豊葦原中津谷のニニギ

食糧自給率の向上を目指して! (2100年の日本へワープ)

カテゴリ:豊葦原中津谷の世界 > 選挙制度


小選挙区制は、得票率と獲得議席数が一致しません。
小選挙区で投じた私達の1票の重みは、与党に投票した場合と、野党に投票した場合とでは、約3倍の差があるのです。
最高裁では、1票の重みが2倍以上になる場合は、違憲であると定めています。
条件は異なりますが、現状は違憲状態と言っても良いのです。

私が、小選挙区制度の見直しを主張するのは、このような実態を危惧しているためです。



具体的な数値を見てみましょう。

データは、総務省のHPから入手しました。
総務省は、2007年から2022年までの、4回の衆議院議員選挙と、6回の参議院議員選挙の政党別得票数、獲得議席数等を、公開しています。(補欠選挙を除く)


10回の国政選挙の小選挙区では、延べ5億5000万票余りが投じられました。
そして、延べ1611議席が確定しました。

この内、与党(自民党+公明党)は、約2億5000万票を得票し、1156議席を獲得しています。
1議席を得るために必要な票は、21万6253票でした。

野党は、与党より多い約3億票を得票しましたが、獲得議席は455議席でした。
1議席を得るために必要な票は、65万9750票でした。

このように、1票の重みは、10回の国政選挙の平均で、3.05倍でした。
これは、かなり深刻な差です。


では、比例区はどうでしょうか。
投票数は、ほぼ同じです。
確定した議席数は、延べ1009議席です。

この内、与党(自民党+公明党)は、約2億4600万票を得票し、495議席を獲得しています。
1議席を得るために必要な票は、49万7498票でした。

野党は、与党より多い約3億4200万票を得票し、514議席を獲得しました。
1議席を得るために必要な票は、59万1916票でした。

このように、1票の重みは、10回の国政選挙の平均で、1.19倍でした。


※小選挙区より比例区の方が、1議席に必要な票数が多いのは、小選挙区より比例区の方が議席数が少ないためです。


小選挙区では、1票の格差が3倍にもなっていますが、比例区では、1.2倍程度です。
この違いは、選挙制度によるものと考えられます。

では、なぜ小選挙区制では、1票の格差が広がるのでしょうか。
小選挙区では、当該選挙区で最多得票を得た候補者1人だけが、当選します。

仮に、有効投票数が100票の選挙区に、4人が立候補したとし、考えてみましょう。

【例1(小選挙区)】
A党の候補は固定票を8票持ち、B党の候補の固定票は7票、C党の候補の固定票は5票、D党の候補の固定票はないとします。
浮動票は、4人は拮抗しているとすると、浮動票は各候補に20票ずつとなります。
合計は、A党の候補は28票、B党の候補は27票、C党の候補は25票、D党の候補は20票となり、当選はA候補になります。
この場合、A候補に投票した28票は、国政に反映されますが、残りの72票は、無駄になります。
また、全ての選挙区で同じことが起きれば、得票率が28%の党が、全議席を独占できることになります。

【例2(2人区&候補者一本化)】
これが、定数2名の選挙区なら、どうでしょうか。
各党が候補者を一本化した場合、各候補の得票は前述と同じですが、当選者はA党の候補とB党の候補の2人になり、45票が国政に反映されます。

【例3(2人区&候補者乱立)】
A党は、2議席を独占するために、2人の候補を出したとします。他の党は、候補を1人に絞ったとします。
各党の固定票は同じとすると、A党の候補の固定票は、それぞれ4票になります。
他の政党の候補は、1議席の時と同じです。
浮動票は、拮抗していて、それぞれに16票が流れるとします。
すると、A党の候補は、それぞれ20票、B党の候補は23票、C党の候補は21票、D党の候補は16票となり、当選はB党の候補とC党の候補になります。
この場合、46票が国政に反映されます。


このように、小選挙区では、少ない固定票でも、議席を独占できるのです。
実際に、固定票に強みを持つ与党は、低い得票率で、多くの議席を獲得してきました。

安倍晋三氏は、歴代総理大臣で最長の在任期間でしたが、その間に行われた国政選挙の自民党の得票率は、常に40%以下でした。
与党を構成する公明党を加えても、過半数を超えたことがありません。
ですが、議席数は60%以上を維持できたため、長期政権となりました。
特に、2012年の衆議院選挙では、自民党・公明党連合は、小選挙区において、他の党との1票の格差が5.6倍にもなりました。
これでは、小選挙区の投票は、余りに不公平です。



得票率と獲得議席数が一致しない現状は、このまま見過ごすことはできません。
何としても、改善しなければなりません。

ですが、新しい選挙制度の提案がないのなら、制度の改善はできません。


次回から、様々な提案をしながら、日本に相応しい選挙制度を考えていこうと思います。



小選挙区制は、得票率と獲得議席数が一致せず、1票の重みは、与党に投票した場合と、野党に投票した場合とでは、約3倍の差があります。
最高裁では、1票の重みが2倍以上になる場合は、違憲であるとの判例があり、小選挙区制度は、違憲状態を生み出していると言っても良いのです。
そこで、当ブログでは、小選挙区制度の見直しの検討を始めています。

前回は、現状把握に努めました。
今回は、小選挙区制度に代わる選挙制度を検討する上で、考慮すべき条件を確認します。



1.民意の反映

そもそも、4割の得票率で2/3の議席を獲得できる小選挙区制の問題を、解決することが目的です。
得票率に近い議席配分になるようにしなければ、制度変更の意味がありません。


2.最高裁の判例

古くは、1976年に、1票の格差について、違憲判決が出ています。
現在では、1票の格差が2倍を超えた場合は違憲と判断されています。
新しい選挙制度を考える上で、これは無視できません。
従って、アメリカの上院のような選挙制度は、採用できません。


3.候補者の選択の容易さ

一般的に、議員定数の3〜4倍程度の立候補があります。
2021年衆議院選挙の小選挙区では、289議席に対して936人が立候補しました。
仮に、衆議院選挙を全国区にした場合、465議席に対して、1500人以上が立候補することになります。
こんなに立候補者が多いと、全員の公約を確認することは困難です。
立候補者の公約を確認できる範囲に収まるように、選挙区の定数を絞る必要があります。
公約の公知には、定数以外の工夫もあって然るべきでしょうが、ここでは定数の観点のみから検討を続けます。



取り敢えず、この3点について、検討していきます。
今回は、民意の反映について、選挙区の定数から考えてみたいと思います。



1.民意の反映

小選挙区制のみにある欠点として、低い得票率でも当選し、それ以外の投票を無駄にしてしまうことです。
小選挙区では、得票率が50%を越えれば、当選します。
二人区(定数2名)なら、得票率が1/3を越えれば当選します。定員が2名なので、合計すれば、投票の2/3に相当します。
三人区(定数3名)なら、得票率が1/4を越えれば当選します。合計で3/4です。
この計算は、必ずしも正確ではありませんが、定数増に比例して当選者に投じられる票の割合が増す可能性を示しています。


中選挙区制の時の定数と立候補者について、青森県と大分県のデータが見つかったので、定員を超える立候補者数を一次回帰し、定数に対する立候補者数を推定してみました。
その結果、ざっと以下のような予測ができました。

・定数 1人  立候補者数: 3.8人
定数 2人  立候補者数: 5.2人
・定数 3人  立候補者数: 6.7人
・定数 4人  立候補者数: 8.1人
定数 5人  立候補者数: 9.6人
・定数 6人  立候補者数:11.0人
・定数 7人  立候補者数:12.5人
・定数 8人  立候補者数:13.9人
定数 9人  立候補者数:15.4人
・定数10人  立候補者数:16.8

これからわかるのは、定数が2倍になっても、立候補者は2倍にはならないことです。
なぜ、このようなことが起きるかというと、定数が増えても、各政党が、各選挙区の定数分の候補者を擁立しないからです。

小選挙区の場合、ほとんどの選挙区に候補者を擁立します。
例えば、2021年の衆議院選挙では、自民党は289選挙区に277人の候補者を擁立しています。(擁立率95.8%)
これに対し、定数10人の選挙区に、候補者を10人も擁立することはありません。
ここまで候補者を出してしまうと、組織票が分散し全員が落選する危険があるからです。
なので、選挙区の定数が増えれば、党としての得票率に近い数の候補者に絞り込まれるので、定数が増えても、立候補者の増加は、それより少なくなるのです。


さて、この立候補者数の推定値をベースに、当選の最低得票率を算出すると、次のようになります。

・定数 1人  最低得票率:26.4%(合計得票率26.4%)
・定数 2人  最低得票率:19.1%(合計得票率38.2%)
・定数 3人  最低得票率:14.9%(合計得票率44.8%)
・定数 4人  最低得票率:12.3%(合計得票率49.1%)
・定数 5人  最低得票率:10.4%(合計得票率52.1%)
・定数 6人  最低得票率: 9.1%(合計得票率54.3%)
・定数 7人  最低得票率: 8.0%(合計得票率56.0%)
・定数 8人  最低得票率: 7.2%(合計得票率57.4%)
・定数 9人  最低得票率: 6.5%(合計得票率58.5%)
・定数10人  最低得票率: 5.9%(合計得票率59.4%)

小選挙区制では、26.4%の得票で当選できる計算です。
これが、定数2人となると、それぞれの得票率は19.1%ですが、合計すると、38.2%の投票が国政に活きる計算です。

ここで、小選挙区制より得票率が下がる事を問題視する必要はありません。
定数が1人から2人に増えることは、有権者も定数に比例して増えることを意味します。
従って、定数2人の選挙区の得票率19.1%の時、その得票数は、小選挙区の38.2%の得票率の時の得票数と同数になります。


上記では、定数10人で、合計得票率が約60%になることを示しています。
ならば、もっと定数を増やせば、合計得票率は高くなるはずです。
でも、残念なことに、衆議院の全議席を一つの選挙区にまとめても、合計得票率は69%弱にしかなりません。(小選挙区289議席でも、全議席465議席でも、ほぼ同率)

当ブログによる選挙制度の見直しの目的は、議席数を得票率に近付けることです。
そのために、高い確率で、投票が議席に結び付くように、選挙区の定数を増やすことを考えています。
選挙区の定数が10人を超えると、定数の増加が合計得票率に与える影響は、無視できるくらい小さくなります。
なので、定数が10人以上を検討する価値は、かなり低いでしょう。

一方、定数が4人以上なら、合計得票率も概ね50%になります。

これらから、各選挙区の定数は、4〜10人であれば、民意の50〜60%を選挙結果に反映できると考えて良いと思います。





次回からは、様々な提案をしながら、日本に相応しい選挙制度を考えていこうと思います。


小選挙区制は、得票率と獲得議席数が一致せず、1票の重みは、与党に投票した場合と、野党に投票した場合とでは、約3倍の差があります。
最高裁では、1票の重みが2倍以上になる場合は、違憲であるとの判例があり、小選挙区制度は、違憲状態を生み出していると言っても良いのです。
そこで、当ブログでは、小選挙区制度の見直しの検討を始めています。

前回は、小選挙区制度に代わる選挙制度を検討する上で考慮すべき条件と、条件の一つである民意の反映について考えました。
今回は、最高裁の判例について考えたいと思います。



2.最高裁の判例

古くは、1976年に、1票の格差について、違憲判決が出ています。
現在では、1票の格差が2倍を超えた場合は違憲と判断されています。

個人的には、この判例は、納得していません。
「無視しろ!」とまでは言いませんが、大した意味はないと考えています。

そう考える理由の一つが、投票率です。

2022年の参議院選挙では、福井県と神奈川県や宮城県とでは、1票の重さが3.03倍あったため、違憲判決が出ています。
ただ、これは有権者数に対するもので、投票数で1票の格差を計算すると、神奈川県は2.99倍、宮城県は2.67倍に縮まります。
1票が重い選挙区は投票率が高く、軽い選挙区は投票率が低い傾向が見られます。
そんな観点からも、1票の格差は見ておきたいところです。


もう一つの理由が、地方の意見の吸い上げです。
国政選挙ですが、地方の声を国政に届けたいとの意見は、根強くあります。
アメリカの上院のように、都道府県単位で議席を与える方式は、1議席当たりの有権者数が都道府県の人口に比例することになります。

アメリカの50州の人口は、最多のカリフォルニア州(3956万人)と、最少のワイオミング州(58万人)では、70倍以上の差があります。
上院の議席数は、どちらの州も2議席ですから、1票の格差は、70倍もあるのです。
日本は、最多の東京都(1404万人)と、最少の鳥取県(54万人)では、約26倍もの差がありますが、アメリカほどではありません。
ですが、最高裁の判例を踏まえると、アメリカの上院のような選挙制度は不可能です。

1票の格差に縛られてしまうと、都道府県単位に議席を割り当てることは認められず、選挙制度の改革の選択肢を狭めます。



ちょっと余談になりますが、小選挙区制と比例代表制の混在も、選挙制度を考える上で、厄介な問題です。

参議院は、議席の半分しか改選しないため、人口が少ない県では、1議席当たりの有権者数が減っています。
これに加えて、選挙区選挙と比例代表制の2種の選挙制度が混在しています。
比例代表制の議席数は、全体の4割なので、選挙区選挙で2議席ならば、比例区を含めると3.3議席が割当たっている計算です。
最も人口が少ない鳥取県は、人口が57万人なので、参議院の1議席当たりの有権者数は、17万人余りになります。
これをベースに参議院の定数を決めると、730議席になり、現状の3倍にもなります。
そこで、苦肉の策として、鳥取県と島根県を一つの選挙区として、1議席当たりの有権者数を調整しています。

このような現状を見ると、参議院で比例代表制と小選挙区制の両方を混在させ続けることを、再考すべき時期に来ているように感じます。



閑話休題。

選挙制度を改善する上で、最高裁の判例は、中々の足枷です。
ですが、憲法を改正しない限り、この判例を無視することはできません。
また、自民党の憲法改正案を見ても、この判例を覆すような提案は見当たらないので、この先も判例に従い、1票の格差は2倍以内に収めなければなりません。

小選挙区制は、どんなに選挙区を細かく区切っても、最大で2倍の格差が生まれます。
そのため、小まめに選挙区の区切りの見直しが必要になります。
ですが、選挙区を変更することは、地域側から見ると、「前回の選挙はA選挙区だったが、今回の選挙はB選挙区になった」といったケースも生まれ、「地域の代表を選ぶ」との意味合いが薄れてしまいます。
これに対して、複数の議席を持つ場合、選挙区の区切りは変更せず、議席数の増減で格差を是正できるので、『地域の代表』の意義を維持しやすくなります。


個人的には、『地域の代表』との考え方は希薄です。
国政選挙なので、地方の意見を国政に届けることと同様に、外交を含めた国家の運営もあります。
日本国憲法は、基本的には地方分権の考え方なので、国政選挙は、地域の代表より国家運営を重視するのが、私の個人的な考えです。

小選挙区制では、選挙区が狭くなるので、狭い範囲の少ない有権者の考えが反映されやすくなります。立候補者は、その狭い地域に合わせた公約を出すことになります。
これでは、国全体の政治は軽視されます。
また、不祥事を起こした議員も、地元への利益誘導をしておけば、再選されます。
これも、小選挙区制の弱点と言えます。



日本国憲法、二院制を採用しています。
二院制の価値を引き出すためには、それぞれ議会を構成する議員の価値観に違いを作ることが求められます。
これを実現するためには、衆議院と参議院を異なる選挙制度にすることも、一案です。




今回は、最高裁の判例や憲法等から、選挙制度を考えてきました。

次回は、もう少し踏み込み、選挙区の定数の妥当性について、考えていこうと思います。


小選挙区制の問題点を改正するために、このテーマを立ち上げていますが、他の選挙制度にも、問題がないわけではありません。
今回は、番外編として、比例代表制の弱点を突いた『れいわローテーション』を考えてみたいと思います。




れいわ制新撰組は、参議院比例区の選出議員の辞職に伴い、繰り上げ当選のローテーションを行うと、発表しました。
参議院選挙は、2022年7月に行われたので、事案が発生した2023年1月時点では、任期が5年半も残っていました。
このタイミングで、比例代表制選出議員が体調不良により辞任しました。
比例代表制の規定により、該当の政党の次点が繰り上げ当選となります。
れいわ新撰組では、この繰り上げ制度を積極的に利用し、繰り上げ当選者が1年後に意図的に辞任することで、1年毎に新たな参議院議員を作り出すと言い出したのです。


はっきり言って、小選挙区制の問題より、遥かに小さな問題です。
元々、比例代表制は、人物を選出するのではなく、政党を選出する制度です。政党としては、変わっていないので、民意は反映されます。

比例代表制の問題は、比例代表制選出議員が離党しても、退職にはならないことでしょう。
当選時の選挙で比例名簿を出していた政党に移籍した場合のみ、退職になります。
それ故、離党して無所属か新党を結成し、当選時の所属政党に対立する政党と協調することもできます。
一方で、離党した時点で退職としてしまうと、所属政党が解党した場合に議員ではなくなってしまいます。
また、新党結成のタイミングも、限定されてしまいます。

元々、政党を選出するのに、政党の得票を生身の議員に置き替えるところに、無理があるのです。
非拘束名簿式は、いくらか緩和されますが、根本原因は変わらないので、問題は残ります。
冒頭で、「大した問題ではない」としたのは、類似の問題は、小選挙区制でも多少はあります。
小選挙区制(大選挙区制も同様)の当選者も、大なり小なり、政党の支援を受けています。有権者も、少なからず所属政党を見て投票します。
なので、当選後に、離党したり、他党へ移籍することは、本来なら問題にすべき案件です。
その点では、離党の問題だけで、比例代表選の欠陥とは言えません。
ただ、拘束名簿式比例代表制は、候補者を有権者が選択できないので、離党=退職とした方が良いように思います。




さて、れいわローテーションですが、これを全面的に認めてしまうと、類似の応用が可能になります。

自民党なら、参議院比例区の当選者の全員が1年毎に辞職をすれば、37人(2019年と2022年の当選者)の6倍の222人が参議院議員経験者を生み出すことができます。
衆議院比例区の当選者(72人)も合わせると、毎年109人の国会議員経験者を増やし続けることができます。

国会議員を1年間続ければ、通常国会を経験できます。
これは、貴重な経験です。
ですが、国政を利用して行うものではありません。
国政は、国民の生命や財産にも関わる重要な仕事です。
繰り上げ当選のローテーションは、政党にメリットがあっても、国民にはメリットがありません。
政党が、国民より政党を優先するようでは、本質的な部分で独裁政治と同じです。




ましてや、「箔をつける」ような目的なら、論外です。


この欠陥には、何らかの対策を実施すべきでしょう。
辞任後の5年間は、衆議院・参議院の関係なく、比例区名簿には入ることができないような仕組みです。
このような規定があれば、事実上、ローテーションは不可能になります。
一方で、選挙区選挙への鞍替えは、制限しません。
元々、そんなに重大な問題ではないので、厳しく制限しても意味がありません。
『5年間』は長すぎるかもしれません。

『小選挙区制の改正』をテーマに検討していますが、比例代表制自体も検討していきます。
その際に、この辺りの問題も、再検討することになると思います。


なお、れいわローテーションですが、ローテーションを約束して参議院議員になった方は、1年後に辞職するのでしょうか。
もし、辞職しなかった時、党はどのように対応するのでしょうか。
ローテーションしないだけで辞めさせることは、法的な根拠はありません。
辞職を無理強いされたら、離党しても良いのです。

どうなるのか、ちょっと見ものですね。


小選挙区制は、得票率と獲得議席数が一致せず、
1票の重みは、与党に投票した場合と、野党に投票した場合とでは、約3倍の差があります。

最高裁では、1票の重みが2倍以上になる場合は、違憲であるとの判例があり、小選挙区制度は、違憲状態を生み出していると言っても良いのです。

そこで、当ブログでは、小選挙区制度の見直しの検討を始めています。


前回は、最高裁の判例や憲法の考え方を確認しました。

今回は、有権者が投票する際、候補者の中から投票先を選択する際の容易性を、検討していきたいと思います。





3.候補者の選択の容易さ


一般的に、議員定数の3〜4倍程度の立候補があります。

2021年衆議院選挙の小選挙区では、289議席に対して936人が立候補しました。

仮に、衆議院選挙を全国区にした場合、465議席に対して、1500人以上が立候補することになります。

こんなに立候補者が多いと、全員の公約を確認することは困難です。

立候補者の公約を確認できる範囲に収まるように、選挙区の定数を絞る必要があります。

公約の公知には、定数以外の工夫もあって然るべきでしょうが、ここでは定数の観点のみから検討を続けます。




最も気になるのは、「量的に選挙公報を読み切れるのか?」です。


立候補者が10名なら、10名の公約を見なければなりません。

立候補者が100名なら、100名の公約を見なければなりません。

立候補者が多ければ多いほど、選択肢は拡がりますが、選択の基準を確認する手間は増えます。

国政選挙の選挙公報に字数制限があるのか、確認できませんでしたが、地方選挙では、条例で600字以内に制限しているところもあるようです。

読書の読む速度は毎分600字程度ですから、選挙公報の1人分は1分程度です。

選挙公報に1時間以上も時間を割く方は、少ないと思います。多くは10〜30分程度だろうと、想像します。

となると、候補者数が30名以下になるように、定数を決めた方が良さそうです。




小選挙区制にも、メリットはあります。
だから、これを採用している国があるのです。

小選挙区制を批判する以上、公正に検討し、その上で、メリットとデメリットを比較し、より良い選挙制度を考えなければなりません。
そこで、今回は、これまでに書いてきたことに加えて、小選挙区制のメリットを確認していこうと思います。


小選挙区制のメリットは、以下のようなものがあります。

1)選挙区が小さくなるため、立候補者の選挙費用が少なくなる。
2)立候補者数が少なくなるため、各候補者の違いを吟味しやすくなる。
3)地域の細かな意見を吸い上げることことができる。
4)大政党に有利になるため、政権が安定しやすくなる。
5)選挙区が増えるため、大政党は、立候補者を多く立てることができる。
6)党内の勢力争いで揉めやすい候補者の調整が、楽になる。



では、デメリットは何でしょうか。

A)立候補者数が少なくなるため、選択肢が限られる。
B)選挙区が小さいので、地域との結び付きが強くなり、国全体より地域が優先される。
C)不祥事で世論に非難されても、選挙区の支持さえ固めれば、再選される。
D)死票が増えるため、少数意見が届かなくなる。
E)第1党が圧倒的に有利なため、政治が腐敗しやすくなる。
F)1票の格差の修正が、選挙区の区割り変更しかなく、地域との結び付きは強くない。



さて、メリットの中で、国民にとって価値がある事柄は、どれでしょうか。
2〜4は、国民にとってプラスですが、実は、表裏一体で、裏返すと欠点にもなります。
2はA、3はB、4はEといった具合に、2〜4は、小選挙区制のメリットでもあるし、デメリットでもあるのです。
3については、Fのような見方もできます。

では、1はどうでしょうか。
これは、そもそも選挙に費用が掛かり過ぎることが、問題なのです。
なので、解決策は、小選挙区制にすることではなく、選挙活動に費用が掛かりにくくすることが、抜本的な対策になります。
この件では、ドブ板選挙を禁止し、主としてネットで活動するようにすれば良いのです。
また、選挙費用云々を言うのなら、参議院の比例代表制を拘束名簿式から非拘束名簿式に変更した理由を説明できません。名簿に名前があるだけなら、個人が選挙運動する必要はありませんが、非拘束名簿式では、個人名が重要になるため、個人の選挙運動が必要になります。しかも、採用したのは参議院の比例区なので、選挙区は全国であり、まともに選挙運動すると莫大な費用が掛かります。
少なくとも、当時の政権与党(この時も自民党・公明党)は、小選挙区制のメリットの中に、選挙費用は含まれていなかったはずです。

5〜6のメリットは、大政党に限定される問題で、国民はもちろん、中小政党にも関係ありません。なので、このメリットのために、小選挙区制を継続する理由にはなりません。



主な国で小選挙区制を採用しているのは、アメリカ、カナダ、イギリス、インド等です。
この内、アメリカ、カナダ、イギリス等は、二大政党制になっています。
元々、小選挙区制は、第1党に有利に働くため、小政党が淘汰されやすく、結果的に二大政党制になりやすい性格を持っています。
二大政党制は、選択肢が2種類しか用意されません。
これより選択肢が少ないのは、中国のような一党独裁くらいです。
個人的な感覚では、二大政党制は、一党独裁よりはちょっとマシといったところです。
「Yes」「No」をはっきりさせる欧米人には、2種類の選択肢でも問題ないかもしれませんが、二者択一型は、中間意見が存在しないため、政治の極端化を招きやすい欠点もあります。 
現に、アメリカでは、極端な主張を続けるトランプ氏によって、混乱を招いています。



このように考えてくると、積極的に続けるほどの価値を、小選挙区制には感じません。

小選挙区制に代わる選挙制度を検討する際には、改めて比較したいと考えています。
ただ、折角、選挙制度を見直すのですから、広範に検討していきたいと考えています。

なので、次回は、衆議院と参議院の役割について、考えていこうと思います。


現在、投票率は50%を切るところもあります。
年代別に見ると、若年層では40%を切ります。

なぜ、投票へ行かないのでしょうか。

考えられる理由を列挙してみます。

・投票しても無駄だ。
・忙しくて行く暇もない。面倒だ。
・現行政治への抗議の意思表示だ。

概ね、この3点に含まれるのではないでしょうか。


『暇がない』は、現役世代、子育て世代にはあるかもしれません。
私自身、若い時には、投票に行きたくない時はありました。

若い時には、数ヶ月に及ぶ出張がありました。
出張中に、急に衆議院が解散し、選挙が始まったことがありました。
出張前には話題にもなっていなかったのに、突然、選挙が始まったのです。だから、出張前に期日前投票をすることは、不可能でした。
朝も夜もないような多忙の中、出張先から何時間もかけて自宅へ戻り、投票券を手に投票所へいき、投票を済ませたら、また数時間かけて出張先へ戻るのです。
滅多にない休日を、投票で潰されたのでは、堪りません。
それでも、上司に命じられて、投票に帰ったことがあります。
正直、恨みましたよ。
体は、本当にキツかったですからね。

この頃の私は、年間の残業時間が1500時間にもなるくらいでしたから、たまの休日に投票には行きたくありませんでした。
ただ、時代が違うので、ここまでの多忙は、今はないと思います。
(勤務医はこれ以上だそうです。それはそれで問題なのですが・・)
なので、何とか投票へ行くようにしてください。



『無駄』、『政治は変わらない」、あるいは『現行政治への抗議」と本気で思うなら、立候補して政界へ出てください。そして、民意を吸い上げる政策を打ち出してください。

政治は、参加しなければ変わりません。
現状維持になるとも、保証できません。
参加しなければ、政治は暴走します。

最も簡単な政治への参加方法は、選挙での投票です。
選挙で投票することで、僅かですが、影響を与えることができます。
政治家は、当選するために、政治の方向性を変えます?

元々、小選挙区制なので死票が多く、組織票の影響が出やすい性質があります。それに加えて、近年、投票率が下がり、固定票の影響が更に大きくなりました。
そのため、選挙前から結果が見えてしまうようになったのです。
投票しないから、選挙が無駄になってしまうように変わったのです。


現状維持であれ、変化であれ、何某かの希望・要望があるなら、投票しなければなりません。
投票しないのは、生殺与奪の権利を、時の与党に渡すことになります。
選挙に関係なく固定票で当選するなら、その政治家は民意を聞く必要はなく、好き勝手な政治をできます。
国民が、県民が、市民が、町民が、村民が、何を望んでいるかに興味を持たなくなり、政治家自身の都合で政治を行うようになるのです。

投票率が高まれば、固定票の割合が下がり、固定票だけでは当選しにくくなります。
「当選しなければ、ただの人」となってしまう政治家は、当選するために、不動票を得られる選挙公約を掲げるようになります。
投票率が高ければ高いほど、政治家は、嫌でも有権者の声を聞かなければならなくなるのです。


さあ、選挙に行きましょう。


日本は、二院制を採用しています。

衆議院と参議院では、憲法上の違いはありますが、両院の各議員の判断基準に、明確な違いを感じません。
その要因の一つは、党議拘束でしょう。
もう一つは、両院の選挙制度が、基本的に同種であるためではないかと考えています。


政党政治を基本とする日本国憲法下においては、党議拘束を全否定するべきではないでしょう。
ただ、『良識の府』であるべき参議院においては、党議拘束は良識も拘束しかねません。
参議院議員への党議拘束を禁ずるなら、政党単位の投票で議席を決める比例代表制は、参議院議員の選挙制度としては、問題があるように思います。

『代議士』という言葉があります。
これは、『国民の代表』との意味があります。
ただ、旧憲法下では貴族院だった参議院議員に対しては、代議士とは呼びません。
衆議院議員だけが、代議士と呼ばれます。
衆議院が国民の代表であるなら、衆議院こそ支持率に近い議席配分になるべきです。


まとめると、次のようになります。
二院制の機能を阻害する要因は、次の2点でした。

1)両院とも、党議拘束を掛けている。
2)両院とも、同じ選挙制度で議員を選出している。

これに対して、次のような対策が考えられます。

A)参議院への立候補者は、離党する。
  政党が候補者を推薦してもよいが、離党しているので、党議拘束は意味を持たない。

B)参議院は、全議席を小選挙区制とする。
  主として、個人の能力で選出されるようにする。

C)衆議院は、全議席を比例代表制とする。
  支持率に見合った議席数となり、国民の声の大小が国会に反映されるようになる。
  党議拘束は、自由である。


予算や立法、首班指名で、衆議院は参議院より優位性を持つので、参議院で小選挙区制を採用することによるデメリットは、衆議院である程度はカバーできます。

ただ、この案は問題があり、新しい選挙制度としては、当ブログの提案にはなりません。
それでも、このように考えていくことで、新しい選挙制度をどうすれば良いのか、議論の糸口は見えてくると思います。


次回から、具体的な提案を書いていきます。


今回は、参議院の選挙制度の見直し案を考えます。
なぜ、参議院から考えるのかというと、参議院の方が定数の制約が強いためです。
参議院は、半数を改選するので、一つの選挙区に2の倍数の議席が必要になるのです。

仮に、選挙区を都道府県毎に分ける場合、最も人口が少ない(有権者数も少ない)鳥取県に2議席を配分すると、ざっと30万人/議席になります。
これをベースにすると、参議院は400議席以上にしなければなりません。
現状の2倍近い議席数です。
人口は減少局面にあり、かつ、累積債務が膨れ上がっている現状において、議席数(定数)は減らすことはあっても、増やすことはできません。
都道府県毎に、参議院の議席を割り当てるのは、選挙制度の改善にはなりません。

このように、参議院は、定数による制約を受けます。
なので、参議院から選挙制度から考え、衆議院は、参議院とは異なる選挙制度を与えるようにしたいところです。



さて、参議院の選挙制度は、どんな方式が良いのでしょうか。

大事なのは、『良識の府』を形作る人材を選ぶ仕組みです。
立候補者の個人の資質が重要になるので、比例代表制は、却下されます。
かと言って、全国区のような大選挙区制では、選択肢(候補者)が多くなり、候補者間の差が分かりにくくなります。これでは、選択肢が多い価値が薄くなります。

これを踏まえて、最初の提案したいと思います。



【参議院 選挙制度(案1)】

〈概要〉
全議席を、1選挙区当たり4〜20議席の中選挙区制に変更する。

〈選挙区〉
全国を11〜18ブロックに分割し、有権者84万人に、改選の1議席を配分する。
(ブロックの詳細は後述)
※人口の約82%が有権者なので、ざっと人口100万人に1議席の割合で配分する。
※参議院は、3年毎に半数を改善するので、実質は、有権者42万人に1議席となる。

(立候補の条件)
地方議会、自治体の長のいずれかを、通算で4年(1期)以上、または衆議院議員を1期以上(解散があるので年数は不問)経験した者とする。
立候補時点(公示日)以降、いずれの政党にも属さない者とする。
(政党の公認・推薦は、不問とする) 



〈選挙区のブロック分けの詳細〉

(案1)※衆議院選挙の比例区のブロック
・北海道ブロック  北海道
・東北ブロック   青森県、岩手県、秋田県、宮城県、山形県、福島県
・北関東ブロック  群馬県、栃木県、茨城県、埼玉県
・東京       東京都
・南関東ブロック  神奈川県、千葉県、山梨県
・甲信越ブロック  新潟県、長野県、山梨県
・北陸信越ブロック 新潟県、長野県、富山県、石川県、福井県
・東海ブロック   静岡県、愛知県、岐阜県、三重県
・近畿ブロック   奈良県、和歌山県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県
・中国ブロック   鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県
・四国ブロック   徳島県、香川県、愛媛県、高知県
・九州ブロック   福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県

各選挙区ブロックの議席数は、以下です。
・北海道ブロック   5議席
・東北ブロック    9議席
・北関東ブロック  14議席
・東京       14議席
・南関東ブロック  16議席
・北陸信越ブロック  7議席
・東海ブロック   14議席
・近畿ブロック   20議席
・中国ブロック    7議席
・四国ブロック    4議席
・九州ブロック   14議席



(案2)人口が500万人以上は、道府県単位のブロックとする。東京都は.、二分する。

・北海道ブロック  北海道
・東北ブロック   青森県、岩手県、秋田県、宮城県、山形県、福島県
・北関東ブロック  茨城県、栃木県、群馬県
・埼玉県ブロック  埼玉県
・千葉県ブロック  千葉県
・東京区部ブロック 東京23区
・東京市部ブロック 23区以外の東京都
・神奈川県ブロック 神奈川県
・甲信越ブロック  新潟県、長野県、山梨県
・中部北陸ブロック 静岡県、岐阜県、富山県、石川県、福井県
・愛知県ブロック  愛知県
・近畿ブロック   三重県、奈良県、和歌山県、滋賀県、京都府
・大阪府ブロック  大阪府
・兵庫県ブロック  兵庫県
・中国ブロック   鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県
・四国ブロック   徳島県、香川県、愛媛県、高知県
・福岡県ブロック  福岡県
・九州沖縄ブロック 佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県

議席数は、以下です。
・北海道ブロック  5議席
・東北ブロック   9議席
・北関東ブロック  7議席
・埼玉県ブロック  7議席
・千葉県ブロック  6議席
・東京区部ブロック 9議席
・東京市部ブロック 4議席
・神奈川県ブロック 9議席
・甲信越ブロック  5議席
・中部北陸ブロック 9議席
・愛知県ブロック  7議席
・近畿ブロック   8議席
・大阪府ブロック  9議席
・兵庫県ブロック  5議席
・中国ブロック   7議席
・四国ブロック   4議席
・福岡県ブロック  5議席
・九州沖縄ブロック 9議席



案1では、区切りが大きく、近畿ブロックは20議席にもなります。これでは、立候補者数が30人を超える可能性があり、全候補者の公約を把握することが厳しくなります。

案2は、有権者数が400万人以上の都道府県は、単独でブロック分けしています。
該当するのは、北海道、埼玉県、千葉県、愛知県、大阪府、兵庫県、福岡県です。
東京都もこれに該当しますが、東京都だけで有権者数が1000万人を超えるため、23区とそれ以外に分けます。
この案では、定数が最も多い選挙区でも、定数は9人以内になります。



それほど目新しい選挙制度ではありません。
以前に行われていた中選挙区制と、ほぼ同じです。
だからこそ、一般にも、素直に受け入れてもらえるのではないかと、思います。

小選挙区制に対する中選挙区制の弱点は、選挙区が大きくなるため、立候補者の支出が増えること、同一政党の同士討ちが発生することです。
この内、立候補者の支出を抑える方策は、選挙区の小型化以外にも、色々あります。
支出の内訳を確認して、選挙区の広さに関係する部分と、関係しない部分に分かて検討すべきです。そして、選挙区の広さに関係する項目については、選挙活動の禁止項目にし、代替手段を用意することも、考えるべきです。
今までのような選挙活動はできなくなるでしょうが、新しい時代の選挙活動として取り組む方が、建設的と言えます。

同一政党の候補者が同士討ちするということは、その政党の支持者が少ないからです。
同士討ちを減らすのは、民意を蔑ろにしているとも言えます。
例えば、定数5人の選挙区に同一政党から4人が立候補したとします。
その政党の支持率が60%なら、1人は落選します。これを同士討ちと言うのなら、候補者を1人減らすだけで解決します。
一方、小選挙区5区に分けた場合、各選挙区の支持率が60%もあるなら、5人とも当選するでしょう。
これでは、支持率と議席獲得率が、大きく乖離してしまいます。
同士討ちは、政党内の問題であって、国民目線ではありません。

このように、積極的に中選挙区制を否定、かつ小選挙区制を推す理由は、見当たりません。



さて、この提案で、今までにない点は、立候補の条件の方でしょう。
議論があるとすれば、この部分になると思います。

条件の中で、離党を求める点は、党議拘束を禁止することで代用しても良いと思います。
保守系や革新系といった基本的な政治思想は、否定しません。
『良識』とは、党の方針ではなく、議員の信念に基づくべきです。
だから、『良識の府』たる参議院では、離党か党議拘束の禁止をすべきと、思うのです。
なお、会派を組むのは制限しないため、各委員会は自民党系や立民党系といった会派で、これまで通りに活動すれば良いのです。
最終的な投票で、個人の判断を優先するのです。

目新しいのは、議会経験を求めている点でしょう。
衆議院や地方議会の立候補制限年齢は、25歳です。
これに対して、参議院は30歳です。
4年間の議員経験を課しても、憲法違反にはならないはずです。
また、公民権停止の法律が合憲となっているので、立候補の条件を課しても、問題はないと思います。
この条件のメリットは、議員の質を高めることと考えています。
議会の仕組みを経験した人なら、『良識』を持って議会に臨むことができると考えます。
間口を拡げるため、村議会も認めることにします。


参議院の改正案1は、これくらいにします。

私は合憲と考えている条件も、法律の専門家は意見が異なるかもしれません。
今後、私の知見が広まれば、案の内容を修正することもあろうかと思います。

なので、今回はこれくらいにして、次回は衆議院選挙の改正案を提案します。


前回は、参議院選挙の改正案(1)を提案しました。
参議院選挙の改正案を踏まえ、今回は、衆議院選挙の改正案(1)を提案します。



参議院選挙は、中選挙区制を提案しました。
また、立候補者を、議会経験者だけに絞りました。
これをベースに、衆議院選挙を考えたいと思います。



衆議院は、参議院とは異なる選挙制度とすることで、異なる資質を持つ議員になるようにします。
また、参議院が『個人』に重きを置きましたが、衆議院では『政党』を中心とした選挙制度としたいところです。


そこで、衆議院の全議席を比例代表制とします。

ですが、この比例代表制は、奇妙な仕組みがいくつかあり、難解です。

比例代表制の奇妙な仕組みの一つ目は、重複立候補です。
選挙区と比例区の両方に立候補し、選挙区で落選しても、比例で当選できる仕組みです。
選挙区で落選しているのですから、有権者は「ノー」の声を上げたわけです。それを復活当選させるのは、有権者の声を無視し、政党の都合を有権者に押し付ける仕組みです。
更に、重複候補は、比例区の順位をダブらせることもできるのです。選挙区の惜敗率で、同一順位内の最終順位を決めるのです。
ただ、この不思議な制度は、選挙区制と比例代表制の混在によるものです。
全議席を比例代表制にすれば、問題になりません。

比例代表制の奇妙な仕組みの二つ目は、非拘束名簿式比例代表制です。
比例代表制は、得票率に応じて、政党に議席数を配分する選挙制度です。
獲得した議席数を誰に与えるかは、拘束名簿式と非拘束名簿式で異なります。
拘束名簿式比例代表制は、衆議院で行われている制度で、議席の付与は、政党が予め提出した名簿の順番に従います。
非拘束名簿式比例代表制は、参議院で行われている制度で、政党が提出した名簿の中で、個人名の得票が多い順に議席が与えられます。

拘束名簿式は、立候補者個人は、選挙運動が不要になります。
小選挙区制より、選挙費用は掛からないと思われます。
ただ、個々の当選者を決めるのは、名簿順位を決める政党になってしまいます。

非拘束名簿式は、立候補者が見えるのですが、全員が候補者名を書いた場合、この選挙の結果は、ただの大選挙区制とどう違ってくるのでしょうか。

例えば、定数3人、有効投票数が100票の比例ブロックがあったとします。
この選挙区に、α党、β党、γ党の3政党から3人ずつ立候補したとします。
(重複立候補はなかったとする)
α党は、Aさんが58票、Bさんが3票、Cさんが0票だったとします。
β党は、Dさんが9票、Eさんが6票、Fさんが5票を、γ党は、Gさんが8票、Hさんが7票、Jさんが4票を獲得したとします。
ドント方式の議席配分では、61票を獲得したα党が3議席を独占し、獲得票が20票のβ党と、19票のγ党には、議席は配分されません。
当選者は、α党のAさん、Bさん、Cさんです。
得票順では、Bさんは9人中の8番目ですから、選挙区選挙なら落選です。
Cさんに至っては、得票がゼロでも当選しています。
ちょっと納得できない結果です。

非拘束名簿式比例代表制は、選挙区選挙との差を考えると、候補者名を書く意味が薄くなるので、非拘束名簿式を用いてまで比例代表制に固執する理由はなさそうです。



提案する選挙制度は、拘束名簿式比例代表制です。

【衆議院 選挙制度(案1)】

〈概要〉
全議席を、拘束名簿式比例代表制とします。

〈選挙区〉
全国を1〜11ブロックに分割し、有権者23万人に、1議席を配分する。
(ブロックの詳細は後述)
※人口の約82%が有権者なので、ざっと人口29万人に1議席の割合で配分する。

(立候補の条件)
衆・参両院での在任期間が通算20年を超えている場合、新たに衆議院で立候補できないものとする。(参議院は可とする)



〈選挙区のブロック分けの詳細〉

(案1)※現行の衆議院選挙の比例区のブロック
・北海道ブロック  北海道
・東北ブロック   青森県、岩手県、秋田県、宮城県、山形県、福島県
・北関東ブロック  群馬県、栃木県、茨城県、埼玉県
・東京       東京都
・南関東ブロック  神奈川県、千葉県、山梨県
・甲信越ブロック  新潟県、長野県、山梨県
・北陸信越ブロック 新潟県、長野県、富山県、石川県、福井県
・東海ブロック   静岡県、愛知県、岐阜県、三重県
・近畿ブロック   奈良県、和歌山県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県
・中国ブロック   鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県
・四国ブロック   徳島県、香川県、愛媛県、高知県
・九州ブロック   福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県

各選挙区ブロックの議席数は、以下です。
・北海道ブロック  20議席
・東北ブロック   32議席
・北関東ブロック  52議席
・東京       51議席
・南関東ブロック  60議席
・北陸信越ブロック 27議席
・東海ブロック   54議席
・近畿ブロック   76議席
・中国ブロック   27議席
・四国ブロック   14議席
・九州ブロック   52議席



(案2)全国を1ブロックとする。

・全国ブロック   435議席



非拘束名簿式ではないので、人物名を政党別で分類しなくて良く、開票作業は容易です。
全国を1ブロックとしても、参議院比例区より開票は楽でしょう。
全国を1ブロックとした場合、立候補政党の乱立が心配されますが、今でも参議院選挙の比例区は全国区なので、大きな混乱はないはずです。
議席数が一桁大きいので、議席を獲得する政党も、一つか二つ増えるかもしれません。


今回の提案でも、立候補の条件を付加しました。
参議院が、経験者を優先するのに対して、衆議院は若い政治家が国政に参加しやすくなるように考えています。
選挙区選挙では、地盤を持つ議員が有利になります。
一方、比例代表制は、無名であっても、名簿に名前が入れば当選の可能性があります。
また、在任期間の制限を設けることで、名簿には空席ができやすくなり、新人が名簿に載る可能性を高めます。

衆議院と参議院の役割も、明確になります。
若い政治家が作った法案に問題があれば、参議院から衆議院に差し戻すことで、更に議論を深めるように促します。



参議院と衆議院の選挙制度を別々に書いてきましたが、日本の議会制度として、車の両輪として機能しなければなりません。
地方議会は、全て一院制なのに、国会は二院制となっている意味を、考えるべきです。
選挙制度を両院で変えるだけでなく、立候補条件を付加するのは、より明確に二院制を機能させたいからです。

立候補条件は、憲法解釈しだいで、違憲の判断がなされる可能性はあります。
それなら、参議院だけでも、党議拘束を禁止すべきです。
党議拘束の禁止は、憲法上の問題はありません。
むしろ、党議拘束によって自由な投票ができない方が、憲法違反に近いと考えます。


二院制の機能の他に、民意が議席数に反映されやすくすることも、今回のテーマです。
間接民主制は、民意を議会に伝えることであり、その基本は選挙にあります。
比例代表制は、得票数を議席数に変換するので、民意が議席数に反映されやすくなります。
参議院に対しての優位性を持つ衆議院こそ、極力、民意が議席数に反映されていなければなりません。
逆に、参議院は、時に民意とは違っていても、議員の信念に基づいた判断を行うことが、国会全体を活性化させるはずです。

例えば、世間は『原発再稼働』に反対の声が大きいようですが、私は『原発再稼働』に賛成しています。
私が参議院議員なら、衆議院から『原発即時廃止』の法案が来た時、反対をします。
参議院で否決され、衆議院に差し戻されれても、3分の2以上で再可決されれば、それで良いのです。
あるいは、衆議院で修正した上で、参議院に送られてくれば、再検討すれば良いのです。
修正案には、賛成できるかもしれません。

このような動きこそが、二院制のメリットのはずです。
それが機能する選挙制度を、考えています。



また、次を提案するつもりです。
色々な考え方を提示し、議論のネタになればと、考えています。



国会議員を選ぶ話を始めたばかりですが、国会議員を落とす選挙、すなわち弾劾型の選挙を考えてみたいと思います。


不祥事等を起こしても、地元選挙区への利益誘導していれば、再選されやすくなります。
再選されると、「禊ぎは終わった」と言って、国政の場に戻ってきます。狭い選挙区の信任だけで、不祥事を消し去ってしまうのです。
これは、選挙区が小さく、固定票の比率が大きくなる小選挙区制の欠点の一つです。

国政に悪影響を及ぼすような国会議員が、狭い地域の利益のために再選されるのは、納得できません。
しかも、選挙区外の有権者は、手も足も出せないのです。
何らかの対抗策が必要です。


そこで、当該議員の国政選挙の際に、選挙区外で弾劾投票を行い、一定の割合で得票から差し引く選挙制度があってもいいと思います。

選挙区内の有権者は、当該議員とは別の候補者に投票することができるので、弾劾投票は二重投票に相当するので、認めません。
当該議員の選挙区ではない有権者のみ、弾劾投票権を与えます。
有権者側から見ると、他の選挙区から立候補している候補者の中の1人にだけ、弾劾投票することを認めるのです。
例えば、東京1区に住んでいる有権者が、東京2区のA候補は国会に送り出すべきではないと考えたなら、弾劾投票で、A候補の名前を書いて投票するのです。
参議院の小選挙区は74議席あるので、弾劾票を1/100して、得票から引くのです。
衆議院の小選挙区は289議席あるので、弾劾票を1/400して、得票から引きます。



アイデアは良いとしても、弾劾投票は、現実的とは言えません。

まず、集計の煩雑さが増えます。
選挙区内の弾劾票は無効ですから、この判別も面倒です。

また、通常の投票との混同が、心配されます。
現実的に、弾劾投票は実施が難しいでしょう。

でも、類似する最高裁判事の国民審査は、実際に行われています。
ですので、弾劾投票も、実施は不可能ではないでしょう。
投票方法に良いアイデアがあれば、弾劾投票を実現してほしいところです。



国政選挙は、国民の代表を選ぶシステムです。
本テーマでは、原則として、国会議員の選出方法について、考えていきます。

ただ、通常の選挙だけでなく、他の選出方法や、今回のような弾劾方法についても、考えていきたいと思っています。


次回から、選挙制度に戻り、案2を考えていこうと思います。



衆議院の選挙改正案の第2案です。

テーマに反して、今回は、小選挙区制そのものの改良を考えていきたいと思います。



小選挙区制には、いくつも弱点がありました。
その中で、各選挙区の定数が『1』で固定されているため、1票の格差を小さくする方法が、選挙区の区割りの変更しか存在しないことでした。
参議院選挙では、合区を実施していますが、それでも3倍を超える格差を産んでいます。
参議院の改選議席数が衆議院の1/3しかないので、1票の格差を調整しにくいのです。

従って、参議院選挙で小選挙区制を続けることは困難です。


今回は、衆議院選挙に限定して、小選挙区制の改良を検討してみたいと思います。




【衆議院 選挙制度(案2)】

〈概要〉
現行通り、小選挙区は289議席とする。
比例区の176議席を廃止し、同数の復活議席を用意し、惜敗率or得票率の上位から当選とする。

〈選挙区〉
全国を289の小選挙区に分ける。

(立候補の条件)
衆・参両院での在任期間が通算20年を超えている場合、新たに衆議院で立候補できないものとする。(参議院は可とする)



2021年の衆議院選挙では、小選挙区936人、比例区855人が立候補しました。
実際の立候補者は1180人だったので、重複立候補は611人だったことになります。
比例区の71.5%が、重複立候補でした。

ここまで重複立候補が多いのなら、比例区ではなく、復活議席に割り当てる方が、死票を減らす効果が期待できます。




小選挙区制の欠点の一つが、死票が増えることにあります。
例えば、49%の得票率でも、対立候補が51%を得票していたら、落選になります。
この場合、投票の49%は、死票になってしまいます。

比例区で復活当選の可能性は残りますが、本来の比例区選挙は、政党支持率に見合う議席を配分する選挙制度であり、復活当選を目的としていません。
また、復活当選した議席数と同数だけ、比例区の候補者は当選できなくなります。
候補者個人で見れば、『復活』ですが、有権者からすると、小選挙区で投票した票は無駄になっています。

なので、復活当選させるのなら、それのみを目的とした選挙制度を考えるべきです。



さて、復活の方法です。
2案あるので、順番に説明します。


〈復活当選方式(案1)〉

惜敗率の上位から、当選としていきます。
惜敗率は、当選者の得票数を100%とした時、次点以下の候補者の得票数が何%に相当するかを示したものです。

       [当該候補者の得票数]
[惜敗率]=─────────────
        [当選者の得票数]

この惜敗率が、全ての小選挙区の落選者の中で、上位から復活当選させていきます。

具体的な例で見ていきましょう。


仮に、3つの小選挙区があるとします。
α選挙区には、Aさん、Bさん、Cさん、Dさんが、β選挙区には、Eさん、Fさん、Gさん、Hさんが、γ選挙区は、Jさん、Kさん、Lさん、Mさんの、それぞれ4人が立候補したとします。
これに、復活議席2議席を加えた、合計5議席を改選するとします。

α選挙区の各候補者の得票率は、Aさんが50%、Bさんが40%、CさんとDさんは5%だったとします。
β選挙区では、Eさんが33%、Fさんが30%、Gさんが29%、Hさんが8%だったとします。
γ選挙区は、Jさんが27%、Kさんが26%、Lさんが25%、Mさんが22%だったとします。

小選挙区の当選者は、Aさん、Eさん、Jさんの3人です。
次点以下の惜敗率は、Bさんは80%、CさんとDさんは10%、Fさんは91%、Gさんは88%、Hさんは28%、Kさんは96%、Lさんは93%、Mさんは81%です。
従って、復活当選するのは、KさんとLさんになります。

この時、3選挙区とも投票数が同じなら、投票の54%が、当選者に投じられたことになります。
つまり、死票は46%になります。
(上記の条件下による死票率であって、普遍的な数値ではありません)



どうでしょうか。
ちょっと釈然としないのではないでしょうか。

惜敗率は、混戦となった選挙区ほど、有利になります。
有力候補が居ない場合に混戦になりやすく、結果的に、泡沫候補が棚ぼた当選します。


仮に、この地域が定数5議席の中選挙区で、得票率が変わらないなら、Jさん、Kさん、Lさんは落選し、Aさん、Eさんの他に、Bさん、Fさん、Gさんが当選になります。
この場合、死票は39%まで減ります。

そこで、死票を減らす案を提案します。



〈復活当選方式(案2)〉

得票率の上位から、当選としていきます。
得票率は、有効投票数を100%とした時、候補者の得票数が何%に相当するかを示したものです。

       [当該候補者の得票数]
[得票率]=─────────────
      [当選選挙区の有効投票数]

この得票率が、全ての小選挙区の落選者の中で、上位から復活当選させていきます。

前述の例で見ていきましょう。


小選挙区の当選者は、Aさん、Eさん、Jさんで同じです。
復活当選は、BさんとFさんになります。
この場合、死票は40%になります。
死票を減らす目的では、悪くない結果です。


死票を減らす効果は、得票率の方が良いとしても、惜敗率の方が、有権者の支持を得ているようにも見えます。
果たして、惜敗率の方が有権者の支持を集めているのでしょうか。

仮に、δ選挙区には、有力候補が2人居て、最終的に得票率が51%対49%で決着したとします。
ε選挙区は、4人の候補者が得票率26%、25%、25%、24%で決着したとします。
この場合、δ選挙区の惜敗率は96.08%ですが、ε選挙区の惜敗率は96.15%になるため、半数近い支持を得たはずのδ選挙区の次点の候補者は、復活できません。
ε選挙区の4人の中で、なぜ抜け出ることができなかったのでしょうか。
惜敗率は高いのですが、対抗馬は強敵だったのでしょうか。
強敵に善戦したのなら、惜敗率以上に、得票率が高まるはずです。

どちらかと言えば、私は(案2)を推したいところです。



ですが、小選挙区+復活当選制の選挙制度にも、大きな欠点があります。

小選挙区制は、最大勢力の政党に有利に働きます。
復活当選制は、次点落選者に有利ですから、第二党に有利に働きます。
ですが、第三党以下の政党は、復活当選の可能性は低く、単なる小選挙区制よりも、二大政党制への変化圧力が掛かるはずてす。





正直なところ、この【衆議院 選挙制度(案2)】を書き始めた頃は、「中々の妙案じゃね?!」と思っていました。
ですが、掘り下げていく中で、小選挙区制の改良は難しいと思うようになりました。

まず、復活当選と言いつつ、実質的には小選挙区から二人区に変更するようなものです。
2人目の当選者の選び方が、柔軟になるだけです。

もう一つは、小選挙区制が持つ、実質的な一党独裁や、二大政党制への変化圧力です。
今回の改良案も、二大政党制への変化が起きやすい性質を持っています。
一党独裁や二大政党制は、政策が極端化しやすくなるので、このような状況は避けた方が、国民の利益になります。

そんなことを考えると、やはり小選挙区制は廃止した方が良さそうです。



次回は、また別の選挙制度を提案したいと思います。




小選挙区制は、第一党に有利に働き、死票も多く、民意を反映しにくい性質があります。
それを改善するための案を、考えています。

今回は、我々の1票を見直したいと思います。



現状の選挙では、有権者は1票だけを投票します。
ただ、厳密には、小選挙区と比例区の2票を投じています。

ならば、最初から複数票を投じられるようにしたら、どうでしょうか。

考え方は、択一の投票ではなく、評価の投票の投票に変えるのです。


投票において、候補者毎、あるいは政党毎に、それぞれ評価値を与えるのです。

評価値は、3段階または5段階とし、個々の候補者や政党の全てに、評価値を入れます。
これにより、無党派層の投票行動が変わります。
現状は、YESとNOの2択で、しかもYESは一つしか投じることができません。
これを、候補者(政党)の全員に対して、それぞれ評価値を入れる形式に変えます。

考え方の違いです。
旧来の選挙は、「誰が議員に最も相応しいか」を投票で示します。
評価方式の選挙は、「この人は、議員にどの程度ふさわしいか」を投票で示します。



5段階評価選挙について、具体的に説明しましょう。

Aさん、Bさん、Cさん、Dさん、Eさんの5人が、小選挙区に立候補したとします。
投票用紙は、数直線に○を付ける方式です。
こんな感じです。

A ┗━━┻━━┻━━┻━━┛

B ┗━━┻━━┻━━┻━━┛

C ┗━━┻━━┻━━┻━━┛

D ┗━━┻━━┻━━┻━━┛

E ┗━━┻━━┻━━┻━━┛
  1  2  3  4  5
  相  や  ど  や  相
  応  や  ち  や  応
  し  相  ら  相  し
  く  応  と  応  い
  な  し  も  し
  い  く  言  い
     な  え
     い  な
        い


このような投票用紙で、各候補者の評価を記載していきます。
各候補者の数直線に書き込まれた評価点を合計し、その上位者を当選とします。

αさんは、支持政党のAさんを『5』、支持政党と連立を組む政党のBさんを『4』、Cさん、Dさん、Eさんは『1』としました。
βさんは、ライバル政党のAさんとBさんを『1』、支持政党のCさんは『5』、支持政党ではないが、共闘を組む党のDさんは『5』、野党繋がりのEさんは『3』としました。
γさんは、保守派のAさんに『4』、中道のBさんは『3』、中道左派のCさんは『2』、保守強硬派のDさんは『5』、左派のEさんは『1』としました。
δさんは、保守派のAさんに『1』、中道のBさんは『2』、中道左派のCさんは『5』、保守強硬派のDさんは『1』、左派のEさんは『2』としました。
εさんは、全員を『3』としました。

それぞれの候補者の得票数は、Aさんが14票、Bさんが12票、Cさんが16票、Dさんが15票、Eさんが10票になり、Cさんが最多得票、Dさんが次点となります。


この選挙方法の場合、投票率が低くても、実際の政党支持率、あるいは民意に近付くのではないかと思います。

これまでの選挙方法では、有権者は候補者の中の1人しか選べませんでした。
そのため、有権者は、候補者の好き嫌いや支持政党かどうかで、投票行動を決めなければなりませんでした。

支持政党がある場合は、支持政党の候補者が『5』、対立候補には『1』を投じるでしょう。
ですが、無党派層は、『5』はほとんどなく、『1』〜『4』の配点になる場合が多いと思います。

1人の有権者が、全候補者に投票できるので、有権者が持つ考えを選挙に反映しやすくなると思います。



小選挙区制は、第一党に有利に働き、死票も多く、民意を反映しにくい性質があります。
それを改善するための案を、考えています。

今回は、改善策ではなく、手法の一つを紹介します。




株主総会で、もの言う株主の強引な意見を封じるために、『マジョリティ オブ マイノリティ』と呼ばれる投票方法が用いられました。

『マジョリティ オブ マイノリティ』は、議事に対して利害関係にある大株主の投票権を剥奪し、利害がない株主だけで投票する手法です。
具体的には、企業側の株主と、議案を提出した『もの言う株主』には投票権を与えず、第三者として判断できる株主にのみ投票権を与える手法です。

力による採決を防ぎ、第三者にだけ投票権を与えることで、利害のバランスを取ります。
一部の大株主だけで採決が決まってしまうより、民主的と言えなくもありません。



この発想を、国政選挙に応用すると、どうなるでしょうか。

簡単に言えば、政党の党員を利害関係者と考え、選挙権を与えないのです。
事実上、浮動票のみで選挙を行うのです。

もちろん、こんな選挙制度は、党員と非党員で選挙権が剥奪と付与とになってしまうので、憲法違反になってしまいます。
また、憲法を改正して、この選挙制度を認めたとしても、実際に制度化するのは、容易ではありません。

まず、誰が党員なのか、明確にしなければなりません。
その際には、マイナンバーが役に立ちそうです。
党員になるためには、マイナンバーの提示を義務付けるのです。
でも、隠れ党員を炙り出す方法を考えないと、意味がありません。
別に、隠れ党員が居ても、重大な問題にはなりませんが、選挙のみを考えると、大きな問題になります。




いずれにせよ、この案は却下です。

憲法15条に反するし、利害関係者の定義も、立候補者だけになる可能性もあり、機能させるのも容易ではありません。

ただ、小選挙区制の問題点は、死票が多く、投票率が下がれば、相対的に利害関係者の投票が結果に影響しやすくなるところです。
なので、『マジョリティ オブ マイノリティ』の考えは、選挙制度見直しの方向性の指針となると思います。



小選挙区制は、第一党に有利に働き、死票も多く、民意を反映しにくい性質があります。
それを改善するための案を、考えています。


党員、時に信者が、支持政党に投票します。
このような有権者は、他の政党に投票することはありません。
なので、時々刻々の国情を反映できない票なのです。
中には、党幹部の方針に反意を唱える者もいるかもしれませんが、党から擁立されれば、反意ほ有無に関係なく党員は投票します。
無党派層は、数百ある選挙区の中で、偶々自分の選挙区でなければ、関係ありません。

国情に対する国民の声を聞くためには、固定票よりも、浮動票を重視すべきなのです。
総選挙を行う目的は、本来は、国情に対する国民の意見を聞くために行われるはずです。
ですが、民主党政権下にあった野田佳彦元総理の解散総選挙を除いて、民意を問う総選挙は行われたことはありません。
与党に都合が良いタイミングでしか、解散総選挙は行われません。政党運営としては、それが正解なのかもしれませんが、民主主義の考えとしては、正しいとは言えません。

衆議院は、解散することで総選挙が行われます。
政権与党は、都合の良いタイミングで解散して、衆議院の議席数を維持できます。
参議院は、3年毎に半数が改善されるため、政権与党の都合とは必ずしも一致しないタイミングで選挙が行われることになります。
ということは、政局となる課題がある場合が含まれます。
ならば、浮動票が活きてくるはずです。

参議院は、衆議院以上に浮動票が活きる選挙制度が望まれます。


固定票が強みを発揮するのは小選挙区制であることは、既に書いています。
少なくとも、現行の小選挙区制では、浮動票を充分には国会に反映できないことになります。




ところで、浮動票のメリットばかり書いてきましたが、固定票を無視しているわけではありません。固定票にも、メリットはあります。

固定票を増やすには、日頃からの政策や議論で、評価される必要があります。
安定した政策論が、固定票を増やしていきます。
つまり、国の基本的な方向性を、固定票が決めるのです。


浮動票は、時々の状況変化を国政に反映する役割を持っていますが、状況が戻れば、固定票によって元の国政運営に戻るのが、あるべき姿だろうと思います。

昨今の日本では、与党が右傾化し、それを固定票が支えている状況です。そして、右傾化を補正するために、浮動票が期待されているのです。
なんとも、歪な感じがします。

そんな状況を作り出してしまう要因の一つが、小選挙区制による第1党の議席寡占にあります。
小選挙区制では、4割の得票率しかない第1党が、議席の6割を獲得できてしまうので、有権者の約半数を占める棄権者(ほとんどが浮動票)が投票し、固定票の影響を減じる必要があるのです。

そんな歪な選挙を改善するためには、選挙制度の見直しが必要です。
そして、浮動票が、時々の情勢を国政に反映されるようにすべきなのです。


参議院の選挙改正案の第2案です。

テーマに反して、今回は、小選挙区制そのものの改良を考えていきたいと思います。



小選挙区制には、いくつも弱点がありました。
その中で、各選挙区の定数が『1』で固定されているため、1票の格差を小さくする方法が、選挙区の区割りの変更しか存在しないことでした。
参議院選挙では、合区を実施していますが、それでも3倍を超える格差を産んでいます。
参議院の改選議席数が衆議院の1/3しかないので、1票の格差を調整しにくいのです。

ですが、敢えて小選挙区制を維持しつつ、これの改良を検討してみたいと思います。




【参議院 選挙制度(案3)】

〈概要〉
参議院の定数は、248議席です。
小選挙区は148議席、比例区は100議席です。
小選挙区は、現行のままとします。
比例区は廃止し、復活当選枠とします。


〈選挙区〉
全国を148の小選挙区に分ける。
毎回、74議席の改選となる。
復活当選枠は、50議席となる。

(立候補の条件)
特に設けない。

(復活当選の基準)
得票率が高い順に、復活当選を決定します。
得票率が完全に一致する場合は、惜敗率が高い順に、当選とします。
得票率と惜敗率が一致する場合、総得票数が多い順に、当選とします。


惜敗率は、有権者に支持されたのではなく、混戦になった証でしかありません。
有権者の支持は、得票率で判断すべきでしょう。
有力候補二人による激戦なら、惜敗率も高くなります。



参議院比例区は、重複立候補を認めていませんが、それ故に死票(投票しても当選に生かされない票)が生かされる場がありません。
それを防ぎ、かつ小選挙区制のメリットである選挙区の小ささ(お金が掛からない?)を活かすことができます。





前回は、浮動票を活かすには、小選挙区制は不向きとしていました。
今回の案は、それに反するようなものです。

ただ、良く見ると、二人区に近い性格の選挙制度です。
結局、中選挙区制の変形と取ることができます。
ですので、「小選挙区制」という形を維持しつつ、実態を「中選挙区制」に近付ける提案と言えます。


やはり、死票を考えるなら、中選挙区制が望ましいようです。



二世議員が多いのは、日本の政治にはマイナスです。
二世議員しか当選できないことは、間接民主主義からの逸脱を意味します。

もちろん、二世議員の全てが問題とは言えません。
優秀な二世議員もいます。
ですが、二世議員の増加は、能力とは関係なく当選できることを示しており、逆から見れば、二世でなければ議員になれないことも、示しています。

なので、二世議員の中の無能な立候補者を振るい落とす仕組みが、求められます。




そこで、無能な二世議員の誕生を制限する方法を考えてみます。
選挙に勝つためには、『じばん(地盤)』、『かんばん(看板)』、『かばん(鞄)』が大事だと言います。
そこから、無能な二世議員の古い落としを考えます。



二世議員の武器は、まず地盤です。
親または親族の地盤を、無傷で引き継ぐことができます。
これが、最大の武器になります。

次なる武器は、看板でしょう。
看板は親のものですが、「○○の子供」で、当然、苗字も同じですから、看板のほとんどを引き継げます。

鞄(カバン持ち:秘書のこと)も、親の秘書が、子供にも付いてくれる場合もあるでしょう。
これも、力になります。




では、どんな対策があるのでしょうか。

立候補自体を制限するのは、明らかに憲法違反です。
違う手段で、制限を掛けなければなりません。




【案1】親と同じ選挙区からの立候補を禁止する。

具体的には、配偶者親族を含む4親等以内の議員と同じ選挙区に、連続して立候補することを禁止します。

二世議員の最大の武器は、地盤です。
親の地盤から引き剥がせば、実力で地盤を作り上げていくしかなくなります。
多少は看板を引き継げるので、実力があれば当選できるはずです。
鞄は、地盤との繋がりが強いので、地盤を離れれば、鞄の力は半減します。

『お国替え』は、候補者調整のために行われることがあります。
なので、憲法違反に問われることはないでしょう。
ただ、法制化するとなると、微妙かもしれません。
また、小選挙区なら『お国替え』も容易ですが、大選挙区となると、親戚の選挙区を避けきれずに立候補できなくなるかもしれません。

小選挙区限定の対策案となりそうです。




【案2】大選挙区にする。

何とも簡単な対策です。

選挙区が小さいほど、地盤を作りやすくなります。
秘書が、地元の企業を丹念に回り、陳情を聞いて回ることで、地盤を作っていくことができます。
ですが、地域が広くなると、細かく回ることは難しくなります。
結果的に、地盤は弱くなります。

二世議員が増え始めたのは、小選挙区制の開始時期とほぼ一致します。
小選挙区制が二世議員を生みやすいのは、理屈の面でも説明できます。
ならば、小選挙区制を止めるだけでも、二世議員が生まれにくくなるはずです。




【案3】立候補を資格制度とする

無能でも、二世なら議員になることも可能です。
そこで、無能な人間を排除するため、資格制度とするのです。

立候補者を画一化された人材にしないため、資格試験の他に、国家資格合格と実務経験の組合せ(例えば、弁護士や医師、教員、看護師等を5年以上〉といったものを指定します。
実務経験の中には、地方自治体の首長や議員経験を4年(一期満了)以上といったものも、含めます。

この案を適用すると、私の場合、教員資格を持っていましたが、実務経験がないので、立候補資格はありません。
立候補する場合は、資格の試験を受けて合格するか、地方自治体で首長か議員を経験する必要が生じることになります。


ただ、二世議員は、例外なく大卒ですので、そこそこの資格試験なら、合格はするでしょう。




【案4】政策活動費を禁止する

「選挙は金で決まる」と言われるほど、選挙資金は高額になるようです。
そこで、選挙資金を工面するために、政策活動費等の名目で、政党から候補者へ選挙資金を寄付するようです。
政治資金規正法において、政党から政治家個人への寄付を禁じていないことを利用しているそうです。
2024年の政治資金規正法改正でも、ここは実質的にスルーされています。

二世政治家は、政策活動費を受けやすい立場にあると、想像されます。
そうであれば、二世政治家と他の政治家との間に不公平が生じることになります。
残念ながら、政策活動費の透明性は低く、「公平に分配されている」と言われたとしても、素直に納得できる状態にはありません。

政策活動費に問題があるので、個々の政治家間の公平性を担保するために、「政党から政治家への寄付の禁止」も、対策の一つとなるはずです。





4案を提案しました。
実効性と実績から、第2案の選挙制度の改革(小選挙区制の廃止)が、有効と考えます。

第4案は、選挙制度とは切り離し、政党助成金のあり方を含めて、検討していくべき内容だろうと思います。

通常国会において、石破総理は、企業・団体献金は必要との考えを示しました。
同時に、献金に政治が左右されてはならないとも言いました。


企業が政党に献金するのは、その政党に、企業に有利な政治をして欲しいからです。
もし、政党が、企業からの献金に左右されない政治を行うなら、企業は、献金するのでしょうか。
仮に、政党の動きに関係なく献金するのなら、献金先は、国庫でも問題ないはずです。

企業・団体献金も、個人献金も、政党ではなく、国庫に納めてもらい、政党助成金として配分するのです。
もちろん、配分は、現行の算出方法を用います。
献金が無いなら、政党助成金も無くすのです。



そもそも、献金の賄賂性は、完全には否定できません。
賄賂性が皆無だと言うのなら、前述のように、国庫に納める仕組みを実施できます。

あるべき姿とすれば、献金は全廃するべきでしょう。
もし、献金の制度を残すのであれば、献金先を国庫に固定し、政党助成金として配分するのが、国民が納得できる制度だろうと思います。


個人的には、献金を政党助成金として配分する仕組みができたなら、きっと面白いことになるだろうと、意地悪に思っています。
現時点では、共産党は政党助成金を受けていませんが、献金を政党助成金として配分するようになった時、共産党も政党助成金を受け取るようになったら、企業が献金を続けるのか、見てみたいところです。

おそらく、企業は献金しなくなるでしょう。
逆に言うと、この方式の政党助成金制度は、共産党がキャスティング・ボートを握ることになります。
特定の党がキャスティング・ボートを握るのは良くないので、政党助成金制度自体を縮小・廃止するのが、最終目標となるのです。




「政治には金が掛かる」と言い、政党から活動費として、資金が流れます。
政党をマネーロンダリングに使って、企業から政治家へ資金を流したと思われる例も、過去にはありました。

小選挙区制導入の目的の一つが、金の掛からない選挙を目指してのものでした。
しかし、現実には、選挙区が小さくなったことで、より高密度に資金を落とすことが可能になっただけです。

小選挙区制であろうと、大選挙区制であろうと、金が掛かるのは同じだと言うことです。
なぜなら、「金掛かる選挙」ではなく、「金掛かる選挙」とのスタンスだからです。


この問題を解決するためには、「金が掛からない選挙制度」を目指すのではなく、「金を掛けられない選挙制度」を目指すのが、早道です。
その一つが、選挙資金を断つことです。

献金は全面的に禁止するのが、最も簡単な対策です。
政党助成金も、段階的に絞っていき、最終的に全廃するべきでしょう。
献金と政党助成金で、対処を変えているのは、献金に賄賂性があるのに対し、政党助成金には賄賂性がないためです。

資金が不足すれば、「金が掛からない選挙制度」を模索するしかなく、議論が進むと思います。




献金や政策活動費の現状を考えると、小選挙区制でなければならない理由にはなりません。
第6回で触れた小選挙区制のメリット/デメリットでも、選挙費用は小選挙区制のメリットとは言えないことを書きました。


献金や政策活動費を続けようとする自民党は、小選挙区制とは矛盾する部分があります。

小選挙区制の改正は、選挙費用を切り離して検討を続けられるということです。


「世襲議員が多い」と、誰もが思っています。
同時に、「優秀なら、世襲でも問題ない」との意見もあります。
確かに、優秀な人材を、「世襲だからダメ!」とするのは、国益に反します。

では、今の世襲の国会議員は、皆さん優秀なのでしょうか。



比較のために、将棋のプロ棋士と比較してみましょう。

将棋のプロ棋士は、180人弱です。
国会議員は、衆参合わせて713人です。
国会議員は、プロ棋士の4倍くらいです。

将棋のプロ棋士で、二世(『世襲』はできないので『二世』と呼ぶことにします)棋士は、私が把握できた範囲で6人です。
国会議員は、概ね120人くらいです。
二世が占める割合は、プロ棋士は1/30くらい、国会議員は1/6くらいです。

なんと、国会議員は、プロ棋士の5倍も世襲(二世他)がいるのです。

これは、少々異常に思えます。





プロ棋士は、優れた才能が必要です。
当然、親子であれば、親の才能が遺伝する可能性が高くなります。
親の才能を引き継げる意味では、国会議員の子供も、親から才能が遺伝する可能性は高いでしょう。
もちろん、才能が遺伝する確率は、プロ棋士の親子でも、国会議員の親子でも同じです。

プロ棋士の子供は、親から学ぶことができます。
国会議員も、親の背中で学ぶことができますが、プロ棋士は自宅にいることが多く、国会議員より学ぶ機会を多いと思います。

このように、二世の誕生しやすさは、国会議員でもプロ棋士でも大差はないでしょう。
強いて言えば、プロ棋士の方が有利でしょう。




能力の面では、プロ棋士の方が、二世の比率が高かなりそうですが、現実は大きく異なります。
なぜでしょうか。

一つに、プロ棋士の生活の厳しさを知っているからでしょう。
だから、子供を積極的にプロ棋士にしようとはしないのでしょう。

もし、プロ棋士になったら、無条件に年収(歳費)が2000万円になり、年収以外に1200万円のお小遣い(文書交通費)を貰え、年金(在職10年以上で議員年金)も約束され、3人の弟子(公設秘書)の給料まであるとしたら、どうでしょうか。
(国会議員の歳費を超える収入を得ているプロ棋士は、180人中の5人くらい)
寄付は届ける(政治資金収支報告書)だけでOKで、個人の資金管理団体に登録しておけば、子世代に代わる際にも相続税の対象外にできるなら、どうでしょうか。
JRは乗り放題(JR無料パス)で、東京の中心に安く宿舎(議員宿舎)を借りられ、それとは別に事務所(議員会館)も充てがわれるなら、どうでしょう。
更に、プロ試験(選挙)に、多少は親が関与できるなら、どうなるでしょうね。
二世のプロ棋士は、激増するでしょうね。

ただ、プロ試験に親が関与できないなら、それほど増えないだろうとは思います。
プロ棋士になるには実力が必要なので、子をプロ棋士にしたいと思っても、プロ試験で振るい落とされることになります。



プロ棋士に二世棋士が少ない理由は、見えてきました。

では、政治家に世襲が多いのは、なぜでしょうか。

一つには、給与や権限の大きさがあるでしょう。
他にも、優秀な人でも得られない特権が、国会議員にはあるからでしょう。
例えば、政治資金団体の相続です。
だから、世襲以外では、族議員(公務員から政治家への転身者)が多いのでしょう。

ただ、将棋におけるプロ試験(4段への昇段or編入試験)ほどは、選挙で当選することは厳しくないことが、大きいように思います。
選挙は、地盤・看板・鞄と言われますが、地盤(選挙区)と看板(知名度)は親から世襲できるし、鞄(秘書)さえ引き継げる場合があります。

国会議員で世襲が多いのは、旨みが大きい割には、世襲は容易だからと言えそうです。


見方を変えると、プロ棋士の世界は、親が子に継がせたいとは思わないくらいに厳しい世界だが、国会議員の世界は、親が子に継がせたいと思うほど甘い世界のようです。




二世のプロ棋士は、間違いなく実力がありますが、世襲の国会議員は、実力があるとは限らないとも言えそうです。

特に、小選挙区制のため、個々の選挙区が狭く、地盤の形成が容易であることも、世襲を容易にしています。
実際、世襲議員の8割近くが小選挙区で当選しています。
小選挙区の定数が、全体の6割程度であることを踏まえると、小選挙区制が世襲をしやすくする理由とみて間違いないでしょう。

小選挙区制を見直さなければ、能力が低い世襲議員を産み出すことに繋がり、日本の国益を損ねます。
また、小選挙区制を見直したからと言って、能力が高い世襲議員が落選するとは思えません。
また、能力が低い世襲議員を救済しても、国益には繋がりません。






もし、小選挙区制を廃し、世襲が難しくなると、世襲したい議員は、どんな手段を取るでしょうか。

おそらく、衆議院の比例区に出すでしょう。
名簿順位が高ければ、ほぼ無条件に当選します。

現状の比例区は、ベテラン議員や世襲議員の滑り止めとして使われることが多いのですが、選挙区選挙における地盤が弱くなり、結果的に、比例区の重要性が高まることになります。

となると、今度は、選挙区選挙の定数より、比例区の定数を増やしたい人達が増えるのかもしれません。
それは、国会議員には、職責より旨みが強いことを意味します。


ここまで考えた上で、新しい選挙制度を考え、かつ国会議員の権利を適正化していかなければならないということでしょう。


期日前投票とは、投票日より前に投票できる制度です。
期間は、公示日(または告示日)の翌日から、投票日の前日までです。
近年の選挙では、期日前投票は、投票全体の約4割を占めます。



期日前投票をする場合に、最も問題になるのが、選挙公報が届いていないことなのです。

選挙公報は、法律上は、投票日の前日までに届くようにすれば良いそうです。
多くは、2日前か、3日前に手元に届きます。
選挙公報では、候補者を吟味した投票は、投票日にしかできないことになります。

これは、見直した方が良いでしょう。




選挙公報を発行する期限は、なぜ投票日の前日なのでしょうか。
元々、期日前投票はオマケの扱いで、投票日に投票するのを当たり前としていたのでしょう。
もう一つは、選挙期間で決まったのではないかと、想像します。

選挙運動期間は、町村長や町村議員が最も短く、5日間です。
例えば、6月1日に告示された場合、選挙運動期間は6月1日から6月5日まで、投票日は6月6日になります。
この場合、選挙公報は、6月5日には有権者に届けなければならず、6月4日には印刷を終わっておく必要があります。
つまり、告示日の6月1日に、各候補者から選挙公報を受け取り、直ちに印刷が可能か簡単なチェック(公序良俗に反しない、文字が小さすぎない等)を行い、6月3日に最終稿を受け取れば、ギリギリ6月4日には印刷を上げられると思います。


このように、告示日から4日に以内なら、何とか届けることができそうです。
ただ、参議院の比例区は、実質的に全国区です。
なので、輸送も考える必要があります。
昔は、夜行列車に荷物車が併結されていて、新聞を運搬していましたが、今は、そのような運搬手段はありません。
なので、輸送にも1日くらいは必要になります。

選挙公報は、告示日から5日以内なら、対応可能でしょう。



もう一つの選挙公報の公開方法が、ネット空間での公開です。

2011年の片山総務相の発言を機に、選挙管理委員会のホームページで選挙公報を公開するようになっています。


こちらは、認知度は兎も角、別の議論がされています。
選管ホームページの選挙公報は、いつ消去するべきなのか、議論になっています。
候補者が公約を守ったのかを確認するため、選挙広報を残してほしいとの意見があります。

ただ、選挙公報を残すと、再選がベースになります。
つまり、再選の候補だけが評価され、新人候補を無視することになります。
これは、公平性に反することになります。


公約を守ったのかどうかは、候補者本人のホームページか、前回の選挙公報を残しておくことで、確認できます。
候補者本人の評価は、あてになるものではありませんが、それなら、前回の選挙公報を残しておくことです。
選挙公報は、参議院、衆議院、県知事、県議、市町村長、市町村議の6選挙を残すだけです。



小選挙区制の議論からは外れましたが、選挙のあるべき姿を考える上で、こういった部分の議論も必要だろうと思います。

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