のTwitterから引用。
https://mobile.twitter.com/zxghiro/status/1192545856739663872


原発事故で気候の破局運命の2030年」では、中国浙江省の泰山原発で5基の原子炉が炉心溶融を起こし、チェルノブイリを上回る過酷事故になったと想定した。世界的に原発がストップし、代役を石炭火力が果たしたためCO2が一気に上昇。気候の破局へと進んでいく...。原発はこんなリスクも抱えている。


以上が引用です。


この内容に違和感を感じませんか?
と言っても、『原発事故を切っ掛けに、世界中で原発が止まったため、温暖化が一気に進む』との設定には、強い違和感はありません。
強いて言うなら、『原発事故が切っ掛けに、"世界中"で原発を止めるだろうか? という点くらいです。
私の違和感は、別の場所にあります。
強い違和感を感じたのは、最後の一文、『原発には、こんなリスクも抱えている』です。

横山氏は反原発の考えをお持ちですから、リスクを抱えている原発を使うべきではないと言いたいのでしょう。
なので、このリスクを回避する方法を考えてみましょう。
原発は事故が起きると世界中で原発を止めることになるなら、最初から原発を動かさなければ良いのです。
でも、「運命の2030年」では、原発の代わりに石炭火力を使ったから温暖化が進んだと設定されています。であれば、原発の代わりに石炭火力は使えません。
石炭火力より効率の良い石油火力や天然ガス火力で代替すれば良いのでしょうか?
設定では、2030年の1年間で温暖化が進んだはずです。仮に、2020年から原発事故の代わりに最も効率が良いとされるコンバインドサイクル発電で代替するとしても、2030年までの排出量が2030年の1年間の石炭火力の排出量より少なくするには、10倍以上も効率が良くなければなりません。実際には、コンバインドサイクル発電でも石炭火力の精々2倍程度ですから、「運命の2030年」は「運命の2022年」に書き換えなければなりません。
やはり、火力発電では原発を代替できません。
やはり、原発の代替は再生可能エネルギー発電です。
御存じの方も居られますが、再生可能エネルギー発電は発電量が大きく変動するため、通常は水力や火力との組み合わせになり、原発を代替できるほどの発電量は確保できません。リチウムイオン電池などの二次電池(蓄電池)を使えば良いと考える方もいらっしゃるようですが、必要な電池の大きさは途方もなく巨大なものとなってしまうので、それだけでは再生可能エネルギー発電で原発を代替できません。現状の蓄電池システムは、短時間の発電量の変化を平滑することを目的としています。
ここでは、そんなことを無視して、再生可能エネルギー発電で原発を代替できるとします。
これで、違和感は解決・・・なのでしょうか?

いえいえ、違和感は全く変わりません。

設定では、原発事故で止まった原発は5基だけてす。温暖化が目に見えて深刻になったら、事故を受けて止めていた健全な原発を再稼働すれば良いだけです。
温暖化の影響を目の当たりにすれば、人々も、"かもしれない"レベルの原発事故よりも"現実に起きている"温暖化の対応が優先されるはずです。
そもそも、停止する原発は類型の原子炉(泰山原発はいずれも加圧水型原子炉だが、重水と軽水の2種類が計6基)に限定される可能性もあります。

まあ、これは設定の範囲内とも言えるレベルなので、まだ小さな違和感でしかありません。

私の違和感の正体は、原発の代替です。
「運命の2030年」では、原発事故が発生した時の代替を石炭火力で行っています。これは、石油火力や天然ガス火力が動いていることを意味しています。
そうであれば、原発を再生可能エネルギーで代替したなら、原発は止まっているわけです。一方で、石油火力や天然ガス火力は運転され、大量のCO2を出し続けていることになります。これでは温暖化対策として不十分です。IPCCでは、「今世紀末までに化石燃料の使用をやめるべき」と提言しています。石炭火力を止める程度では話にならないのです。
そうなると、停止している原発を稼働することで石油火力や天然ガス火力を止めることができ、CO2排出量は大きく減らすことができます。
この状況で2030年に原発事故が発生しても、2030年までのCO2排出量を抑えてきているので、危機までの時間的猶予を得ることができます。
また、停止する原発の代替は、それ以前に停止していた高効率の天然ガス火力や石油火力で可能となり、CO2の排出増を抑えることができます。

整理しましょう。
原発のリスクを回避するための再生可能エネルギー発電は、原発ではなく火力発電所を代替することも可能です。従って、温暖化対策を優先するなら、原発
を停止せず、火力発電所を停止するために再生可能エネルギーを利用するはずです。その場合、「運命の2030年」の原発事故リスクを避けるために予め原発を止める余裕は存在しません。
「原発はこんなリスクも抱えている」との表現は、リスク回避の手段がないため無意味なのです。
原発を代替できるなら、その電力量を火力発電所を止めるために使わない手はありません。そもそも、「運命の2030年」は温暖化の暴走を描いている
のです。火力発電所を止める能力があるのに使わないのは、矛盾しています。

主題が『反原発』であって、無理矢理『地球温暖化』に繋げたとしか思えません。
そう言えば、「運命の2030年」は、「原発と地球温暖化」に収められていますが、"原発"が先にあり、"地球温暖化"が後にありますね。


さぁ〜て、これだけでは、「運命の2030年」への"イチャモン"でしかないですね。
私も、"イチャモン"をつけるためだけに、こんなに長々と書いたのではありません。
私の目的は、横山氏の考え方が大半のメディアやジャーナリストの考え方と類似しているので、これらを代表する例として揚げることにしたのです。

ジャーナリストを含むメディア関係者は、反原発でほぼ統一されています。
メディアは、政府や大企業を攻撃する記事を書くのが大好きです。反原発は、"政府"+"大企業"の組合せですから、メディアの大好物なのです。そこへきて原発事故ですから、屍肉に群がるハイエナのように、理性を失って何が何でも反原発を正当化しようとしまっています。
だから、地球温暖化を反原発に結びつけようとするのです。

このようなメディアの影響を受け、「反原発=正義」との盲目的な考え方が拡がっています。
例えば、地震予知を見ていると、地震予知に対する自論と反原発と結び付ける場合を見掛けます。
一つは、「地震予知研究者が予知したエリアに原発があるので、原発推進派は地震予知を否定したいのだ」との意見です。
もう一つは、「地震予知は不可能だから、いつ地震が原発を襲うか分からない。だから、原発は止めるべきだ」との意見です。
どちらも、地震予知の議論の場で出てきた意見ですが、反原発では統一されているのに、肝心の地震予知は反対方向を見ています。
地震予知に限らず、自論の正当性を訴える際、反原発に結び付ける例を多々見掛けます。
『反原発』こそ『正義』との勘違いがあるのだろうと思うのです。
メディア関係者の場合、一般人とは少し考え方が異なり、メディア関係者は『反原発』の正当性を訴える内容に変わります。ただ、原発のデメリットを細々
と探し出し、針小棒大に批判を繰り返します。
本来、メディアは公平性に基づいた報道が求められます。メディア関係者は、それを忘れてしまっているのです。

本来、原発と地球温暖化の議論は、原発事故や放射性廃棄物などのリスクと地球温暖化のリスクの比較であるべきです。
メディア関係者の問題は、原発は『悪』であることを証明しようと、上から見たり、下から見たり、横から見たりと、視点を変えた主張を繰り返しています。
ですが、本質的な部分は議論しません。
メリットとデメリットの比較で論じるべきですが、それをしたがりません。デメリットだけを誇張したいのです。
昨今の異常気象で、原発のメリットに目が向けられそうになると、今度はメリット潰しを展開します。つまり、メリットは無いと印象付け、メリットとデメリットの議論を避けようとします。
今回の例は、その一つです。
矛盾した設定を見れば、原発のメリットを潰したい本音が見えます。
詭弁と言えば一言で終わってしまいますが、メディアやジャーナリストの公平性と真実に背を向けた報道が増えている現状は、詭弁では済まされないように思います。
それは、地震予知を見ていても、その他の案件を見ても、同様に感じるのです。

原発の問題では、「原発は再生可能エネルギーで置き換えることができる」と主張しますが、任意の出力で発電できない再生可能エネルギーは、現時点では原発を代替できません。
仮に、原発を代替できるとして、その能力で火力発電所を止めようとしない理由は、何でしょうか。
その背景の一つに、原発が温暖化対策として有効でも、再生可能エネルギーで代替すれば原発を止められると思い込んでいるためと思われます。
温暖化対策を考えるなら、原発の前に火力発電所を止めるのが当たり前ですが、それを主張しないのは、「温暖化対策は原発分で足りる」と見ているのでしょう。
彼らは、IPCCの提言を知らないのでしょうか。

もう一つは、九州で原発再稼働に伴い、再生可能エネルギーの割合を制限したことを、原発優先だと勘違いしているためでしょう。
実際には、CO2排出量を現時点で最小にするために、再生可能エネルギーを抑える必要があったのです。
再生可能エネルギーは、出力が任意に設定できない上、出力の変動が激しいので、火力や水力と組み合わせて運転する必要があります。原発を稼働すると、出力調整できる火力発電所を止めることになり、出力の調整幅が小さくなります。そうなると、出力が変動する再生可能エネルギー発電に対応できる幅が狭くなるため、再生可能エネルギー発電を止めざるを得なくなるのです。
再生可能エネルギー発電を優先すると、変動に対応するための火力発電所を多く稼働させなければならず、結果的にCO2排出量が増えることになります。


反原発を主張しすぎることは、地球温暖化にはマイナスになる場合があります。
反原発と地球温暖化は、バランスを取らなければなりません。特に、現時点でできることと、将来的に期待できることは、明確に分けて、考えをまとめるべきです。

最後に、私は原発新設には反対の考えを持っています。
温暖化が進めば、世界的に原発を建設するように圧力が掛かってくるでしょう。現時点は原発を再稼働し、少しでも温暖化を遅らせ、新しい技術が開発される時間を稼ぐべきです。現時点では実現していない技術を主張して温暖化対策を遅らせるのは、長い目で見れば逆効果になると、私は考えています。

再生可能エネルギーは、少なくとも現時点では、地球温暖化対策では『脇役』の役割であり、原発と火力の両方を止める能力はないということを理解した上で、考えていくべきです。
 

「原発の安全対策費が莫大な額になっているので、原発を止めるべき」
こんな意見があります。

私の感覚は、この費用は地球温暖化対策費なのです。必要な投資なのです。
そもそも、地球温暖化対策には莫大な費用が掛かります。それは、再生可能エネルギーでも同様なのです。


再生可能エネルギーは、莫大な費用が掛かる発電方式であることを知るべきです。
そのため、経済性では旧来の発電方式には太刀打ちできず、定額買取制度によって成り立っています。この費用は、莫大な額になります。

再生可能エネルギーは、出力の制御ができないものが大半を占めます。その上、出力の変動が激しい欠点もあります。
蓄電池システムは、再生可能エネルギーの欠点の一つである出力の変動をなだらかにするために開発されました。従って、例えば太陽光発電の夜間や冬季の出力不足を補う能力はありません。
このため、再生可能エネルギーは、旧来の火力発電などとのセットで運転されます。
出力調整が可能な火力発電所とは言え、停止から起動するには人員も電力も大量に必要となります。ですので、常に運転状態を維持し、再生可能エネルギーの出力が不足した際には出力を上げて補います。原発であれば、一定の出力が得られるので、火力発電所も停止できますが、再生可能エネルギーを使用するためには停止できないのです。この費用も、本来であれば再生可能エネルギーの費用として勘案すべきです。
再生可能エネルギーの定額買取制度は、有期の制度です。期限が過ぎれば、採算が取れなくなり、撤去が必要になるかもしれません。その費用も、無視されています。
無視されていると言えば、再生可能エネルギー発電所で使われる除草剤の環境への影響も無視されています。
更に、原料の採掘から製造までも含めれば、その間に排出されるCO2の量は莫大で、CO2排出量の削減効果は大きくありません。
つまり、削減量当たりの発電費用は、高額なのです。
それでも再生可能エネルギーを推進すべきと、私は考えています。それくらい、地球温暖化は人類には厳しい試練となるだろうと考えているのです。


もちろん、原発も使用済み燃料の最終処分方法が決まっておらず、コストも非常に高いものとなるでしょう。
また、原発は止めれば良いと考えてしまいがちですが、廃炉の際に放射性廃棄物が発生します。これは、原発を再稼働をしても、再稼働しなくても、変わりません。
なので、私は原発の再稼働には賛成ですが、新設には反対なのです。


地球温暖化を含む化石燃料の大量消費の弊害は、人類の存亡に関わる問題だと考えています。ですので、地球温暖化対策は、費用を無視するくらいの割り切りが必要だと思っています。
このスタンスは、原発に対しても、再生可能エネルギーに対しても、全く同じであり、地球温暖化対策として、私の中で一貫した考えです。
また、化石賞が欲しいのであれば、条件付(反原発を大前提とする条件)の温暖化対策を続けていけば良いでしょう。


 

風力発電設備は、太陽光ほどではないにしても、風力発電も充実してきています。
2014年度末時点の日本の風力発電設備は、2034基に達しているそうです。
世界全体では、2014年の総設備容量は、約37000万kWだそうです。
 
 順位  国   総設備容量(概算値)
 1位 中国    11500万kW
 2位 米国     6600万kW
 3位 ドイツ    3900万kW
 4位 スペイン   2300万kW
 5位 インド    2200万kW
  :
 19位 日本      293万kW
 
経済産業省が発表した2030年度のエネルギー需要見通しでは、以下のように発表されています。
 
★全エネルギー需要に占める電力の割合 28%
★電力の発電方式別の割合
 ・原子力     20~22%
 ・再生エネルギー 22~24%(内、風力は1.7%分を担う予定)
 ・液化天然ガス  27%
 ・石炭      26%
 ・石油       3%
 
このblogでは、繰り返し書いていますが、太陽光にしても風力にしても、蓄電との関係が気になるところです。
 

再生可能エネルギーによる発電を増す際に最も問題になるのが、電力安定化です。
従来は、電力会社が需要に合わせて発電量を制御し、電力の需給バランスを保ってきました。このバランスがキチンと保たれているから、供給される電気の周波数が一定に保たれているのです。
しかし、再生可能エネルギーの多くは、風まかせ、お日様まかせですから、需要に加えて供給も変動します。更に、電力自由化により、多くの発電事業者が参入することになり、これまで以上に電力の需給バランスを保つことが難しくなっています。
このような状態のままでは、電力系統の周波数が変動し、最悪は、発電機が次々に脱調を起こして切り離され、大規模な停電となる危険性があります。
実際、1987年7月23日に、静岡東部、神奈川西部、山梨中央部、埼玉南部、東京多摩、荒川区、足立区、文京区、北区が停電する事例が発生しています。
この時は、280万戸が最大3時間20分余りに渡って停電しています。
 
再生可能エネルギーや電力自由化によって生まれる電力の需要と供給の乖離を埋めるためには、自由かつ応答性に優れる発電設備を充実させる必要があります。
従来は、主として水力発電所がその役割を担ってきましたが、需要の変動分に加え、供給の変動分まで吸収することは難しく、新しい発電設備の開発が期待されていました。
現時点では、蓄電池が有望と考えられていますが、新たにフライホイール蓄電システムが開発されることになりました。
 
 
フライホイール蓄電システムは、電力を大きな弾み車の回転運動として貯蔵し、必要な時に回転力を再び電力に変換します。
このフライホイール蓄電システムとしては世界最大級の出力=300kW、蓄電容量=100kWhの実証施設が、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、山梨県企業局等によって山梨県米倉山に完成しています。
山梨県が運営する米倉山大規模太陽光発電所と電力系統につないで、変動の大きい再生エネルギーの安定的利用に向けた実証試験が行われています。
 
システムの特徴は、イットリウムを含む高温超電導線材を用いた超電導磁石が軸受けとして使われていて、重量4t、直径2mのフライホイールを超電導磁気軸受けが非接触で支えています。
フライホイールは浮上しているため、大型のフライホイールを毎分6,000回転という高速で動かしても、長期間の安定運用が可能になりました。
また、フライホイールを高速回転させると、強い遠心力が働くため、大径化が難しいとされていましたが、FRP製のフライホイールで炭素繊維の織り方を工夫することで直径2mまで大型化することに成功しました。
 
 
フライホイール蓄電システムの実証施設は、米倉山太陽光発電所(出力10000kW)と、山梨県が建設した米倉山実証試験用太陽光発電所(出力1002.6kW)に接続され、日射量などで変動する太陽光発電を安定した電力にして電力系統に送る試験が実施されます。
 

水力発電ダムは、地域に生息する野生生物の約70%を絶滅に追い込む原因になる可能性があるとの研究結果が発表されています。
 
アマゾン中部のバルビナダムの建設により、人造湖のバルビナ湖が形成され、一続きの森林だった地域が浸水して3546の島ができました。
このうち、面積が広い島以外では、過去26年間で哺乳類や鳥類、カメなどの個体数が大幅に減少し、野生動物12万4110種の4分の3近くが絶滅に追いやられる可能性があることが、今回の研究で分かったそうです。
一方、群島の中で最も面積が大きい25個の島では、当初生息していた種の大半が現存すると推定されているそうです。

 
私個人の考えでは、面積が大きな島でも、「陸生の動物は厳しい状況に追い込まれるのでは?」と思います。
特に、行動半径の大きな哺乳類は、水で行動半径を制限されてしまうと近親交配が進み、遺伝的多様性が失われてしまいます。
こうなると、鳥などが外部から新しい病原を持ち込んでしまった際に、簡単に絶滅してしまう危険があります。
また、遺伝子の異常が起きると、それを種の中カバーできなくなる場合もあります。
この類例として、アメリカ南部のミシシッピー州などでは、道路によって生活空間を細分化されたため、哺乳類の近親交配が進む問題が指摘されたことがあります。
この対策として、アニマル・アンダー・パスやアニマル・オーバー・パス等の道路を超える手段は、日本でも実施されつつあります。
 
先の研究ですが、「475ha以上の島は大丈夫」としているようですが、475haはかなり狭い面積です。
コモドドラゴンで知られるコモド島ですが、この島は狭すぎるため、哺乳類の肉食獣が居ないのです。だから、爬虫類のコモドドラゴンが繁栄できているのです。
そのコモド島の面積は、約39000haです。
私には、先の研究結果以上に、バルビナ湖の中の島の生物種は、厳しい状況に追い込まれているように思えます。
 

浮体式では世界最大の出力(7000kW)の洋上風力発電設備が実証試験が行わrています。
風車直径は160m以上、風車の羽の頂点は海面から189mにもなります。沖合20kmに設置されており、発電した電気は海底ケーブルで陸に送られます。
この規模の浮体構造は、中々厳しい要件が並ぶはずです。
残念ながら、詳細な情報が少なく、この記事には、間違っている箇所も多々あると思います。
 
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浮体は、L字型だそうです。
その頂点に約100mの高さの塔を建て、風車を取り付けているようです。
風力発電の効率は実質50%以下なので、風車に掛かる風圧は14000kWを超えることになります。
この構造だと、風向きによっては高い塔と風車に加わる風圧を支えることは難しいはずです。なので、風向きによって、浮体ごと向きを変えるのかもしれません。
ただ、今度はアンカーとのチェーンの取り付け方法が気になるところです。
 
このような施設を建設するのも大切ですが、僅か7000kWの設備で、しかも風まかせですから、相当数を建設しなければなりません。
となれば、海底のアンカーや海底ケーブル、陸上側の蓄電・変電設備も含め、環境への負荷をきちんと確認しながら進めないと、後悔することになります。

日本の電力自体は、100%自給しています。
電力は、発電と需要が完全に一致していなければならないので、
海に囲まれた日本は、他国から電力を輸入できないのです。
 
需要は、時間帯や季節、気象、経済状況などで大きく変化します。
発電は、変化する需要に瞬時に対応しながら出力を調整します。
例えば、一日の変化はこんな感じです。
(原発分に相当する30%を太陽光発電に置き換えた場合も入れてみました)
 
イメージ 1
 
自然エネルギーは、需要には関係なく発電量が変動します。
となれば、何らかの方法で需要と自然エネルギー発電量の穴埋めをしなければなりません。
現時点では、その穴埋めは火力発電か水力発電が行っています。
ですが、自然エネルギーが占める割合が増えれば、吸収できなくなります。
 
例えば、曇天で無風の場合はどうでしょうか。
太陽光も風力も発電しないので、全電力を従来型の発電設備で賄うことになります。
 
太陽光発電の場合、日中しか発電できないので、夜間は厳しくなります。
先ほどのグラフを例にみると、日没頃が最も厳しくなります。
この日の最大電力量の90%を超える需要があるのに、日没で太陽光発電は止まってしまいます。
 
勝手気ままに発電する自然エネルギー発電を手なずける方法として、充電設備がありますが、その容量は微々たるものです。
将来的には、自然エネルギー発電所で発電した電力で水を電気分解して水素を生産するのが良いと考えられています。
その水素は、自動車などの燃料電池の燃料(水素)に使用するのです。
 
ただ、これではガソリンの消費量が減るだけです。
電力の需要を減らすにはどうすれば良いのか、考える必要があります。
 
 
PS:
ガソリンだけ消費量が減ると、石油精製のバランスが崩れます。
原油には、様々な成分が含まれており、その一部がガソリンです。
ガソリンだけ消費が減っても、他の石油精製物の消費が変わらないなら、
消費されないガソリン(正確にはナフサ)が無駄に余るだけです。
 
一見、上手くいくように見えても、新たな問題を引き起こす場合があります。
大きな視野で、将来の産業構造を創造していかなければならないということなのでしょう。
 

1974年から行われたサンシャイン計画の一環として、香川県で太陽熱発電の実証実験が行われました。
私の記憶には、目的の性能が得られずに終わったような・・・
 
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さて、集光式の太陽熱発電ですが、熱効率は20~35%程度だそうです。
水を400℃まで加熱するので、原子力発電所のタービン入口温度と大差ありません。
従って、最高熱効率も、原子力発電所の熱効率とほぼ同じ35%です。
 
これに対し、太陽光発電の効率は、25%程度です。
効率の高さは、太陽熱発電のメリットの一つです。
ただ、将来的には、太陽光発電の方が可能性が高いように思っています。
既に、実験室レベルでは、35%に達していると聞きます。
これに対し、太陽熱発電は、カルノー効率から考えて大幅な改善はないでしょう。
 
太陽光発電が、効率の面で太陽熱発電を逆転する時期は、想像するしかありません。
ですので、どちらかを優先するのではなく、効率以外のメリット/デメリットを勘案しながら、並行して進めていくのが良いと思います。
 

ダックカーブ現象が、北米カリフォルニア州で問題になり始めています。
 
「ダックカーブ現象」と言う単語自体は、最近知りましたが、
この現象自体は、このblogでも触れています。
 
本blogで扱った際の条件に比べると、
現実に問題になっているダックカーブ現象は、もっと深刻なカーブを描きます。
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日経テクノロジーより転載
 

ダックカーブ現象は、再生可能エネルギの多くが太陽光発電のために起きます。
つまり、日中に大量に発電するのに、日没後は発電が止まるため、
従来型の発電機の発電量を急激に立ち上げる必要があるのです。
 
ダックカーブ現象の最大の問題は、日没前後の急激な立ち上がりです。
原子力発電所はもちろん、大型火力も出力の調整は苦手です。
以前も、一日の需要の変化は、およそ2倍もありましたが、
需要の変化が穏やかなため、小型火力の稼働と、水力発電所・揚水発電所で、
不足することなく発電を続けることができました。
しかし、
ダックカーブ現象は急激かつ大幅な変化なので、
従来の方法では対応できないのです。
 
世間では、充電池が救世主のように言われています。
ですが、充電池が本当に救世主足り得るかは、不透明です。
条件が異なりますが、これも本blogで1年前に扱っています。
 
もう一つの問題は、
不足電力の多くを従来型の発電で補わなければならないことです。
ここでの視点は、再生可能エネルギを優先するために、
不足分を補えるだけの従来型発電所を、日中は停止しなければならないことです。
これは、
「無駄に発電設備を遊ばせろ!」と言っていることになります。
 
この視点でも、考えておく必要があるのです。
 

放射性物質の地層処分について、数万年も保管し続けなければならないことが問題になっています。
 
一方、CCSの技術開発は、好意的に捉えられているように感じています。
でも、ふと思ったのですが、
CCSってCO₂をいつまで保管するつもりで建設しているのでしょうか。
 
放射性物質は半減期があるので、徐々に放射線量は減っていきます。
ですが、CO₂は安定な物質なので、いつまで経っても変化しません。
処理を前提としないなら、永久に保管しつづけなければなりません。
でも、まず大量に保管しようとしていることから、処理は考えていないのでしょう。
 
こうみてくると、CCSは、かなり安易な発想ですね。



※CCSとは、 二酸化炭素の回収・貯蔵(Carbon dioxide Capture and Storage)のことで、
 二酸化炭素を回収し、地層等に貯留する手法の総称です。

 

宇宙に巨大な太陽電池パネルを浮かべ、発電した電力を地上に送るアイデアは、
以前からありました。
 
宇宙太陽光発電では、発電した電力をマイクロ波などに変換して地上に送ります。
送電に用いるマイクロ波は、人体や環境に悪影響を及ぼす恐れがあるため、
正確に地上の受信アンテナに送信する必要があります。
三菱電機の屋外試験場で実施された実験では、
送電アンテナから発射するマイクロ波の角度を少しずつ変えて向きを細かく調整し、
約55メートル離れた受電アンテナへ正確に送ることに成功しています。
 
 
私が仕入れたある新聞社の記事には書かれていませんでしたが、
マイクロ波のビーム径の問題があります。
電波は、波長と送信アンテナの大きさで、ビームの広がりは決まってしまいます。
マイクロ波の波長は、100μm~1mです。
宇宙発電所は、静止軌道に設置することになるので、
マイクロ波による送電距離は、36000kmにもなります。
仮に送電側のアンテナの直径が100mの場合、
地上に届いた時のビーム径は、以下のようになります。
 
   波長   ビーム径
   1m  360km
100μm   36m
 
これで分かるように、送電側のアンテナ直径が100mもあっても、
波長が1mならば、地上に届くマイクロ波は360kmまで広がってしまいます。
使用する波長をどうするか、
既に利用されている波長との整合をとって行く必要があります。
 
技術的な問題に加え、政治的な問題もありますが、
なんとか解決してほしいものです。
 

日本で建設が進む木質バイオマス発電所の多くが、発電量が5000kw級以上です。
このクラスの発電施設は、約10万m³/年の木材が必要になります。
 
年間10万m³の木材は、福井県の年間木材生産量くらいです。
奈良県で15万m³、佐賀県で12万m³、埼玉県で8万m³です。
5000kW級の木質バイオマス発電所を1基運転するには、各県の木材生産の全てを使用しなければならないくらいです。
木材生産には、製材や合板、製紙用チップなどを含んでいるので、木質チップの調達は非常に難しいと分かります。
また、半径50キロ圏内でなければ、輸送費がかさんで採算が合わなくなります。
 
木質バイオマス発電所は、規模を縮小した上で、地域暖房や温水プール、温室栽培、病院や福祉施設などへの排熱の供給を検討していく必要があります。
 
「再生可能エネルギー」という言葉に踊らされていると、将来に新たな負債を残すことになりかねないことを、行政も住民も理解しなければならないと思います。

風力発電に適している立地は、風通しの良い場所に決まってますよね。
陸上では、山や大きな建造物等の障害物があるので、風が弱まります。
「それなら洋上に風力発電所を作ろう」となりますよね。
でも、風力発電所を作るのに適した浅い海は、多くありません。
深い海では、海底に基礎を築き、洋上の風力発電設備を支えることは、
技術的にも費用的にも、困難です。
そこで、浮体構造の上に風力発電所を建設する案が浮上してきます。
 
浮体構造の洋上風力発電所には、どんな問題があるでしょうか。
まず、波浪に耐える必要があります。
また、潮流に流されてはいけません。
そのためには、どんな構造が適しているでしょうか。
 
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上の絵は、一つの案です。
波浪の影響を減らす方法の一つは、水面付近の浮力を減らすことです。
上の案では、深い位置まで浮体を沈め、水面付近の浮力の割合を抑えています。
この構造では、メタセントリック高が低くなるので、復元力が小さくなります。
安定させるためには、重心を浮心よりも低い位置にしなければなりません。
重心を下げる方法として、浮体を繋ぎとめるアンカーチェーンの重さを利用します。
これで、必要な条件を満たすことができます。
ただ、この方法でも、水深は数100m程度が限界でしょう。
また、風を受けると傾きやすい欠点もあります。
これらについても、改善したいところです。
 
いずれ、誰かが優れたアイデアを発表し、運が良ければ実用化するでしょう。
どんなアイデアが出てくるか、楽しみでもあります。
 
期待して待ちたいと思います。
 

太陽光発電の欠点は、
昼間しか発電できないことと、晴天でないと発電量が少ないことでしょう。
 
そこで、考えられたのが、宇宙空間に太陽光発電所を建設することです。
 
宇宙空間では、天気の影響はあるはずはなく、大気による吸収もありません。
 
ただ、ISS(国際宇宙ステーション)のような低軌道に建設したのでは、
軌道の4割は地球の影に入ってしまい、十分には発電できません。
また、発電した電力を地上に届けようとしても、
100分程で地球を1周してしまうので、うまく送電できません。
 
ということで、太陽光発電所を建設する場所は、静止軌道になるでしょう。
静止軌道でも、春分や秋分の時期には、地球の影を通る時間が1時間余りありますが、ほぼ一年中、発電することができます。
 
太陽光発電所を静止軌道に建設した場合、電力はどうやって地球に送るのでしょうか。
太陽光発電所から地球まで電線を繋ぐことは、まず無理でしょう。
ピアノ線の場合でも、自重を支えるために必要な引張強度の0.6%しかありません。
アルミでも、銅でも、自重に対する引張強度は、ピアノ線よりも低いのです。
カーボンナノチューブを用いることも考えられていますが、
現時点では、必要な強度の4分の1程度しかない上、製造できる長さもまるで足りません。
 
現時点で考えられる送電方法は、マイクロ波等の電磁波です。
ここで問題になるのは、「大気の窓」です。
宇宙に開かれた「大気の窓」を通さないと、電磁波で送電することは不可能です。
 
送電のほかに、静止軌道まで建設資材を大量に打ち上げる方法も問題です。
大規模は太陽光発電所が作る影は、地球環境に影響を与える可能性もあります。
 
 
まだまだ、問題、課題は山積みですが、可能性の一つには数えていいと思います。
 

産業技術総合研究所の再生可能エネルギー研究センター水素キャリアチームと、
東北大流体科学研究所は、アンモニアを燃料にしたガスタービン発電の実証試験を
産総研福島再生可能エネルギー研究所(郡山市)で行い、出力21kWの発電に
成功しています。

アンモニアは着火しにくく、燃焼速度も遅いので、試験では、灯油が7割、アンモニアが3割の混合燃焼としました。
燃焼で排出した窒素酸化物は10ppm未満で、環境基準値をクリアしました。
産総研によると、アンモニアは燃焼しても主に水と窒素しか発生せず、従来の燃料の一部をアンモニアに置き換えるだけで二酸化炭素排出量の削減効果が大きいとのこと。
今後は、アンモニア比率を増加させ、実用化につなげていくことになります。

ただ、アンモニアの化学式はNH₃ですから、アンモニアの比率が高まると窒素酸化物(NOx)も増える可能性があります。
燃焼温度など、窒素酸化物を増やさない技術開発が望まれます。
アンモニア専焼にするには、技術的なブレークスルーがいくつも必要でしょう。
大規模な発電に使用できるかとなると、窒素酸化物に加え、アンモニアの供給にも課題があります。
 正直なところ、私はあまり期待はしていません。

 
なお、アンモニアは劇物に指定されています。
 

原子力発電所を廃止し、火力発電所まで全て止めるには、
国土面積の1%を太陽光発電所にする必要がある事は、先日、書きました。
ただ、太陽光発電は、1年を通すと定格の8分の1しか発電できません。
なので、必要な発電力の8倍の発電設備を設置し、余剰電力は充電する事になります。
 
本来なら、季節変化分も充電で賄う必要がありますが、ここでは1日分の充電だけを計算してみます。
 
国土面積の1%の太陽光発電が定格発電すると、45600万kWも発電します。
ところが、消費量は最大でも2億kW程度なので、発電電力の6割が余ります。
これを充電しなければなりません。
太陽光発電の一日分は、夏至頃で44億kWhです。
同じ時間帯の消費量は、大雑把にみて24億kWh程度ですから、
発電電力量から消費電力量を差し引いた20億kWhを充電しなければなりません。
 
この膨大な余剰電力を充電するには、どんな方法があるでしょうか。
実用化されている大容量の充電方法は、揚水発電所です。
現在は、夜間の余剰電力を揚水をして、日中のピーク時に発電します。
太陽光発電では、日中の余剰電力で揚水をして、夜間に発電します。
揚水発電所の充電量のデータはありませんが、概算で約400万kWh程度でしょう。
これでは、必要量の0.2%しかありません。
それに、現状の500倍もの揚水発電所を作る余地は、どこにもありません。
 
他の充電方法では、近年、大容量の充電池が注目されています。
その性能は、1kWhを充電できる電池の重量は、約10kgです。
20億kWhを充電するには、2000万トンの重量になります。
逆に言えば、電池に使用する希少資源を2000万トンも使うことになります。
2000万トンは、水なら、50mプールで1万個分の容積になります。
 
2000万トンでもびっくりですが、これは1日分だけを考えた場合の量です。
ですが、年間を通じて電力を安定供給するためには、夏場に発電した電力を冬に使えるようにしなければなりません。
それに必要な充電設備は、前述の一日分の10倍を軽く超えるはずです。
充電池なら、2億トン以上の充電池が必要になります。
 
資源も考えると、2億トンの充電池はあり得ないでしょう。
 

火力発電(原子力発電ではない!)を太陽光発電に置き換える場合、
どれくらいの広さ太陽光発電所が必要だと思いますか?
 
日本で1年間に消費される電力量は、約1兆kWhです。
1兆kWhを、原子力、火力、水力等を用いて発電します。
その内、火力発電所で発電される量は、震災前は約6200億kWhでした。
これが、震災後の2012年は、約8300億kWhに増加しています。
理由は御存じの通り、原発を止めたからです。
原発を止めたまま火力発電所も止める場合は、
8300億kWhをカバーしなければならないということです。
 
8300億kWhを太陽光発電で賄うために必要な面積は、どれくらいでしょうか。
 
太陽光発電は、年間通しての平均発電量は、定格の8分の1と言われています。
まず、夜間は発電できません。曇天もダメです。
朝夕の太陽が低い時間帯も、ほとんど発電できません。
太陽高度を考慮すると、晴天でも、昼間の平均発電力は定格の70%程度です。
これらをすべて計算に入れると、定格の8分の1程度になるのです。
実際、年間の日照時間は、約1600時間です。
年間は、約8800時間なので、5分の1しか太陽は出ていないのです。
これに太陽高度を考慮(70%になる)すると、だいたい8分の1だとわかります。
 
太陽光発電パネルの発電電力の定格は、150W/m2 くらいです。
緯度(関東地方を想定)を計算に入れると、120W/m2 くらいになります。
 150W/m2 × cos(緯度=35°)≒ 120W/m2
 
これの8分の1ですから、年間平均の発電力は25W/m2 くらいでしょう。
 120W/m2 ÷ 8 = 25W/m2
 
年間8800時間とすると、約220kWh/m2・年 です。
 25W/m2 × 8800時間 ÷ 1000 = 220kWh/m2
 
8300億kWhを発電するために必要な面積は、約3800km2 です。
 8300億kWh ÷ 220kWh/m2 ÷ 1000000 ≒ 3800km2
 
これは、国土の1%程度に当たります。
凄い数字ですが、これ自体は不可能ではなさそうです。
ただ、増やす余地があるのかと問われると、厳しいと答えるしかないでしょう。
そして、もう一つの問題は、蓄電です。
これを考えると、不可能と言うしかなくなります。
 
続きは、次回に!
 

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