豊葦原中津谷のニニギ

食糧自給率の向上を目指して! (2100年の日本へワープ)

カテゴリ: 豊葦原中津谷の世界

当ブログ、「豊葦原中津谷のニニギ」のメインテーマは、食糧自給率の向上です。
これをテーマにした背景には、人口増加、地球温暖化で食糧不足が懸念されること、
日本の食糧自給率が名目で39%、実質で32%程度であること等があります。

そこで、2100年時点のあるべき日本の姿を検討してみようと考えた次第です。
あるべき日本の姿の中で、「食糧自給率100%以上」とする点だけは明確です。
ですが、これを実現するためには、様々な要素を整理していく必要があります。
その内容は、多岐にわたりと同時に、私には荷の重いものになりそうです。
予定している内容が全てできたなら、「ノーベル経済学賞」も夢ではないのではと、
思っているほどです。

流石に、「ノーベル経済学賞」は無理ですが、一つずつ解決していこうと考えています。

例によって、ノンビリとやっていきます。
完了予定は考えていませんが、2年間程度は必要だろうと思います。
気長にお付き合い願えますよう、お願い致します。

日本の未来を語る際に、私が最も重要と考える事は、人口です。

人口を考える際には総人口と人口ピラミッドがありますが、今回は総人口のみを考えます。

 

2100年時点で、日本は食糧自給率100%を達成している必要があります。

では、日本の国土でどれくらいの食糧を生産できるのでしょうか。

現時点の食糧自給率は39%です。

ですが、飼料の大半を輸入に頼っており、(概算ですが)実質の食糧自給率は32%程度とみています。

つまり、約4000万人分の食糧しか自給できないと思われます。

耕作地は約454万haです。
一人分の食糧を生産するために必要な耕作地は10aなので、454万haで4540万人分の食糧を生産できる事になります。
現在の日本の食糧生産の実力は、4000~4500万人分と考えて良さそうです。
これは、食糧自給率に換算して、32~36%に相当します。

では、どれくらいの増産が可能でしょうか。
まず思い付くのが、耕作放棄地と荒廃農地です。
荒廃農地は、約27万haにも及びます。
10aで一人分と仮定すると、合計で約4810万人分の食糧が生産できることになります。


荒廃農地1
荒廃農地2
「荒廃農地の現状と対策」(農林⽔産省 農村振興局 地域振興課)より抜粋
https://www.naro.affrc.go.jp/nilgs/kenkyukai/files/houboku2015_koen02.pdf#search=%27%E8%80%95%E4%BD%9C%E6%94%BE%E6%A3%84%E5%9C%B0+%E8%8D%92%E5%BB%83%E8%BE%B2%E5%9C%B0%27

仮に、肉食をやめて、飼料の代わりに米や小麦等を生産したとしましょう。
その場合、7aで一人分を生産できるので、約6900万人分の食糧が生産できます。


ただ、この計算には、様々な仮定があります。

まず、農機具とその燃料が入手可能である事。
種苗や農薬が入手可能である事。
農業従事者人口が足りている事。
農業用水が足りる事。
農家が生計を立てられ、かつ消費者が購入可能な販売価格である事。
また、漁業も、現状と同じレベルが維持できる必要があります。

様々な仮定の上で成り立つ計算でしかありませんが、日本の人口は5000~7000万人程度が理想のようです。
「豊葦原中津谷のニニギ」の見解としては、2100年に日本の人口は6000万人程度であるべきとします。

 

2100年の日本の人口を6000万人にするべきと言うと、政治家や政治に詳しい方は「社会保障がもたない!」とおっしゃるかもしれません。

確かに、人口ピラミッドは歪な形となっており、このままでは現状の社会保障を維持する事は難しいと考えられています。

 

では、その対策は、人口の維持だけで可能なのでしょうか?

政府は、海外からの移民を受け入れる事も検討されていますが、それで解決できるのでしょうか?

私には、本質を見極めていないように思えます。
 

仮に、平均寿命を85歳としましょう。

全員が85歳まで生き、85歳で亡くなるとします。また、全員が20歳から働き始め、65歳で退職するとします。

こう考えると、85年の人生の内、45年間を現役として生きる事になります。

残りの40年間は、親か子の世話になる計算です。

実際には、出産・育児や病気で働けない期間もあるので、大雑把にみて、人生の半分を現役で仕事をする計算です。

社会全体として見れば、人口に占める就労人口の比率は50%程度になるはずです。

単純化すれば、収入の半分を社会保障費に充てれば良い事になります。

 

ですが、社会保障費以外はどうなるのでしょうか?

交通インフラや学校、果ては防衛予算まで、様々な費用が掛かります。

最初に、「完璧に検討できればノーベル経済学賞」と言ったのは、複雑に絡み合う社会の仕組みの難しさに加え、数値化の構築と理解は相当に困難だからです。

この辺りは、少しずつ検討・検証し、シミュレーションが可能なレベルに構築していくつもりなので、御意見がありましたら、コメント下さい。



さて、本題に戻りましょう。

「社会保障制度を維持するために移民を受け入れる」考え方は、将来を考えていないように感じるのです。

移民を受け入れると言うことは、彼らの老後の社会保障も考えなければなりません。
温暖化で食糧調達が難しくなった際には、移民にも食糧を与えなければなりません。
ちょっとでも日本人との差があれば、不満が爆発して大きな混乱を招くことになります。
「先々まで考える必要はない。将来は科学技術も発達して・・・」と言う方は少なくありませんが、誰が科学技術を発達させてくれるのかを考えたことがない人間の妄言に過ぎません。
きちんと将来までを見通しておくべきです。
特に、人口は直ぐには変化しないので、長期に渡る視野が必要です。


さて、人口が目標の6000万人になるのは、いつ頃のことでしょうか。
以下は、総務省統計局のデータを基に作成した人口推移予測グラフです。

人口推移
このグラフでは、2100年頃には日本の人口は5000万人程度になっていると予想されます。
目標は、6000万人で安定させることですから、いずれにしても少子化対策は必要です。
少子化対策の結果、2100年時点で6000万人より人口が多くても、それ自体は問題ではないと考えます。
むしろ、緩やかに6000万人に向かって変化させていくことが大事だと思っています。

日本の人口を6000万人にすべき!

このように主張する根拠は、今世紀の半ば以降は食料自給が重要な政治課題になると考えているからです。

6000万人と言う数字は、現在の人口の半分程度です。
つまり、自然減を利用して日本人を半分に減らそうというのです。
ですが、全国47都道府県を見渡すと、過疎に苦しむところもあり、一律に人口を半減させるわけにはいきません。

自給率向上を目指すのは、食糧事情の悪化を予想してのことです。
食糧事情を悪化させる要因の一つは、言うまでもなく地球温暖化です。
食糧事情の悪化と並行して、二酸化炭素排出量の制限が世界で厳しくなる事が予想されます。そうなると、食糧輸送に伴う二酸化炭素の排出も、削減が求められると思われます。例えば、東京は毎日数万トンの食糧を都外から輸入しているのです。この輸送にメスが入る可能性が高いのです。
食糧輸送を減らすことも含め、食糧自給率が100%に満たない都道府県を中心に人口を削減することにします。

では、都道府県別の食糧自給率を見てみましょう。

県別食糧自給率

これを、ワースト10に並べ替えてみましょう。

自給率ワースト

一目で分かるように、自給率のワースト10は、人口が多い都府県が上位を占めています。
上位5都府県の人口合計は4000万人を超え、10都府県では6000万人に迫ります。
ここの人口を減らさなければ、目標の6000万人に届くはずがありません。

そこで、都道府県別に、食糧自給率が100%に満たない人口を一定の割合で削減する事にします。
人口を6000万人にするため、削減割合は85%とします。
例えば、人口が250万人で自給率が20%なら、200万人分の食料が不足しますので、200万人の85%に当たる170万人を削減することになります。
なお、食糧自給率が100%以上の道県は、現状の人口を維持する者とします。

この条件で、2100年の日本の目標人口を算出してみました。
県別人口目標2
私が描く2100年の日本の都道府県別人口です。

なんと、東京都の人口は、208万人になっています。
現在と比べると、1000万人以上も減らす必要があります。
ですが、よく見ると、削減後の東京都の食糧自給率は、わずか8%なのです。
逆に言えば、現在の東京都の人口は、尋常ではない状況なのです。極端に人口が集中し、農地を宅地化して拡大を続け、6000人/km²に迫る人口密度になってしまったのです。
2100年の目標は、この異常な状態を少しばかり改善するとも言えそうです。

2100年までに日本の人口を半減させるべきと行ってきましたが、実際に人口を減らした後の各都道府県の人口の順位は、どんな風に変わるでしょうか。
前回のデータを基に、ワースト10とベスト10を表にしてみました。
人口順位の変化
現在は最も人口が少なく、合同選挙区になっている鳥取県と島根県は最下位を脱して、それぞれ44位と40位に変わります。
代わって、大都市圏に近い山梨県と奈良県が最下位になります。
2013年のワースト10から抜け出すのは、佐賀県(42位⇒32位)と秋田県(38位⇒24位)です。一方、2100年にワースト10にランクインするのは、奈良県(30位⇒46位)と沖縄県(26位⇒39位)です。

一方、最も人口が多くなるのは、北海道です。
東京都は、6位に後退します。また、ランク外に落ちるのが、神奈川県、大阪府、兵庫県、福岡県、静岡県の5府県もあります。ワースト10の入れ替えは2県だったのに対して、ベスト10の入れ替えが5府県に及ぶ点が、印象的です。

ところで、都道府県間の人口で、最も多い県と最も少ない県の人口比は、2013年の22.6倍から2100年は18.6倍に変わります。因みに、極端に人口が少ない山梨県を除くと、人口比は12.9倍になります。
大都市圏の過密が解消される方向になります。
ただし、人口が減るので、2016年から採用されている合同選挙区は、むしろ拡大すべき状況となります。


次回ですが、2100年のワースト2になる山梨県と奈良県について、もう少し踏み込んでみます。

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