日本国憲法の欠陥は、何でしょうか?
特に近年、話題になるのは、第9条でしょう。
特に、第2項の戦力不保持でしょう。
この項が、自衛隊の存在と整合を取ることが難しいため、自衛隊が設立された頃から、問題となってきました。
でも、憲法第9条第2項が欠陥なのでしょうか。
仮に、自衛隊を作っていなければ、第9条第2項を欠陥だと言って良いでしょう。
この条文があるから、自衛隊を作れないと言えます。
ですが、現実に、自衛隊はあります。
常識的に考えるなら、自衛隊法は、現行憲法下で作られたのだから、自衛隊は合憲でなければなりません。
合憲なのだから、第9条に自衛隊を明記する必要はありません。
もし、違憲だとするなら、70年間も違憲状態にあったにも関わらず、数十回の改正が行われてきたことになります。
違憲の法律が、違憲状態のまま、改正を繰り返してきたことになるのです。
これでは、憲法なんか、有形無実になってしまいます。
現行憲法の致命的な欠陥は、違憲法制を審査できないことにあるのです。
日本国憲法にも、違憲審査に関わる一文はあります。
憲法第81条です。
ただ、最高裁判所が終審裁判所であることを、明記しているだけです。
立法の合憲/違憲判断を、どう告発し、どう審査するのか、何も書かれていません。
それ故、違憲の疑いが、70年も続くのです。
もし、憲法を改正するのであれば、最初に、ここを見直すべきです。
ですが、自民党の改正草案は、ここを現状のままとしています。
日本国憲法の特徴として、憲法に規定されていない事柄は、比較的自由に立法できます。
だから、立法に対する違憲審査の手続きの法整備をすることは、現行憲法下でも不可能ではないと思います。
自民党の改正草案は、環境保護の条文が追加されていますが、過去に、環境保護において、憲法が問題になったとの記憶はありません。
また、現行憲法下において、環境保護の立法がなされています。
少なくとも、「国は、国民と協力して、国民が良好な環境を享受することができるようにその保全に努めなければならない」との条文が必要な事例があったようには思えません。
これを加えるくらいなら、違憲審査の改正の方が、遥かに重要です。それでも、改正案には、違憲審査に関わる新たな条文はありません。
このことから、政府・自民党は、違憲審査能力の向上を不要と考えていることが推察できます。
正直なところ、自民党の改正草案は、政権与党の都合を詰め込んだように見えます。
憲法は、為政者の施政に制限を設け、暴走を防ぐ役割を持っています。
自民党の改正草案は、憲法が持つ制限を弱め、為政者の自由度を高める方向に見えます。
為政者の、為政者による、為政者のための改正に見えます。
この改正草案で、改正されたなら、日本国憲法は、欠陥が大幅に増えそうです。
正直なところ、自民党の改正草案は、政権与党の都合を詰め込んだように見えます。
憲法は、為政者の施政に制限を設け、暴走を防ぐ役割を持っています。
自民党の改正草案は、憲法が持つ制限を弱め、為政者の自由度を高める方向に見えます。
為政者の、為政者による、為政者のための改正に見えます。
この改正草案で、改正されたなら、日本国憲法は、欠陥が大幅に増えそうです。