豊葦原中津谷のニニギ

食糧自給率の向上を目指して! (2100年の日本へワープ)

カテゴリ:地球温暖化 > 交通機関


自転車は、エネルギ効率が良いとされています。
自動車との比較では、5倍くらいの差があると言うのです。
何が、そんな大きな差を生んでいるのでしょうか。



自転車では、ペダルを踏む力の98.6%は、車輪の駆動力になるそうです。
一見、効率が高いように見えますが、実は、オートバイや自動車と同程度です。

トランスミッションの各ギヤの伝達効率は、それぞれ99%くらいです。
縦置きエンジン車のデフに使われるハイポイドギヤは、伝達効率が低いのですが、それでも95%くらいです。(単純なはすば歯車なら99%くらい)
ハイポイドギヤを使わない横置きFFのMT車なら、自転車と大差ない効率で、エンジンの出力がドライブシャフトに伝わります。
(案外、駆動系のロスの大半は、等速ジョイントかもしれません)



自転車は、動力伝達機構に、特別な優位性はありません。
バイクと比較すると、バイクのトランスミッションから車輪までは、基本的に同じです。
ところが、自転車とバイクでは、エネルギ消費量に2〜3倍くらいの差があります。
この大差は、どこで生まれるのでしょうか。

ガソリンエンジン(オットー・サイクル)の熱効率は、30〜40%くらいです。
自転車のエンジンである人間の熱効率は、70%との説もあります。
(出力の考え方の違いがあるので、実質は同程度以下とみることもできます)
どうやら、自転車とバイクの差は、エンジン(自転車では人間)の性能差にも関係はなさそうです。

実は、効率の差を生んでいるのは、重量なのです。
自転車は、鋼製の廉価版でも、20kgかそこらです。
一方、バイクは、原チャリでも70kg前後はあります。
乗員の体重を55kg(乗用車の総重量は、55kg/人で計算する)とすると、自転車は75kg、バイクは125kgで、ほぼ倍です。
これが、400ccクラスになると、200kg前後になるため、重量は3倍以上になります。

このように、重量の違いで、エネルギ消費量の違いは、ほぼほぼ説明できます。




自転車が、効率の良い乗り物であることは間違いではないですが、過剰に強調されている気がします。
そう言えば、自転車の効率の良さを伝える際、動物や自動車、飛行機と比較はしますが、効率が高い鉄道や船舶との比較は、見たことがありません。

そこで、それぞれの一般的な速度における運搬効率を比較してみました。

単位は、J/kg・kmです。
1tの荷物を1km運ぶために必要なエネルギを、表しています。
自転車は、乗車している人(体重55kg)を貨物と見立て、換算しています。

自転車     630J/kg・km
トラック   1600J/kg・km
鉄道      200J/kg・km
船舶      370J/kg・km
大型貨物機 14000J/kg・km


自転車の効率が高いと言われていましたが、実は、大したことはありません。
鉄道や船舶には、遠く及びません。

なぜ、立場が逆転したのかと言うと、鉄道との差は、転がり抵抗の違いが主因です。
船舶との差は、大きさの違いです。
船の主たる抵抗は、増波抵抗と摩擦抵抗です。
増波抵抗は一概に言えませんが、摩擦抵抗は表面積に比例します。なので、大きくなると、相対的に抵抗が減ります。
また、エンジンは、大きくなるほど、熱の無駄が減るので、高効率になります。

基本的に、大きくなるほど、効率は上昇します。
人間がエンジンを兼ねる自転車は、軽量化(エンジンと燃料を省略)で効率を高めています。
総重量に占める自重(車体やエンジンや燃料等)の割合は、ママチャリでも30%以下です。
乗用車では、車体総重量を1t、定員(55kg)を5名とすると、72.5%が自重になります。
この差が、効率の悪さに繋がります。

自転車の効率は、ちょっとした数字のマジックとも言えそうです。





『効率』の定義も明確にしないまま、ツラツラと書いてきました。
もう少し、このレベルで続けます。

効率が良い自転車より遥かに更に良い鉄道ですが、日本は廃線方向で動いています。
政府も、自治体も、世間も、活用方法を考えず、旅客輸送より貨物輸送にむいている鉄道を、旅客オンリーで考えています。

自転車は効率が良く、CO2 排出量を抑えられる上、街中では小回りが利くので、宅配にも利用されています。
ならば、自転車より効率が良い鉄道を利用しないのは、なぜか、聞いてみたいところです。

どうせ、経済性としか言わないのでしょう。

それしか理由がないなら、化石燃料の税金を上げていけば、トラック輸送から鉄道輸送への転換は、容易に起こり得ると言えます。
本当に経済性だけなら、地球温暖化の対策として、化石燃料への課税を高め、その収益で鉄道網の再整備を進める方法が有効です。


実際のところは、どうなのでしょうか。




「働き方改革によってドライバー不足に陥る」と、社会問題になっています。
バス、トラック、タクシー等の自動車による物流が、この問題を抱えいます。



これに対する政府の対策が、後進国への劣化を促進するような内容なのです。

ライド・シェア、補助金・・etc.

先進国なら、ここで自動車の自動運転を推進するとか、新タイプのカートレインを導入するとか、自動化・省力化の道を探るものでしょう。
その手の方策は、ほとんど見られません。



政府の案の中にもあるようですが、当ブログで言ってきた『モーダル・シフト』は、大きな柱になります。
ですが、政府は、掛け声だけのように思います。
なぜなら、ローカル線の廃線の検討を進めているからです。

なぜ、モーダル・シフトとの組み合わせで、ローカル線の存続と活用を考えないのでしょうか。
廃線にしてしまえば、復活は極めて困難です。現状を維持しつつ、他の機能を追加すべきです。
以前にも提案したように、超小型の宅配トラックを列車に積み、各駅でホーム上から積み下ろしを行う案が考えられます。


仮に廃線にするなら、全線を専用道路として残し、自動運転のBRTやトラックを走らせるのです。
今の技術なら、専用道路での自動運転は、それほど難しくありません。
単線の専用道路なので、区間ごとに一方通行の監視・制御が必要ですが、どうせ自動運転ですから、それほど難しい問題ではないでしょう。
重心の位置とトレッドの関係、及び制動力から、列車より制限速度を緩めることが可能なので、輸送の高速化も可能性があります。
条件が良い区間なら、運送会社とコラボできる可能性もあります。
検討に値すると思います。




食糧事情は、増減を繰り返しながらも、長期的には悪化していくはずです。
食糧事情が本格的に悪化すれば、都市から地方へ、人口が流れ始めます。
また、テレワークが一般化したので、職場に住宅の場所を縛られなくなってきました。
人口が地方へ移り始めると、地方にも公共交通機関が必要になります。
その時に、中核になれるのが、鉄道路線です。

鉄道は、エネルギ効率に優れています。
船舶と同等の効率を誇ります。
タイヤで走行する場合、エネルギ効率は一気に低下します。
トラックと鉄道の差は、5〜10倍にもなります。 (経産省は、6.4倍としている)
地球温暖化対策を考える上で、エネルギ消費を減らすことは、非常に大切です。
エネルギ消費が少なければ、対策しなければならない量も減ります。
鉄道を残すことは、地球温暖化対策の面でも、有利に働きます。

ローカル線の多くは非電化ですが、二次電池の高性能化により、駅部分のみの電化でも、全線を電力のみで走り切ることは可能です。




「二兎追う者は、一兎も得ず」と言いますが、大変革時代の今は、広い視野を持ち、総合的に解決を図っていく事も大切です。
トラック運転手不足、地球温暖化対策、ローカル線の存続、食糧危機の全てを、一度に解決する方法を模索することも、現在なら大いに検討するべきでしょう。




「青函トンネルを、もう一本、掘ろう」との声は、北海道新幹線の工事が始まった頃から、本格的に聞かれるようになりました。

「第二青函トンネルは、道路トンネルにすべき」と言う知識人もいます。
ですが、道路トンネルは、現実的ではないですね。




青函トンネルは、建設開始から完成まで、実に27年もの歳月が掛かりました。
それだけの難工事だったわけです。
ほぼ同規模のユーロトンネル(ドーバー海峡トンネル)は、着工から開通まで8年しか掛かっていないのとは対照的です。

道路トンネルとなると、上りと下りを分離するため、最低でも2本のトンネルを平行に掘る必要があります。
(※青函トンネルは、本坑以外に、小断面の先進導坑と調査坑があるが、基本的に海底部のみに掘られている)
また、換気用のトンネルも必要になるため、本坑以外に1本以上のトンネルが必要になります。特に、電気自動車への移行が完了するまでは、鉄道トンネルとは桁が違う換気量が必要になります。

また、鉄道トンネルより、道路トンネルの方が、1.5倍ほど断面を大きくする必要があります。
ただし、傾斜は制限が緩むため、トンネルの全長は、最大で2割くらい短くできます。

全長が短くなるとしても、道路トンネルを掘削する場合、工費は、鉄道トンネルより高額になることは確実です。



では、鉄道トンネルは既にあるのに、なぜ、もう一本、鉄道トンネルを掘るべきなのでしょうか。

一つには、本州と北海道の間の貨物輸送が、青函トンネルを利用していることです。
新幹線は、実力通りなら14分で通過できますが、貨物列車は、青森側の新幹線と在来線に分岐点から北海道側の分岐点までの通過に約1時間も掛かります。
貨物列車が通過中は、風圧の関係で、新幹線は減速しなければなりません。
そのため、時間帯を分けて通行させるのですが、その分、深夜の整備もやりにくくなっています。

このような事情から、新幹線と貨物列車の分離が求められています。




さて、自動車トンネルの場合、第二青函トンネルは、不都合なことが少なくありません。

まず、長さが最低でも40km以上になってしまう点です。
高速道路は、傾斜を3%以内にすることが求められています。
これを超える場合は、登坂車線が必要になりますが、トンネル内に登坂車線を設けることは、現実的ではありません。
トンネルの最深部が海面下240mにもなるため、その深さまで下りるのに8km、上るにも8kmが必要になります。また、海底部が24〜25kmにもなるため、最低でも40km以上の長さになります。

この長さになると、速度制限が80km/hのトラックは、通過に30分以上も掛かります。
しかも、途中にパーキングエリアを作れないのです。
パーキングエリアは、15kmおきに設置するのを理想としています。本来であれば、最低でも2か所のパーキングエリアを設けなければならないのです。

満載の大型トラックは、3%の上り勾配では、平地より160kW以上も余分なパワーが必要になります。
大型トラックの出力は、概ね250〜350kWで、80km/h定速走行に必要な出力は、100〜150kWが必要です。
なので、速度を維持するのは容易ではありませんし、一度、減速してしまうと、加速には時間が掛かります。
上り区間は8kmもあるので、慢性的に渋滞する可能性があります。
一方で、上り区間の手前は長い下り坂なので、海底部では、事故が起こりやすくなります。

こういった懸念を払拭するためには、速度制限を厳しくする方法があります。
関門国道トンネルは、勾配は4%ですが、制限速度は60km/hに制限しています。
この場合、上り勾配で余分に必要になるパワーは同じですが、空気抵抗が減るため、速度の維持が容易になります。
平坦部だけ制限速度を高めると、制限速度が低くなる上りに差し掛かる場所では、より渋滞しやすくなります。
全区間の制限速度を厳しくすると、勾配区間は4kmほど短くなりますが、通過時間は長くなってしまいます。

勾配を緩くすると、速度の維持が容易になりますが、勾配区間が長くなるため、トンネルの全長も長くなります。
結局、通過に掛かる時間も、伸びてしまいます。


国内で最長の自動車トンネルは、首都高速の山手トンネルですが、このトンネルは、途中に出口が数多くあり、中抜けが可能です。
国内にある1本の連続するトンネルでは、関越トンネルの11kmが最長です。
80km/hでの通過時間は、8分余りです。

海底という特殊な環境を考えると、第二青函トンネルを道路トンネルとするのは、現実的ではありません。



道路ではなく、鉄道トンネルとするなら、自動車や貨物の輸送は、どうなるのでしょうか。

ユーロトンネルでは、カートレインが採用されています。
これは、乗用車を自走で列車に積み込み、そのまま列車で海峡を渡る方式です。
ヨーロッパでは、ユーロトンネル以外でも採用されています。
第二青函トンネルが完成したなら、現行の青函トンネルで採用することが考えられます。
新幹線と在来線の分岐点付近に、乗用車の乗降場を設けます。

なぜ、現行の青函トンネルになるかと言うと、新幹線だけでは、青函トンネルの輸送力に余力が残るためです。
かと言って、貨物列車を通すと、新幹線の速度制限を外せません。
その点、カートレインは、青函トンネルの専用設計になるので、高速化と風圧対策を実施できます。また、標準軌とすれば、新幹線との共存が容易になります。

トラックに関しては、ビギーパック方式が考えられます。
ビギーパック方式は、中型トラックをそのまま列車に積むカートレインの一種です。
ただし、高さ制限が厳しく、コンテナを搭載したトラックは、ビギーパックにできません。


ちょっと、貨物船の話をします。
貨物船には、大きく分けて、タンカー、ばら積み船、コンテナ船、RoRo船があります。
列車も、ほぼ同じ分類ができますが、日本ではRoRo船に相当する貨物列車がありません。
RoRoとは、RollOn-RollOffの略で、貨物を自走で乗降させる船です。カーフェリーや自動車運搬はRoRo船に相当します。
ビギーパックは、RoRo船相当する貨物列車になります。


閑話休題
ビギーパックは、輸送全体の中では小規模なものになるはずです。
また、輸送効率を考えると、トラックの乗降場を複数の都市に置くのが望ましいので、ビギーパックの貨物列車は、在来線を走行できなければなりません。
なので、ビギーパックは、第二青函トンネルを利用することにします。




もし、反論があるとすれば、輸送力の差でしょう。

道路の場合、連続的に輸送できるので、輸送力が増します。
仮に、大型トラックが80km/hで走行する場合、適正な車間は80mとされます。車体の全長は12mなので、92m間隔で走らせることができます。
計算の都合で、車間を99mとすると、5秒に1台のペースで走らせることができます。
1台に10tの貨物を積載できるとして、1時間に1車線当たり7200tを運ぶことができます。
道路は、片側2車線としても、乗用車やバスのために1車線くらいは必要になるので、実質で7200t/hくらいと考えて良いでしょう。

コンテナ貨物列車は、1編成当たり650tを輸送できます。
青函トンネルでは、最小間隔は10分くらいなので、目一杯でも4000t/hは厳しいでしょう。


当然と言えば当然です。
道路トンネルは、鉄道トンネルより大きな断面を持ち、かつ2本あるのですから、輸送力が倍以上あっても当然です。
ただ、新幹線の開通以前でも、青函トンネルだけで輸送力は足りていたのです。
人口減少と経済の冷え込みを鑑みると、2倍の輸送力が必要なのか、キチンと需要予測をした後に輸送力の差を議論するべきでしょう。

逆に、道路トンネルと同等の輸送力が必要なら、道路トンネルと同じように、複線のトンネルを2本掘れば良いのです。
トンネル掘削自体は、ほぼ同じ金額になります。

輸送に関わる人員で見ると、トラックでは輸送量当たりの必要な人員が増えるため、現実的には厳しくなります。(追従型の自動化等を行っても、列車には及ばない)


一方で、CO2 排出量は、鉄道の方が少なくなります。
仮に、鉄道用の全電力を火力発電で賄ったとしても、転がり抵抗自体が小さいため、エネルギ効率で鉄道輸送はトラック輸送を圧倒します。
その差は6倍以上にもなるので、「技術が進めば〜」と言うような差ではありません。

地球温暖化対策を行う場合、再生可能エネルギへの転換は、対象となる量が少ないほど容易になります。
対象となる量を減らすために、貨物輸送も高効率化が必要なのです。
モーダルシフトの考え方から、鉄道トンネルが求められます。




いつものように、長々と書いてしまいました。

結論として、第二青函トンネルは、道路トンネルとするには長過ぎるため、様々な弊害があり、現実的ではありません。
その点、鉄道トンネルとすれば、様々な利点があります。

道路トンネルを主張される方は、もう少し深く検討するべきだと思います。
知識人であっても、思慮が浅い場合はちょくちょく見掛けます。
「誰それさんが言ってるから間違いない」とは思い込まない方がいいと思います。

もちろん、私が正しいとは限りません。
だから、検討できるように、根拠を書くようにしています。 


それとは別に、今の日本の実力で、第二青函トンネルを掘れるのか、金銭的にも、技術的にも、需要面でも、疑問しかありません。


6年近くも前に、日本はフォーミュラEの大会を開催していないことを指摘していましたが、ついに日本でも開催されることになりました。

先日、開催されたジャパンモビリティショーでは、国内メーカーも、こぞってEV(電気自動車)を発表しました。


フォーミュラEの第一回開催地は、2014年9月13日の中国の北京でした。
日本は、10年も遅れているのですね。
自動車レースで言えば、準備が間に合わず、スターティング・グリッドではなく、ピット・スタートをするようなものです。

それでも、やっと、やっと、やっと、日本もEV市場に参入するようになりました。
(同じ言葉を3回繰り返すのがトレンドのようで・・・)




EVが普及し始めると、問題になるのは、充電スタンドの整備、充電方式や蓄電池開発、発電量(電力消費量の増加)等です。

特に厄介なのが、発電量です。
一気に増やせるわけではないので、EVの普及が加速すれば、電力需要が急増し、何らかの制限が始まるのでしょう。

今の中国が抱えている放置EVの問題も、いずれ日本でも問題になるでしょう。



アジアの先頭を走るのは、日本ではなく、中国や韓国のようです。
日本は、中国や韓国を手本に、あるいは反面教師に、政策を検討すれば良いのです。

もし、それでも後手に回るようなら、日本は、周回遅れか、下手をするとリタイヤになってしまうということです。

なんと、ローター船が復活しそうなのです。
それも、航空機メーカーのエアバスが、アメリカとヨーロッパの間の航空機部品の輸送に、ローター船を使うと言うのです。
新造されるローター船は3隻で、フランスのルイ・ドレフュス・アルマトゥールズ(LDA)が建造から所有、運航までを担うそうです。

ローター船は、100年ほど前に発明された帆船のような船です。
細く高い円筒(ローターセイル)を回転させ、マグナス効果で推進力(揚力)を得ます。
ローターセイルは、帆柱のようにも感じますが、通常の帆柱は後傾しているのに対し、ローターは垂直に立てられています。

エアバスのローター船は、ローターセイルを6本も持ちます。
1920年代に何隻か建造されたようですが、舶用機関が発展し、費用対効果が相対的に下がったため、普及はしませんでした。
それでも、環境問題が議論されるようになった1980年代以降、実証船の性格の船が何隻か建造されました。



私は、ン十年前からローター船を知っていますが、エアバスのローター船のような実用船は、ほとんど記憶にありません。
ちょっと楽しみな船です。
エアバスは、ローター船を3隻も建造し、2026年から運用します。
注目していきたいと思います。


個人的には、ローター船より、硬質帆装船の方が、将来性があると思っています。
それでも、このチャレンジには拍手を送りたいと思います。


アメリカのリージェント社が、地面効果翼機(WIG)の『シーグライダー』の飛行実験に成功しました。

地面効果翼機自体は、ロシアで研究が進んでおり、エクラノプランの総称で呼ばれます。
また、シンガポールでは『AIRFISH 8』が、中国では『翔州1型』等が、開発されています。
今の日本では、当然、研究は止まっています。

日本では聞くことがなくとも、世界的には珍しくない地面効果翼機の『シーグライダー』が話題になったのは、電動だったからです。
もう一つの特徴が、水中翼(水面効果型?)を持っていることでした。


地面効果翼機は、地面効果を利用して低空を飛ぶ航空機です。
翼面積に対して揚力が大きいため、小さな翼で飛行でき、翼が小さいため、抵抗が小さい特徴を持ちます。
概ね、翼長より低い高度を飛びます。
揚抗比に優れ、機体の大型化が容易なので、洋上輸送において、高速化が期待できます。
反面、飛行高度が低いため、一般の飛行場が使えず、飛行艇(または水上機)とならざるを得ず、洋上では船舶との衝突が懸念されます。更には、海象の影響を受けやすい欠点もあります。
日本で研究が停滞しているのは、近海に船舶が多く船舶との衝突が懸念されるため、実用化は難しいと判断されたようです。


『シーグライダー』ですが、1/4スケールの無人実験機です。
最高速度は290km/h、航続距離は290kmだそうです。
2年後を目処に、実寸大(翼長19.8m)の機体を製作し、定員6名の有人飛行を計画しているそうです。

『シーグライダー』を製作するリージェント社のビリー・タルハイマー氏は、「人類の輸送方法の歴史に新たな変化を起こした」と自画自賛です。
飛行艇と水中翼の組み合わせは、過去にも例があったように記憶していますが、地面効果翼機との組み合わせは、記憶にありません。

『シーグライダー』の水中翼は、水面効果型に見えます。(全没型の可能性もある)
水面効果型水中翼は、ロシアで発展した形式で、制御が不要で構造が単純なため、ロシアの河川で使われていました。
ですが、水面に沿って進む性質なので、平水面でしか使えません。
地面効果翼機も、飛行中も波の影響を受けますが、水面効果翼の方が直接的に波浪の影響を受けます。
なので、『シーグライダー』は全没型の可能性もあります。(外観では判別しにくい)
ただ、全没型は、水中翼の水深を維持するための制御機構が複雑になります。また、着水時の衝撃も考えると、収納型の水中翼には不向きです。(個人的には、水面貫通型の方が良いように・・・)



残念なことに、ニュースを伝える側の知識が乏しいようで、水中翼の種類や特徴を踏まえた取材ができていません。
なので、新機軸の良い面は企業側の主張から見当は付いても、どんな課題が残っているのか、どう対処していくのか、さっぱりわかりません。

当ブログでは、過去に『ジェットフォイル』として水中翼船について触れています。
関連ブログの『アイソスタシー』の5話には、地面効果翼機がちょっとだけ出てきます。
個人的には、強い関心を持ってきた技術です。
ですので、今後が気になっています。



前出のタルハイマー氏は、次のように続けています。
「沿岸地域への新たな旅行手段として、シーグライダーは歓迎されるでしょう。
2025年までに商業サービスとしてのシーグライダーの提供を目指します」

期待はしていますが、平水域に限定されるなら、日本での利用は難しいでしょう。



以前から、地球温暖化の対策として、鉄道の利用を訴えてきました。

日本は、鉄道大国のようで、貨物輸送の面では、かなりの後進国なのです。
旅客輸送では、日本は世界1位なのだそうです。
ところが、貨物輸送では、世界で32位なのだそうです。


地球温暖化対策では、実は『省エネ』がキーワードになります。

例えば、現状の経済を動かすために、5億トン/年の石油が必要だとします。
このまま脱炭素を図ると、代替エネルギは、石油換算で5億トン分が必要です。
もし、省エネで、石油使用量を3億トンに減らせたなら、代替エネルギは、石油換算で3億トン分を用意するだけで済みます。

陸上の貨物輸送は、トラックが主となっていますが、これを鉄道に置き換えると、トンキロ当たりの消費エネルギは、ざっと1/10に減らせるのです。
トラック輸送の全てを鉄道に置き換えることは不可能ですが、都市間の輸送は、原則として鉄道と船舶に移行させるべきです。


似た考えを持つ方は、他にもいらっしゃいます。
その中でも、多くの方が「新幹線の貨物輸送」を主張されています。
私も、新幹線による貨物輸送には、大いに関心があります。


ですが、新幹線による貨物輸送を実現するには、考えなければならないことがあります。

その一つが、「どんな方法で荷物を運ぶのか?」です。

輸送できる種類を増やすために、コンテナを積みたいところです。
ですが、コンテナを積むとなれば、積み下ろしのための貨物駅が必要になります。
貨物駅の場所の確保と、大工事が必要になります。
可能であれば、在来線と併設し、右から左に積み替えられるような構造にするべきです。

コンテナの積み下ろしには、架線のない区間に進入する必要があります。
コンテナを輸送する電車であるスーパーカーゴは、最後尾の車両の後端のパンタグラフで架線の端まで進み、架線のない区間に車両のほぼ全てを押し出します。
新幹線の貨物駅を作る場合、架線がない区間は、充電池を使うのがベターでしょう。

また、ダイヤの問題も、より深刻になります。
と言うのも、新幹線は夜間に保線工事を行うので、貨物も昼間の輸送になります。
貨物列車を旅客ダイヤの中に組み込む場合、各駅で貨物を下ろすのでは、定時制を維持するのが難しくなります。
また、各駅で荷下ろしをすると、速達性も低下してしまいます。

新幹線でコンテナを輸送するのであれば、輸送区間を限定するしかありません。基本は、2点間の往復輸送です。
東海道・山陽・九州新幹線なら、東京、名古屋、大阪、岡山、広島、福岡、熊本、鹿児島の中から選択することになると思います。
背景地も考慮すると、東京-大阪、東京-岡山(中国・四国)、東京-福岡(九州・山口)が有望でしょうか。
東北・北海道新幹線では、東京-仙台くらいでしょう。函館では、札幌延伸時に無駄になります。
秋田新幹線や山形新幹線は、貨物駅新設費と輸送量や速度を考えると、メリットはないでしょう。仙台で在来線に積み替えれば良いのです。
上越新幹線では、東京-新潟のみでしよう。
北陸新幹線では、全線開通時は、東京-大阪の代替ルートの価値はありますが、貨物駅新設の費用を考えると、メリットはないでしょう。


このように、新幹線で通常のコンテナ輸送をするのは、メリットが薄いように思います。

ならば、他にどんな貨物輸送が考えられるのでしょうか。

コンテナはコンテナでも、航空コンテナか、新幹線専用に小型コンテナを製作し、軽量の荷物を現状のホームから積み下ろしするのが、現実的だろうと思います。

車両は、現行の車両を改造して専用車両を製作し、積み下ろし時間の短縮を図るのが良いでしょう。

改造するのは、先頭車両か最後尾車両が良いでしょう。ホームの端なので、ホーム上にコンテナがあっても、邪魔になりにくいはずです。
新幹線は、奇数号車にトイレがあるので、1号車を、貨物車に改造すると、2両目の乗客はトイレまでの動線が長くなってしまいます。
なので、トイレがない最後尾車両が、貨物車への改造に適しているようです。

コンテナサイズは、エレベータに載せられ、新幹線の車両の中でもハンドリングが楽なサイズになります。
輸送対象の多くは、宅急便になると思います。
宅急便は、3辺合計200cm以内、重量30kg以内です。
底面がA1サイズ(約84x60cm)、深さ50cmで、上限になります。
コンテナは、これを積載できるのが良いので、外形で幅60〜70cm、長さ190cm、高さ150cm程度が扱いやすいと思います。
長さの190cmは、ストレッチャーより僅かに小ぶりです。
エレベータのほとんどは、ストレッチャーに対応しています。なので、ストレッチャーの長さに合わせておけば、既存のエレベータを利用できる可能性が高まります。
車両とホームの間や、エレベータの隙間を乗り越えるため、車輪の径は充分に確保したいし、できれば自走能力も欲しいところです。
なので、床下は25〜30cm程度を確保し、重い機器類を配して重心を下げます。
これで、内寸は、60x180x120cm程度を確保できます。
本体の重量は、100kg以内に抑えたいところです。荷物は200kg以内とし、合計で300kg以内に収めます。
エレベータの多くは、500kg以上の重量に耐えられます。300kgならば、作業者と一緒に乗れます。

新幹線の16号車の客室の長さは、約15mです。
これを三等分し、5m毎の区画に分けます。
それぞれの区画には、中央の左右に扉を新設し、扉の間を通路とします。
通路の左右(進行方向では前後)に、コンテナ置き場を設け、それぞれ4個ずつ、車両全体では24個を搭載可能とします。
コンテナは、扉から入れると、通路で向きを90度変え、所定の位置に収めます。
24個のコンテナは、最大で合計7200kgになります。これは、成人男性100人分です。
新幹線は、1両で100人以上が乗れるので、これくらいの重量では、床の補強も必要ないでしょう。扉の追加等の改造による重量増を含め、車体や台車の強度、あるいは重心位置への影響は、許容範囲に収まりそうです。

貨物新幹線は、東海道新幹線なら、こだまに組み込むのが良いと思います。
各駅で積み下ろしできるし、のぞみやひかりの通過待ちで停車時間も長めです。
こだまは、新大阪止まりなので、九州までの直行便を考えるなら、ひかりの方が良いかもしれません。
新大阪まではのぞみと同じ運転とし、そこから先は各駅に停車させるダイヤも、検討の余地があります。



色々考えてきましたが、外野が考えるより、実現は難しいようです。

ネットニュースには、「新幹線でコンテナ輸送をするべきだ」との記事もありましたが、それ以上に掘り下げる内容ではありませんでした。
今回、新幹線で本格的な貨物輸送を行う方法を考えてみましたが、容易ではないことだけがわかったような気がします。

ここに書いた内容は、一つの案であり、実現するには、様々な課題が出てくるでしょう。
例えば、駅の構造です。
新幹線用コンテナをどこから駅に入れるのか、駅構内からホームへはどう運搬するのか、作業の自動化はどうするのか、車両の改造は可能か、新幹線専用コンテナのトラックへの積み込みはどうするのか、トラックで配送先に直行できるのか、何にどれくらいの費用がかかり、かつ回収できるのか、等々、課題は山積みです。

これらを考え、新幹線による貨物輸送を実現したいですね。


世界は、FCVではなく、EVへ向かっています。ZEVでもなく、EV一辺倒です。
2014年には、フォーミュラeが始まっています。
更には、EVラリーやEV耐久レースも開催されています。


日本は、脱炭素社会への変革で、大きく出遅れている上、モーダルシフトの面でも、ローカル線の廃線のように、完全に方向性を失っています。
唯一、自動車分野だけが、何とか世界の潮流についていっているのが、現状でしょう。
これに、他の業界が追随することが望まれます。

でも、もっと重要なのは、メディアを含む一般人が、エネルギの地球温暖化対策の最終形をイメージできるようになることです。


さて、エネルギの地球温暖化対策は、一般に『電動化』と『再生可能エネルギ』の組み合わせが思い浮かぶでしょう。
ですが、再生可能エネルギは、出力の制御ができないため、電力系統を安定的に運用できません。
この問題を解決できないため、再エネ発電の買取量に制限が課せられています。

問題の解決は、電力会社に押し付ける風潮がありますが、これでは解決はできません。
「科学技術は発展するので、将来的には解決する」と言う人もいます。これは、「原発事故も、科学技術が発展する未来には、問題なくなる」と置き換えたなら、いかに無責任な考え方なのか、理解できるでしょう。
そもそも、科学技術は、人間が発展させるものであって、時間経過で勝手に発展するものではありません。

再生可能エネルギの変動を吸収し、電力の安定供給を可能にするための手段として、次のようなアイデアがあります。(一部、実用化しているものもある)


(1)揚水発電

水の位置エネルギで、電力を蓄えます。
しかし、国内で建設できる所は少なく、新規に蓄電量を増やすことは難しいでしょう。


(2)二次電池(蓄電池)

化学エネルギに変換して、電力を蓄えます。
リチウムイオン電池の場合、最大で約250kWh/tの重量エネルギ密度です。
(容器や制御装置は含まない)
日本の年間発電量は、1兆kWhを超えます。1日平均で、300億kWhです。
1日分の電力を蓄えるには、1億tを超える二次電池が必要になります。
夏場の太陽光で発電した電力を、冬場に使用することも考えられるので、ロスを無視するとしても、数十億tの二次電池が必要になりそうです。
これは、現実的ではありません。


(3)水素

水素の化学エネルギで、電力を蓄えます。
水素は、約4万kWh/tのエネルギ重量密度です。
二次電池(Li+電池で計算)との比較で、エネルギ重量密度は100倍以上です。
また、電池ではないので、単純なタンク(冷凍機能は必要)に保管できます。
そのため、実質的なエネルギ密度は、200倍以上になるでしょう。
更には、リチウム等の貴重な資源も、基本的に使いません。
ただし、効率が低く、水の電気分解に使用した電力の内、最終的に水素燃料電池で取り出せる割合は、23〜52%程度です。これに、水素を液体で維持するための冷凍機にも、大量の電力を消費します。


ここまで、3種類のエネルギを蓄える方法を考えました。
エネルギ備蓄で現実的な選択肢は、水素です。
もちろん、問題は山積みです。
二次電池で同等の電力を保存しようとすると、エネルギ密度が桁外れに足りません。
再生可能エネルギで全電力を賄うことを考えると、1年を通じた発電量と蓄電量の管理が必要になります。
そのため、前述のように、莫大な量の電力を蓄えておがなければなりません。


こういった課題を理解すれば、なぜJRが水素ハイブリッド電車を作るのか、その目的が見えてくると思います。
発電の脱炭素化を電力会社に押し付けるのではなく、広い視野で考えるようにしたいものです。



地方鉄道の半数以上が、廃線検討水準を越えていることが指摘されました。


廃線を選択することは、簡単です。
しかし、存続するとなると、ハードルが高くなります。

現状では、旅客のみの運用を前提に、維持費の負担について議論されています。
旅客のみを前提としているため、旅客収入を、維持費支出が大きく上回り、維持が難しくなっています。この支出超過分をどうするのかが、問題になっています。

この前提条件下では、極端な地方移住が起きない限り、いずれ廃線になるでしょう。
前提条件を外す工夫が、これからは求められます。


今年、DMV(Dual Mode Vehicle)が走り始めました。
DMVは、軌陸車の一種で、旅客を乗せたまま、一般の道路も鉄道も走れる車両です。
現状では旅客のみですが、中型や大型貨物をDMV化することも考えて良いと思います。
また、車両の改造が不要なピギーバック方式でも良いと思います。
ただ、鉄路を使うだけでは、大した意味がありません。
そこで、数台を連結して走らせるのです。
そうすれば、運転手を減らすことができます。

もちろん、問題はあります。
DMVの駆動は、鉄輪ではなく、タイヤで駆動しているようです。
DMVのベースとなっているバスの駆動力は、小さくはありません。少なくとも、25%勾配くらいは登れるようです。これは、通常の鉄道には存在しない250‰です。
JR最大勾配は、飯田線の40‰ですから、駆動力自体は余裕です。
ですが、DMVでは、後ろにも鉄輪を出すので、タイヤの設置圧が下がります。貨物まで牽引できるのか、怪しいところです。

DMV型のバスで貨物を引っ張るのではなく、貨物は貨物でピギーバックで走行させるのなら、比較的簡単に運用できるはずです。
テストケースとして、横積みのピギーバックを検討しても、面白いと思います。
つまり、貨車の横から小型トラックを乗せるのです。
車両限界に余裕を持つため、全長2.6m程度の小型トラックを、軽自動車をベースに開発するのです。
横から搭載するなら、前後の車両を気にすることはありません。積み下ろしは、1分と掛からないでしょう。通常の停車時間で、ホームに下ろすのです。(ホームは改修が必要)
将来的には、自動運転で宅配することも視野に入れて、小型ピギーバックの研究・開発をするのも、一案でしょう。

自動宅配の開発は、飛行ドローンで盛んに行われています。
雪深い地域では、これも一案ですが、エネルギ効率の観点では、問題があります。特に、重量物(と言っても10kg超)の運搬は、ロスも騒音も大きくなります。
10kgのお米は、アウトでしょう。
また、1品1機ですから、更に効率を低下させます。
飛行ドローンほど華やかではありませんが、実用性の面では、地上走行ドローンの方が期待できそうです。


メディアは、華やかさを求めますから、こんな地味な研究・開発には興味を示しません。
現政権は、地上走行ドローンが移動式ミサイル発射台なら、興味を持つかもしれません。
どちらにせよ、あてになりそうにありませんね。

地方自治体や沿線の方々が、色々とアイデアを出し合わないと、政府や鉄道会社だけに任せていると、遠からず廃止になると覚悟した方が良いでしょう。



前述のピギーバックを含むモーダルシフトは、温暖化対策の一案になります。
以前にも書いたように、温室効果ガスの排出量をゼロにするために、必要なエネルギを半減させることも重要です。
鉄道のエネルギ効率は非常に高く、貨物輸送では、トラックの1/6以下とも言われています。
 中・長距離輸送を鉄道や船舶に移行させることは、必要なエネルギが少なくなるので、再エネ等への代替が楽になります。

それを考えると、早計な廃線は、政策の愚かさを示します。
広い視野、長期の展望で、政策が進められることを願っています。
 


エンブラエル社が、いずれもプロペラ推進のローエミッション機、及びゼロエミッション機の開発プロジェクトを立ち上げました。


ローエミッション機
・ENERGIA HYBRID
  定員   9名
  航続距離 500nm(約926km)
  双発(リアエンジン)
  低翼単葉
  燃料(A-1 又は SAF)
  タービン+モーター
  就航目標 2030年

・ENERGIA H2 GAS TURBIN
  定員   35〜50名
  航続距離 350〜500nm(約648〜926km)
  双発(リアエンジン)
  低翼単葉
  燃料(水素とジェット燃料)
  タービン
  就航目標 2040年

ゼロエミッション機
・ENERGIA ELECTRIC
  定員   9名
  航続距離 200nm(約370km)
  単発(垂直尾翼に搭載)
  高翼単葉
  燃料(二次電池)
  モーター
  就航目標 2035年

・ENERGIA H2 FUEL CELL
  定員   19名
  航続距離 200nm(約370km)
  双発(リアエンジン)
  低翼単葉
  燃料(水素燃料電池)
  モーター
  就航目標 2035年
  

色々な方向からの挑戦であり、意欲的なプロジェクトです。

いずれの機体も、リアエンジン方式となっています。
リアエンジン方式を採用した理由として、着陸装置の脚の長さがあると思われます。
プロペラ推進なので、ジェットエンジン推進より径が大きくなります。そのため、主翼に取り付けると、プロペラ下端の地上高を確保するために、脚の長さが必要になります。
対策として、主翼を高翼にするか、主翼上面の高い位置に置く方法が考えられます。

主翼を高翼単葉とすると、主翼から脚を伸ばすと、脚が長くなってしまいます。
胴体にバルジを設けてギアウェルとすると、バルジが空気抵抗となってしまいます。
いずれも、本末転倒の対策です。
主翼上面の高い位置にエンジンを置く方法は、致命的な欠点のない対策ですが、重量増や空気抵抗増はあります。
もちろん、リアエンジン方式でも、ジェットエンジンとは異なり、中心軸を胴体から離す必要があるので、エンジンの支持材が長くなり、重量増が懸念されます。
ただ、主翼に取り付けた場合、プロペラ後流による左旋等が起こりますが、リアエンジンであれば、その傾向はほぼなくなります。

※左旋:プロペラ後流は、 正面から見て反時計回りです。
    そのため、エンジンナセルの左側面は、主翼上面への流れを強めますが、右側面は打ち消し合います。
    そのため、エンジンナセルの左側面は、右側面より強い負圧になります。 
    負圧が起きる場所は、機体の重心より前にあるので、左へ旋回しようとします。
    高翼であれば、 重心より高い位置にエンジンナセルがあるので、左旋に加えて左傾も起こります。


意欲的なプロジェクトですが、旧MRJの開発よりも考えられている気もします。

当ブログでは、旧MRJの開発の問題点を3年前に指摘していました。

旧MRJの開発では、安易なエンジン変更が行われ、それに合わせて無理な設計変更を行ったため、最終的には開発断念に至っています。
この設計変更は、有り得ないほど場当たり的でした。おそらく、現実も現場も理解しないトップが、帳尻合わせを行ったのでしょう。
それが現れているのが、座席数です。
3年前の指摘でも、座席数は50〜60席程度の胴体径と書きましたが、その後に調べたところ、やはり開発当初は「30〜50席、または60席」としていたようです。
それが、標準の70型でも76席とし、基本構想が大きく崩れています。

旧MRJの開発プロジェクトでは、胴体は小型機、エンジンは大型機と、どんな機体を作りたかったのか、全く見えてこないのです。
旧MRJのプロジェクトを指導した人物は、何を作るのか、考えていなかったようです。
昨年、旧MRJの開発は、凍結されました。
それを受けて、当ブログでは、開発再開後の目指すべき機体をまとめています。


旧MRJの開発と比較すれば、伊牟田がどんな機体を作りたいのか、その違いが見えてくると思います。
ど素人の伊牟田が考えたことですから、現実を理解できていないとは思いますが、旧MRJの開発は、その伊牟田よりもレベルが低く見えてきます。


閑話休題
エンブラエル社のENERGIAシリーズに戻りましょう。
ENERGIAシリーズは、非常に意欲的ですし、最短では10年足らずで実用化を目指している点でも、期待しています。

一方で、疑問を感じる部分もあります。
主翼の後退角です。

ENERGIA ELECTRICが、ほぼ直線翼、ENERGIA HYBRIDが、浅い後退角であるのに対し、ENERGIA H2 FUEL CELLとENERGIA GAS TURBINの後退角は深めです。(想像図より)

後退角の目的は、高速で飛行する際の翼からの衝撃波発生速度を高めることにあります。
プロペラ機では、プロップファンを除けば、それほど高速化はできません。それは、プロペラの翼端が音速を超えてしまいやすいからです。音速を超えれば、効率が急減しますし、衝撃波による騒音も発生します。
プロップファンならば、衝撃波を発生する速度が高まりますが、それでもジェット機よりもやや低い速度に止まります。
後退角は、構造面で重量が増加する、翼端後流が強くなり抵抗が増える等の欠点があります。なので、プロップファンであっても、一般的なジェット機よりも後退角を浅くするのが、常識的な設計です。
しかも、ENERGIAシリーズは、航続距離がかなり短めです。空気の薄い高空まで上昇して巡航速度を上げることは、不可能でしょう。
そもそも、航続距離が短いので、元々の所要時間が短いのです。巡航速度を上げても、所要時間は精々数分の差にしかならず、他の要因による遅れに隠れてしまいます。
高速化が難しく、かつ航続距離が短い機体では、後傾角はほとんど必要ないはずです。
このあたりは、どんな思想があるのか、聞いてみたいところです。


さて、先程のリンクでも触れているように、ゼロエミッション機の燃料や推進装置は、いくつかの選択肢があります。
エンブラエル社のENERGIAシリーズは、それらを一通り試そうとしているようにも思えます。そう考えると、全てが出揃う2040年が楽しみです。
でも、見方を変えると、2040年でもゼロエミッション化の草創期でしかないのです。
ゼロエミッション化へは、極めて厳しい道が続くのです。

日本政府は、「やれ!」と号令を掛ければ、明日には完成すると思っているのでしょう。
だから、理系の学生の減少に危機感がなく、平気で研究開発費を削り続けるのです。
正に、「化石賞」に相応しい政治です。(いずれ化石賞さえも貰えなくなりそう)
対象的に、削った額の何倍もの予算を、軍備拡大に投げ入れるのですから、馬鹿です。
基礎体力(基礎研究)が無く、それ故に基礎練習(理系学生)が不足して技を習得できていないのに、プロ選手(欧米や中国)に挑んでいくようなものです。
軍備に力を入れるのは、野球で言えばバットにお金を掛けるようなものです。ですが、どんなに良いバットを使っても、基礎が無ければ、プロの投球は打ち返せません。
それを理解しなければ、日本の未来は暗いでしょう。


エンブラエル社は、ブラジルの企業です。
エンブラエル社は、三菱や背後の日本政府より、開発能力が高いようです。
おそらく、国としての日本も、ブラジルにも抜かれつつあるのでしょう。
日本国民という財産を食い潰しながら、日本は衰退を加速しています。

一日も早く、この流れを止める政治家の出現が待たれます。
1人でも現れれば、それに続く人材が一気に現れるはずです。
戦国時代、あるいは幕末、日本は、多くの英傑が現れ、国を変えていきました。
私は、そんな時代の到来を期待しています。


東京都は、2030年までに域内で販売される自動車を電動化する目標を、発表しています。同時に、50%を電気自動車にする目標を設定しました。
電気自動車(EV)には、燃料電池車(FCV)を含まれるようです。

純ガソリン車、ハイブリッド車、電気自動車、燃料電池車のCO2 排出量を、大雑把に計算してみましょう。

計算に使うのは、以下の車とします。
車体の大きさ、重量、駆動方式等、燃費に影響しそうな要目をなるべく近付けました。

・純ガソリン   マツダ3   1360kg 15.6km/l
・ディーゼル   マツダ3   1410kg 19.8km/l
・ハイブリッド  プリウス   1370kg 30.8km/l
・電気自動車   リーフ    1450kg 114Wh/km

※標準的なグレードで比較しています。個々の数値は当該グレードの値です。

※今回は、水素の大半は、副産物が利用されているためか、水素の製造時の二酸化炭素排出量の
 データを見つけられませんでした。そのため、燃料電池車は比較していません。


概算ですが、走行1km当たりの二酸化炭素排出量は、以下のようになります。

・ガソリン車   150g/km
・ディーゼル車  130g/km
・ハイブリッド車  75g/km
・電気自動車    55g/km


電気自動車でも、大量のCO2 を出していることがわかります。
発電の約8割が、化石燃料を使用する火力発電のためです。

これを解決しなければ、下手をすると温室効果ガスの排出量を増やし兼ねません。
また、製造から廃棄までのライフサイクルでも、温室効果ガスを大量に排出しています。
例えば、主要材料である鉄は、大量のコークス(石炭の一種)を燃やします。当然、大量の二酸化炭素を排出します。
電気自動車では、電池に使うリチウムも、精製や輸送で二酸化炭素を排出します。
更には、自動車には、様々なプラスチック製品が使われていますが、これらは石油から作られており、焼却処分をすれば、大量に二酸化炭素を排出します。

このように、ライフサイクルの中で、大量の二酸化炭素を排出するので、カーボン・ニュートラルを実現するためには、ライフサイクル全体にメスを入れる必要があります。



そこで、一般的な温室効果ガス排出税とは別に、自動車税に二酸化炭素排出分を追加課税をします。
こちらは、原料輸入、製造から廃棄、最終処分に至るまで、全工程の温室効果ガス排出量に見合う課税をします。
ただし、電気自動車や燃料電池車の普及を目指すため、当面は減免し、2050年までに段階的に100%課税まで減免措置を解除していきます。
順調にカーボン・ニュートラルが進めば、自動車税は増えず、むしろ下がります。

このような手段を取るのは、自動車業界の資本や技術が、電力業界や石油材料業界にも流れるようにするためです。
もう一つの目的は、自動車製造に拘らず、人と物の移動の全般に関わってほしいのです。
人や物を運ぶ全ての業界で、自動車業界が培ってきた高い技術を活かしたいところです。


カーボン・ニュートラルは、温暖化対策において、当面の目標として有益です。
ただ、カーボン・ニュートラルは、中間目標であって、最終目標ではありません。
カーボン・ニュートラルは、アルコール燃料を含むバイオ燃料が、大きな比重を占めることになります。
下手をすると、裕福な人は、貧しい人の食糧を奪って自動車に喰わせることなりかねません。個人だけでなく、国家でも同じことが起きる可能性がある高いのです。
これを防ぐには、バイオ燃料に依存しないことと、食糧自給率の向上が必要不可欠です。

日本政府の中核は、この発想が極めて貧弱です。(野党も同じなのが辛い)
菅義偉氏が打ち出したカーボン・ニュートラルは、どこまで考えていたのか、寂しい気持ちになりました。

自民党総裁が決まりましたが、どの程度の視野の広さがあるのか、見てみたいと思います。 


外航船(国を跨いで航行する船)の燃費についての格付けが、国際海事機関(IMO)の6月会議で関連条約の改正によって導入されることが、決まる予定です。
船舶の新造は、中国が4割、韓国が3割、日本が2割で、この3国だけで世界の9割を超える船舶が建造されています。
今回の条約改正は、この3国やドイツ等を含む19ヶ国が共同したものです。
施行は、2023年からとなります。


燃費の悪い船舶から燃費の良い船舶への更新を促し、2008年との比較で、CO2排出量を2030年までに40%、2050年には半減させることを目指しています。
燃費の格付けは、A〜Eの5段階に区切られます。E評価は直ちに、3回連続でD評価となった場合も、所有者は政府に改善案を提出しなければなりません。

関係者は、日本が有利になると期待していますが、正直なところ、疑問があります。
日本が有利になると見る根拠ですが、対策または更新が必要となるDとEの割合(各国建造分に占める割合)は、日本製は17%しかないのに対して、中国製は33%、韓国製は36%だからです。
この数字は、新造に繋がるものですが、どの国で建造するのかは、別問題です。同じ国で建造するのなら、更新対象の船舶が少ない日本は、不利になります。
また、日本の低燃費技術が高いかと言うと、そうでもなさそうです。
最高格付けのAの割合は、日本製は27%、中国製は17%、韓国製は16%です。
これが1%や2%なら、低燃費船の建造技術を習得できていないと見ることもできます。ですが、これだけの割合で建造できているなら、技術面での日本の優位性はないと見るべきでしょう。

別の面でも、この格付けは疑問を感じます。
Aランクは、既に実現できている技術レベルにすぎず、30年以内に求められる水準には遠く及びません。むしろ、「充分な努力をしている」との言い訳のためと思われます。
実際、以前に紹介したような省エネ船は、その多くが日本ではなく欧米で開発されています。過去には、日本でも硬式帆船が実現的に建造されたことはありますが、全体としては、日本は出遅れているとも言えます。
数日前に発表された水素で動く船(想像図から全没型水中翼船。動力は燃料電池)も、スイスが設計し、日本で運用するのだそうです。 これも、海外の技術(燃料電池はトヨタが6年前に解放した特許を使うのかも)です。
今回の格付けで日本が有利になると考えるには、要素が不足しているように思います。

この格付けは、6月の会議で承認されても、遠からず再改定されるかもしれません。
私なら、前述の改正案のA、BをCランク、CをDランク、D、EをEランクとした上で、新たにS、A、Bランクを設けます。
Bランクは、今回のAランクの半分程度します。
Aランクは、カーボンニュートラルを達成した船舶とします。
Sランクは、建造から廃船処分までの全工程でカーボンニュートラルを達成した船舶とします。

人類が目指さなければならないのは、地球上での人類の全ての活動で、カーボンニュートラルとすることです。
つまり、私が提案するランクで、最高ランクのSランクが最終目標となります。
IPCCは、「2050年にはCO2の排出をゼロにする必要がある」としています。それを踏まえると、今回の条約改正は、その意欲に疑問を持ちます。

うっかりしていると、日本の造船業界は消滅する可能性があることを、関係者は理解しておくべきでしょう。その上で、バイオ燃料等の研究費を増額し、近未来の日本を作っていかなければなりません。

自動車の電動化が打ち出され、日本の自動車メーカーも重い腰を上げようとしています。
自動車の電動化だけがカーボンニュートラルではないので、二面から見てみましょう。


まず、内燃機関を搭載するカーボンニュートラル自動車を考えてみましょう。
現在の日本では、乗用車に搭載される内燃機関は、圧倒的にガソリン(オットーサイクル)エンジンが多く、ディーゼルエンジンは一部です。逆に、バスやトラック等の大型車は、ほぼディーゼルエンジンです。
ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの燃料は、それぞれガソリンと軽油です。
ガソリンも軽油も、石油から生成されます。日本に輸入されるサウジアラビア産原油からは、ガソリン19%、灯油・軽油46%、重油34%に分離されます。軽油は、国内生産量を上回るため、輸出しています。

人工的に生成できる燃料としては、エタノールと、ユーグレナによる燃料があります。
エタノール燃料は、ガソリンの代替燃料です。発熱量が少なく、材質によっては腐食等の問題がありますが、現時点でも広く使われていて、エンジンや自動車側に大きな問題はないでしょう。
残る問題は、食糧生産とトレードオフ関係にあることです。
食糧自給率が100%を大きく下回る日本では、エタノール燃料は不向きでしょう。

ユーグレナ燃料は、灯油の代替が期待されます。
ディーゼルエンジンでは、灯油でも重油でも動作します。
ただし、ユーグレナ燃料は、現時点では、灯油も軽油も完全には代替できません。また、ディーゼルエンジンは、燃料ポンプの潤滑を燃料の粘性を利用するため、燃料の性質に合わせて設計を変える必要があります。同時に、燃料の品質が一定していなければなりません。
ユーグレナは、現時点の食品利用は多くありませんが、今後は食糧とのトレードオフ関係になる可能性があります。


電気自動車は、大きく二つの問題があります。
一つは、蓄電池です。
充電量と充電時間が、実用レベルに達していません。充電量は、搭載する電池の量を増やすことで、ある程度は改善できます。
ですが、重量や搭載方法を考えると、小型軽量化は必須です。そのための新技術の開発は、国策として進めていくべきでしょう。

もう一つが、元々の発電方法です。
電気自動車に供給する電力は、3/4以上が化石燃料で作られています。電気自動車で需要が増加すれば、電力消費も増加します。
今冬には、大雪によって電力需給が逼迫する事態もありました。
電力不足の原因は、再生可能エネルギー発電(以下、再エネと略す)が、積雪で大幅に低下したためのようです。再エネ発電は、天候や日照時間の影響が大きいためです。

そこで、供給過剰時のみ電力を販売する電気自動車専用の充電ステーションがあったら、面白いと思います。
例えば、太陽光発電が過剰になる夏場の日中にだけ、電気自動車に電力を供給するのです。なので、夜間はいつまで経っても充電されません。
その代わり、電気代は原価(固定買取価格)に近い安価なものとします。
ただし、原価割れにはしません。原価割れを起こしてまで、再エネの電力を販売する理由はありません。
原価割れを再エネ発電事業者が負担するなら、話は別です。ですが、発電量が増える時に電気自動車に充電することになるので、再エネ発電事業者は利益どころか、電力を廃棄物扱いすることになります。これでは、再エネ発電を衰退させます。
再エネによる電力供給の変動分を吸収する手段の一つが、蓄電池です。ですが、必要な蓄電池は桁外れで、到底、用意できる量ではありません。
電気自動車の蓄電池を、再エネ発電の蓄電に利用することで、余剰分の一部を吸収させるのです。これは、再エネ発電の拡大ではなく、電気自動車の拡大を目的としているので、その視点でのアイデアです。

ところで、太陽光発電の買取価格は、12〜19円/kWhです。
仮に、20円/kWhで販売する場合、電気自動車の電費が8km/kWhとすると、2.5円/kmくらいになります。ガソリン単価を130円/l、燃費を40km/lとすると、3.25円/kmです。
電気自動車が有利になるので、電気自動車の普及にプラスになるかもしれません。
必要時に充電されているとは限らないので、利便性は低いのですが、電気自動車の充電量が増えれば、余剰電力が多い土日に充電して平日に使うような利用形態もあります。

電気自動車は、もう一つの道が考えられます。
FCVです。
燃料の水素は、余剰電力で生産します。つまり、余剰電力を水素の形で保存し、必要時に電力として利用する考え方です。
ただし、水素を生産するためには、電力の他に大量の水が必要になります。細かく見れば、電極の素材も消耗するので、これもかなりの量が必要になります。
ただ、静岡県知事の反応を見ると、水の確保も、相当に難しいでしょう。
同時に、廃棄物として出る大量の酸素も、問題になるはずです。
ただ、蓄電池だけで走る電気自動車よりも、日本では可能性があるように思います。


自動車の未来を考えてきました。
ざっと見ただけですが、日本はどんな方向性を考えるのか、今までの常識も見直す必要もあるでしょう。

例えば、バスとトラックで、同じタイプの動力を使う必要はありません。
中・大型トラックは、荷重が大きいのでRWDであるべきですが、荷重が小さいバスは、FWDが可能です。後輪は、逆位相操舵で小回り性を確保してもいいはずです。
FCVを含む電気自動車なら、モータは小型なので、FWDもRWDもAWDも容易です。コストを考えると、FWDかRWDになるでしょうが、自由度の高さは魅力です。

バイオ燃料を使う内燃機関の場合、ほぼ従来から変わりません。車の基本構造を変える必要はありません。
ただ、バイオ燃料は、低温で固化しやすいと聞きます。バイオ燃料を改質する酵素のようなものを開発しないと、実用的に使えないかもしれません。
トラックは、厳しい環境で使われることがあるので、それに耐えられることが条件に追加されます。


2050年のカーボンニュートラルに向けて、どんな方向性が出てくるのか、注目していきます。

ローターセール船を御存知でしょうか?
船に、帆柱のような円筒(ローター)を立て、それを回転させて推進力を得ます。
横から風を受ける時、ローターを時計方向に回転させ、ベンチェリー効果で推進力を得ます。もちろん、右からの風ならば、反時計回りの回転させます。
100年前から存在する古い技術ですが、今年になって、ノルウェーで可倒式ローターを取り付けたRORO船(SC Connector号)がデビューしたとのことなので、取り上げることにしました。


まず、RORO船を解説します。
Roll On・Roll Offの略で、簡単に言えば、貨物専用フェリーです。
フェリーとの決定的な違いは、原則として一般乗客を乗船させません。
(※例外的に12人までの乗客(通常は運転手)が乗船できる)
ROは、Rotorの略ではないので、御注意ください。

ローターセール船が推進力を得られるのは、横からの風です。
帆船と似ていますが、帆のように向きを最適化できないため、真正面だけでなく、真後ろからの風でも、推進力を得られません。
もちろん、角度をつければ推進力を得られるので、ジグザグに航行すれば良いのですが、そんな無駄な航路を航行するメリットがあるのか、気になるところです。

帆装でも、最も推進力を得られるのは、横からの風ですが、真後ろからの風でも推進力を得られます。大型帆船では見たことがありませんが、ヨットではスピネーカーと呼ばれる追風専用の帆もあります。
帆船も、最大の推進力を得られるのは、斜め後ろからの風です。
スピネーカーは別として、帆に働く力は、風の流れによって生み出される揚力です。なので、帆の表面を風が流れていく必要があります。
また、揚力は帆の面に垂直に働くので、帆は横方向に展開している時に、揚力を最大限に利用できます。つまり、ほぼ横風の時、最大の推進力が得られることになります。
ですが・・・

ですが、ですが、航行風ってあるんですね。
船が前へ進めば、当然、前から風が吹きます。実際に船が受ける風は、この航行風と自然風の合成風です。
船の真横から風速10m/sの風を受けている時、船が20ノット(約10m/s)で航行しているなら、合成風は斜め前方(約45度)から風を受けることになります。
これでは、最大の推進力を得られません。
実は、最大の推進力を得られるのは、斜め後方からの風なのです。

さて、航海速力が上がれば上がるほど、前寄りの風に変わります。
では、船は、真正面からの風では進めないのでしょうか?
真正面からの風でも、前へ進むことは可能ですし、模型では製作されたこともあります。
ですが、航行風で前へ進むことはできません。航行風を起こすためのエネルギーが、航行風から得られるエネルギーより大きくなる(損失があるから)ためです。
そもそも、航行風で船が動くなら、第1種永久機関になってしまいます。
合成風を考えると、風力を利用する船は、風速を超える速さで航行することはできないことが、わかります。


ところで、一般的な貨物船は、どれくらいの速さで航行しているのでしょうか。
特殊なものを除くと、15ノット前後です。これを風速に換算すると7.7m/sです。
実際の帆船は、どれくらいの速さで航行できるのでしょうか。
咸臨丸(3檣バーク型)は、37日でざっと10000kmを航行しているので、平均は6ノットくらいです。
世界一周のヨットレース、ヴァンテ・グローブでは、80日ほどでゴールします。
このレースの航路は、24000〜26000海里になると言います。南極周極流を利用できることもあり、平均で約13ノットで航海しています。
逆説的に見ると、スピードだけを追求しても、平均13ノットが限界となりそうです。
貨物船にしても、客船にしても、決められた期日に間に合うように到着したいところです。ですが、速度に特化したレース用のヨットでも、平均速度は13ノットで、貨物船の速度としては下限に近いところです。

「いやいや、帆走だけのヨットと違い、機走が主で、帆走は従の関係だ。速度はエンジンで維持し、帆走はエンジンの負荷を下げる役目だ」
それが上手くいけば良いのですが、航行風を考えると、中々微妙なところです。
貨物船の速度が15ノットなら、約7.7m/sの航行風が吹きます。真後ろから成分だけで、7.7m/s以上の風が吹かないと、推進力を得られません。
そのような気象条件を満たすことは、多くはないと思います。
なので、航海速力を抑える方が、風力を有効に使えるはずです。

さて、ローターセール船だけでなく、ノルウェーのお隣のスウェーデンでは、ワレニウス・マリン社が大型帆船オーシャンバード号の開発を進めています。
排水量32000t、全長200m、全幅40m、全高105m(短縮時45m)で、5檣スクーナー型に類型の帆船です。帆は、翼断面を持つ硬翼帆となっています。
速力は、10ノットだそうです。
一般的な貨物船より速力がありませんが、その分、風を有効に使えるのでしょう。



最後に、帆船の帆について、個人的なアイデアを紹介します。
帆は、機能的に飛行機の翼と似ています。
空気の流れを受けて、揚力を得ます。ですので、翼で使われる技術は、帆でも応用ができると思われます。
飛行機の離着陸時に、フラップを展開することは、多くの方が御存知でしょう。
民間旅客機は、隙間フラップが一般的ですが、水陸両用機であるUS-2では、吹き出しフラップと呼ばれる特殊なフラップが使われています。
US-2は、海上への離着水を行います。荒波の影響を抑えるため、民間旅客機よりも遥かに遅い50ノット程度の速度で離着水を行います。これを実現するために、吹き出しフラップが採用されました。(PS-1で採用し、改良型であるUS-2に受け継がれた)
吹き出しフラップは、動力を使って翼上面に気流を作り、翼上面から気流が剥がれるのを防ぎます。


これを応用し、帆に吹き出しフラップを付けることを提案します。
吹き出しフラップを付ければ、帆の面積以上の推進力を得られます。もちろん、抗力も大きくなりますが、揚力と抗力の合成が推進力になるので、抗力も推進力に変換できます。
もちろん、通常の帆では無理ですが、硬翼帆ならば、不可能ではありません。
1980年代の新愛徳丸から、散発的に硬翼帆を持つ貨物船が作られてきました。現在では、ウィンドチャレンジャー計画が進められているそうです。


硬翼帆の翼端に吹き出しフラップを設け、揚力を増やせるかもしれません。
また、一般的な吹き出しフラップではなく、オーグメンター翼も面白いかもしれません。

私には、ローター船のローターを回すより、吹き出しフラップの圧搾空気に動力を使う方が、効率が良いように思えます。
まぁ、自然風が相手ですから、フラップが効果を上げるほど、遅い気流が翼面から剥がれるのか、怪しいところはありますが・・・


政府は、2050年のカーボンニュートラルを発表しました。
民間の船舶の多くが、ディーゼルエンジンを動力としています。ディーゼルエンジンは、熱効率が高く、大型船の機関では50%を超えると言います。しかも、重油などの低質油も使えます。
なので、慌ててディーゼルエンジンから燃料電池などの代替動力に切り替えると、トータルではCO2排出量が増えたり、重油だけが余ってしまう可能性があります。
原油は、成分を分離して、それぞれに利用されます。ですので、特定の成分だけを使わないようにすると、原油の使用量は変化せず、使わない成分が廃棄物となります。その廃棄物が焼却処分されるようでは、本末転倒です。

広い視野を持ち、多角的に進めていかなければなりません。
前述の原油の利用削減も、バランス感覚と計画性が大切です。
社会の構造や運営も、同様です。
例えば、帆走が有効に使えるように、貨物船の航海速力を落としても成り立つ社会を考えていく柔軟性が必要ですね。

2050年のカーボンニュートラル実現のため、自動車の電動化が叫ばれています。
東京都では、2030年にガソリンのみで走る車を廃止、2035年には二輪車にも拡大するとしています。

これは、メディア関係出身者の考えそうなことです。
一見、良さそうに見えるかもしれませんが、考えが浅いですね。
仮に、全て電気自動車に変更しても、CO2排出量はほとんど変化しないはずです。なぜなら、電力の8割が火力発電だからです。
近年の自動車は、燃費が良くなっています。熱効率では、コンバインドサイクル火力発電には及びませんが、天然ガスしか使えないコンバインドサイクル発電に全てを切り替えることもできませんし、送電や充放電の損失も考えれば、電気自動車とガソリン車でトータルの効率は大差ないと思います。

単純な熱効率で始めましたが、自動車の効率は、本来なら輸送力に対する消費エネルギーで判定されるべきです。
人の輸送なら、1人を1km運ぶ際に必要なエネルギで比較するべきです。
基本的には、燃費での比較となります。
大型のハイブリッド車より軽自動車の方が燃費が良いことを考えると、ハイブリッド車に切り替えることでCO2排出量が増えることも考えられます。
軽自動車の燃費が良いのは、軽量だからです。
1人を運ぶために、どれほど余分な重量を減らすかで、燃費は変わります。だから、多人数乗車は効率が上がるのですが、自家用での平均乗車人数は2人程度なので、自動車自体の軽量化が燃費に直結します。

東京都の2030年までの電動化は、拙速なく印象を受けます。
政府の『2050年カーボンニュートラル』の向こうを張って、「こっちの方が凄いだろう」と喚いている印象です。だから、目標に至る過程は見えてきませんし、何が目的なのかも、曖昧になっています。
もちろん、東京都の宣言そのものが、カーボンニュートラルまでの道標の一つになり得ますが、目標だけでは精神論(政治家は大好きですよね、精神論)で終わってしまいます。
何らかの具体的なアクションが必要です。それがないなら、ただ注目を集めたい目立ちたがりです。


ところで、自動車の電動化は、可能なのでしょうか。
東京都は、ハイブリッド車もOKとしています。実際、電気自動車とハイブリッド車(マイルドハイブリッドは除く)で、CO2排出量は大差ないはずですから、この考えは間違ってはいません。
ですが、世界的なトレンドとしては、ハイブリッド車は『無策』として扱われます。
ならば、電気自動車にできるのか、と問われれば、日本の現状を踏まえると、不可能に近いと思われます。

今年1月の寒波では、全国的に電力不足に陥りました。
国内では、停止中の原発が多いことに加え、再生可能エネルギー発電が増えたことが、電力不足の原因となっています。
再生可能エネルギーの代表は、太陽光発電ですが、積雪や悪天候で発電力が低下することは知られています。風力発電も、無風では発電できないのはもちろん、台風のような強風でも発電できません。
再生可能エネルギーは、需要に合わせた発電量を得られないため、このような事態に陥り易い弱点があります。
この対策は、今回は書きませんが、自動車のEV化を進める際には、これを踏まえた議論が必要になることは、忘れてはなりません。

世間では、EV化に必要な電力は再生可能エネルギーで賄えるとする主張が多いようですが、簡単ではありません。
例えば、自動車が必要となる時間帯は、主に日中です。太陽光発電が利用できるのも、日中です。と言うことは、走行中の自動車に電力を送らなければなりません。
もし、自動車が夜間に使用されるのなら、日中に太陽光発電したものを直接的に自動車に充電できますが、自動車を使用する時間帯こそ、太陽光発電のピークになります。
案はありますが、効率や構造、インフラなどを考えると、中々難しいところです。
再生可能エネルギーで自動車を動かすことには賛成ですが、理念だけでは実現しません。
そこは、重要です。



ところで、東京都が打ち出した自動車の電動化は、ハイブリッド車を許容するようです。
ハイブリッド車には、ストロングタイプとマイルドタイプがありますが、軽自動車ではマイルドタイプがスズキから出ているくらいで、ストロングタイプは無かったと記憶しています。
東京都で軽自動車を販売するためには、各社とも、少なくともハイブリッド車を用意しなければなりません。
国内の各メーカーは、小型車や中型車に使えるハイブリッド技術や生産設備を有していますが、軽自動車用のストロングハイブリッド車は生産していません。
現状のハイブリッドシステムを軽自動車用に転用するためには、電池を搭載するために車体から再設計し直さなければなりません。
これをクリアしても、ハイブリッドシステム自体を再設計しなければなりません。
これらを考えると、最も対応が容易なのは、日産のe-Powerかもしれません。
e-Powerは、エンジンは発電にしか使わないので、現行のe-Powerのエンジンのみを軽自動車規格のエンジンに交換すれば、何とかなりそうです。モータや駆動系は、日産の系列である三菱i-MiEV用を流用できるかも。
まあ、仕様が合わないなど、そんなに簡単にはいかないのでしょう。
それでも、各社が、どんな東京都仕様の軽自動車を発売するのか、ちょっと楽しみです。

今年1月から8月までの温室効果ガスの減少率がまとまったようです。
それによると、全世界で前年同期比6.5%の減少だったそうです。これにより、15億トン余りの減少になったそうです。
主要排出国の減少率は、以下の通りです。

 日本      7.1%
 中国      2.0%
 アメリカ   12.9%
 ブラジル   12.7%
 インド    13.4%
 EU平均   10.6%
 スペイン   17.2%
 ドイツ    12.8%
 イギリス   12.0%
 イタリア   11.8%
 フランス   11.6%
 ロシア     4.4%
 その他の地域  4.7%

もちろん、新型コロナウィルス感染症の感染拡大の影響です。
数値を見て思うのは、4月ごろの感染状況の深刻さの裏返しのように見えます。その頃にロックダウンした国は、軒並み減少率が高くなっています。


ここで話題にしたいのは、各国の数値の信憑性ではなく、地球温暖化対策です。
日本は、僅か7.1%の減少でした。
1〜3月期のGDPは、前年同期比で-0.6%、4〜6月期のGDPは、前年同期比-7.9%です。
仮に、7〜8月のGDPが4〜6月期と同等とすると、1〜8月のGDPは-5.2%程度と推定されます。
つまり、GDPの減少幅より、二酸化炭素の減少幅が大きいのです。
GDPと温室効果ガスの減少幅の差分は、通勤や出張・外商など減った分でしょう。これらは、テレワークやテレビ会議、ネット販売などでGDPへの影響が小さいのに対して、移動で交通機関から排出されていた温室効果ガスが大幅に減少したことによるものと思います。
これらは、パンデミック以前の経済活動に戻っても、継続して温室効果ガスを削減し続けることが可能です。

さて、前述の交通関係のCO2排出割合ですが、全体では20%程度です。おそらく、この内の1割程度は、GDPに影響を与えずに減ったと思われます。
もちろん、観光関係の交通機関利用は激減しましたが、GDPにも影響しているので、その分は無視しています。
どんなにテレワークやオンライン授業が広まっても、交通機関を完全に止めることは不可能です。食糧の輸送も止めることになるからです。現状で削減可能なのは、僅かしかないことが証明されたとも言えそうです。


交通関係のCO2排出量を削減するためには、移動を減らすことが考えられます。テレワークなども一つですが、食糧輸送を減らすために、人口を地方に分散させることが考えられます。
当ブログでは、そのテーマでも書いていますが、これを推進すると、もしかすると、日本の経済は破綻するかもしれません。
日本の国土は、異様に地価が高いのです。その要因の一つが、一極集中にあるます。日本の経済は、その一部を、高い地価が支えています。つまり、土地を担保にした融資が、企業活動を支えている面があるのです。
テレワークなどが進むと、地方展開が進み、首都圏の地価が下降する可能性があります。すると、担保割れが生じ、金融機関の融資も経営も厳しくなります。

中々、一筋縄ではいかないようです。
「原発を止めても地球温暖化防止はできる」と言う人々の楽観ぶりが、羨ましいくらいです。
 

未来の車の動力として、ガソリンエンジン(オットーサイクル)やディーゼルエンジンは、検討にも値しないと考えて良いでしょう。これらとの組合せによるHV(ハイブリッド)やPHV(プラグインハイブリッド)、PHEV、更にはレンジエクステンダーも、未来の車の動力とはなり得ないでしょう。
地球のスケールに比べて人間の活動規模が大きくなりすぎ、政治等の人間側の都合による妥協を、地球環境が受け入れることが難しくなってきているように感じています。
IPCCの提言では、今世紀末の化石燃料使用量をゼロにすべきとしています。自動車においても、『燃費が良い』といった程度の改善では、地球が耐えられない状況にあるとの認識を、私は持っています。

深刻さを増す現時点で、地球温暖化対策を踏まえた未来の車の動力としての候補は、以下の4種類が考えられます。
・電気自動車
・燃料電池自動車
・バイオエタノール自動車
・バイオディーゼル自動車

それぞれのエネルギ源は、電気、水素、バイオエタノール、バイオディーゼル燃料(灯油に近い?)です。
いずれも天然資源ではないので、人工的に作り出す必要があります。
電気は、発電するしかありませんが、火力発電では意味がありません。
燃料電池の燃料である水素も、消費量が増えれば水を電気分解するしかなく、エネルギ源からみると電気自動車と類似の問題を抱えます。
バイオエタノールとバイオディーゼル燃料(BDF)は、食糧としても使える穀物や食用油を使う、あるいは同じ耕作地で生産するため、食糧とのトレードオフ関係にあります。

このように、それぞれの方式には一長一短があります。
これらを踏まえて、日本がどの手法を取り得るのかを考えてみましょう。

まず、電気自動車と燃料電池車です。
どちらも、大量の電力を必要とします。しかし、原発反対運動が盛んな日本の現状は、火力発電が主になっています。電気自動車や燃料電池車に供給する電力を火力発電所の増設で賄うなら、本末転倒です。

電力は、火力はダメですが、原発再稼働派の私でさえ、原発の新設は避けたいと考えているので、これもダメです。
電力の問題は、別の項でまとめたいと思いますが、現時点の日本では原発を再稼働しても、全ての火力を止めることは不可能です。
再生可能エネルギの主力である太陽光発電は、自動車が動く時間帯に発電量が増えます。ですので、従来型のプラグを用いた充電方法では、車が動いている間に電力が余ることになります。
この対策として、交差点のように、車が一時停止する機会が多い場所で、磁界を用いた充電を行うアイデアがあります。この方法なら、再生可能エネルギを自動車に送ることが可能になるかもしれません。
ただ、自動車の自動運転が進化すれば、信号機そのものがなくなり、自動車同士がタイミングを取り合って交差点を通過するようになるかもしれません。停車しないので、通過の瞬間に僅かしか充電できなくなります。
まあ、その時に考え直せば良い問題ですけど・・・

燃料電池車の問題は、水素の作り方です。
現時点では、副産物として得られる水素(熱分解した水素)を使用していますが、燃料電池車が普及すれば、まるで足りなくなります。
そうなると、水を電気分解して、水素を得ることになりますが、前述のように、電力が大量に必要になります。
電力としては、再生可能エネルギを利用する方法があります。再生可能エネルギは、任意の出力に制御できず、出力変動が激しい欠点があります。ですが、水素の形で保存すれば、この欠点はある程度までカバーできます。もちろん、再生可能エネルギ発電所で水を確保できない場合や水素貯蔵ができないことが多いと思うので、送電の上で水素製造をすることになると思います。
燃料電池自動車は、エネルギ効率が高くないのですが、再生可能エネルギを拡充する際には、相性が良いように思います。
問題は、仮想水の輸入大国で、今後の水不足が懸念される日本で、水を確保することは、将来的には不安もあるのです。



バイオエタノール車とバイオディーゼル燃料車ですが、次回にしたいと思います。

グレタ・トゥーベリさんは、ヨットで大西洋を往復しました。
彼女は、CO2排出量を抑えるために、航空機の利用を避け、陸上では電気自動車、海上ではヨットを利用しました。

そこで、交通機関別に、CO2排出量を簡単にまとめてみることにしました。
単位は、g/t・kmで考えます。これは、1tの荷物を1km先まで運ぶ際に、何gのCO2を排出するのかを表します。

航空機   :328g
船舶    : 18g
鉄道    : 16g
トラック  : 66g
HVトラック: 52g
EVトラック: 50g

航空機は、ボーイング777Fをベースに、しました。最大積載量を100t、燃費0.075km/l、ジェット燃料のCO2排出係数2.46kgCO2/lから算出しました。

船舶は、8万重量トン級の貨物船の燃費を6g/t・km、A重油の比重を0.9として、A重油のCO2排出係数2.71kgCO2/lから計算しています。

鉄道は、適当な資料がなかったため、船舶との比で計算しました。ベースは、鉄道の輸送効率0.491MJ/t・kmと、船舶の0.555MJ/t・kmの比率から計算しました。

トラックは、10トン積で燃費が4km/lとして計算しています。燃料は軽油とし、CO2排出係数2.62kgCO2/lから算出しました。

HVトラックは、10トン積で燃費が5km/lとして計算しています。燃料は軽油とし、CO2排出係数2.62kgCO2/lから算出しました。

EVトラックは、4トンのEVトラックをベースに電費(約2km/kWh)を基に計算しています。1kWhで4tを
2km先まで運べるので、0.125t・km/kWhと計算しています。
また、発電における火力発電の割合は世界平均の約66%を、kWh当たりのCO2排出量を600g(LNG火力発電の平均的な値)として、概算で計算しました。

上記は、目安程度に捉えてください。
いずれも、輸送規模によって、数値は大きく変化します。軽トラックと大型トラックでは、まるで違います。
また、環境などの条件でも、大きく異なります。山越えの鉄道が平地の鉄道と同じ燃費のはずがありません。
更には、航空機なら最短コースだが、鉄道でも船舶でも遠回りになると、実質的には航空機との差が小さくなる場合も考えられます。
ただ、なるべく鉄道や船舶で輸送し、トラックや航空機は使わない方向に進むのが良いことは、わかります。


ついでですが、EV車の燃費を考えてみましょう。
リーフの電費は、約8km/kWhです。定員乗車時の重量は5人×55kg=275kgですので、182g/t・kmです。

グレタさんは、陸上の移動に電気自動車を使用しましたが、鉄道を利用した方がCO2排出量を遥かに少なく抑えることができたのです。それどころか、2人しか乗らなかったのなら、航空機と大差ない環境に厳しい輸送手段だったことがわかります。

彼女の地球温暖化防止の運動は、若い世代の危機感の現れであり、私はそれを支持します。
ですが、彼女はまだ16歳であり、その知識は稚拙です。必要な教育も、途上にあります。それ故、誤った情報に踊らされたり、浅い考えのままの言動となる危険があります。
そのような彼女の弱点が、策略に生きる大人達に利用されないことを願っています。

約3年前の2015年2月25日に、「旧・風の谷の生活」に掲載した記事の再録です。
3年の間に、この記事が示した杞憂が現実になりかけています。


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時風集団は、2014年には5万887台のEVを販売した中国のEVメーカです。
本田技研の一行は、2月初旬に時風集団を視察に訪れたそうです。
視察団の長谷川氏は、
「ホンダは従来の乗用車において一定の業績を挙げることができているものの、
 小型EVの研究開発および生産の方面ではまだ突破口を見つけられていない」と
述べたそうです。
 
FCV技術で、日本が中国に負けることは、少なくとも10年はないのでしょう。
しかし、EVではどうでしょうか。
もしかすると、中国が日本をリードしているのかもしれません。
慶応大学が製作したELIICAも、試作段階で中国製電池が検討されたようです。
 
20年後、あるいは30年後、世界はEVを選択しているのでしょうか?
それとも、FCVを選択しているのでしょうか?
 
私は、世界はEVを選択していると考えています。
 

タイヤの空気圧は、メーカーが指定し、運転席側のドアシル部分に表示しています。
メーカー指定は、前後輪で同じ空気圧を指定している場合がほとんどだと思います。
これは、前後輪のタイヤローテーションを考慮しているものなのでしょう。
 
ですが、市販車の多数派であるFF車は、前輪に6割程度の車重が掛かっています。
つまり、前輪には後輪の1.5倍程度の車重が掛かっていることになります。
 
タイヤは、タイヤ内の空気圧で荷重を支える構造です。
(その証拠に、パンクする(空気が抜ける)と、タイヤはペチャンコになります)
それも、空気圧の内、接地面積だけで支えます。
一般に、タイヤの設置面積はハガキ1枚分程度(約140cm²)と言います。
 
車重を1000kgとすると、前輪は300kg、後輪は200kgくらいです。
これをハガキ1枚分の面積で支えようとすると、
前輪の空気圧は2.1気圧、後輪の空気圧は1.4気圧くらいになります。
おそらく、このクラスの車の指定空気圧は、1.7気圧程度だろうと思います。
つまり、前輪の空気圧は、あるべき空気圧より少し低めだということです。
 
前輪の空気圧は、メーカーの指定より2割程度高くした方が、燃費にもタイヤの寿命にも良いように思います。
(タイヤのローテーションの時には御注意を!!!)
 
皆さんは、タイヤの空気圧はどのようにしているでしょうか。
 

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